ONE BY KOSÉ ザ リンクレス ローションを成分解析|独自成分「サーチュレーター1」とナイアシンアミドの実力

Instagram(@alice_kaiseki)で2.1万人にスキンケア情報を発信するコスメコンシェルジュエージェンシー(日本化粧品検定1級)のありすです✨

ONE BY KOSÉから、2026年8月21日に「ザ リンクレス ローション」が発売されました。本体180mL・税込3,960円、つめかえ用160mL・税込3,410円、試しやすいミニ30mL・税込682円という3サイズ展開です[1]。予約の受け付けは7月21日から始まっていました[14]。姉妹品に乳液の「ザ リンクレス エマルジョン」もあります。

コーセーがこのラインで前面に出しているのは、「美肌の寿命を見据えたシワ改善」というコンセプトと、独自成分「サーチュレーター1」です。肌の弾力低下によるシワ、ハリ不足による毛穴のたるみにアプローチする高機能エイジングケアシリーズ、と説明されています[2]。そこに有効成分[ナイアシンアミド]と独自技術「イオン化カプセル浸透技術」、発酵保湿成分[ライスパワーNo.7-A]が重なる構成。

「サーチュレーター1」、名前だけ聞くとかなり強そうですよね。今日はこのローションを、①メーカーは何と言っているか ②全成分表から確認できることは何か ③研究で分かっていることは何か ④裏づけの現在地はどこか、の順に見ていきますね。

ありす

独自成分って中身が伏せられていることも多いのですが、この「サーチュレーター1」はコーセーがちゃんと中身を書いてくれています。だから成分表から追いかけられるんです。ありがたい😊

【はじめての方必読】当サイトの成分解析について
  • 成分解析は各成分の一般的な配合目的を記載したもので、製品の効果効能を保証するものではありません。
  • リニューアル等により全成分が変更される可能性があります。見つけた場合はお問い合わせフォームから教えて頂けると助かります。
目次(16項目)

ひとことで言うと

ありす

ひとことで言うと、「シワ改善」で承認された有効成分を土台に、長寿遺伝子の世界観で成分を組み上げた、物語のある薬用化粧水です。看板の「サーチュレーター1」は公式によればワレモコウエキスと濃グリセリンの組み合わせ。複合原料としてのデータは非公開ですが、ワレモコウエキス自体には査読論文が複数あって、素材の足腰はしっかりしています。そして地味に面白いのが、同じ「長寿遺伝子」の研究で有名な[トランス-レスベラトロール]まで別枠で入っていること。世界観を成分表でちゃんと作り込んでいる処方だと思います。

このアイテムのポイント

  • 「サーチュレーター1」の中身は公表済み。公式の成分注記で「ワレモコウエキス・濃グリセリン」と明記されていて[1]、全成分表にも両方きちんと入っています。
  • 有効成分は[ナイアシンアミド]1つ。「シワ改善」で承認された成分で、ヒト臨床試験の蓄積も厚い一方[6]、化粧品では広く使われている定番成分でもあります。
  • [ライスパワーNo.7-A]は【その他の成分】としての配合。「皮膚の水分保持能改善」で承認されているのは同シリーズのNo.11のほうなので、ここは保湿サポート役という位置づけです[12][13]。

医薬部外品としてうたえるのは、有効成分[ナイアシンアミド]による「シワを改善する」という承認された効能の範囲まで[1]。独自成分・独自技術のほうは、あくまでメーカーが公表している設計思想として読んでいきますね。

基本情報

ONE BY KOSÉ ザ リンクレス ローション(180mL)の商品ビジュアル
ブランド ONE BY KOSÉ(ワンバイコーセー)/株式会社コーセー
価格・容量 本体180mL 税込3,960円/つめかえ用160mL 税込3,410円/ミニ30mL 税込682円
発売日 2026年8月21日(予約受付は2026年7月21日〜)

サーチュレーター1って何?──ワレモコウエキス×濃グリセリンの正体

サーチュレーター1の正体をメーカーの説明から確認するまでの4ステップを示した図解

メーカーが謳う「長寿遺伝子」のストーリー

まずメーカーが何と言っているか。WWDJAPANの記事では、サーチュレーター1は「長寿遺伝子に着目して開発された独自成分」として紹介されています[2]。長寿遺伝子というのは、生物の老化や寿命に関わるとされるサーチュイン(Sirtuin)遺伝子のこと。成分名の「サーチュレーター」も、明らかにここから来ていますよね。

