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POLA(ポーラ)の「リンクルショット」から、2026年8月1日にブランド初となるベーシックケアが登場しました。化粧水の「リンクルショット ローション」(本体135mL 税込9,350円)と、夜用の「リンクルショット ナイト クリーム」(40g 税込13,200円)の2品同時発売です(出典2)。
「リンクルショット」と聞いて、日本で初めてシワ改善が認められた医薬部外品有効成分ニールワン®を思い浮かべた方は多いと思います。正直に言うと、私も最初は「あの美容液の化粧水版が出たのかな」と思いました。でも全成分を見ると、有効成分の表示はどこにもありません。このローションはニールワン®を配合しない、通常の化粧品なんです。
では何が「リンクルショット」なのか。公式が打ち出しているのは、この春に発表された新処方「凹凸フィットベール技術」と、ポーラ化成工業のシワ研究から生まれた成分の組み合わせです。今日はその公式の説明を全成分表と突き合わせながら、この化粧水が肌に何をしてくれるのかを見ていきますね。

名前のインパクトが強いぶん、期待の方向をそろえておくのが大事な製品だと思います。「シワを改善する美容液」ではなく、「乾燥小じわの土台を整える化粧水」。ここさえ押さえれば、けっこう面白い処方をしています。
【はじめての方必読】当サイトの成分解析について
- 成分解析は各成分の一般的な配合目的を記載したもので、製品の効果効能を保証するものではありません。
- リニューアル等により全成分が変更される可能性があります。見つけた場合はお問い合わせフォームから教えて頂けると助かります。
ひとことで言うと

ひとことで言うと、「オイルを目に見えないくらい細かくして、シワの溝の中まで水と一緒に届ける」ことに振り切った化粧水です。ポーラは4種のオイルを20〜200nmまで微細化し、油になじむ部分を持つ高分子と組み合わせて、シワの溝の側面にもうるおいのベールがとどまるようにした——と説明しています(出典3)。全成分を見ると、その説明にちゃんと対応する成分が並んでいました。ただし医薬部外品有効成分ニールワン®は入っていないので、期待するのは「シワ改善」ではなく「乾燥による小じわを目立たなくする」うるおいケア。そこを分かって使えば、とても丁寧に作られた1本だと思います。
このアイテムのポイント
基本情報

| ブランド | リンクルショット/POLA(ポーラ) |
| 価格・容量 | 本体135mL 税込9,350円/リフィル135mL 税込8,800円 |
| 発売日 | 2026年8月1日 |
「リンクルショット」なのにニールワン非配合?
まずここを整理させてください。リンクルショットというブランドは、2016年7月にシワを改善する医薬部外品有効成分として初めて承認されたニールワン®(三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸Na)を配合した美容液で知られています。ポーラはこの成分を「真皮成分の分解と生成のバランスを整えることで、肌本来の力によるシワ改善に働く」と説明しています(出典7)。
その系譜にある今回のローションとナイトクリームは、ブランド初の「ベーシックケア」展開という位置づけです(出典2)。ニールワン®は配合されておらず、全成分表にも有効成分の欄はありません。つまり本品が言えるのは「乾燥による小じわを目立たなくする」までで、医薬部外品としての「シワを改善する」ではないんですね。
これはがっかりする話ではなく、役割分担の話だと思っています。シワ改善そのものはニールワン®配合の美容液(リンクルショット メディカルセラムNの解析もどうぞ)が担い、その手前でうるおいの土台をつくるのがこのローション。公式も「乾燥小じわ研究から生まれたリンクルショットのオイルインローション」という言い方をしています(出典1)。
なお公式ECの商品ページには「乾燥による小じわを目立たなくする効能評価試験済み」と記載があります(出典1)。これは所定の方法で自社試験を実施したという表明で、数値や試験方法までは公開されていません。

