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今回は、ディオールのリップグロス「アディクト リップ マキシマイザー」の全成分を見ていきます。なぜ塗るとふっくら見えるのか、ツヤや塗り心地は何で決まっているのか、成分から確かめてみました。
目次(14項目)
ひとことで言うと

ボリュームアップの秘密は、[トウガラシ果実エキス]と[メントキシプロパンジオール]です。塗った瞬間のピリッ・スーッとした感覚で、唇をふっくら見せます。そこに、唇に密着する樹脂やしっとりした油が重なって、ツヤとふっくら感が続くグロスです。ただし、ピリピリを許せるかは選ぶときのポイントです。
- トウガラシ果実エキスとメントキシプロパンジオール:塗った瞬間のピリッ・スーッで、唇をふっくら見せる
- 水添アビエチン酸メチルほか:唇に密着してツヤを長持ちさせる、樹脂やしっとり系の油が土台
- セイヨウミザクラ種子油とヒアルロン酸Na:公式が案内するチェリーオイルと保湿成分。自然由来指数は90%と案内
基本情報

| ブランド | ディオール(Dior) |
| 価格・容量 | 4,840円(税込)/6mL |
| 発売日 | 2023年1月20日(現行処方)。それ以前は旧処方 |
全成分(27成分)
水添アビエチン酸メチル、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ホホバエステル、ポリグリセリル-3ミツロウ、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、パルミチン酸エチルヘキシル、合成フルオロフロゴパイト、ジパルミトイルヒドロキシプロリン、メントキシプロパンジオール、香料、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セイヨウミザクラ種子油、エチルバニリン、水酸化Al、トリヒドロキシステアリン、トコフェロール、トウガラシ果実エキス、ヒアルロン酸Na、酸化スズ、グルコマンナン、ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシヒドロケイヒ酸オクタデシル、(+/-)酸化鉄、酸化チタン、赤202、青1
成分ごとの役割と特徴は、記事のいちばん最後の表にまとめています。
全成分の出どころディオール公式サイト(日本)の商品ページ「成分一覧」(2026年10月確認)。公式ページには「製品の改良や表示方法の変更などにより、実際の成分と一部異なる場合があります」との注記があります。
読み方の注意全成分は配合量の多い順。1%以下の成分と着色剤は順不同で書けるため、後半の並びから配合量は読み取れません。「(+/-)」以降の色素は色番号ごとに変わります。
【はじめての方必読】当サイトの成分解析について
- 成分解析は各成分の一般的な配合目的を記載したもので、製品の効果効能を保証するものではありません。
- リニューアル等により全成分が変更される可能性があります。見つけた場合はお問い合わせフォームから教えて頂けると助かります。
トウガラシ果実エキスとメントキシプロパンジオール|ピリピリとふっくら感の理由

マキシマイザーの個性は、塗った瞬間のピリッとした熱感と、そのあとのスーッとした冷感です。この2つが、マキシマイザーのふっくら見えを作っています。
熱感のもとは[トウガラシ果実エキス]です。トウガラシの辛味成分が唇に熱さを感じさせ(しくみは下の枠で)、その熱感と一緒に血行が促されて、唇がぷっくり見えると言われています。
そこに[メントキシプロパンジオール]のひんやり感が重なります。温感と冷感が一緒に出るので、あの独特の「ピリスー」になるんですね。
トウガラシの辛味成分カプサイシンは、痛みや熱さを感じるセンサー(TRPV1)に作用して、熱感やヒリヒリ感を起こします。
さらに、このセンサーが反応すると、神経の末端から血管を広げる物質(CGRPなど)が出て、その部分の血流が増え、少し赤くなったり腫れぼったくなったりすることも分かっています。
つまり唇では、ヒリヒリした刺激で血流が増え、軽く腫れることで、塗っているあいだ一時的にふっくら見えるというしくみです。ただし、マキシマイザーそのもので試したデータは公表されていません。
出典:Caterina MJ ほか, Nature, 1997(動物・細胞)[出典5]/Holzer P, Pharmacological Reviews, 1991(総説)[出典6]

