ラロッシュポゼ エファクラ ピールケア セラムを成分解析|独自トリアシッドコンプレックスの中身と、敏感肌でも毎日使える濃度設計

Instagram(@alice_kaiseki)で2.1万人にスキンケア情報を発信するコスメコンシェルジュエージェンシー(日本化粧品検定1級)のありすです✨

2022年3月17日にラ ロッシュ ポゼから発売された『エファクラ ピールケア セラム』は、毛穴の目立ちや肌のざらつきに向けた角質ケア美容液です(出典5)。30mLで5,280円(税込・公式サイト表示)。ニキビ・毛穴悩み向けの「エファクラ」ラインの1本です(出典3)。

公式が掲げるコンセプトは「ホームピーリング発想のうるおい角質ケア」(出典2)。名前に「ピール」と入っていますが、サロンのピーリングのように月に数回だけ使うものではなく、朝晩毎日使う前提で設計されています。看板は独自成分「トリアシッドコンプレックス」。角質柔軟成分を独自バランスで組み合わせ、角質の表面・内部にトータルでアプローチする、というのがメーカーの説明です(出典1)。

気になるのは「その3つの酸って結局なに?」「毎日使えるってことは、そんなに強くないの?」というところですよね。このアイテムは全成分がわずか12個。少ない成分だからこそ、並び順から設計の意図がかなりはっきり読めます。順番に見ていきますね。

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「ピールケア」という名前だけ見ると、ちょっと強そうに感じますよね。中身の酸が何なのか、どのくらいの位置に並んでいるのか、まず成分表から確かめていきます。

ひとことで言うと

ありす

ひとことで言うと、「性格の違う3つの酸を、毎日のスキンケアに組み込める濃度帯でまとめた角質ケア美容液」です。看板のトリアシッドコンプレックスは[乳酸][フィチン酸][サリチル酸]。角質の表面、うるおいと抗酸化、毛穴の中と、担当がきれいに分かれています。そこに整肌成分の[ナイアシンアミド]が全12成分の5番目で乗っているので、ざらつきと皮脂・毛穴の両方に手が届く構成。いっぽう2番目が[変性アルコール]なので、アルコールが苦手な肌はそこだけ先に確認しておきたいです。

このアイテムのポイント

  • 看板の「トリアシッドコンプレックス」の正体は[乳酸][フィチン酸][サリチル酸]。水になじむ酸・分子が大きい酸・油になじむ酸という、性格の違う3つを組み合わせた処方です(出典1)。
  • 3つとも全12成分中10〜12番目。ピーリング専用品のような高濃度ではなく、「朝晩毎日使う」という公式のポジショニングと素直につながる設計です(出典1)。
  • 土台は[ナイアシンアミド](5番目)とターマルウォーター。フランス医学アカデミーに認定された自社の温泉水は、このブランドの看板原料です(出典4)。

※このアイテムは化粧品です(医薬部外品ではありません)。公式サイトでも[ナイアシンアミド]や温泉水は「有効成分」ではなく「整肌成分」と表記されています(出典1)。

基本情報

ラ ロッシュ ポゼ エファクラ ピールケア セラム(30mL)の商品ビジュアル
ブランドLa Roche-Posay(ラ ロッシュ ポゼ)/日本ロレアル株式会社
価格・容量30mL/5,280円(税込・公式サイト表示。発売時は4,950円)
発売日2022年3月17日(一部先行発売2022年2月17日)
【はじめての方必読】当サイトの成分解析について
  • 成分解析は各成分の一般的な配合目的を記載したもので、製品の効果効能を保証するものではありません。
  • リニューアル等により全成分が変更される可能性があります。見つけた場合はお問い合わせフォームから教えて頂けると助かります。

「ホームピーリング発想」って、どういう位置づけ?

