肌ラボ 白潤プレミアム 薬用浸透美白化粧水を成分解析|トラネキサム酸×ナノ化ヒアルロン酸の中身

Instagram(@alice_kaiseki)で2.1万人にスキンケア情報を発信するコスメコンシェルジュエージェンシー(日本化粧品検定1級)のありすです✨

ドラッグストアの棚で、白いボトルに大きく「白潤プレミアム」と書かれた化粧水を見かけたことがある方は多いはずです。ロート製薬の肌ラボから出ている『薬用浸透美白化粧水』、170mLで1,100円(税込)の医薬部外品です(出典1)。

公式のキャッチコピーは「シミの元 メラノサイトにアプローチする、美容液級のさっぱりタイプ薬用美白化粧水」(出典2)。正直に言うと、1,100円の化粧水に「美容液級」と書いてあると私はいったん身構えます。それでも今回、公式の特設ページと全成分表を突き合わせてみたら、言っていることと処方が思っていたよりきちんとつながっていました。

①メーカーは何と言っているか ②全成分表から確認できること ③研究ではどこまで分かっているか、の順に見ていきますね。

ありす

プチプラの美白化粧水って、キャッチコピーだけ見ると全部同じに見えるんですよね。だからこそ、成分表で「何が入っているか」を確かめると差がはっきり出ます。

【はじめての方必読】当サイトの成分解析について
  • 成分解析は各成分の一般的な配合目的を記載したもので、製品の効果効能を保証するものではありません。
  • リニューアル等により全成分が変更される可能性があります。見つけた場合はお問い合わせフォームから教えて頂けると助かります。

ひとことで言うと

ありす

この化粧水が肌にしてくれるのは、ひとことで言うと「シミの指令が出るところを手前でおさえながら、角層をうるおいで満たしておく」ことです。医薬部外品の有効成分は[トラネキサム酸]と[グリチルリチン酸2K]の2つ。メラニンを作れという合図をブロックする係と、その合図が出やすくなる炎症を鎮める係の組み合わせになっています。そこへ低分子と高分子のヒアルロン酸を2種、ビタミンC誘導体とビタミンEの抗酸化コンビを重ねた設計。1,100円/170mLという価格を考えると、できたシミを消しにいく1本ではなく、紫外線を浴びた日の夜からコツコツ続ける「予防の土台」として持っておくのがいちばん噛み合うアイテムだとみています。

このアイテムのポイント

  • 有効成分はW配合。メーカーが「ホワイトトラネキサム™」と呼ぶ[トラネキサム酸]がシミの指令そのものを、[グリチルリチン酸2K]が紫外線を浴びたあとの炎症を受け持ちます(出典2・出典3)。
  • 公式が「通常のヒアルロン酸の約100分の1以下という細かさ」と比較値を出すナノ化ヒアルロン酸+高分子ヒアルロン酸の2種づかい(出典3)。この呼び名は同じ肌ラボの看板商品「極潤ヒアルロン液」でも使われていて、ブランドが長く力を入れてきた技術です。
  • 170mL 1,100円(税込)で、無香料・無着色・鉱物油フリー・アルコール(エタノール)フリー・パラベンフリー・弱酸性(出典2)。配合濃度は非公開なので、一発逆転ではなくたっぷり続ける前提で選ぶのが正解です。

基本情報

肌ラボ 白潤プレミアム 薬用浸透美白化粧水(170mL・1,100円)の商品ビジュアル
ブランド肌ラボ/ロート製薬
価格・容量本体170mL 1,100円(税込)/つめかえ用170mLあり
発売日2021年3月16日(リニューアル発売)

正式販売名は「ロートHP薬用ホワイトニング化粧水La」、区分は医薬部外品です。同じ白潤プレミアムのラインには、しっとりタイプの化粧水・乳液・クリームもそろっています(出典1)。