「シワを改善する」と「乾燥による小じわを目立たなくする」は、法律上まったく別のことを言っています。前者は医薬部外品の有効成分の話、後者は保湿でふっくら見せる話。この化粧水は後者担当だと思って選ぶのが正解です。
凹凸フィットベール技術とは|4種オイルがシワの凹凸に密着する処方
ポーラ・オルビスホールディングスは2026年5月15日に、”シワのための”新処方として「凹凸フィットベール技術」を開発したと発表しました(出典3・出典6)。狙いは「シワのある肌の複雑な凹凸にも化粧水がすみずみまで行きわたり、うるおいがとどまり続ける」こと。この技術が最初に載ったのが本品というわけです。
ナノエマルション化した4種のオイル
ひとつめの柱がナノエマルション技術です。ポーラは油剤を20〜200nm程度という非常に細かい粒子にすることで、「化粧水らしいみずみずしい感触を保ちながら、油剤由来のエモリエント効果」を出したと説明しています(出典3)。オイルの粒が大きいと、白く濁ってべたつく乳液に近づいてしまう。粒を細かくすると光の散乱が減って透明に近づき、肌の上でも均一に広がりやすくなります。
公式が「4種のオイル」として個別に役割を説明しているのが、次の4つです(出典1)。カッコ内は全成分表での配合順です。
- [スクワラン](10番)…皮脂にも含まれる炭化水素油で、酸化しにくく肌なじみのよいエモリエント。メーカーは「肌をやわらげる」役割と説明。
- [マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル](14番)…植物ステロールに脂肪酸を結合させた油性成分。皮脂膜に近いやわらかい感触で、バリア機能のサポート目的で使われます。メーカーは「肌を整える」役割と説明。
- [オレイルアルコール](27番)…高級アルコール系のエモリエント。乳化を助け、伸びのよい使用感に寄与します。メーカーは「うるおいを与える」役割と説明。
- [ワセリン](29番)…肌表面に薄い膜をつくって水分の蒸発を抑える、密封(オクルーシブ)の王道成分。メーカーは「密着感向上」役割と説明。
おもしろいのは、4つのうち3つが化粧水にはあまり入れない”重め”の油分だという点です。特に[ワセリン]は本来こってりしたクリーム・軟膏の成分で、みずみずしい化粧水と両立させるのは簡単ではありません。それをナノサイズまで細かくすることで、「オイル美容液のような感触」と化粧水らしさを同居させた、というのがメーカーの主張です(出典1)。

化粧水に[ワセリン]が入っているのを見て、思わず二度見しました。粒を小さくして「重い油を軽い顔で使う」のは、処方としてはかなり手のかかる仕事だと思います。
親油性の高分子で凹凸に密着させる仕組み

もうひとつの柱が高分子(ポリマー)です。ポーラは「親油基(油になじみやすい部分)を持つ高分子を組み合わせることで、シワ溝の側面にも密着し、うるおいのベールを保持する構成」と説明しています(出典3)。
全成分表でその説明にいちばんよく当てはまるのが、30番目の[(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー]です。名前のC10-30というのは炭素数10〜30の長いアルキル鎖のことで、これがまさに「親油基」にあたります。水になじむ骨格に油になじむ手足が生えているような構造で、油の粒を抱えたままとろみをつけ、肌の上で膜として残ってくれる。プレスリリースの表現と全成分表が、きれいに符合します。
さらに21番の[イソステアリン酸ポリグリセリル-10]、22番の[ビスPEG-18メチルエーテルジメチルシラン]は、どちらも油を細かい粒に分散させて安定に保つ乳化剤。ナノエマルションを崩さず製品として成立させる、縁の下の力持ちです。
研究で分かっていること
ポーラは凹凸フィットベール技術の評価として、①人工皮革に滴下する接触角測定でなじみやすさの向上を確認、②シワの溝を模したモデルで側面に密着しながら下方まで到達することを確認、③微細な凹凸のモデルで凹凸内部に入り込んでとどまることを確認、と報告しています(出典3)。ただし接触角の具体的な数値や学会発表名までは公開されておらず、ヒトを対象にした臨床データも現時点では開示されていません。
数値が出ていないので「どれくらいすごいのか」は正直まだ分かりません。ただ、モデル実験のレベルとはいえ何をどう評価したのかを具体的に説明している点、そして技術の説明に対応する成分が実際に配合されている点は、私はかなり好印象でした。名前だけ先行している技術ではなさそうです。

