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N organic(エヌオーガニック)から、2026年3月24日に『N organic Basic バランシング エッセンスミルク』が発売されました。医薬部外品の薬用美容乳液で、60mL・税込6,380円です(出典1・出典2)。先行予約は3月1日から、公式サイトと直営店舗、ロフトでスタートしていました。
まず目に飛び込んでくるのが、キャッチコピーの強さ。「その肌は炎上を知らない。」です。公式は「繰り返す肌荒れやニキビ、シミなど、肌のゆらぎや不調の原因となる小さなダメージに立ち向かい、『炎上』させないために闘う薬用美容乳液」と紹介しています(出典1・出典5)。肌が荒れてしまってから慌てるのではなく、その前の小さな火種のうちに消しておく、という発想ですね。N organicはもともと「ありのままでいたいから、ありのままに手をかける」をコンセプトに、ナチュラルとサイエンスの両立を掲げているブランドです(出典4)。今回は、そのサイエンス側に医薬部外品という形で踏み込んできたかたちですね。
そして今回の目玉が、新しく入った「赤CICA」=伊豆大島産の赤いツボクサエキス。茎が赤く変化した珍しいタイプのツボクサで、日本で唯一の砂漠がある伊豆大島に自生しているそうです(出典3)。この赤CICAとセットで「10.9倍」という数字も公表されているんですが、これがなかなかクセのある数字でした。口コミサイトでは「赤シカはシカの10倍」と紹介されているのをよく見かけます。でも公式が示している比較条件は、もう少し限定的なんです。ここは記事の中でしっかり解きほぐしますね。
この記事では、①メーカーは何と言っているか ②全成分表から何が読み取れるか ③研究データでどこまで分かっているか、の3つの順番で見ていきます。

「炎上させない」という言い方、うまいですよね。肌荒れもシミも、始まりは小さな炎症だと言われています。そこを2つの有効成分と赤CICAで押さえにいく設計になっているか、成分表で見ていきます。
ひとことで言うと

ひとことで言うと、「肌あれ・ニキビを防ぐ」と「シミ・そばかすを防ぐ」の2つの効能を1本で持っている薬用乳液です。有効成分は[グリチルリチン酸ジカリウム]と[L-アスコルビン酸2-グルコシド]の2つ。どちらも長く使われてきて、ヒトでのデータもある成分です。とくにビタミンC誘導体のほうは、できてしまったメラニンを還元して淡くする働きまで報告されているので、予防だけで終わらない期待も持てます。そこに新配合の赤CICA(伊豆大島産の赤ツボクサエキス)と黄柏エキスを重ねて、炎症の火種を抑える方向に寄せた処方。化粧水のあと、これ1本で美容液・乳液・クリームまでまかなう設計なので、ステップを減らしたい人とも相性がいい1本です。
このアイテムのポイント
- 目玉は新配合の「赤CICA」=伊豆大島産の赤ツボクサエキス。全成分表では[ツボクサエキス]として実在を確認できました。ツボクサ由来のマデカッソシドには、アクネ菌がらみの炎症をおさえる働きや、UVBからケラチノサイトを守る働きの報告があります(出典10・出典11)。
- 医薬部外品の有効成分は[グリチルリチン酸ジカリウム](肌あれ・ニキビを防ぐ)と[L-アスコルビン酸2-グルコシド](メラニンの生成をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ)の2本立て。荒れとシミの両方に効能を持たせた、欲ばりな設計です(出典1・出典2)。
- 話題の「10.9倍」は、同じ伊豆大島産の赤ツボクサを、新しい抽出技術と自社の従来法で比べた数字。一般的な緑のツボクサエキスとの比較ではありません(出典3)。ここを知っておくと、期待値のかけ方を間違えずにすみます。
基本情報