先に言葉の整理をしておきます。公式が言う「ホームピーリング発想のうるおい角質ケア」(出典2)は、クリニックでおこなうケミカルピーリングとは別ものです。医療のピーリングは高い濃度の酸を短時間だけ使って、角質をまとめて剥がします。いっぽうこのアイテムは、化粧水のあとに2〜4滴を顔全体になじませる美容液で、朝と夜の両方に使えます(出典1)。

つまり「一気に剥がす」のではなく「たまりかけた角質を毎日少しずつ整える」という発想。この違いが分かっていると、このあと出てくる「酸が成分表の後ろのほうにある」という事実も、物足りなさではなく設計として読めるようになります。

看板の「トリアシッドコンプレックス」=3つの酸の役割分担

メーカーの説明

公式の言葉はこうです。サリチル酸・乳酸・フィチン酸という角質柔軟成分を独自のバランスで配合した「トリアシッドコンプレックス」が、角質の表面と内部にトータルでアプローチし、毛穴レス印象の肌に導く(出典1)。3つまとめて「酸」と呼ばれていますが、この3つは水へのなじみ方も分子の大きさもかなり違います。そこが面白いところです。

水になじむ酸・大きい酸・油になじむ酸

乳酸・フィチン酸・サリチル酸がそれぞれ働く場所の違いを示した比較図
  • [乳酸]…AHA(アルファヒドロキシ酸)の一種で、もともと肌の天然保湿因子(NMF)の材料でもある成分。水になじみやすく、角質のいちばん表面で働きます。角質ケアの担当でありながら保湿の顔も持っているのが、ほかのAHAと少し違うところ。
  • [フィチン酸]…米ぬかなど穀物由来の成分。ほかのAHAより分子が大きいぶん角質へのしみ込み方がゆるやかで、刺激が出にくいと言われています。鉄や銅などの金属イオンをつかまえる(キレートする)性質があり、紫外線がきっかけで起きる酸化ダメージをおさえる方向の働きも期待されています。
  • [サリチル酸]…BHA(ベータヒドロキシ酸)。油になじむのが最大の特徴で、皮脂で満たされた毛穴の中に入り込みやすい。角質をやわらかくして毛穴づまりをゆるめる働きは、化粧品成分として広く確立されています。BHAを毛穴向けに使う設計は韓国コスメでもよく見かけますね(Beauty of Joseon グロウセラムの解析でも同じ考え方が出てきます)。

水になじむ乳酸が表面、油になじむサリチル酸が毛穴の中、その間を分子の大きいフィチン酸が抗酸化も兼ねて受け持つ。同じ「酸」を3つ重ねたのではなく、届く場所が違う3つを並べたと読むのが正確だと思います。

古い角質がはがれるまでの4つの流れを示したフロー図

AHAが角質をゆるめるしくみは、角質細胞どうしをつないでいる「デスモソーム」という留め具が関係しています。この留め具はカルシウムイオンがあることで安定しているので、酸がそのイオンをつかまえると結合がゆるみ、古い角質が自然にはがれていく——という流れ。ゴシゴシこすって削るのではなく、接着をゆるめて自然に落とすタイプのケアです。

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3つの酸は「強さ違い」ではなく「担当場所違い」。表面の乳酸、毛穴の中のサリチル酸、そのあいだを支えるフィチン酸、というチーム分けだと思って読むと、処方の意図がすっと入ってきます。

配合位置から読める「濃度感」

全12成分の中での変性アルコール・ナイアシンアミド・トリアシッドコンプレックスの配合位置を示した数値カード図

化粧品の全成分表示は、原則として配合量の多い順に並びます(1%以下の成分は順不同)。このアイテムの並びを見ると、[乳酸]が10番目、[フィチン酸]が11番目、[サリチル酸]が12番目(最後)(出典1)。3つともリストの終盤にまとまっています。

ここから読めるのは、グリコール酸10%級のピーリング専用品のような高濃度帯ではないということ。これは弱点ではなく、「朝晩毎日使う」というこのアイテムのポジショニングとまっすぐ一致しています。角質ケアは強さより続けやすさで結果が変わる場面が多いので、私はこの濃度設計のほうが理にかなっているとみています。逆に言えば、1回でつるっとさせたい人の道具ではないということでもあります。

海外版の「トリプルアシッド」とは中身が違う(ここ重要)

検索すると「ラ ロッシュ ポゼのトリアシッドセラムは4週間でニキビが45%減った」といった数字が出てくることがあります。これは海外版の別処方の話なので、そのまま日本版に当てはめないほうがいいです。