この「ぷっくり感」は、ツヤで見せるグロスとは出し方がまったく別なんですよね。ピリピリを楽しめる人にはクセになるし、苦手な人はつらいかも。ここが好みの分かれ目だと思います。
ちなみに、刺激ではなく、厚いオイル膜のツヤでふっくら見せるタイプもあります。くわしくはest ザ リップセラムの成分解析で取り上げています。
マキシマイザーの美容成分はどのくらい入っている?
美容成分として目に入るのは、[ジパルミトイルヒドロキシプロリン]、[セイヨウミザクラ種子油]、[ヒアルロン酸Na]、[グルコマンナン]あたりです。公式はチェリーオイルとヒアルロン酸を案内しています[2]。
それぞれの働きは、こんな感じです。
- ジパルミトイルヒドロキシプロリン:コラーゲンの材料になるアミノ酸(ヒドロキシプロリン)に、油になじむ脂肪酸をつないだ成分。油ベースのグロスにも混ぜやすく、唇の表面をなめらかに整える目的で使われます。
- セイヨウミザクラ種子油(チェリーオイル):オレイン酸やリノール酸を多く含む植物油。唇をやわらかく保ち、乾燥から守るエモリエントの役割です。
- ヒアルロン酸Na:水分を抱え込む、定番の保湿成分。唇のうるおいを保つ目的で入っています。
- グルコマンナン:こんにゃく芋に含まれる多糖類。うるおいを保ちながら、薄い膜をつくって塗り心地を整えます。
なお、ヒアルロン酸Naのように少ない量で使われやすい成分は、表示の位置から量を読めません。ここで言えるのは「入っている」までです。
全体を見ると、上位は油とワックスが中心です。マキシマイザーは水を使わない油ベースのグロスなので、うるおいを足すというよりは、油の膜で唇をおおってツヤを出す設計と受け止めています。
チェリーオイルは、土台の油のひとつとして14番目に入っています。美容液のような保湿力を期待するより、グロスの感触をやわらかく整える成分として見るのが近いと思います。
処方の全体像(全成分27種を役割別に)
土台はワックスとエステル油です。[水添アビエチン酸メチル]から[ホホバエステル]、[ポリグリセリル-3ミツロウ]までの上位が、グロスのツヤと厚み、ぷるっとした形を作っています。
粉体は[合成フルオロフロゴパイト]と[酸化スズ]がきらめきを出し、[水酸化Al]が粉の表面を整えます。色は[酸化鉄][酸化チタン][赤202][青1]などで作られ、色番号ごとに入る色素が変わります。
旧001は有機合成色素が11種類とカルミンまで入る複雑な色づくりでしたが、公式ページに出ていた色の例では、色素の数はぐっと少なくなっています。ほかの色番号は色素が違うので、気になる色は箱の表示で確かめてください。
香りは[香料]と[エチルバニリン]で、バニラのような甘い香りがついています。酸化防止は[トコフェロール]ともう1つの酸化防止剤が受け持っています。
2023年のリニューアルで全成分はどう変わった?
マキシマイザーは2023年1月20日に、16年ぶりに処方が変わりました[1]。旧処方は「コラーゲン・ヒアルロン酸微粒子配合のリップグロス」と案内されていました[3]。
その全成分は、このサイトで公開していた元の解析(旧001)で確認したものです。土台の油、ピリピリ成分、保湿成分、香りなどを比べてみます。
| 旧処方(〜2022年) | 現行処方(2023年1月〜) | |
|---|---|---|
| 土台の油 | ポリブテン、リンゴ酸ジイソステアリル、ミネラルオイルなど | 水添アビエチン酸メチル、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ポリグリセリル系、ホホバエステルなど |
| ピリピリ成分 | トウガラシ果実エキス+メントキシプロパンジオール | どちらも入っている |
| 保湿成分 | ジパルミトイルヒドロキシプロリン、ヒアルロン酸Na、BG、カプリリルグリコールなど | ジパルミトイルヒドロキシプロリン、ヒアルロン酸Na、グルコマンナン、セイヨウミザクラ種子油 |
| 香り | 香料、リモネン | 香料、エチルバニリン |
| 防腐・酸化防止 | フェノキシエタノールなどの防腐成分、BHT、没食子酸プロピル | 防腐が目的の成分は表示に見当たらず、酸化防止はトコフェロールなど |
いちばん大きな違いは土台の油です。旧処方は石油系のポリブテンやミネラルオイルが中心でしたが、現行は松ヤニ由来の樹脂系の油やポリグリセリン系のエステル、ホホバ由来のワックスが前に出ています。
この入れ替えで、塗り心地が変わってきます。旧処方の主役だった[ポリブテン]は、水あめのように粘りの強い油です。厚くてツヤのある膜になる反面、唇にペタッと貼りつくような重さや、べたつきが出やすいタイプでした。
一方、今の処方の[水添アビエチン酸メチル]は、松ヤニ由来の樹脂。唇にぴたっと密着して、ツヤを長持ちさせる役目です。そこに、ラノリンに近いしっとり感のある[ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル]と、のびのいいポリグリセリン系のエステルが加わります。
つまり、旧処方よりのびがよく、べたつきを抑えながら、ツヤと密着が続きやすい組み立てに変わっています。さらに、[ホホバエステル]と[ポリグリセリル-3ミツロウ]のワックスが、グロスの形とやわらかさを支えています。
また、公式は自然由来指数90%の処方として案内しています[2]。現在は4つの質感・全24色の展開で、色の選択肢も広がりました[1]。