| ブランド | N organic Basic/株式会社シロク |
| 価格・容量 | 60mL 6,380円(税込) |
| 発売日 | 2026年3月24日(先行予約は3月1日から) |
【はじめての方必読】当サイトの成分解析について
- 成分解析は各成分の一般的な配合目的を記載したもので、製品の効果効能を保証するものではありません。
- リニューアル等により全成分が変更される可能性があります。見つけた場合はお問い合わせフォームから教えて頂けると助かります。
医薬部外品の有効成分「W処方」
このエッセンスミルクは医薬部外品なので、全成分表示が【有効成分】と【その他の成分】に分かれています。有効成分の欄に書かれているのは、[L-アスコルビン酸2-グルコシド]と[グリチルリチン酸ジカリウム]の2つでした(出典2)。
ここで、成分表を読むときのお約束をひとつ。化粧品の全成分表示は配合量の多い順に並びますが、医薬部外品にはその決まりがありません。だからこの記事でも、並び順から「これは多い・少ない」という推測はしないでおきますね。
[グリチルリチン酸ジカリウム]|肌あれ・ニキビを防ぐ
甘草(カンゾウ)の根からとれる抗炎症成分で、化粧品でも医薬部外品でも長く使われてきました。ニキビ用のアイテムや敏感肌向けの化粧水で名前を見たことがある方も多いはずです。このブログでも、同じ甘草由来の油性エキスを使ったアルビオン フレッシュ ルミナス ハーバルオイルを解析しています。
研究で分かっていること
ラットの創傷モデルを使った試験では、グリチルリチン酸ジカリウムを塗布すると、炎症を進める側のサイトカイン(TNF-α、IL-8、IL-1、NF-κB)の発現が下がり、逆に炎症を鎮める側のIL-10が有意に増えたと報告されています。肉芽組織・再上皮化・総コラーゲン量も増えていて、「炎症のバランスを整えながら傷の治りを早める」という結論でした(dos Santos Leite C, ほか Int J Mol Sci. 2023;24(4):3839/出典6、動物試験)。ヒトでのデータもあります。成人のアトピー性皮膚炎の患者120名を対象にしたランダム化並行対照試験では、この成分を配合した乳液を使った群のほうが、SCORADスコアもかゆみのスコアも有意に下がったと報告されました(Xia J, ほか Pak J Med Sci. 2025;41(7)/出典7)。
「肌あれ・ニキビを防ぐ」という効能を、こうしたデータが後ろから支えているかたちです。地味な成分に見えて、実はかなり足腰の強い選手なんですよね。

グリチルリチン酸ジカリウムは「炎症を進めるスイッチを下げて、鎮めるスイッチを上げる」タイプ。ヒトの試験まである成分なので、肌あれを繰り返す人にはまず頼りにしてほしい有効成分だとみています。
[L-アスコルビン酸2-グルコシド(AA2G)]|シミ・そばかすを防ぐ
こちらはビタミンC誘導体です。ビタミンCはそのままだと壊れやすいので、ブドウ糖をくっつけて安定させたのがこのAA2G。肌の上では糖がくっついたまま眠っていて、皮膚にある酵素で糖が外れてはじめてビタミンCとして働きはじめる、という仕組みになっています。ビタミンC誘導体にはAA2G以外にもいくつか種類があり、それぞれの特徴の違いはビタミンC誘導体とは?種類・働き・選び方を成分から解説で詳しくまとめています。

研究で分かっていること
AA2Gには、メラニン合成の途中にできるドーパキノンを還元して先に進ませない働きと、すでにできた黒いメラニンを還元して淡くする働きの両方が確認されています。腕に紫外線を当てたあとのヒト試験でも、色素沈着をおさえる効果が有意に認められたと報告されました(「アスコルビン酸2-O-α-グルコシドの紫外線皮膚色素沈着抑制効果」西日本皮膚科 58(3):439/出典8)。
AA2Gが医薬部外品の美白有効成分として承認されたのは1994年。資生堂と加美乃素本舗の申請によるもので、もう30年以上の歴史があります(出典9)。ビタミンC誘導体のなかでも、裏づけがしっかりそろっているほうです。
そして、ここが私がいちばん伝えたいところ。医薬部外品として表示できる効能は「メラニンの生成をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ」まで、つまり予防の言葉までです。でも成分そのものを見れば、できてしまったメラニンを還元する働きまで確認されています。だから理論上は、いまあるシミが薄く見えてくる可能性まで見込める成分なんです。薬機法上の言葉づかいだけを見て「予防しかできないんだ」と決めつけなくて大丈夫ですよ。