「日焼けしたあと、すぐ」に照準を合わせた化粧水

肌ラボはロート製薬のスキンケアブランドで、ヒアルロン酸の「極潤」、美白ケアの「白潤」というシリーズ分けになっています(出典4)。白潤プレミアムはそのなかでも、美白ラインの上位版という位置づけです。

おもしろいのが、開発のきっかけとして公式が出しているデータでした。

メーカーが公表しているデータ

ロート製薬は白潤プレミアムの特設ページで、20〜64歳の女性2,053名を対象にした自社調査として、35〜65歳になると目に見えるシミ(顕在シミ)が増えるスピードが2.3倍に急増するというグラフを示しています。そのうえで、紫外線ダメージを受けたあと早めにケアするという開発コンセプトを掲げ、ふだん紫外線を浴びにくい二の腕の内側の肌状態を「目標値」に設定して処方を組んだと説明しています(ロート調べ/出典3)。

この2.3倍という数字は、査読を通った論文ではなく自社調査です。裏づけの現在地としてはそこまで。ただ、「シミは紫外線を浴びた瞬間に完成するのではなく、そのあとの数日〜数週間のケアで定着の度合いが変わる」という考え方自体は、メラノサイトが刺激を受けてからメラニンが表面に見えてくるまでにタイムラグがあるという皮膚科学の一般的な理解と矛盾しません。だから、「日焼けしたあと、すぐ使い始める化粧水」という商品の立て方は筋が通っています。

「二の腕の内側を目標値に」という言い方も具体的で好きです。顔のなかで比べるとどうしても慣れてしまいますが、ふだん日光が当たらない場所の肌色を基準に置くと、紫外線で自分の肌がどれだけ変わったのかが分かりやすいんですよね。

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「35歳からシミが増えるスピードが2.3倍」は自社調査の数字なので鵜呑みにはできませんが、日焼けのあとに何もしない期間を作らない、という発想は私も賛成です。焦って高級美容液を買うより、続けられる1本を切らさないほうが効きます。

有効成分は2つ|「シミの指令」と「炎症」を分担する

このアイテムは医薬部外品なので、成分表が有効成分とその他の成分に分かれています。有効成分は[トラネキサム酸]と[グリチルリチン酸2K]の2つ(出典1)。

読み方の前提をひとつだけ。化粧品の全成分表示は配合量の多い順に並びますが、医薬部外品にはその決まりがありません。この記事でも、並び順から「これは多い・少ない」という推測はしないでおきますね。

トラネキサム酸|メーカーが「ホワイトトラネキサム™」と呼ぶ主役

ロート製薬は特設ページで、この成分を「ホワイトトラネキサム™」という名前で呼び、シミの元であるメラノサイトにアプローチすると説明しています(出典3)。成分表では「有効成分:トラネキサム酸」とそのまま書かれています。

もともとは出血を止める薬(抗プラスミン薬)として作られた成分です。それが肝斑の治療現場で「飲んでいたらシミが薄くなった」という形で美白用途に見つかった、という経緯を持っています。アミノ酸の一種リジンから作られる、構造としてはとてもシンプルな成分です。

紫外線を浴びてからメラニンが作られるまでの流れと、トラネキサム酸がブロックする位置を示した図
トラネキサム酸の働く位置(ありす作成)

研究で分かっていること

前田・富田らは、ヒトのメラノサイトを培養し、そこに表皮細胞(ケラチノサイト)の培養液を加えるという実験をしました。この培養液にはメラノサイトを活性化させる物質が含まれていて、加えるとメラニン生成が進みます。トラネキサム酸を一緒に入れると、ケラチノサイト由来のuPA(ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター)とプラスミンの働きが抑えられ、メラノサイトの活性化が止まったことが示されました(Maeda K, Tomita Y. J Health Sci. 2007;53(4):389-396/培養細胞実験/出典7)。

つまりトラネキサム酸は、メラニンを作る酵素そのものを止めるタイプではなく、「メラニンを作れ」という指令が届く前に、伝言を切るタイプの美白成分ということ。上流でおさえる設計なので、日焼けのあとに早めに使い始めるという商品コンセプトとも素直につながります。