「長寿遺伝子をスキンケアに応用する」という研究テーマ自体は、コーセー独自のものではなく、化粧品業界で近年広がっている潮流です。たとえばアテニアは、長寿遺伝子の一種[サーチュイン6]が肌のオートファジー(自己修復システム)の誘導を促し、紫外線ダメージからの回復に関わることを実証し、ブドウ芽エキス配合化粧品を4週間連用した臨床試験で皮膚柔軟性が有意に増加したと報告しています[19]。エスティ ローダーも15年以上にわたる長寿遺伝子研究プログラムを公表しています[20]。つまり「長寿遺伝子×スキンケア」というテーマそのものは業界的に根拠のある研究分野で、KOSÉが乗っているのは的外れな流行り言葉ではなく実在の研究潮流だと言えます。ただし、これらはあくまで他社が自社原料で行った研究であり、「サーチュレーター1」自体がサーチュインに作用することを示すデータではない点は分けて考える必要があります。

そして中身ですが、公式サイトの成分注記に「サーチュレーター1はワレモコウエキス・濃グリセリン」とはっきり書かれています[1]。ローションとエマルジョンの共通配合です。全成分表を見ると、[濃グリセリン]は「その他の成分」の4番目、[ワレモコウエキス]は13番目に記載されています[15]。

もうひとつ、公式が脚注で説明しているのが「ハリつや成分」。こちらは[N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル)](エマルジョンでは重質流動イソパラフィン)と明記されています[1]。抱水性が高く、肌のステロール骨格になじみやすいと言われるアミノ酸系オイルで、この処方の「ツヤ膜」担当ですね。

ありす

「サーチュレーター1」は複合原料のネーミングで、正体はワレモコウエキスと濃グリセリン。名前で身構える必要はなくて、中身は昔から使われてきた植物エキス+定番の保湿剤です。

ワレモコウエキス自体の研究データ

では素材そのものはどうでしょう。ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)はバラ科の植物で、その根は東アジアで古くから収斂・止血の生薬として使われてきました。化粧品原料としても歴史のある成分で、近年は査読論文もいくつか出ています。

研究で分かっていること

ワレモコウ属の抽出画分について、炎症の信号を伝えるNF-κBやp38/ERKといった経路を抑えることで炎症性の反応が弱まったという報告があります[7]。Sanguisorba officinalisから取り出した成分が、細菌由来の刺激(LPS)で増える炎症性サイトカインを抑えたという報告も[8]。また、ワレモコウ根の水抽出物が、かゆみや赤みの引き金になるマスト細胞の脱顆粒を抑え、アレルギー性皮膚炎のモデルで症状を和らげたという報告[9]、メラニン生成を抑えるセスキテルペノイド類が単離されたという報告もあります[10]。※いずれも成分・素材レベルの基礎研究で、この化粧水そのものの試験ではありません。

「肌あれを起こしにくい環境をつくる」方向の報告が多い、という印象です。一方で、「サーチュレーター1」という組み合わせそのものの試験データ(角層水分量やハリの実測値など)は公開されていません。「長寿遺伝子に着目して開発された」というのも開発のきっかけ・着想の説明であって、サーチュインを活性化したことを示す試験結果が出ているわけではない、というのが現在地です。

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組み合わせのデータは非公開、でも素材のワレモコウエキスには論文が複数ある。「名前の世界観は物語、中身は地に足がついている」くらいに受け止めるのがちょうどいいと思います。

もうひとつの長寿遺伝子成分、トランス-レスベラトロール

ここが個人的にいちばん「おっ」と思ったところです。全成分表の10番目に、[トランス-レスベラトロール]が入っています[15]。赤ワインやブドウの皮に含まれる、ポリフェノールの代表格ですね。

このレスベラトロール、実は「長寿遺伝子」という言葉が世の中に広まるきっかけをつくった成分なんです。2003年にHowitzらがNature誌に発表した研究で、酵母のSIRT1(サーチュイン1)を活性化し、酵母の寿命を延ばす化合物として報告されました[11]。※これは酵母を使った基礎研究で、ヒトの肌に塗ったときの話ではありません。以降は抗酸化・抗炎症の観点から化粧品原料として使われています。