AA2Gは「肌の酵素が鍵を開けてからビタミンCになる」タイプ。安定しているぶん立ち上がりはゆっくりですが、黒くなったメラニンを淡くする側の働きまで報告されています。じっくり付き合う価値のある成分だと感じています。
独自成分「赤CICA」と複合成分「トリプルファイトCP」
伊豆大島産の赤ツボクサエキスとは
メーカーの説明から見ていきますね。公式のティザーページには「新たに採用したのは伊豆大島産の希少な赤ツボクサエキス。繰り返す大人の肌不調に力強い赤CICAがアプローチ」とあります。赤CICAは「CICAで知られるツボクサの1種で、茎が赤く変化した特長をもち、伊豆大島に自生している植物」。伊豆大島は「日本で唯一の砂漠」があり、その「過酷な環境が特別な生命力を宿す源」だと紹介されています(出典3)。
産地も品種も抽出方法も指定した原料って、実はそんなに多くありません。そこまでこだわって作った原料を看板にしてきたのは、それだけでけっこう本気度が伝わってきます。
全成分表で見ると、この赤CICAは[ツボクサエキス]として書かれています。ここはちょっと注意が必要で、全成分の表示名には産地や品種を書き分けるルールがないんです。だから赤くても緑でも、表示のうえでは同じ「ツボクサエキス」。成分表だけを見て赤CICAかどうかを見分けることはできません。そこは公式の説明を情報源にするしかない部分です。
そもそもCICA(ツボクサエキス)って何なの? というところから知りたい方は、CICA(ツボクサエキス)とは?シカの効果・主要4成分の違いを解説のほうも読んでみてください。マデカッソシド・アシアチコシドなど、名前が似ていてややこしい4つの成分の違いをまとめています。
研究で分かっていること
ツボクサの主成分であるマデカッソシド(マデカシン酸の配糖体)について、ニキビの原因菌として知られるアクネ菌に関連した炎症をおさえる働きと、肌の水分保持を助ける働きが報告されています(Shen X, ほか Biosci Biotechnol Biochem. 2019;83(3):561-568/出典10、培養細胞試験)。さらに2025年の報告では、同じマデカッソシドが傷の治りを促し、UVBを浴びたケラチノサイト(表皮の細胞)のダメージから守る働きを示したとされています(Sucharitakul T, ほか Tissue Barriers. 2025;14(1):2532229/出典11、培養細胞試験)。
「肌あれ・ニキビ」と「紫外線ダメージ」の両方に関わるデータが出ているわけで、このアイテムが狙っている方向とはきれいに重なっています。ちなみにツボクサ由来のトリテルペノイドサポニンは、もともと1%に満たない量で使う設計が当たり前の原料です。表示の後ろのほうにあっても、この手の機能性エキスとしてはごく自然な立ち位置ですよ。

赤CICAは「伊豆大島産・茎が赤いツボクサ」というメーカー独自の原料。成分表だと普通の[ツボクサエキス]にしか見えないので、独自性は公式の説明を読んで判断する部分になります。ツボクサ成分そのものの研究は、炎症・保水・UVダメージとしっかり積み上がっていました。
「10.9倍」という数字の正しい読み方
さて、いちばん誤解されやすいところに来ました。公式が出している「10.9倍」という数字、その注記をそのまま引用しますね。
独自技術によって採取・抽出した伊豆大島産ツボクサエキス(整肌成分)と、自社従来の採取・抽出方法による同産地ツボクサエキスのアシアチン酸とマデカシン酸の総量比較(出典3)