期待値の話も先に書いておきます。肝斑に対するトラネキサム酸の臨床報告は、内服(飲み薬)の研究が中心です。外用・低濃度で塗った場合の効果は、内服と同じ強さでは語れません(出典10)。このアイテムでの配合濃度も医薬部外品なので非公開です。とはいえ厚生労働省が美白有効成分として承認している成分なので、「メラニンの生成をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ」という予防効果は根拠を持って言える、という位置にあります。

同じ肌ラボの姉妹品では ― 「白潤(無印)」にも同じ呼び名で

「ホワイトトラネキサム™」という呼称は、このプレミアムだけの特別な名前ではありません。同じ肌ラボの標準ライン「白潤 薬用美白化粧水」にも、同じ美白有効成分・同じ呼び名で配合されています(出典5)。つまりトラネキサム酸は、肌ラボの美白ラインを丸ごと支えている軸の成分。プレミアムのほうは、そこへヒアルロン酸2種やビタミンC誘導体を重ねて厚みを出した上位版、という関係になります。

グリチルリチン酸2K|甘草由来、炎症の側から支える

甘草(かんぞう)の根から得られるグリチルリチン酸のカリウム塩で、医薬部外品の「肌荒れを防ぐ」有効成分としていちばん採用例の多い顔ぶれのひとつです。炎症を進めるプロスタグランジンE2(PGE2)の産生をおさえる方向に働くと言われています。

研究で分かっていること

アラントイン・ビサボロール・パンテノールとグリチルリチン酸2Kを組み合わせた処方をヒトのケラチノサイトに応用した実験で、UVB(紫外線B波)照射で増えるPGE2の産生が抑えられたという報告があります(Tan C, et al. Int J Cosmet Sci. 2024;46(5):691-701/培養細胞実験/出典8)。ただしこれは4成分を合わせた処方での結果で、グリチルリチン酸2K単独の寄与を切り分けたものではありません。

ここで大事なのは、炎症とシミが地続きだということです。日焼けや肌荒れで炎症が起きると、そこから炎症後色素沈着(PIH)という形でシミが残ることがあります。指令をブロックするトラネキサム酸に、火元を鎮めるグリチルリチン酸2Kを足す。派手さはありませんが、紫外線を浴びたあとのケアとしては理にかなった二人組です。

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有効成分2つは「シミの伝言を切る係」と「火消し係」。どちらも新しい成分ではありませんが、長く使われてきたぶん安心して続けられる顔ぶれです。この価格で有効成分が2つあるのは、素直にうれしいところ。

ナノ化ヒアルロン酸と高分子ヒアルロン酸、2種づかいの意味

「美容液級の浸透感」という訴求を支えているのが、うるおい成分の組み方です。公式は、配合しているヒアルロン酸のうち1種を「ナノ化ヒアルロン酸」と呼び、「通常のヒアルロン酸の約100分の1以下という細かさ」という比較値を出しています。また、ヒアルロン酸の保水力について「1gで6ℓもの水分を抱えられる」とも説明しています(出典3)。

成分表と照らすと、このナノ化ヒアルロン酸にあたるのは[加水分解ヒアルロン酸]だと考えられます。ヒアルロン酸を加水分解して細かく切り分けた、低分子タイプのヒアルロン酸です。もう1種の[ヒアルロン酸Na-2]は高分子タイプ。この2つは、名前が似ているだけで役割がはっきり違います。

低分子(ナノ化)ヒアルロン酸と高分子ヒアルロン酸が肌のどこにとどまるかを比較した図
ヒアルロン酸2種がとどまる場所(ありす作成)
表示名タイプ主な役割
加水分解ヒアルロン酸
(公式の呼び名:ナノ化ヒアルロン酸)
低分子角層のすきまに入り込み、内側までうるおいを行き渡らせる
ヒアルロン酸Na-2高分子肌表面に保水膜を作り、水分の蒸発を防ぐ