要は「細かくしたオイルを、油になじむ高分子でシワの溝にひっかけて留める」処方。数値の公開はこれからですが、成分表と説明が矛盾していないので、私は素直に受け取っていいと思っています。
全成分から見えてくる処方の中身
全33成分は配合量の多い順(1%以下は順不同)で表示されています。上位の[水][BG][グリセリン]あたりは配合量が多いとみられ、そこから[スクワラン]までは化粧水の土台としてある程度まとまった量が入っていると考えられます。11番の[オレンジ花水]以降に並ぶ植物エキス群は、化粧品の一般的な傾向として1%以下の帯に入ることが多い位置です。ただし順番だけで「多い・少ない」を断定はできませんし、美容系のエキスは1%以下でも十分に働くものが多いので、後ろだから意味がない、という読み方はしません。
保湿基剤(水・BG・グリセリン・グリセレス-12など)
- [BG](2番)…定番の保湿剤・溶剤。防腐剤の効きを助ける働きも兼ねます。
- [グリセリン](3番)…肌のうるおい成分(天然保湿因子)に近い、代表的な保湿剤。角質の水分保持を助けます。
- [グリセレス-12](4番)…グリセリンを改良した成分で、グリセリン単体より皮膜性・保湿の持ちがよいとされます。
- [PEG-8][PEG-32][PEG-6](5〜7番)…分子量ちがいのポリエチレングリコール。保湿・可溶化・とろみの調整を分担しています。
- [DPG](8番)…溶剤・保湿剤。機能性成分を処方に溶け込ませる補助役。
- [イソペンチルジオール](9番)…保湿性と溶解性に加えて静菌性も持つ多価アルコール。防腐剤の配合量を抑える目的でも使われる成分です。
- [ジグリセリン](20番)…グリセリンが2つつながった保湿剤。しっとり感を出しつつ、べたつきを抑える方向で使われます。
上位に多価アルコール(グリコール類)が7つも並ぶのは、この製品のキャラクターがよく出ているところだと思います。オイルを細かく分散させた処方は、水と油の境目をどう安定させるかが勝負。こうした溶剤・保湿剤が「油を溶かし込む場」をつくっていると考えられます。

ベース部分は奇をてらわない、王道の保湿処方。[イソペンチルジオール]のように防腐をやさしく助ける成分が入っているのも、地味ですが好きなポイントです。
注目|クチナシ果実エキス×ヒメフウロエキス

15番の[クチナシ果実エキス]と16番の[ヒメフウロエキス]。この隣り合った2つが、私がこの化粧水でいちばん注目している組み合わせです。
ポーラ化成工業は2026年5月、シワについての新しい研究成果を発表しました。ポイントは「シワにはシワのための保湿メカニズムがある」という考え方です(出典4・出典5)。
少しだけ専門的な話をさせてください。角層のうるおいのもとになる「天然保湿因子」は、フィラグリンというタンパク質が細かく分解されてつくられます。その分解のスイッチを入れる酵素のひとつが「SASPase(サスペース)」。ポーラ化成工業は、シワの部分ではこのSASPaseの発現が低下していることを見つけた、と報告しています。つまりシワの溝は、形が凹んでいるだけでなく、うるおいをつくる工程そのものが弱っている場所だ、という見方ですね。
研究で分かっていること
ポーラ化成工業は、[ヒメフウロエキス]と[クチナシ果実エキス]の混合エキスが、表皮細胞を使った試験でSASPaseの発現を約2倍に高め、シワの形成に関わるとされる炎症のシグナル物質「IL-8」の発現を約30%抑えたと報告しています(出典4・出典5)。これは培養した細胞を使った試験(ヒト臨床試験ではない)で、企業自身が発表した研究データという位置づけです。あやかカンパニーで確認した範囲ではポーラ化成工業のリリース原文に直接アクセスできず、業界紙2媒体の報道を通じての把握になります。
この2つが実際に15番・16番に並んで配合されているのを見つけたときは、ちょっと嬉しくなりました。研究発表と製品の中身がつながっている、というのは分かりやすい誠実さだと思うんです。手前に14成分あるので配合量順の目安では上位とは言えませんが、この手のエキスは1%以下でも設計意図を持って入れられるものなので、順番だけで評価はしません。

ざっくり言うと「シワの溝はうるおいをつくる力が落ちている。そこを助けるエキスを入れました」という話。細胞試験の段階のデータなので過信はしませんが、乾燥小じわに向き合うという商品の設計思想がここに出ていると思います。
和漢植物エキス群(ヒキオコシ葉/茎・レンゲソウ・ヨモギ葉・モモ葉・スギナ)
ポーラらしいのが、和漢のエキスが5種類も並んでいるところ。いずれも原料メーカーの試験や成分資料で機能性が報告されている成分で、整肌・保湿のサポート役として組み込まれています。
- [ヒキオコシ葉/茎エキス](12番)…シソ科植物由来。抗炎症的な働きや、肌のバリア機能をサポートする働きが報告されており、整肌目的で使われる成分です。
- [レンゲソウエキス](13番)…マメ科植物由来。ハリに関わるコラーゲンを分解する酵素のはたらきを抑える方向の報告が、原料メーカーの試験としてあります。
- [ヨモギ葉エキス](17番)…和漢の定番。抗炎症・抗酸化系の報告が多く、肌荒れ防止・整肌目的で広く使われます。
- [モモ葉エキス](18番)…バラ科モモの葉由来。タンニンやフラボノイドを含み、保湿・抗炎症・穏やかな引き締めでキメを整える方向の成分です。
- [スギナエキス](19番)…トクサ科スギナ由来。有機ケイ素やミネラルを含み、ハリ感のサポートや抗酸化的な報告があります。
このあたりは原料メーカーの試験報告が中心で、査読つきの臨床データでこの製品の効果が示されているわけではありません。ただ「乾燥小じわ」というテーマに対して、うるおいをつくる力・バリア・炎症の抑えという複数の入口から攻めている構成は、ちゃんと筋が通っていると感じます。