つまり、比べられているのはどちらも同じ伊豆大島産のツボクサ。違うのは採取・抽出の方法だけで、新しい独自技術と、自社がこれまで使っていた方法との比較なんです。よく見かける「赤シカは普通のシカの10倍」という言い方とは、まったく別の話になります。
じゃあこの数字に意味がないのかというと、そんなことはありません。同じ植物から、有効とされる成分を10倍以上も多く引き出せる抽出技術を作った、というのはそれ自体が立派な技術の話です。ただ、比べた相手が「よそのCICA」ではなく「自分たちの前のやり方」だったということ。そこだけ押さえておけば、期待値のかけ方を間違えずにすみます。
裏づけの現在地も書いておきますね。この10.9倍はメーカー自身が測った比較データで、第三者機関による検証データは公開されていません。ただ、原料の分析値というのはどのメーカーも社内で測るものなので、そこだけを理由に信用できないという話にはなりません。数値の出どころと条件が注記でちゃんと開示されているだけ、むしろ誠実なほうだと感じています。

「10.9倍」は抽出技術の新旧比べであって、緑のシカとの勝負ではありません。ここを取り違えたまま買うと「思ったほどでは…」になりやすいので、先にお伝えしておきますね。技術としてはちゃんとすごい話です。
トリプルファイトCP=赤CICA×黄柏エキス×有効成分
もうひとつ、公式が名前をつけている複合成分が「トリプルファイトCP」。中身は赤CICAエキス・黄柏(オウバク)エキス・グリチルリチン酸ジカリウムの3つの組み合わせです。3つとも全成分表に並んでいて、[ツボクサエキス][オウバクエキス]、そして有効成分欄の[グリチルリチン酸ジカリウム]として確認できます。
ここで初登場なのが黄柏エキス。キハダという木の樹皮からとるエキスで、漢方では「おうばく」としておなじみの生薬です。主成分はベルベリンというアルカロイド。
研究で分かっていること
佐藤製薬の研究発表によると、キハダ樹皮エキスには、紫外線によって引き起こされる皮膚バリア機能の低下を改善する働きが確認されたと報告されています(佐藤製薬 研究リリース 2020年12月10日/出典12)。ベルベリン自体には抗菌・抗炎症の報告が古くからある成分です。
並べてみると、3つとも炎症を鎮める・肌を荒れにくくする方向の成分。「炎上させない」というコンセプトに沿って、同じ方向の成分を重ねづけしている設計だと読み取れます。抗炎症を1本の柱に絞って組むと、こういう顔ぶれになるんですね。

トリプルファイトCPは、赤CICA・黄柏・グリチルリチン酸ジカリウムの3点セット。ぜんぶ「荒れの火種を鎮める」側の成分でした。ゆらぎやすい時期に手が伸びる乳液としては、納得のいく組み方です。
「1本3役」を支える、そのほかの成分
公式は「化粧水と乳液で完結できるよう、闘う美容乳液は1本で美容液・乳液・クリームとしてもご使用いただける設計」と説明しています(出典3)。乳液なのにクリームまで兼ねる、というのは感触の話に聞こえますが、成分表を見ると処方の骨組みそのものでした。

- 水分を引き寄せる係…[BG][濃グリセリン][ソルビトール発酵多糖液][トレハロース][グリセリルグルコシド液]。角層に水分を抱えさせる保湿の土台です。発酵由来の多糖体や糖類が入っているぶん、しっとり感の持ちがよくなります。
- コクと柔らかさを出す油分…[トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル][ミリスチン酸オクチルドデシル][植物性スクワラン][マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル][ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリスリチル][メドウフォーム油][ジメチコン]。ここが「クリームとしても使える」の正体。軽い油と重い油を組み合わせて、伸びとコクを両立させにいっています。
- とろみと形をつくる係…[カルボキシビニルポリマー][アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体][キサンタンガム][N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム]。乳液に美容液のようなとろみとフィット感を持たせる成分たちです。
- 水と油をつなぐ係…[ステアリン酸POEソルビタン][ステアリン酸ソルビタン][ベヘニルアルコール][親油型ステアリン酸グリセリル][シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール]。乳化を安定させる骨格で、分離せずに最後まで同じ質感を保つために欠かせません。
- pHと品質を守る係…[水酸化K][クエン酸][クエン酸Na](pH調整)、[ヒドロキシエタンジホスホン酸4Na液](キレート剤)、[フェノキシエタノール][グリセリルエチルヘキシルエーテル](防腐)、[ピロ亜硫酸Na][天然ビタミンE](酸化防止)。ビタミンC誘導体を安定させたい処方なので、酸化防止まわりが手厚めなのは理にかなっています。
- 整肌サポートの植物エキス…[トウヒエキス][ラベンダーエキス-1][ノバラエキス][アルテアエキス][カモミラエキス-1][セイヨウサンザシエキス][セージエキス][トウキンセンカエキス][ローズマリーエキス]。Basicシリーズ共通の顔ぶれで、単体で強い効果を出すというより、処方全体のすこやかさを底上げする役どころです。
こうして並べてみると、「水分を抱える」「油でやわらげる」「とろみで留める」を1本にぎゅっと詰めた設計だと分かります。化粧水のあとこれだけで終わらせても、乾きにくいように組まれているんですね。ステップを増やしたくない人にはうれしい作りです。