低分子化したヒアルロン酸が角層のすきまになじみやすいことは、化粧品科学では広く知られた話です。ただし、ここで言う「浸透」はあくまで角層=肌のいちばん外側の層まで。ヒアルロン酸そのものが真皮まで届いて肌の中のヒアルロン酸が増える、という意味ではありません(このあたりは化粧品の「浸透」はどこまで本当?に詳しく書いています)。分子量による働きの違いはヒアルロン酸とは?分子量で変わる働き・種類・選び方もあわせてどうぞ。

裏づけの現在地としては、「約1/100以下」はロート製薬の公表値で、第三者機関による分子量の測定データは公開されていません。それでも、表面にとどまる係と、すきまに入り込む係を1本に同居させるという設計そのものは理にかなっていて、化粧水という剤形にはよく合っています。

同じ肌ラボの姉妹品では ― 看板商品「極潤ヒアルロン液」にも

「ナノ化ヒアルロン酸」という呼び名も、この化粧水だけのものではありません。肌ラボの看板である極潤ヒアルロン液シリーズでも、同じ呼称(表示名は加水分解ヒアルロン酸)で使われています。極潤のほうは分子量違いのヒアルロン酸を何種類も重ねる設計で、肌ラボがブランドとして低分子ヒアルロン酸に長く投資してきたことが分かります。白潤プレミアムは、そのヒアルロン酸の蓄積を美白ラインに持ち込んだ形ですね。

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ヒアルロン酸2種は「フタをする係」と「すきまを埋める係」。届くのは角層までですが、角層がうるおっていると肌はちゃんとやわらかく見えます。極潤で培った技術が白潤にも入っている、というつながりが私は好きです。

ビタミンC誘導体とビタミンE|抗酸化のリレーで支える

有効成分ではありませんが、私がこの成分表でいちばん「おっ」と思ったのが[ビタミンCリン酸Mg]と[ビタミンE]の並びです。

ビタミンCリン酸Mg|安定型のビタミンC誘導体

ピュアビタミンC(アスコルビン酸)は水に溶かすとすぐ壊れてしまう、扱いの難しい成分です。そこにリン酸を結合させて安定させたのが、この[ビタミンCリン酸Mg](アスコルビルリン酸Mg/VC-PMG)。肌に入ったあと、皮膚の酵素(ホスファターゼ)でリン酸が外れてピュアビタミンCに変わり、メラニンを作る酵素チロシナーゼの働きをおさえる方向と、抗酸化の方向の両方に働きます。種類ごとの違いはビタミンC誘導体とは?種類・働き・選び方にまとめています。

研究で分かっていること

亀山らは、VC-PMGを10%配合したクリームを肝斑・老人性色素斑の患者34名に使ってもらう試験をして、19名で有意な明るさの改善が見られたと報告しています。培養細胞でもメラニン生成の抑制が確認されました(Kameyama K, et al. J Am Acad Dermatol. 1996;34(1):29-33/ヒト臨床+培養細胞/出典9)。

ここは期待値の置き方が大事なところ。この試験は10%という高濃度のクリームでの結果で、このアイテムの配合濃度は非公開です。1,100円/170mLという価格と化粧水という剤形を考えると、同じ強さの変化をそのまま当てはめるのは無理があります。有効成分2つを、抗酸化の側からサポートする控えめな援軍、くらいに受け止めるのがフェアだとみています。

とはいえ、ビタミンC系の成分が理論上持っているポテンシャル自体は高いものです。条件がそろえば明るさの変化まで届きうる成分が、予防成分の隣に置かれていること自体は、この価格帯ではじゅうぶん贅沢だと感じています。

ビタミンE|使い終わったビタミンCを立て直す

[ビタミンE](トコフェロール)は油になじむ抗酸化成分で、酸化して働きを終えたビタミンCを再生させる性質を持っています。ビタミンCとビタミンEをセットで配合するのは、抗酸化のバトンをつなぎ直すための定番の組み合わせです。化粧水にわざわざ油溶性のビタミンEを入れるには可溶化剤が要るので、あとで出てくる[PEG(30)]や[水酸化大豆リン脂質]は、この成分を透明に溶かし込むためにいる、とも読めます。