和漢エキスは「なんとなく良さそう」で入れられがちなジャンルですが、ここは全部が保湿・バリア・炎症どまわりで揃っていて、方向がバラけていません。処方の意図が読めるのは気持ちがいいです。
pH調整・防腐まわり
残りは処方を成立させる裏方です。[水酸化K](25番)・[クエン酸Na](26番)・[クエン酸](28番)はpHの調整と緩衝。[コハク酸ジエトキシエチル](23番)は溶剤兼エモリエントで、肌にやわらかさを与えつつ処方を安定させます。[ヒドロキシエチルセルロース](31番)はセルロース由来の増粘剤で、とろみと使用感を整える役です。
防腐は[フェノキシエタノール](32番)と[メチルパラベン](33番)。どちらも最後尾で、上位の[イソペンチルジオール]が静菌をサポートする組み合わせになっているので、防腐剤そのものの量はかなり抑えられていると考えられます。
正直に気になる点
技術の裏づけデータは、まだ数値が出ていない
凹凸フィットベール技術については、接触角測定・溝側面モデル・微細凹凸モデルという評価方法までは公開されているものの、具体的な数値や学会発表名は出ていません(出典3)。クチナシ果実エキス×ヒメフウロエキスのデータも、培養細胞での企業発表という段階です(出典4)。
これは「怪しい」という話ではなくて、発表されたばかりの新技術だから情報がまだ出そろっていないという現在地の話です。ポーラは研究成果を継続的に発表してきたメーカーなので、今後もう少し詳しい報告が出てくる可能性はあると思っています。
エタノールが24番目に入っている
[エタノール]は33成分中24番目。上位ではないので極端な高濃度は考えにくい位置です。この処方でエタノールが入っている理由としては、油分を含む処方でみずみずしい軽さを出すこと、エキス類を溶かし込むこと、防腐のサポートあたりが考えられます。オイルを含みながら化粧水の顔をしていることを思うと、必要があって入っている成分だと思います。
とはいえ、アルコールでピリつく・つっぱると感じる方は一定数いらっしゃるので、そこは事前に知っておきたいところです。
135mLで9,350円という価格
化粧水としてはしっかりプレステージ価格です。しかも本来のリンクルショットの主役であるニールワン®配合の美容液は別売りなので、ライン使いを考えると全体の出費はかなり大きくなります。
救いはリフィル(135mL 税込8,800円)が用意されていること。差額は550円と大きくはありませんが、容器を使い続けられるぶん、続けやすさは上がると思います。もし予算が限られていて「シワそのもの」が最大の悩みなら、化粧水よりも先に有効成分入りの美容液に予算を回したほうが、目的にはまっすぐです(本気のシワ改善化粧品まとめもどうぞ)。

気になる点をまとめると「データの続報待ち」「アルコールの好み」「お値段」の3つ。処方そのものにケチをつけるところは、正直あまり見当たりませんでした。
こんな人に向いている/確認したい人
🙆♀️ 向いていそうな人
- しっかり保湿ケアをしていても、乾燥による小じわ・キメの乱れが戻ってきてしまう人
- ニールワン®配合の美容液を使っていて、その手前のうるおいの土台から整えたい人
- 化粧水なのにオイルのような充実感がほしい人(4種のオイルをナノ化した処方です)
- 処方技術や自社研究の裏づけを見てから選びたい人
🔍 事前に確認したい人
- 「リンクルショット」の名前からシワ改善そのものを期待している人 → 本品はニールワン®非配合の化粧品です
- アルコールでつっぱりやすい人 → [エタノール]が24番目に入っています
- パラベンを避けたい人 → [メチルパラベン]が最後尾に配合されています
- さっぱり軽い化粧水が好きな人 → オイルインなので、みずみずしさの中にも充実感のある感触です