サーチュレーター1(=ワレモコウエキス・濃グリセリン)とは別枠の配合ですが、ブランドが掲げる「長寿遺伝子」の世界観と、レスベラトロールの研究テーマがぴたりと重なっている。ネーミングだけで終わらせず、成分表のほうにもその文脈を置いてきた、という読み方ができます。処方設計として、なかなか凝っていると感じています。

ありす

「長寿遺伝子に着目」って聞くとふわっとした宣伝文句に見えますが、その文脈の代表選手がちゃんと成分表にいる。こういう細部が見えると、私はその処方を信じたくなります✨

有効成分ナイアシンアミド×イオン化カプセル浸透技術

シワ改善効能のエビデンス

ナイアシンアミドの12週間ヒト臨床試験で報告された変化を示した数値カード図解
Bissett et al. 2004(Int J Cosmet Sci)をもとに作成

この化粧水の【有効成分】欄に書かれているのは[ナイアシンアミド]ただ1つ。公式も「シワ改善有効成分」と明記しています[1]。ビタミンB3の誘導体で、いまや美容液から化粧水、下地まで幅広く使われている、化粧品業界ではかなりポピュラーな成分です。同じ「シワ改善」承認の医薬部外品としては、ソフィーナiP 薬用シワ改善泡セラムのナイアシンアミド処方も参考になると思います。ナイアシンアミドという成分そのものについては、「ナイアシンアミドとは?」の記事でも詳しく解説しているので、あわせてどうぞ。

毛穴・皮脂ケアの酸とナイアシンアミドを組み合わせた設計としては、ラ ロッシュ ポゼ エファクラ ピールケア セラムの解析もどうぞ。角質ケアの酸を成分表の終盤に置いて毎日使える濃度に抑える、という別の設計が見えてきます。

ただ「よく見かける」=「ありふれていて期待できない」ではありません。むしろ逆で、化粧品原料のなかでも、ヒトでの試験データがしっかり積み上がっている数少ない成分のひとつです。

研究で分かっていること

Bissettらが2004年に報告したヒト臨床試験(12週間)では、5%のナイアシンアミドを含む製剤を顔に塗った群で、しわ・黄ぐすみ・赤み・色素沈着のいずれもがはっきりと改善したとされています[6]。作用のしくみとしては、真皮の線維芽細胞でコラーゲンがつくられるのを後押しする働きや、表皮のターンオーバーを整える働きが知られています。※この試験は5%配合の製剤によるもので、このアイテムの配合濃度は公開されていません。

なおこのローションは医薬部外品なので、配合濃度は非公開です。そして医薬部外品の成分表示は、化粧品と違って必ずしも配合量の多い順に並んでいるわけではありません[15]。つまり表示順から濃度を逆算することはできない、というのが正直なところ。ただし「シワを改善する」という効能そのものは、厚生労働省の承認を経て表示できているものなので、有効成分として意味のある量が入っていることは制度の側から担保されています。ここは安心材料でいいと思います。

ありす

濃度が分からないのは医薬部外品のお約束。でも「シワ改善」と言い切れている時点で、承認のハードルは越えています。そこはネームバリューではなく制度が保証してくれている部分です。

イオン化カプセル浸透技術の裏づけはどこまで分かっている?

もうひとつ公式が挙げているのが「イオン化カプセル浸透技術」。コーセー独自の技術で、美容成分が角層へなじみやすい設計にしている、と説明されています[4]。

ここははっきりお伝えしますね。この技術名で特許番号や作用機序を示した一次資料を探してみたのですが、現時点ではメディア記事経由の紹介にとどまり、このアイテム専用のプレスリリースも見つけられませんでした。カプセル化の中身──何を、どんな膜で包み、どうイオン化しているのか──は公開されていません。

全成分表にも[水素添加大豆リン脂質][コレステロール][塩化アルキルトリメチルアンモニウム]といった、カプセル(ベシクル)の膜づくりや帯電の調整に使われる顔ぶれが並んでいます。この組み合わせ自体は、リポソーム(脂質でできた微小カプセル)を使ったスキンケア処方の定番設計で、成分ごとに裏づけがあります。[水素添加大豆リン脂質]はリン脂質としてリポソームの膜をつくる働きと、皮膚コンディショニング剤・乳化剤としての機能を持ち、ほかの美容成分の角層へのなじみを助ける原料として整理されています[16]。[コレステロール]はリポソームの脂質膜を安定させ崩れにくくする、配合目的がはっきりした成分です[17]。そして[塩化アルキルトリメチルアンモニウム]のようなカチオン性(プラスの電荷を持つ)成分でリポソーム表面を帯電させると、中性のリポソームより角層の深部まで浸透しやすくなる、という報告が公開されています(皮膚モデルを使った実験で、24時間後の深部到達量が中性処方の2.4倍になったという結果)[18]。つまり「イオン化カプセル」という名前が指しているとみられる膜をプラスに帯電させて浸透性を高めるというアプローチ自体は、化粧品科学の分野で裏づけのある手法です。ただしこの処方・配合比でこのローションがどれくらいなじみをよくしているかという固有の数字は、現時点でメーカーから公表されていません。そこだけは引き続き続報待ちです。