研究で分かっていること

海外で展開されている「トリアシッドコンプレックス」のセラムは、サリチル酸1.5%+グリコール酸+LHA(リポヒドロキシ酸)という組み合わせです。メーカーは4週間でニキビ45%減少、ニキビ跡49%改善などの数値を公表しており(出典11)、この処方については査読付きの臨床論文も出ています(出典9:Queille-Roussel C ほか, J Eur Acad Dermatol Venereol, 2023/成人女性のニキビ維持療法。出典10:Kerob D ほか, J Cosmet Dermatol, 2026/軽症〜中等症ニキビでの有効性と忍容性)。
ただし日本版の3つの酸は[乳酸][フィチン酸][サリチル酸]で、グリコール酸もLHAも配合されていません(出典1)。同じ名前でも中身が違うので、この数値は日本版の実力を示すものではありません。

ではこの論文2本に意味がないかというと、そんなことはないです。「性格の違う酸を複数組み合わせる」という処方の考え方そのものが、査読誌で検討されるレベルまで来ているという背景が分かります。日本版はその思想を、日本の肌と毎日使用に合わせて組み直したバージョン、という位置づけで読むのがいちばん近いと思います。

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同じ商品名・同じ技術名でも、日本版と海外版で中身が違うことは本当によくあります。海外レビューの「◯%改善」を見つけたときは、まず全成分を見比べてみてくださいね。

整肌の土台は[ナイアシンアミド]とターマルウォーター

酸だけの美容液かというと、そうではありません。メーカーは[ナイアシンアミド]と「ターマルウォーター(温泉水)」の2つを整肌成分として挙げています(出典1)。角質をゆるめる側と、肌のコンディションを整える側。この2本立てが、毎日使う設計を支えている部分です。

[ナイアシンアミド]は全12成分中5番目

ビタミンB3の化粧品用の形で、皮脂のコントロール・肌荒れ・キメ・バリア機能と、守備範囲がとても広い成分です。このアイテムでは水・変性アルコール・グリセリン・プロパンジオールに次ぐ5番目。ナイアシンアミドは1%以上で配合されることも珍しくない成分なので、この位置ならまとまった量が入っている可能性があります(濃度は非公開)。

研究で分かっていること

2%のナイアシンアミドを使った臨床試験では、皮脂の分泌量の低下と、毛穴サイズの改善が報告されています。この試験は日本人のグループとコーカソイドのグループの両方でおこなわれていて、皮脂の指標の下がり方には人種差もみられました(出典7:Draelos ZD ほか, J Cosmet Laser Ther, 2006/ヒト塗布試験)。ただしこのアイテムの配合濃度は公開されていないため、試験と同じ条件とは限りません。

毛穴悩みには「詰まり」と「皮脂で開いて見える」の両方の側面があります。酸が詰まり側を、ナイアシンアミドが皮脂側を受け持つ形になっていて、エファクラという毛穴・ニキビ向けラインの設計としてはかなり素直。ナイアシンアミド美容液をすでに使っている方は、クリニーク イーブン ベター アクティブ ブースター セラムの解析と読み比べると、同じ成分でも狙いどころの違いが見えてくると思います。

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毛穴って「詰まってる」と「皮脂で開いて見える」の2種類ありますよね。酸が前者、ナイアシンアミドが後者。両方に手を伸ばしているのがこのアイテムの構成です。

ターマルウォーター(温泉水)はブランドの看板原料

成分表では「水」と書かれているだけなので見落としがちですが、ラ ロッシュ ポゼの製品で使われている水は、フランス・ラ ロッシュ ポゼ村の天然の湧水です。地層を1700年かけてにじみ出てきた水で、セレン(セレニウム)を豊富に含むのが特徴。1905年には水治療センターがつくられ、1913年にフランス医学アカデミーから「皮膚科学的ターマルセンター」として公式に認定されています(出典4)。

研究で分かっていること

ラ ロッシュ ポゼの温泉水そのものを扱った総説では、セレンやストロンチウムによる抗炎症・抗酸化の働きが整理され、アトピー性皮膚炎・乾癬・ニキビなどでの臨床応用がレビューされています(出典6:Seité S, Clin Cosmet Investig Dermatol, 2013/総説)。「温泉水配合」という言葉自体はよく見かけますが、その水を主題にした査読誌の総説が存在する例はそう多くありません。