「1本3役」はキャッチコピーではなくて、油分・増粘剤・保湿剤の積み方そのものでした。化粧水+これだけ、という夜の短縮ルートがちゃんと成立する処方です。
正直に気になる点
処方そのものに「ここはちょっと…」と言いたくなるところは、ほとんどありませんでした。そのうえで、買う前に知っておくと「思っていたのと違った」を防げるポイントを3つ挙げておきますね。
5種の精油による柑橘の香り(無香料ではありません)
全成分表に[香料]が入っています。公式の紹介では「100%精油による、5種の精油を使ったやさしい柑橘の香り」とされていて、合成香料をガンガン効かせたタイプではなさそうです(出典5)。ただ、精油だから肌にやさしいとは限らないのがスキンケアの難しいところ。柑橘系の精油はとくに、人によって合う合わないがはっきり出ます。香り付きが苦手な方や、精油で反応が出たことがある方は、ここだけ先に確認しておいてください。
「10.9倍」の比較相手は自社の従来法。第三者データは未公開
記事の中でも書いたとおり、この数字は同じ伊豆大島産の赤ツボクサを、新しい抽出技術と自社の従来法で比べたものです(出典3)。よその会社のCICAと比べた数字ではありませんし、第三者機関による検証データも公開されていません。技術としての意味は大きいけれど、「他社のシカ製品より10倍効く」という話ではない。そこだけ切り分けて受け取ってもらえたらと思います。
亜硫酸塩に反応したことがある人だけ、成分表の確認を
酸化防止剤として[ピロ亜硫酸Na]が入っています。ビタミンC誘導体を安定させたい処方では定番の組み合わせなので、入っていること自体はむしろ自然です。ただ亜硫酸塩の仲間なので、ごくまれにこの系統に反応しやすい方がいます。ワインやドライフルーツの亜硫酸で反応した経験がある方は、頭のすみに置いておいてもらえたら、くらいの話ですね。化粧品での配合量はふつうごく少量です。

気になる点は「香料入り」「10.9倍の読み方」「亜硫酸塩」の3つ。どれも処方の欠点というより、買う前に知っておきたい前提のほうです。中身にツッコミどころが少ないアイテムでした。
こんな人に向いている/確認したい人
🙆♀️ 向いていそうな人
- 肌あれ・ニキビと、シミ・そばかすの両方が気になっている人(有効成分2つのW処方)
- 季節の変わり目にゆらぎやすくて、荒れる前に手を打っておきたい人
- 化粧水のあとを1本で終わらせたい人(美容液・乳液・クリームを兼ねる設計)
- ビタミンC誘導体を、刺激の穏やかなかたちで毎日続けたい人
- CICA系が好きで、原料の産地・品種まで作り込んだものを試してみたい人
🔍 事前に確認したい人