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ビタミンCとビタミンEはセットで入れると助け合う関係。10%配合クリームの試験と同じ効果を期待するのは無理がありますが、有効成分の脇を固める顔ぶれとしては頼もしいです。

残りの成分は「引き算」でできている

その他の成分は全部で17個。整理すると、保湿のベースを作る係と、処方を成り立たせる裏方に分かれます。

  • [濃グリセリン]…保湿の代表格。空気中の水分を引き寄せて角層にとどめます。
  • [ジグリセリン]…グリセリンが2つつながった構造。グリセリンよりべたつきにくく、さらっとした感触を作ります。さっぱりタイプらしい選択です。
  • [BG][DPG]…保湿と溶剤を兼ねる多価アルコール。ほかの美容成分を溶かし込む土台です。「アルコールフリー」が指すのはエタノールのことで、この2つは別物。
  • [ペンチレングリコール]…保湿に加えて、防腐剤の効きを助ける性質を持ちます。防腐剤の量を抑えるための組み合わせ役。
  • [PEG(30)][PEG-8][ラウリン酸POE(20)ソルビタン][水酸化大豆リン脂質]…可溶化・乳化の裏方。油になじむビタミンEを、水ベースの化粧水に透明に溶かし込むために必要な顔ぶれです。水酸化大豆リン脂質は大豆レシチン由来で、肌の細胞膜にもあるリン脂質がベースになっています。
  • [VP・スチレン共重合体エマルション]…皮膜形成・感触調整。とろみやなじみ方を整えます。
  • [無水クエン酸]…pH調整剤。公式が訴求する「弱酸性」を作っている成分です。
  • [エデト酸塩]…キレート剤。水道水などに含まれる微量の金属イオンを封じて、変色や品質劣化を防ぐ縁の下の力持ち。
  • [フェノキシエタノール]…防腐剤。パラベンの代わりに広く使われる成分で、ペンチレングリコールと組ませることで配合量を抑える設計です。

そして、この化粧水の性格がいちばん出ているのが入っていないもののほうです。公式が挙げているのは、無香料・無着色・鉱物油フリー・アルコール(エタノール)フリー・パラベンフリー・弱酸性(出典2)。美白化粧水は清涼感を出すためにエタノールを入れている製品も珍しくないので、そこを外してあるのは選ぶ理由になります。植物エキスも香料も入っていないぶん、反応する可能性のある成分の数がそもそも少ないのも、この処方の分かりやすい長所です。

ありす

成分表が短いのは、手抜きではなく引き算の結果。香料も植物エキスもエタノールも入っていないので、「何かに反応した経験がある」人ほど読みやすい成分表だと思います。

正直に気になる点

成分表そのものに警戒するような点は見当たりませんでした。そのうえで、買う前に知っておきたいことを3つ挙げておきます。

配合濃度は非公開。プチプラ帯であることは前提に置く

医薬部外品は有効成分の配合濃度を公表する義務がなく、このアイテムでも非公開です。ビタミンCリン酸Mgのような「その他の成分」も同じ。170mLで1,100円という価格は、原料にかけられるコストの上限を示してもいます。惜しみなく使える値段であることと、高濃度処方であることは両立しません。ここは正面から受け止めて、「たっぷり使って続ける」方向にメリットを寄せて考えるのが現実的です。

効能は「防ぐ」まで。できたシミを消す製品ではない

医薬部外品の美白の効能は「メラニンの生成をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ」という表現までと決まっています。これは薬機法の言葉づかいの話であって、成分に力がないという意味ではありません。ただ、いま鏡に見えているシミを消すための製品ではないことは押さえておきたいところ。すでに濃く定着したシミが主な悩みなら、皮膚科で相談したほうが近道です。この化粧水は「これ以上増やさない・濃くしない」ための毎日の一手として置くと、役割がはっきりします。