土台の油が変わったぶん、前のマキシマイザーを使っていた人は、のびやべたつきの違いを感じるかも。気になる人はテスターで確かめてみてね。
買う前に確認したいこと
塗るとピリピリしますか?
します。[トウガラシ果実エキス]と[メントキシプロパンジオール]が入っているので、塗った瞬間にピリッ・スーッとします。唇が荒れているときや敏感なときは、刺激を強く感じやすくなります。
まずは少量を塗って、ピリピリが許せるかを見てください。
夜のケアや、キスする場面にも向きますか?
熱感と冷感の成分が入っているので、寝る前のケア用には向きません。日中のメイクの仕上げに使うのが合っています。
相手の唇に移るとピリッとすることもあるので、使う場面は選んだほうが安心です。
全成分は色番号によって違いますか?


はい。公式の成分一覧は、「(+/-)」以降の色素が色番号ごとに変わります。この記事の表示は、公式ページに出ていた色の例です。
公式ページにも「実際の成分と一部異なる場合があります」との注記があるので、気になる人は手元の箱の全成分欄を見てください[4]。

リップは口に入りやすいので、香料や色素で荒れたことがある人は、少量から試すのが安心です。ピリピリが気になる人は、刺激の少ないタイプのリップと使い分けるのがいいと思います😊
向く人/確認したい人
- ピリッとした感覚も含めて、ふっくら見えを楽しみたい人
- 日中のメイクの仕上げにツヤを足したい人
- ツヤと密着が長く続くグロスを探している人
- 唇が敏感で、ピリピリが苦手な人
- 香料や色素でトラブルが出たことがある人
- 気になる色番号の全成分を、箱で確かめたい人
よくある質問
マキシマイザーのピリピリする成分は何ですか?
トウガラシ果実エキスとメントキシプロパンジオールです。熱感とひんやり感が重なって、独特のピリスーになります。
マキシマイザーで唇がふっくら見えるのはなぜですか?
[トウガラシ果実エキス]のヒリヒリした刺激で血流が増え、塗っているあいだ一時的にふっくら見えるためです。しくみはピリピリとふっくら感の理由で説明しています。
マキシマイザーはリニューアルしましたか?
はい。2023年1月20日に16年ぶりに処方が変わり、4つの質感・全24色になりました。
マキシマイザーは唇が荒れていても使えますか?
避けたほうがいいです。唇が荒れていると、[トウガラシ果実エキス]のピリピリを強く感じやすくなります。治ってから、少量で試してみてください。
まとめ