「荒れとシミ、どっちも気になるけどステップは増やしたくない」という人に、いちばんかみ合う1本だと思います。逆に、無香料派とさっぱり派には別の選択肢のほうが合いそうです。
よくある質問
Q. 化粧水のあと、これ1本で終わらせて大丈夫ですか?
A. 公式が「1本で美容液・乳液・クリームとしてもご使用いただける設計」と案内しているので、そういう使い方が想定されています(出典3)。成分表を見ても、水分を抱える保湿剤・コクを出す油分・とろみをつくる増粘剤がひととおりそろっていて、1本で完結させる前提の組み方でした。ただ、真冬に乾燥が強く出る方や、もともと油分が必要な肌質の方は、目もとや口もとだけクリームを重ねてもいいと思います。
Q. ニキビができているときも使えますか?
A. 医薬部外品として「肌あれ・ニキビを防ぐ」という効能を持っているアイテムなので、できにくくする方向のケアには向いています(出典1)。ただ「防ぐ」であって「治す」ではないので、いま炎症を起こしているニキビそのものを治療するものではありません。赤く腫れている・膿を持っているといった状態なら、まず皮膚科で診てもらうのが近道です。乳液としては油分がしっかり入っているタイプなので、ニキビが出やすい部分は量を控えめにするのもありですね。
Q. 「赤CICA」は普通のCICAより10倍効くということですか?
A. そうではありません。公式の注記を読むと、比べているのは同じ伊豆大島産の赤ツボクサを、新しい独自の採取・抽出技術で処理したものと、自社の従来法で処理したもの。その中のアシアチン酸とマデカシン酸の総量が10.9倍、という意味です(出典3)。一般的な緑のツボクサエキスとの比較ではないんです。抽出技術としてはすごい数字ですが、他社製品との比較ではないので、そこは切り分けて読んでくださいね。
Q. シミが薄くなることはありますか?
A. 医薬部外品として表示できるのは「メラニンの生成をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ」までです。ただ、有効成分のAA2Gにはできたメラニンを還元して淡くする働きも確認されていて、紫外線を当てたあとのヒト試験でも色素沈着をおさえる効果が報告されています(出典8)。だから理論上は、いまあるシミが薄く見えてくる可能性も見込めます。すぐに変わるものではないので、季節をまたぐくらいのつもりでじっくり続けてみてください。
まとめ