「シワを消したい」で選ぶとズレますが、「乾燥で溝が目立つのをどうにかしたい」で選ぶと噛み合う1本。目的の言い換えができるかどうかが、満足度の分かれ目だと思います。
よくある質問
Q. ニールワン配合のメディカル セラムとどう違いますか?
A. いちばん大きな違いは区分です。メディカル セラムは医薬部外品で、有効成分ニールワン®によって「シワを改善する」と言える製品(出典7)。このローションは通常の化粧品で、言える範囲は「乾燥による小じわを目立たなくする」までです。役割としては、美容液がシワそのものにアプローチし、ローションがうるおいの土台をつくる、という分担になります。どちらかを選ぶというより、悩みの中心がシワなら美容液が先だと思います。
Q. 乾燥小じわは本当に目立たなくなりますか?
A. 公式ECには「乾燥による小じわを目立たなくする効能評価試験済み」と記載があります(出典1)。これは所定の方法で試験を行ったという表明で、数値までは公開されていません。ただ、乾燥小じわは角層が水分を含んでふっくらすると目立ちにくくなるタイプのもの。オイルをナノ化して溝までなじませ、高分子でとどまらせるという設計は、この目的に対して理屈が通っています。理論上は、乾燥でくっきり見えていた細かい溝がやわらいでいく期待は十分に持っていいと思います。刻まれた深いシワを消す製品ではない、という線引きだけはしておいてくださいね。
Q. 敏感肌でも使えますか?
A. 全体としては保湿基剤・油分・植物エキスが中心の穏やかな構成で、[ヒキオコシ葉/茎エキス]や[ヨモギ葉エキス]のように肌荒れ防止方向の成分も入っています。一方で[エタノール]が24番目に配合されているので、アルコールが苦手な方は様子を見ながらのほうが安心です。植物エキスが多い処方なので、特定の植物にアレルギーがある方は成分表を確認してから使ってください。
まとめ