ひとつ補足を。ラ ロッシュ ポゼと同じロレアルグループには、同じく温泉水を看板にするヴィシー(VICHY)もあります。ただしこの2つは別の水源で、ミネラルの組成も違います。ヴィシーはフランス・オーヴェルニュの火山帯由来で15種のミネラルが豊富、ラ ロッシュ ポゼはセレンが豊富、というのがグループ公式の説明です(出典12)。同じ会社だから同じ水、ではないんですね。

なお、INCI表示のうえでは温泉水も「水」に一括で表示されるので、成分表からどのくらい使われているかは読み取れません。ここはメーカーの説明とブランドの歴史をもとに受け取る部分です。

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成分表の先頭にある「水」の一文字に、1700年ぶんの物語と医学アカデミーの認定が入っている、というのがこのブランドの面白さ。割合は分からないので、そこは正直に「読めません」とお伝えしておきます。

「敏感肌でも毎日」の設計と、[変性アルコール]が2番目という事実

公式は「敏感な肌も考えて開発」として、ニキビのもとになりにくい処方・低刺激設計・日本人の肌でのテスト済み・アレルギーテスト済みを挙げています(すべての人に肌トラブルが起きないわけではない、という注記つき)(出典1)。酸類が終盤に置かれているのも、この「毎日使える」を成り立たせるための濃度設計だとみています。

そのうえで、成分表を見て気づくことがひとつ。全12成分の2番目が[変性アルコール](エタノールに変性剤を加えたもの)です(出典1)。この位置なら、それなりの量が入っていると考えるのが自然です。

変性アルコールは悪者ではありません。塗ったあとにすっと揮発して、公式が謳う「べたつきのない軽やかな仕上がり」(出典1)をつくるのはこの成分の働きですし、油になじむサリチル酸のような成分を処方に溶かし込む役目もあります。皮脂が多くてベタつきが気になる肌には、むしろ心地よく感じられるはず。

ただ、アルコールで乾燥やぴりつきを感じたことがある人にとっては、「低刺激設計」という言葉だけで判断せず、自分の肌で確かめたいポイントになります。酸が入っている処方なので、なおさら最初は少量から試したいところ。低刺激をうたう設計と、アルコールが上位にあるという事実は、どちらも本当のことなので両方お伝えしておきますね。

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「敏感肌ブランドだから絶対に大丈夫」とは言えないのがスキンケアの難しいところ。あの軽い使い心地はアルコールあってこそなので、相性の問題として受け止めるのがいちばん近いです。

残りの成分は、酸をちょうどよく効かせるための裏方

全12成分のうち、ここまでで触れていない6つはすべて処方の土台と調整役です。数が少ないぶん、ひとつずつに役割がはっきりあります。

  • [グリセリン]…定番の保湿剤。角質層の水分を抱えて、酸を使うケアで起きがちなつっぱり感をやわらげる側にまわります。
  • [プロパンジオール]…保湿もできる溶剤。感触の軽さを整えつつ、水にも油にも寄りにくい成分を処方に溶かし込むのを助けます。
  • [水酸化Na]…pH調整剤。酸を3つも入れた処方は放っておくと酸性に振れすぎるので、肌になじむpH帯へ引き戻す役。酸のケアでは、この調整がそのまま刺激の出かたに直結します。
  • [ヒドロキシエチルピペラジンエタンスルホン酸](HEPES)…生化学の実験でおなじみのpH緩衝剤。使っているあいだもpHが動きすぎないよう、幅をおさえておく成分です。水酸化Naと組んで「狙ったpHを保ち続ける」担当。
  • [ヒドロキシプロピルグアーガム]…グァー豆由来の増粘剤。公式が言う「とろみのあるテクスチャー、すっと伸びる」(出典1)を支えている成分で、とろみをつけながらべたつきは残さないのが得意です。
  • [ヒドロキシアセトフェノン]…抗酸化の働きを持つ、穏やかな防腐サポート成分。

pH調整剤が2種類入っているのは、酸を主役にした処方ならでは。酸の効き目と刺激のバランスはpHでほぼ決まるので、ここに2つ使っているのは「毎日使える強さに合わせ込む」という設計の表れだとみています。香料・着色料・オイル類が一切ない、そぎ落とした処方でもあります。

正直に気になる点

[変性アルコール]が2番目。軽さと引き換えの部分がある

さっき書いたとおり、この位置なら量はそれなり。あのさらっとした仕上がりはこの成分のおかげでもあるので、「軽さを取るか、アルコールを避けるか」の選択になります。乾燥が強い季節や、肌が荒れているタイミングでは、無理に毎日使わず間隔をあけるほうが安全だと感じています。