最後にまとめますね。N organic Basic バランシング エッセンスミルクは2026年3月24日発売の医薬部外品で、有効成分は[グリチルリチン酸ジカリウム](肌あれ・ニキビを防ぐ)と[L-アスコルビン酸2-グルコシド](しみ・そばかすを防ぐ)の2つ。どちらもヒトでのデータがある成分で、ビタミンC誘導体のほうは黒くなったメラニンを淡くする働きまで報告されています。目玉の赤CICAは伊豆大島産の赤いツボクサ由来で、黄柏エキスと有効成分を合わせた「トリプルファイトCP」として、抗炎症の方向に成分を重ねた設計でした。話題の「10.9倍」は自社の従来法との比較なので、そこだけ正しく読んでおけば期待値を外しません。化粧水+この1本で夜を終えられる処方なので、ステップを減らしたい人とはよくかみ合います。
調べていて印象に残ったのは、数字の出し方でした。「10.9倍」という数字だけを大きく出して終わりにするのではなく、何と何を比べたのかを注記でちゃんと書いてある。読む側が正しく受け取れるように条件を開示してあるのは、わりと誠実なやり方だと思います。あとは、この赤CICAを配合したエッセンスミルクそのものでの試験データが出てきてくれたら、もっと言えることが増えそうです。公表されたらこの記事にも追記しますね。
全成分と特徴
| 成分名 | 役割 | 特徴 |
|---|---|---|
| L-アスコルビン酸2-グルコシド | 有効成分(美白) | ビタミンCに糖をつけて安定させた誘導体。肌の酵素で糖が外れてから働き、メラニンの生成をおさえる |
| グリチルリチン酸ジカリウム | 有効成分(抗炎症) | 甘草由来。炎症性サイトカインをおさえ、肌あれ・ニキビを防ぐ |
| 精製水 | 基剤 | 処方のベースとなる水 |
| BG | 保湿・溶剤 | 低刺激の保湿剤。植物エキスを溶かす役割も兼ねる |
| 濃グリセリン | 保湿 | 角層に水分を抱えさせる代表的な保湿成分 |
| トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル | エモリエント | 植物油由来の軽い油分。伸びのよさを出す |
| ミリスチン酸オクチルドデシル | エモリエント | さらっとなじむエステル油。重さを出さずに保湿膜をつくる |
| ステアリン酸POEソルビタン | 乳化 | 非イオン界面活性剤。水と油を安定して混ぜる |
| 植物性スクワラン | エモリエント | 皮脂に近い性質の油分。なめらかさとうるおいを与える |
| ソルビトール発酵多糖液 | 保湿 | 微生物発酵由来の多糖体。しっとり感の持続を助ける |
| マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル | エモリエント・乳化安定 | 植物ステロールのエステル。肌なじみと乳化の安定に働く |
| ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリスリチル | エモリエント | 保湿性の高いエステル油。こっくりした質感をつくる |
| メドウフォーム油 | エモリエント | 酸化しにくい植物油。肌表面の柔軟性を保つ |
| 水酸化K | pH調整 | 増粘剤の中和にも使われるアルカリ剤 |
| 香料 | 賦香 | 公式は5種の精油による柑橘系の香りと説明。無香料ではない |
| フェノキシエタノール | 防腐 | パラベンを使わない処方で広く使われる防腐剤 |
| ベヘニルアルコール | 乳化助剤 | 高級アルコール。クリーム状の乳化を安定させる |
| ジメチコン | エモリエント | シリコーン油。なめらかな伸びと保湿膜をつくる |
| 親油型ステアリン酸グリセリル | 乳化助剤 | 乳化を助けながら、保湿膜づくりにも働く |
| アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 | 増粘・乳化安定 | とろみを出し、乳化を安定させる高分子 |
| カルボキシビニルポリマー | 増粘 | 代表的な増粘剤。ジェル状のとろみと肌へのフィット感を出す |
| ステアリン酸ソルビタン | 乳化 | 乳化の安定を高める補助剤 |
| クエン酸Na | pH調整 | クエン酸と組み合わせて処方のpHを一定に保つ |
| グリセリルエチルヘキシルエーテル | 防腐補助・保湿 | 防腐剤の使用量を抑える目的で併用されることが多い |
| N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム | 乳化・ゲル化補助 | アミノ酸系の成分。質感の安定に働く |
| キサンタンガム | 増粘 | 微生物由来の増粘多糖。とろみと使用感を安定させる |
| ヒドロキシエタンジホスホン酸4Na液 | キレート剤 | 金属イオンを封じて変色・品質劣化を防ぐ |
| ピロ亜硫酸Na | 酸化防止 | ビタミンC誘導体などの酸化を防ぐ。亜硫酸塩に反応歴がある人は確認を |
| クエン酸 | pH調整 | 処方を弱酸性側に整える |
| トウヒエキス | 整肌 | ドイツトウヒ由来。収れん・整肌目的で使われる |
| ラベンダーエキス-1 | 整肌 | ラベンダー由来のコンディショニング成分 |
| トレハロース | 保湿 | 糖由来の保湿成分。乾燥から細胞を守る働きの報告もある |
| ツボクサエキス | 整肌(キー成分) | 公式が「赤CICA」と呼ぶ伊豆大島産の赤ツボクサ由来。表示名は通常のツボクサエキスと同じ |
| オウバクエキス | 整肌(キー成分) | 黄柏(キハダ樹皮)由来。主成分ベルベリンに抗菌・抗炎症の報告がある |
| グリセリルグルコシド液 | 保湿 | 糖とグリセリンが結合した保湿成分 |
| シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール | 可溶化・乳化助剤 | 成分をなじませ、処方を均一に保つ |
| 天然ビタミンE | 酸化防止 | トコフェロール。油分の酸化を防ぐ |
| ノバラエキス | 整肌 | ノイバラの果実由来。収れん・肌あれケア目的で使われる |
| アルテアエキス | 保湿・整肌 | ウスベニタチアオイ由来の粘性エキス。肌をなめらかに保つ |