調べてみて感じたのは、マキシマイザーは「ピリッとさせて、ふっくら見せる」ことにしっかり振り切ったグロスだってこと!密着する樹脂やしっとりした油で、そのツヤとふっくら感を長く続ける作りになっていました。
ふっくら見えが好きで、ピリッとした感覚も楽しめる人にはぴったりかも。刺激が苦手な人は、ツヤで見せるタイプのほうが合いそうです。
気になったら、まずはテスターで少しだけ試してみてね。色番号の全成分は、箱でもチェックしてみて💄
関連記事:est ザ リップセラムの成分解析
全成分と特徴
| 成分名 | 役割 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1水添アビエチン酸メチル | エモリエント粘度調整 | 松ヤニ由来の樹脂を水素化した油性成分。とろみとツヤを出すベース |
| 2ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル | エモリエント | 粘りのあるエステル油。ぷるんとしたグロスの厚みに関わる |
| 3デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10 | エモリエント乳化 | ポリグリセリン系のエステル。油分をなじませてツヤを出す |
| 4トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 | エモリエント | ポリグリセリン系のエステル。なめらかな感触をつくる |
| 5ホホバエステル | エモリエント | ホホバ油由来のワックス状の油分。唇に膜をつくる |
| 6ポリグリセリル-3ミツロウ | エモリエント質感調整 | ミツロウを原料にしたワックス。形や粘度を整える |
| 7(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル | エモリエント質感調整 | ワックス状の成分。グロスの粘りとツヤを支える |
| 8パルミチン酸エチルヘキシル | エモリエント | さらっとしたエステル油。旧処方にも入っていた |
| 9合成フルオロフロゴパイト | 顔料(パール) | 合成のマイカ。きらめきとすべりのよさを出す |
| 10ジパルミトイルヒドロキシプロリン | 保湿 | アミノ酸系の保湿成分。旧処方にも入っていた |
| 11メントキシプロパンジオール | 冷感 | メントール系の成分。スーッとした感覚を出す。人によっては刺激に感じる |
| 12香料 | 香り | 香りづけ。種類によっては刺激やアレルギーが出る人もいる |
| 13トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン | エモリエント | エステル油。ツヤと伸びのよさに関わる |
| 14セイヨウミザクラ種子油 | エモリエント | チェリーオイル。公式が案内する成分で、唇をやわらかく保つ油 |
| 15エチルバニリン | 香料 | バニラのような甘い香りをつける成分 |
| 16水酸化Al | 粉体の処理剤 | パールや色素の粉の表面を整える。粉体まわりの成分 |
| 17トリヒドロキシステアリン | エモリエント質感調整 | ワックス状の油性成分。旧処方にも入っていた |
| 18トコフェロール | 酸化防止 | ビタミンE。油の酸化を抑える |
| 19トウガラシ果実エキス | 温感 | ピリッとした熱感を出す成分。ふっくら見えのもと。旧処方にも入っていた |
| 20ヒアルロン酸Na | 保湿 | 定番の保湿成分。旧処方にも入っていた |
| 21酸化スズ | 光沢顔料の被覆 | パール顔料の光沢に関わる成分 |
| 22グルコマンナン | 保湿感触調整 | コンニャク由来の多糖類。水を抱える性質がある |
| 23ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシヒドロケイヒ酸オクタデシル | 酸化防止 | 油の劣化を防ぐ酸化防止剤 |
| 24(+/-)酸化鉄 | 着色 | 赤・黄・黒などの顔料。色番号ごとに入る色素が変わる |
| 25酸化チタン | 着色白色顔料 | 発色と明るさに関わる白色顔料 |
| 26赤202 | 着色 | 有機合成色素。色番号ごとに入る色素が変わる |
| 27青1 | 着色 | 有機合成色素。色番号ごとに入る色素が変わる |
※配合の正確な順序・全項目は商品の全成分表示をご確認ください。配合量は非公開です。
特性タグ:リップグロス/プランパー/トウガラシ果実エキス/メントキシプロパンジオール/チェリーオイル/ヒアルロン酸Na/樹脂系の油でツヤと密着
出典
- FASHIONSNAP「ディオール アディクト リップ マキシマイザー リニューアル」2023年1月10日:https://www.fashionsnap.com/article/2023-01-10/dior-lipmaximizer-renewal/
- アットコスメショッピング「ディオール アディクト リップ マキシマイザー」商品説明(ディオール):https://www.cosme.com/products/detail.php?product_id=282662
- VOCE「ディオール アディクト リップ マキシマイザー 020」商品ページ(旧処方の説明):https://i-voce.jp/cosmetics/17/57316/177294
- ディオール公式サイト(日本)「ディオール アディクト リップ マキシマイザー」商品ページ・成分一覧(2026年10月確認):https://www.dior.com/ja_jp/beauty/products/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AB-%E3%82%A2%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%83%88-%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97-%E3%83%9E%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B6%E3%83%BC-Y0319000.html
- Caterina MJ ほか「The capsaicin receptor: a heat-activated ion channel in the pain pathway」Nature. 1997;389:816-824.(動物・細胞):https://doi.org/10.1038/39807
- Holzer P「Capsaicin: cellular targets, mechanisms of action, and selectivity for thin sensory neurons」Pharmacological Reviews. 1991;43(2):143-201.(総説):https://doi.org/10.1016/s0031-6997(25)06664-5