ちなみに化粧品・医薬部外品で言う「浸透」は、あくまで角層までの話です。表皮の奥や真皮まで届くという意味ではないので、そこは期待の置きどころを合わせておいてくださいね。「浸透」という言葉そのものの仕組みや薬機法上のルールについては、化粧品の「浸透」はどこまで本当?で詳しくまとめているので、気になる方はあわせて読んでみてください。

ありす

浸透技術は「データ続報待ち」枠。でも成分表には膜づくりに使う材料がちゃんと揃っていて、口だけの技術名ではなさそうです。発売後にリリースが出たら追記しますね。

同じように「独自技術×シワ改善」を訴求する処方として、POLA リンクルショット ローションの「凹凸フィットベール技術」も読み比べてみると面白いとみています。

ライスパワーNo.7-A×大粒油分の「もっちりハリ」処方

ライスパワーNo.7-AとNo.11の配合区分・承認効能の違いを示した比較図

「その他の成分」の6番目に入っているのが[ライスパワーNo.7-A]。勇心酒造が開発した発酵技術「ライスパワーエキス」シリーズのひとつで、ONE BY KOSÉのブランド紹介ページでは「『お米の力』×『発酵の力』日本人に長年親しまれてきた『お米』から生まれた成分」と説明されています[5]。産地や品種といった具体的な記載はありませんでした。

研究で分かっていること

開発元のライスパワー研究所・勇心酒造の資料によると、ライスパワーNo.7を配合したローションを使った試験で、洗浄60分後の「即時水分保持能」(肌が水分をつかまえておく力の指標)が約1.3倍に増えたと報告されています[12][13]。※これは「ライスパワーNo.7」シリーズ全体としての資料で、このアイテムが使う「No.7-A」個別の試験データではありません。

ここで1つ、紛らわしいので整理しておきますね。ライスパワーエキスのなかで、厚生労働省が「皮膚の水分保持能を改善する」という効能で承認しているのはNo.11のほうです。このローションに入っているNo.7-Aは【その他の成分】として配合されているので、こちらは承認された効能表示を持つ有効成分ではありません[12][13]。(ライスパワーNo.11ってどんな成分?で詳しく解説しています。)

とはいえ、原料そのものには上のような水分保持のデータがあります。「シワ改善はナイアシンアミドが担当、うるおいの土台づくりは発酵保湿成分が担当」という役割分担だと読めば、配合として妥当なところに収まっていると思います。

ありす

「ライスパワー=水分保持能の改善」と覚えている方は多いと思うのですが、それが言えるのはNo.11。この化粧水のNo.7-Aは保湿サポート役、と切り分けておくと期待とずれません。

「水あめのようなとろみ」をつくっている顔ぶれ

公式はこのローションのテクスチャーを「とろっと濃密なのにすっとなじむ」水あめのような質感と表現していて、大粒の油分でもっちりとしたうるおいとハリを与える設計だと説明しています[3]。香りは穏やかなグリーンフローラルとのこと。

成分表を見ると、そのとろみをつくっているのが[アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体]と[キサンタンガム]の増粘剤コンビ。そこにさっきの「ハリつや成分」[N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル)]、エモリエントの[2-オクチルドデカノール][トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン][メチルポリシロキサン]が乗って、化粧水なのに油分の厚みを感じる設計になっています。「大粒の油分」というのは、この油性成分たちを乳化させた粒のことだと読めますね。

うるおい側の脇役も充実していて、[加水分解コラーゲン末][加水分解ヒアルロン酸][酵母培養上澄液][ブリエラスチン](低分子化した加水分解エラスチン)、[ポリオキシエチレングリセリン(26E.O.)]が並びます。抗酸化担当は[d-δ-トコフェロール]と[天然ビタミンE]。緑茶由来のアミノ酸[L-テアニン]や、地中海沿岸原産のナギイカダ由来[ブッチャーブルームエキス]といった、あまり見かけない顔ぶれも入っています。分子量によって働きが変わる[加水分解ヒアルロン酸]について詳しくは、ヒアルロン酸とは?分子量で変わる働き・種類で解説しています。