最後にまとめますね。リンクルショット ローションは、ニールワン®を配合しない「ベーシックケア」としての化粧水です。主役は公式の新処方「凹凸フィットベール技術」で、4種のオイルをナノサイズまで細かくし、油になじむ部分を持つ高分子でシワの凹凸にとどまらせる設計。そこにポーラ化成工業のシワ研究から来た[クチナシ果実エキス]×[ヒメフウロエキス]が加わります。
技術の裏づけはまだ数値の公開待ちですし、価格もやさしくはありません。それでも、公式の説明と全成分表がきれいに対応していて、「乾燥小じわ」というテーマに対してうるおい・バリア・炎症の抑えという複数の入口から手を打っている点は、私はとても好きです。
「シワを消す化粧水」ではなく「シワの溝までうるおいを届ける化粧水」。そう理解して選べば、期待を裏切られることの少ない1本だと思います。
全成分と特徴
| 成分名 | 役割 | 特徴 |
|---|---|---|
| 水 | 基剤 | 処方のベースとなる精製水 |
| BG | 保湿・溶剤 | 定番の多価アルコール。防腐の効きを助ける働きも兼ねる |
| グリセリン | 保湿 | 天然保湿因子に近い代表的な保湿剤。角質の水分保持を助ける |
| グリセレス-12 | 保湿 | グリセリンの改良型。皮膜性と保湿の持続性が高いとされる |
| PEG-8 | 保湿・可溶化 | 分子量の小さいポリエチレングリコール |
| PEG-32 | 増粘・感触調整 | 分子量の大きいポリエチレングリコール |
| PEG-6 | 保湿・可溶化 | 中間分子量のポリエチレングリコール |
| DPG | 溶剤・保湿 | 機能性成分を溶け込ませる補助役の多価アルコール |
| イソペンチルジオール | 保湿・静菌 | 保湿性と溶解性に加え静菌性を持ち、防腐剤の量を抑えられる |
| スクワラン | エモリエント(4種オイル) | 皮脂に近い炭化水素油。酸化しにくい。公式は「肌をやわらげる」 |
| オレンジ花水 | 整肌・賦香 | ビターオレンジの花の芳香蒸留水 |
| ヒキオコシ葉/茎エキス | 整肌・バリアサポート | シソ科由来。抗炎症とバリア機能サポートの報告がある |
| レンゲソウエキス | 整肌 | マメ科由来。コラーゲン分解酵素の抑制方向の報告(原料メーカー試験) |
| マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル | エモリエント(4種オイル) | 植物ステロール由来。皮脂膜に近い感触。公式は「肌を整える」 |
| クチナシ果実エキス | 整肌(キー成分) | ヒメフウロエキスとの混合で SASPase/IL-8 への作用が報告(出典4) |
| ヒメフウロエキス | 整肌(キー成分) | クチナシ果実エキスとの混合でポーラ化成工業が研究発表 |
| ヨモギ葉エキス | 整肌 | 和漢の定番。抗炎症・抗酸化系の報告が多い |
| モモ葉エキス | 整肌・保湿 | タンニン・フラボノイドを含み、キメを整える方向で使われる |
| スギナエキス | 整肌 | 有機ケイ素・ミネラルを含む。ハリ感サポートの報告がある |
| ジグリセリン | 保湿 | グリセリンが2つ結合した保湿剤。べたつきを抑えたしっとり感 |
| イソステアリン酸ポリグリセリル-10 | 乳化 | 油分を細かい粒子に分散させるポリグリセリン系乳化剤 |
| ビスPEG-18メチルエーテルジメチルシラン | 乳化 | シリコーン系のPEG変性乳化剤。なめらかな水中油型乳化を助ける |
| コハク酸ジエトキシエチル | 溶剤・エモリエント | 肌に柔軟性を与えつつ処方の安定化に使われる |
| エタノール | 溶剤・感触調整 | 軽さ・清涼感と溶解補助、防腐サポート。24番目で上位ではない |
| 水酸化K | pH調整 | アルカリ側への調整剤 |
| クエン酸Na | pH緩衝 | 処方のpHを安定させる |
| オレイルアルコール | エモリエント(4種オイル) | 高級アルコール系。乳化を助け伸びをよくする。公式は「うるおいを与える」 |
| クエン酸 | pH調整 | 酸側への調整剤 |
| ワセリン | 密封(4種オイル) | 水分の蒸発を抑える保護成分。公式は「密着感向上」 |
| (アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー | 増粘・乳化安定 | C10-30の親油性アルキル鎖を持つ高分子。凹凸フィットベール技術の中核候補 |
| ヒドロキシエチルセルロース | 増粘 | セルロース系。とろみと使用感の調整役 |
| フェノキシエタノール | 防腐 | 広く使われる汎用の防腐剤 |
| メチルパラベン | 防腐 | パラベン系防腐剤。静菌成分との併用で量は抑えられていると考えられる |
※配合の正確な順序・全項目は商品の全成分表示をご確認ください。配合量は非公開です。
特性タグ:保湿/エイジングケア/オイルインローション/ナノエマルション処方/和漢植物エキス/アルコール配合
参考文献・出典
- POLA公式ECサイト「リンクルショット ローション(本体 135mL)」商品詳細ページ(全成分表示・価格・使い方・4種オイルの役割説明・「乾燥による小じわを目立たなくする効能評価試験済み」の記載):https://www.pola.co.jp/ec/products/g-1733/
- 株式会社ポーラ ニュースリリース「『リンクルショット ローション』『リンクルショット ナイト クリーム』2026年8月1日誕生」(PR TIMES、2026年8月1日):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000739.000036737.html
- 株式会社ポーラ・オルビスホールディングス ニュースリリース「”シワのための”新処方『凹凸フィットベール技術』を開発」(PR TIMES、2026年5月15日/ナノエマルション技術・親油基を持つ高分子・接触角測定/溝側面モデル/微細凹凸モデルによる評価):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000185.000092303.html
- FASHIONSNAP「ポーラ化成工業が、シワにおける3つの新たな研究成果を報告」(2026年5月18日/シワ部位でのSASPase発現低下、ヒメフウロエキス×クチナシ果実エキス混合エキスによるSASPase発現の上昇・IL-8発現の抑制。表皮細胞を用いた企業発表研究):https://www.fashionsnap.com/article/2026-05-18/pola-erinkle-research/
- 国際商業オンライン「ポーラ化成工業、シワには”シワのための保湿メカニズム”があることを発見」(出典4と同じ研究発表を扱った業界紙報道):https://kokusaishogyo-online.jp/2026/05/385873
- 国際商業オンライン「ポーラ化成工業、シワのための新処方『凹凸フィットベール技術』を開発」:https://kokusaishogyo-online.jp/2026/05/386207
- POLA公式ブランドサイト「リンクルショット サイエンス」(医薬部外品有効成分ニールワン®の作用機序・2016年7月のシワ改善有効成分としての承認):https://www.pola.co.jp/brand/wrinkle/science/index.html

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