「ピール」の名前から想像する強さとは違う

3つの酸はいずれも成分表の終盤。角質をごっそり落とす道具ではなく、毎日少しずつ整えるアイテムです。1回でつるんとした変化を期待して買うと、「思ったより穏やか」と感じる可能性が高い。逆に、酸のケアで失敗した経験がある人にはこの穏やかさが利点になります。

日本版そのものの臨床データは公表されていない

公式が出しているのはレビュー評価やリピート率といった自社集計の数字で(出典1)、日本版の処方で「毛穴が◯%目立たなくなった」といった試験の数値は見当たりませんでした。海外版の臨床データ(出典9)は処方が違うので、そのまま持ってくることはできません。とはいえ、個々の成分には作用のしくみと研究の蓄積があり、皮膚科学を軸にしてきたブランドが組んだ処方です。「データが無い」ではなく「この組み合わせでの公表データはこれから」という現在地だと受け止めています。

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気になるのは「アルコールが2番目」「ピールという名前ほど強くはない」の2点。処方そのものに引っかかる部分はほとんどなくて、あとは期待の置きどころの話だと感じています。

こんな人に向いている/事前に確認したい人

🙆‍♀️ 向いていそうな人

  • ざらつき・毛穴の目立ちが気になるけれど、高濃度のピーリング剤はこわいと感じている人
  • 詰まりと皮脂の両方に手を打ちたい人(酸+ナイアシンアミドの組み合わせ)
  • スキンケアの工程を増やさず、化粧水のあとの1本で角質ケアまで済ませたい人
  • とろみはあるのにベタつかない、軽い使い心地が好きな人
  • 皮膚科学ブランドのテスト表示(アレルギーテスト済み・日本人の肌でテスト済み)を選ぶ基準にしている人(出典1)

🔍 事前に確認したい人

  • アルコールで乾燥・ぴりつきを感じたことがある人 → [変性アルコール]が2番目です。少量から
  • すでにピーリング系のアイテムや、レチノール・高濃度ビタミンCを使っている人 → 重ねると刺激が強まることがあります。日を分けるのが安心
  • 「ピール」という名前から強い剥離を期待している人 → 毎日使う前提の穏やかな濃度設計です
  • ニキビそのものの治療を目的にしている人 → このアイテムは化粧品で、ニキビの治療薬ではありません。皮膚科で使われる成分の話はアゼライン酸とは?もどうぞ
ありす

「酸デビューしたいけど怖い」という方に、私はいちばん向いていると感じています。逆に、すでに攻めのケアをしている人は重ねすぎに気をつけてくださいね。

よくある質問

Q. 本当に毎日、朝も使って大丈夫ですか?
A. メーカーは朝晩の使用を想定していて、化粧水のあとに2〜4滴を顔全体になじませる使い方を案内しています(出典1)。酸類が成分表の終盤にある濃度設計も、その前提に合っています。ただし角質ケアをしたあとの肌は紫外線の影響を受けやすくなるので、朝に使う日は日焼け止めをいつも以上にきちんと。肌が荒れているときは無理に毎日使わず、間隔をあけてください。

Q. サロンやクリニックのピーリングの代わりになりますか?
A. 代わりにはなりません。医療のピーリングは高い濃度の酸を短時間だけ作用させるもので、このアイテムは低めの濃度を毎日重ねていく設計です。方向性がそもそも違うので、「たまった角質をリセットする」ではなく「たまりにくい状態を保つ」ほうの道具だと考えてください。

Q. くすみや色ムラにも期待できますか?
A. 直接それを狙った製品ではありませんが、材料はそろっています。[ナイアシンアミド]は肌のトーンに関わる研究が厚い成分ですし、[フィチン酸]についてはグリコール酸10%+フィチン酸2%を配合した処方の12週間の臨床試験で、色素沈着と肌のツヤの改善が報告されています(出典8:Houshmand EB ほか, J Cosmet Dermatol, 2021/臨床評価)。ただしこれはグリコール酸との併用処方のデータで、フィチン酸だけの効果を示すものではありません。このアイテムにグリコール酸は入っていないので、同じ結果を期待するのは行きすぎです。角質が整うことで光の反射が変わり、明るく見える——くらいの受け止めがちょうどいいと感じています。