2021年リニューアルの中身は、公式の一次情報では確認できなかった

このアイテムは2021年3月16日にリニューアル発売されたとされ、旧処方ではトラネキサム酸単独だった有効成分にグリチルリチン酸2Kが加わり、ヒアルロン酸も2種に増えた、という説明が複数の販売サイト・比較記事に出ています。ただ、ロート製薬自身のニュースリリースでこの変更点を書いた一次情報までは、今回たどり着けませんでした。新旧の全成分を1対1で並べた公式資料も見つかっていません。そのためこの記事では現行品の中身を読むことに絞り、リニューアルの差分は確定情報としては扱っていません。

ありす

気になる点を探して出てきたのは、成分そのものの問題ではなく「期待値の置き方」でした。消す道具ではなく増やさない道具。そう決めて使うと、この価格の意味がすごく分かりやすくなります。

こんな人に向いている/確認したい人

🙆‍♀️ 向いていそうな人

  • 日焼けしたあとのケアを、その日から始めたい人
  • エタノール・香料・着色料・パラベンを避けて美白ケアを選びたい人
  • 美白ケアをこれから始めるので、まず続けられる価格から入りたい人
  • コットンパックなど、量を惜しまず使いたい人(つめかえ用もあります)
  • 乾燥で肌がくすんで見えるタイプで、うるおい側からも底上げしたい人

🔍 事前に確認したい人

  • できてしまったシミを薄くしたい人 → 効能は「防ぐ」まで。皮膚科での相談が近道です
  • 高濃度ビタミンC美容液などで、すでに強い手ごたえを感じている人 → このアイテムはその補助に近い位置づけです
  • とろみのあるしっとり感がほしい人 → これはさっぱりタイプ。同じラインのしっとりタイプや乳液との組み合わせが前提の設計です
  • 旧処方(トラネキサム酸単独)を長く使っていて、処方の変化に敏感な人 → グリチルリチン酸2Kが加わっています
ありす

「毎日たっぷり、切らさずに続ける」で選ぶとかみ合います。逆に「これ1本でシミが消える」を期待すると肩透かしかも。予防に全振りした1本だと考えると、値段も含めて納得しやすいです。

よくある質問

Q. できてしまったシミは薄くなりますか?
A. 医薬部外品として認められている効能は「メラニンの生成をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ」までです。すでに定着したシミを薄くする目的の製品ではありません。ただし、配合されている[ビタミンCリン酸Mg]は、10%配合クリームの試験で肝斑・老人性色素斑の改善が報告されている成分でもあります(出典9)。このアイテムの濃度は非公開なので同じ結果を期待はできませんが、理論上のポテンシャルを持つ成分が入っていること自体は事実です。まずは「増やさない」に照準を合わせて使うのがおすすめ。

Q. 敏感肌でも使えますか?
A. 無香料・無着色・鉱物油フリー・アルコール(エタノール)フリー・パラベンフリー・弱酸性と、刺激になりやすい代表格をあらかじめ外した設計です(出典2)。植物エキスも入っていないので、成分の数という意味でもシンプル。ただし「刺激の少ない設計=誰にも反応が出ない」ではないので、心配な方は腕の内側で試してから顔に使ってくださいね。

Q. 同じ肌ラボの「白潤(無印)」とは何が違うの?
A. 美白有効成分の[トラネキサム酸]は、呼び名(ホワイトトラネキサム™)まで含めて共通です(出典5)。プレミアム側は、そこへ有効成分をもうひとつ(グリチルリチン酸2K)、うるおい側にナノ化ヒアルロン酸と高分子ヒアルロン酸の2種、さらに[ビタミンCリン酸Mg]と[ビタミンE]を重ねた構成になっています。新旧・無印との全成分を1対1で比べた公式資料は出ていないので、この記事ではプレミアムの現行処方について書いています。