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化粧水としてはかなり油分が入っているタイプ。さっぱり派の方には重く感じるかもしれませんが、「化粧水のあと乾く」という方にはこのくらいの厚みが合うと思います。

正直に気になる点

  • [エタノール]が上位に記載されています。「その他の成分」の3番目です。医薬部外品の表示は必ずしも配合量順ではないので断定はできませんが、上位に書かれていることと、とろみのある処方で成分を溶かし込む必要があることを考えると、それなりの量が使われている可能性はあります。清涼感やなじみの軽さをつくるために選ばれているのだと思いますが、アルコールがしみやすい方は、腕の内側で試してからのほうが安心です([無水エタノール]も別途入っています)。
  • 独自成分・独自技術のデータは非公開。「サーチュレーター1」という組み合わせでの試験データも、「イオン化カプセル浸透技術」の作用機序も、現時点では公表されていません。構成成分の研究は追えるので土台は見えますが、「この処方だからこうなる」を数字で示す材料はまだない、という状態です。
ありす

気になる点をまとめると「アルコールが上位」「独自成分のデータは続報待ち」の2つ。処方そのものにケチをつけたい箇所は、ほとんど見当たりませんでした。

向いている人/使う前に確認したい人

🙆‍♀️ 向いていそうな人

  • 30代後半〜40代で、シワ・ハリ低下・毛穴のたるみが気になり始めた人(このラインがいちばん狙っているところです)
  • 「シワを改善する」と言える医薬部外品を、化粧水の段階から取り入れたい人
  • とろみのある、もっちりした使用感の化粧水が好きな人
  • 化粧水のあとすぐ乾いてしまう人 → 油分がしっかり入ったタイプです
  • つめかえ用があるラインを長く使いたい人(160mL 税込3,410円)

🔍 使う前に確認したい人

  • アルコールがしみやすい人 → [エタノール]が上位に記載されています
  • さっぱりした化粧水が好きな人 → 油分が多めで、化粧水としてはかなりリッチな部類です
  • 香りが苦手な人 → [香料]入り(グリーンフローラルの香り)です
  • すでに深く刻まれたシワをすぐ消したい人 → 医薬部外品の「シワを改善する」は、じっくり続けて変化を見ていく性質のものです
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「シワ改善とうるおいを化粧水から始めたい」で選ぶとかみ合って、「さっぱり・アルコールなしがいい」で選ぶとずれます。期待の置きどころさえ合えば、価格に対して丁寧な1本だと思っています。

よくある質問

Q. 「サーチュレーター1」は長寿遺伝子に働きかける成分なんですか?
A. そう読みたくなる名前ですが、公表されている情報の範囲ではそこまでは言えません。公式が明かしているのは「サーチュレーター1=ワレモコウエキス・濃グリセリン」という中身と、「長寿遺伝子に着目して開発された」という開発の着想まで[1][2]。サーチュインを活性化したことを示す試験データは公開されていません。素材のワレモコウエキス自体には抗炎症などの研究報告があるので、そちらを評価の軸にするのが現実的だと思います。

Q. ナイアシンアミド配合の化粧水はたくさんありますが、これを選ぶ意味は?
A. たしかに[ナイアシンアミド]はいまや定番成分で、それ自体が珍しいわけではありません。この化粧水の個性は、そこにとろみと油分でうるおいの膜をつくる設計と、[ライスパワーNo.7-A][トランス-レスベラトロール][ブリエラスチン]といった脇役の顔ぶれを重ねているところ。「ナイアシンアミドが入っているか」ではなく「どんな使用感・どんな処方で届けてくるか」で選ぶアイテムだと思います。ナイアシンアミドを主役にした処方は他にもいろいろあって、たとえばクリニークのイーブン ベター アクティブ ブースター セラムは「生体模倣浸透設計」という独自の膜づくり技術と組み合わせています。同じ成分でも処方の個性で選ぶ、という視点で読み比べてみるのも面白いと考えています。