| カモミラエキス-1 | 整肌 | カモミール由来。鎮静・整肌成分として定番 |
| セイヨウサンザシエキス | 整肌 | サンザシ由来のコンディショニング成分 |
| セージエキス | 整肌 | セージ由来。収れん・整肌目的で使われる |
| トウキンセンカエキス | 整肌 | キンセンカ(カレンデュラ)由来。肌あれケアの定番 |
| ローズマリーエキス | 整肌・抗酸化 | ローズマリー由来。抗酸化作用の報告がある |
※配合の正確な順序・全項目は商品の全成分表示をご確認ください。医薬部外品は表示順=配合量順ではなく、配合量は非公開です。この記事の全成分は公式オンラインストアの製品ページで確認しました(出典2)。
特性タグ:医薬部外品/美白(メラニンの生成をおさえ、しみ・そばかすを防ぐ)/肌あれ・ニキビを防ぐ/保湿/CICA(ツボクサエキス)/ビタミンC誘導体/1本3役(美容液・乳液・クリーム)/香料あり
参考文献・出典(12件)
- PR TIMES(株式会社シロク)「N organic、肌の炎上に立ち向かう闘う美容乳液『N organic Basic バランシング エッセンスミルク』を、医薬部外品として3月24日(火)に新発売」(発売日・価格容量・有効成分・コンセプト):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000173.000057605.html
- N organic 公式オンラインストア 製品ページ「N organic Basic バランシング エッセンスミルク(医薬部外品)」(全成分表示・有効成分/その他の成分の確認に使用。取得日 2026年9月18日):https://sirok.jp/products/VC83yEGYXSDRyKUm
- N organic 公式ティザーページ(赤CICA=伊豆大島産赤ツボクサエキスの説明・「10.9倍」の比較条件の注記・1本3役の設計):https://sirok.jp/teasers/basic-milk-2026-product-non/
- N organic ブランドコンセプトページ(「ありのままでいたいから、ありのままに手をかける」・ナチュラルとサイエンスの融合というブランド方針):https://sirok.jp/concept
- OZmall「N organicから、美容乳液『N organic Basic バランシング エッセンスミルク』が発売」(キャッチコピー・香りの紹介。香りについては一次資料の原文を確認できなかったため参考情報として引用):https://www.ozmall.co.jp/cosme/skincare/45036/
- dos Santos Leite C, et al. “Dipotassium Glycyrrhizinate Improves Skin Wound Healing by Modulating Inflammatory Process.” Int J Mol Sci. 2023;24(4):3839.(動物試験):https://doi.org/10.3390/ijms24043839
- Xia J, Liu X, Wang Z, Zhang Y, Jiang G. “Investigating the efficacy of dipotassium glycyrrhizin emollients in adult atopic dermatitis: A focused randomized parallel-controlled clinical study.” Pak J Med Sci. 2025;41(7).(成人アトピー性皮膚炎患者120名を対象としたランダム化並行対照臨床試験):https://doi.org/10.12669/pjms.41.7.9559
- 「アスコルビン酸2-O-α-グルコシドの紫外線皮膚色素沈着抑制効果」西日本皮膚科 58巻3号 p.439.(ヒト塗布試験)J-Stage:https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishinihonhifu/58/3/58_3_439/_article/-char/ja/
- 一丸ファルコス株式会社「AA2G|化粧品原料」(L-アスコルビン酸2-グルコシドの解説と沿革。1994年に資生堂・加美乃素本舗の申請で医薬部外品の美白有効成分として承認):https://www.ichimaru.co.jp/cosmetics/372
- Shen X, Guo M, Yu H, Liu D, Lu Z, Lu Y. “Propionibacterium acnes related anti-inflammation and skin hydration activities of madecassoside, a pentacyclic triterpene saponin from Centella asiatica.” Biosci Biotechnol Biochem. 2019;83(3):561-568.(培養細胞試験):https://doi.org/10.1080/09168451.2018.1547627
- Sucharitakul T, et al. “Centella asiatica phytochemical Madecassoside enhances skin wound healing and protects against UVB-induced keratinocyte damage.” Tissue Barriers. 2025;14(1):2532229.(培養細胞試験):https://doi.org/10.1080/21688370.2025.2532229
- 佐藤製薬株式会社 研究リリース「紫外線により誘導される皮膚バリア機能低下をキハダ樹皮エキスが改善することを確認」2020年12月10日:https://www.sato-seiyaku.co.jp/newsrelease/2020/201210_2/

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