Q. つめかえ用はありますか?
A. 同じ170mLのつめかえ用があります(出典1)。ロート製薬は、つめかえタイプの採用によって廃棄プラスチック量を約72%削減し、容器にバイオマス原料を約11%使用していると公表しています(環境省「選ぼう!3Rキャンペーン2022」参画時のリリース)(出典6)。たっぷり使ってこそ意味のある化粧水なので、つめかえがある設計はありがたいです。

まとめ

ありす

最後にまとめますね。肌ラボ 白潤プレミアム 薬用浸透美白化粧水は、170mL 1,100円(税込)の医薬部外品。有効成分は[トラネキサム酸]と[グリチルリチン酸2K]で、「メラニンを作れ」という指令を手前で切る係と、その合図が出やすくなる炎症を鎮める係の組み合わせです。うるおいはナノ化ヒアルロン酸(加水分解ヒアルロン酸)と高分子の[ヒアルロン酸Na-2]の2種づかい。そこへ[ビタミンCリン酸Mg]と[ビタミンE]の抗酸化コンビが脇を固めます。香料・着色料・鉱物油・エタノール・パラベンを使わない引き算の処方で、反応する可能性のある成分そのものが少ないのも特徴でした。

配合濃度が非公開なぶん、劇的な変化を約束できる1本ではありません。でも、「日焼けした日の夜から、切らさずに続けられる」ことこそが美白ケアでいちばん効く条件だと私は考えています。その意味で、有効成分2つとヒアルロン酸2種を1,100円で毎日たっぷり使えるというのは、かなり強い選択肢です。高い美容液を月に数回だけ使うより、この化粧水を毎晩コットンにひたひたにして使うほうが、1年後の差になって出てくるタイプの製品だとみています。

2021年のリニューアルについて公式から詳しい資料が出てきたら、この記事にも追記しますね。

全成分と特徴

成分名役割特徴
トラネキサム酸有効成分(美白)メーカーの呼び名は「ホワイトトラネキサム™」。uPA・プラスミン経路をおさえ、メラノサイトへの指令を手前で切る
グリチルリチン酸2K有効成分(抗炎症)甘草由来。肌荒れを防ぐ目的で最も広く使われる定番の有効成分
加水分解ヒアルロン酸保湿公式が「ナノ化ヒアルロン酸」と呼ぶ低分子タイプ。角層のすきまになじみやすい
ヒアルロン酸Na-2保湿高分子タイプ。肌表面に保水膜を作って水分の蒸発を防ぐ
ビタミンCリン酸Mg美容成分(抗酸化)安定型のビタミンC誘導体。酵素でピュアビタミンCに変換される
ビタミンE美容成分(抗酸化)トコフェロール。働きを終えたビタミンCを再生させる相棒役
BG保湿・溶剤べたつきにくい多価アルコール。ほかの成分を溶かし込む土台
濃グリセリン保湿保湿剤の代表格。空気中の水分を引き寄せて角層にとどめる
ジグリセリン保湿グリセリンより軽い感触。さっぱりタイプの使用感づくりに向く
ペンチレングリコール保湿・防腐補助防腐剤の効きを助け、配合量を抑える設計に貢献する
DPG保湿・溶剤化粧水で広く使われる多価アルコール
PEG(30)可溶化油になじむ成分を水ベースの処方に溶かし込む
PEG-8保湿・溶剤低分子のポリエチレングリコール。処方のなじみを整える
水酸化大豆リン脂質乳化・可溶化大豆レシチン由来。細胞膜にもあるリン脂質がベースで肌なじみがよい
無水クエン酸pH調整処方を肌に近い弱酸性に整える
エデト酸塩キレート微量の金属イオンを封じ、変色・品質劣化を防ぐ
VP・スチレン共重合体エマルション皮膜形成・感触調整とろみや肌なじみを整える高分子
ラウリン酸POE(20)ソルビタン可溶化・乳化ポリソルベート20。化粧品全般で使われる汎用の可溶化剤
フェノキシエタノール防腐パラベンフリー処方で広く使われる防腐剤