Q. 乳液の「ザ リンクレス エマルジョン」とセットで使ったほうがいい?
A. 独自成分「サーチュレーター1」はローション・エマルジョン共通で配合されているので、ライン使いが前提に組まれた設計です[1]。ただ化粧水だけでも有効成分は入っているので、まずはローションから試して、良ければ乳液も、という順番で大丈夫です。乳液は135mL 税込4,510円、ミニ24mLは税込836円です。

Q. 敏感肌でも使えますか?
A. アレルギーテスト・パッチテスト・スティンギングテスト・ノンコメドジェニックテストは実施済みと公表されています(すべての人に肌トラブルが起こらないわけではない、という通例の注記付き)[1]。ただ[エタノール]が上位に記載されていて[香料]も入っているので、肌が揺らぎやすい時期は腕の内側で試してから顔に使ってくださいね。ミニサイズがあるので、いきなり本体を買わずに済むのは助かります。

まとめ

ありす

最後にまとめますね。「ONE BY KOSÉ ザ リンクレス ローション」は、「シワを改善する」で承認された有効成分[ナイアシンアミド]を土台に、独自成分「サーチュレーター1」(=ワレモコウエキス・濃グリセリン)と発酵保湿成分[ライスパワーNo.7-A]、そして油分でつくるもっちりしたうるおい膜を重ねた薬用化粧水。「長寿遺伝子」という世界観を、[トランス-レスベラトロール]まで含めて成分表で作り込んできた1本です。

独自成分・独自技術そのものの試験データはまだ公開されていないので、そこは続報待ち。でも「シワ改善もうるおいも化粧水の段階から」という条件で探しているなら、税込3,960円という価格に対して中身は十分に丁寧だと思います。まずは30mLのミニサイズで、とろみの質感と香りが自分に合うかを確かめてみるのがおすすめです。

ONE BY KOSÉの他のアイテムが気になる方は、ワンバイコーセー セラムヴェール ディープリペアの解析記事もどうぞ。

全成分と特徴

成分名 役割 特徴
1ナイアシンアミド 有効成分(シワ改善) ビタミンB3誘導体。12週間のヒト臨床試験でしわ・黄ぐすみ・赤み・色素沈着の改善報告あり
2精製水 基剤 処方のベースとなる水
31,3-ブチレングリコール 保湿溶剤 べたつきにくい定番の保湿剤(BG)。防腐剤の効きを助ける働きも
4エタノール 溶剤使用感調整 成分の溶解と清涼感を担う。上位に記載されている
5濃グリセリン 保湿 保湿剤の代表格。独自成分「サーチュレーター1」の構成成分でもある
6ポリオキシエチレングリセリン(26E.O.) 保湿可溶化 グリセリン誘導体。うるおいと処方の安定を助ける
7ライスパワーNo.7-A 保湿(発酵) 勇心酒造の発酵技術による米由来成分。公式は「お米の力×発酵の力」と説明
8ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 乳化感触調整 シリコーン系。油分を細かく分散させ、なじみを整える
9L-テアニン 保湿整肌 緑茶に含まれるアミノ酸。しっとりした肌あたりを助ける
10d-δ-トコフェロール 抗酸化 ビタミンE同族体。処方中の油分の酸化を防ぐ
11トランス-レスベラトロール 抗酸化 ブドウ・赤ワイン由来のポリフェノール。SIRT1研究で知られる成分
12ブッチャーブルームエキス 整肌 地中海沿岸原産のナギイカダ由来エキス
13ブリエラスチン 保湿 低分子化した加水分解エラスチン。肌なじみのよい保湿成分
14ワレモコウエキス サーチュレーター1 バラ科ワレモコウの根由来。抗炎症・抗メラノジェネシスの研究報告がある
15加水分解コラーゲン末 保湿 低分子化したコラーゲン。角層表面の水分保持を助ける
16加水分解ヒアルロン酸 保湿 低分子化したヒアルロン酸。なめらかさとうるおいを与える
17酵母培養上澄液 保湿整肌 酵母培養の上澄み。アミノ酸やビタミンを含む
18天然ビタミンE 抗酸化 酸化を防ぎ、処方と肌表面を守る
192-オクチルドデカノール エモリエント 高級アルコール系の油分。しっとりした感触をつくる
20N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル) ハリつや成分 公式が「ハリつや成分」と明記。抱水性の高いアミノ酸系オイル
21アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 増粘 水あめのようなとろみをつくる高分子
22イソプロパノール 溶剤 成分を溶かし込み、使用感を整える
23エデト酸二ナトリウム 金属イオン封鎖 変色・品質劣化を防ぐキレート剤(EDTA-2Na)
24キサンタンガム 増粘 微生物由来の増粘多糖類。とろみを安定させる
25コレステロール 保湿膜成分 皮膚脂質に近い成分。カプセルの膜づくりにも使われる
26ジプロピレングリコール 保湿溶剤 多価アルコール系の定番保湿剤(DPG)
27トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン エモリエント エステル系の油分。コクのある感触を調整する
28メチルポリシロキサン 使用感調整 シリコーン系。すべりのよいのびを出す
29塩化アルキルトリメチルアンモニウム 帯電調整乳化補助 プラスの電荷をもつ成分。処方の分散状態を整える
30水酸化ナトリウム pH調整 処方の pH を整える
31水素添加大豆リン脂質 乳化膜成分 レシチン系。ベシクル(カプセル)の膜づくりに使われる
32無水エタノール 溶剤 水分を含まないエタノール。成分の溶解に使われる
33フェノキシエタノール 防腐 広く使われる汎用の防腐剤
34メチルパラベン 防腐 フェノキシエタノールと併用し、防腐力を分散させる設計
35香料 香り 穏やかなグリーンフローラルの香りづけ
36カラメル 着色 製剤の色味を整える