Q. 他のスキンケアと重ねても平気?
A. 酸が入っているので、レチノール・高濃度のビタミンC・ほかのAHA/BHAアイテムと同じタイミングで重ねると刺激が強く出ることがあります。使う日を分けるか、朝と夜で役割を分けるのが無難。保湿はしっかり重ねてOKで、むしろ酸のケアのあとはうるおいをきちんと補うほうが結果的に肌が落ち着きます。

ありす

角質ケアのあとの肌は紫外線に弱くなります。日焼け止めまでがワンセット、と覚えておいてくださいね。

まとめ

エファクラ ピールケア セラムは、看板の「トリアシッドコンプレックス」=[乳酸][フィチン酸][サリチル酸]という届く場所の違う3つの酸を、全成分表の終盤=毎日使える濃度帯でまとめた角質ケア美容液でした。そこに5番目の[ナイアシンアミド]が皮脂と毛穴の側から乗り、ベースの水はフランス医学アカデミーに認定された自社の温泉水(出典4)。全12成分という少なさのわりに、やりたいことが一本の線でつながっている処方です。

気をつけたいのは2つ。[変性アルコール]が2番目にあること、そして「ピール」の名前から想像するほど強くはないこと。どちらも欠点というより、期待の置きどころの話だとみています。角質ケアを始めたいけれど強い製品はこわい、という人にいちばんかみ合う1本。日本版の処方そのものの臨床データが出てきたら、この記事にも追記しますね。

同じく毛穴・皮脂にナイアシンアミドで向き合う処方としては、ONE BY KOSÉ ザ リンクレス ローションの成分解析もあわせてどうぞ。

全成分と特徴

成分名役割特徴
水基剤処方のベース。ブランドの看板であるターマルウォーター(セレンを含むラ ロッシュ ポゼ村の温泉水)もINCI表示上はここに含まれる
変性アルコール溶剤・使用感エタノールに変性剤を加えたもの。速乾性で「べたつかない軽さ」を支える一方、アルコールが苦手な肌は要確認。全12成分中2番目
グリセリン保湿保湿剤の代表格。角質層の水分を抱え、酸のケアで起きやすいつっぱり感をやわらげる側にまわる
プロパンジオール保湿・溶剤多価アルコール。感触を軽く整えつつ、溶けにくい成分を処方になじませる
ナイアシンアミド整肌ビタミンB3。皮脂分泌・毛穴・肌荒れ・キメと守備範囲が広い。2%配合の臨床試験で皮脂量と毛穴サイズの改善が報告されている(出典7)。全12成分中5番目
水酸化NapH調整3つの酸を含む処方のpHを、肌になじむ範囲へ整える
ヒドロキシアセトフェノン防腐サポート・抗酸化穏やかな防腐補助成分。抗酸化の働きもあわせ持つ
ヒドロキシエチルピペラジンエタンスルホン酸pH緩衝通称HEPES。使用中もpHが動きすぎないよう幅をおさえ、処方を安定させる
ヒドロキシプロピルグアーガム増粘グァー豆由来。「とろみはあるのにべたつかない」テクスチャーの土台
乳酸角質ケア(AHA)肌の天然保湿因子の材料でもあるAHA。水になじみ、角質の表面で細胞どうしの結合をゆるめる。全12成分中10番目
フィチン酸角質ケア・抗酸化穀物由来。分子が大きくしみ込み方がゆるやかで刺激が出にくいとされる。鉄・銅イオンをつかまえる抗酸化の働きも持つ。全12成分中11番目
サリチル酸角質ケア(BHA)油になじむため毛穴の皮脂の中に入りやすく、角質をやわらげて詰まりをゆるめる。全12成分中12番目(最後)

※配合の正確な順序・全項目は商品の全成分表示をご確認ください。配合量は非公開です。

特性タグ:化粧品(医薬部外品ではない)/角質ケア/毛穴/皮脂/AHA(乳酸)/BHA(サリチル酸)/フィチン酸/ナイアシンアミド/温泉水/香料不使用/アレルギーテスト済み/ニキビのもとになりにくい処方/アルコール(変性アルコール)配合