※配合の正確な順序・全項目は商品の全成分表示をご確認ください。医薬部外品は表示順=配合量順ではなく、配合量は非公開です。

特性タグ:医薬部外品/美白(しみ・そばかすを防ぐ)/肌荒れ予防/保湿/ビタミンC誘導体/無香料/無着色/鉱物油フリー/アルコールフリー/パラベンフリー/弱酸性

参考文献・出典(10件)
  1. ロート製薬 公式オンラインストア「【医薬部外品】肌ラボ 白潤プレミアム 薬用浸透美白化粧水」(正式販売名・価格・容量・つめかえ用・有効成分および全成分表示):https://www.shop.rohto.co.jp/category/skincare/hadalabo/shirojyun-premium/168446.html
  2. ロート製薬 商品情報サイト「肌ラボ 白潤プレミアム 薬用浸透美白化粧水」(キャッチコピー「シミの元 メラノサイトにアプローチする、美容液級のさっぱりタイプ薬用美白化粧水」・無香料/無着色/鉱物油フリー/アルコールフリー/パラベンフリー/弱酸性):https://jp.rohto.com/hadalabo/shirojun-premium-lotion/
  3. ロート製薬 肌ラボ「白潤プレミアム」特設ページ(「ホワイトトラネキサム™」の呼称・「ナノ化ヒアルロン酸=通常のヒアルロン酸の約100分の1以下」「1gで6ℓの水分」・20〜64歳女性2,053名の自社調査「35〜65歳の顕在シミ増加速度2.3倍」・二の腕の内側を目標値にした開発コンセプト。いずれもメーカー公表値):https://jp.rohto.com/hadalabo/promo/s-premium/
  4. ロート製薬 肌ラボ ブランドページ(ブランド構成・シリーズ展開):https://jp.rohto.com/hadalabo/
  5. ロート製薬 公式オンラインストア「【医薬部外品】肌ラボ 白潤 薬用美白化粧水」(姉妹品。同じ美白有効成分トラネキサム酸を「ホワイトトラネキサム™」の呼称で配合):https://www.shop.rohto.co.jp/category/skincare/hadalabo/shirojyun/194490.html
  6. PR TIMES(ロート製薬)環境省「選ぼう!3Rキャンペーン2022」参画リリース(つめかえタイプによる廃棄プラスチック量 約72%削減・容器のバイオマス原料 約11%使用):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000213.000044879.html
  7. Maeda K, Tomita Y. “Mechanism of the Inhibitory Effect of Tranexamic Acid on Melanogenesis in Cultured Human Melanocytes in the Presence of Keratinocyte-conditioned Medium.” Journal of Health Science. 2007;53(4):389-396.(培養細胞実験):https://doi.org/10.1248/jhs.53.389
  8. Tan C, Peng K, Lim T, et al. “The combination of allantoin, bisabolol, D-panthenol and dipotassium glycyrrhizinate mitigates UVB-induced PGE2 synthesis by keratinocytes.” International Journal of Cosmetic Science. 2024;46(5):691-701.(培養細胞実験。グリチルリチン酸2Kを含む複合処方での結果):https://doi.org/10.1111/ics.12951
  9. Kameyama K, Sakai C, Kondoh S, et al. “Inhibitory effect of magnesium L-ascorbyl-2-phosphate (VC-PMG) on melanogenesis in vitro and in vivo.” Journal of the American Academy of Dermatology. 1996;34(1):29-33.(ヒト臨床+培養細胞。10%配合クリームでの結果):https://doi.org/10.1016/S0190-9622(96)90830-0
  10. Tse TW, Hui E. “Tranexamic acid: an important adjuvant in the treatment of melasma.” Journal of Cosmetic Dermatology. 2013;12(1):57-66.(レビュー。肝斑治療でのトラネキサム酸の臨床応用。内服の知見が中心):https://doi.org/10.1111/jocd.12026
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