参考文献・出典(12件)
  1. ラ ロッシュ ポゼ公式 商品ページ「エファクラ ピールケア セラム」(全成分・価格・容量・使用方法・トリアシッドコンプレックスの説明・整肌成分としてのナイアシンアミド/ターマルウォーター・敏感肌設計およびテスト表示・テクスチャー訴求・自社集計のレビュー評価):https://www.laroche-posay.jp/product/skincare/serum/effaclar-peelcare-serum/LRPJP-EFF-006.html
  2. ラ ロッシュ ポゼ公式 特設ページ「エファクラ ピールケア セラム」(「ホームピーリング発想のうるおい角質ケア」というコンセプト):https://www.laroche-posay.jp/product/effaclarserum.html
  3. ラ ロッシュ ポゼ公式 ライン紹介ページ「エファクラとは」(ニキビ・毛穴悩み向けラインとしての位置づけ):https://www.laroche-posay.jp/product/by-range/effaclar
  4. ラ ロッシュ ポゼ公式 ブランドページ「ターマルウォーター」(フランス・ラ ロッシュ ポゼ村の湧水/1700年かけて地層をにじみ出た水/セレンを豊富に含む/1905年の水治療センター設立と1913年フランス医学アカデミーによる皮膚科学的ターマルセンター認定):https://www.laroche-posay.jp/product/by-range/thermalwater
  5. ファッションプレス「ラ ロッシュ ポゼ新美容液『エファクラ ピールケア セラム』」(2022年3月17日発売・一部先行2月17日・発売時価格4,950円):https://www.fashion-press.net/news/81742
  6. Seité S.「Thermal waters as cosmeceuticals: La Roche-Posay thermal spring water example」Clin Cosmet Investig Dermatol. 2013;6:23-28.(総説。セレン・ストロンチウムの抗炎症/抗酸化作用とアトピー性皮膚炎・乾癬・ニキビでの臨床応用):https://doi.org/10.2147/CCID.S39082
  7. Draelos ZD, Matsubara A, Smiles K.「The effect of 2% niacinamide on facial sebum production」J Cosmet Laser Ther. 2006;8(2):96-101.(ヒト塗布試験。日本人コホートとコーカソイドコホートでの皮脂分泌量・毛穴サイズの変化):https://doi.org/10.1080/14764170600717704
  8. Houshmand EB, et al.「Effect of Glycolic Acid, Phytic Acid, Soothing Complex Containing Emulsion on Hyperpigmentation and Skin Luminosity: A Clinical Evaluation」J Cosmet Dermatol. 2021.(グリコール酸10%+フィチン酸2%を配合した処方での12週間の臨床評価。フィチン酸単独の効果を示すデータではありません):https://doi.org/10.1111/jocd.13950
  9. Queille-Roussel C, et al.「Ultra-concentrated tri-acid complex serum as maintenance therapy in adult female acne」J Eur Acad Dermatol Venereol. 2023.(海外版=サリチル酸+グリコール酸+LHA処方についての臨床試験。日本版とは処方が異なります):https://doi.org/10.1111/jdv.18909
  10. Kerob D, et al.「Efficacy and Tolerability of a Tri-Acid Dermocosmetic Serum in Adults of Any Skin Phototype With Mild to Moderate Acne」J Cosmet Dermatol. 2026.(海外版処方についての臨床試験):https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC13337959/
  11. L’Oréal USA公式リリース「La Roche-Posay Launches New Acne Treatment Serum with Added Anti-Aging Benefits」(PR Newswire。海外版のサリチル酸1.5%+グリコール酸+LHA処方と、4週間でのニキビ45%減少などの公表データ。日本版の処方とは異なります):https://www.prnewswire.com/news-releases/la-roche-posay-launches-new-acne-treatment-serum-with-added-anti-aging-benefits-301635365.html
  12. L’Oréal公式「From source to product」(ラ ロッシュ ポゼとヴィシーがそれぞれ別の水源・別のミネラル組成の温泉水を使っている旨の説明):https://www.loreal.com/media/beauty-in/beauty-in-active-cosmetics/from-source-to-product
ありす
コスメコンシェルジュ

美容、メイク、おしゃれ等にはまっている20代の3児のママ。 コスメレビュー、コスメ成分解析、コスメサブスク、ファッションレンタルなどの情報を発信しています。

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