※このアイテムは医薬部外品のため、【有効成分】と【その他の成分】に分けて表示されています。医薬部外品の成分表示には配合量順のルールが適用されないため、並び順から配合量は読み取れません。配合量は非公開です。正確な全項目は商品の全成分表示をご確認ください[15]。

特性タグ:医薬部外品(薬用シワ改善)/有効成分 ナイアシンアミド/独自成分 サーチュレーター1/発酵保湿 ライスパワーNo.7-A/エイジングケア/とろみ化粧水/つめかえ用あり

出典

  1. Maison KOSÉ 公式商品ページ「ONE BY KOSÉ ザ リンクレス ローション/エマルジョン」(発売日・価格・容量・「サーチュレーター1はワレモコウエキス・濃グリセリン」の成分注記・「ハリつや成分」の定義・シワ改善有効成分ナイアシンアミド・各種テスト実施の記載):https://maison.kose.co.jp/site/p/onebykose-wrinklessline.aspx
  2. WWDJAPAN「『ワンバイコーセー』が“シワ改善&うるハリ強化”の薬用化粧水&乳液を発売」(開発コンセプト「美肌の寿命を見据えたシワ改善」・サーチュレーター1は長寿遺伝子に着目して開発、というメーカー説明):https://www.wwdjapan.com/articles/2428467
  3. MAQUIA「【ONE BY KOSÉ新作】シワ改善&高機能エイジングケアの化粧水と乳液が登場!」(水あめのようなテクスチャー・大粒油分によるもっちり感・グリーンフローラルの香り):https://maquia.hpplus.jp/skincare/news/120039/
  4. @cosme NEWS「シワを改善してむっちりハリツヤ肌へ導く高保湿化粧水&乳液」(コーセー独自「イオン化カプセル浸透技術」の紹介):https://www.cosme.net/news/detail/id/10734
  5. ONE BY KOSÉ ブランド紹介ページ(ライスパワーNo.7-A=「『お米の力』×『発酵の力』」というメーカー説明):https://maison.kose.co.jp/site/onebykose/c/c54/
  6. Bissett DL, Oblong JE, Berge CA.「Topical niacinamide reduces yellowing, wrinkling, red blotchiness, and hyperpigmented spots in aging facial skin」International Journal of Cosmetic Science. 2004;26(5):231-238.(ヒト臨床試験/12週間):https://doi.org/10.1111/j.1467-2494.2004.00228.x
  7. Sanguisorba tenuifolia 抽出画分の抗炎症作用(p38/ERK・MAPK・NF-κB経路の抑制/培養細胞・動物):https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC12294969/
  8. 「Chemical constituents from Sanguisorba officinalis L. and their inhibitory effects on LPS-induced cytokines」(成分単離/培養細胞。PubMed 29732490):https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29732490/
  9. Sanguisorbae Radix 水抽出物によるマスト細胞脱顆粒の抑制とアレルギー性皮膚炎への作用(培養細胞・動物):https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5011966/
  10. Sanguisorba officinalis 由来セスキテルペノイド類の抗メラノジェネシス作用(Natural Products and Bioprospecting/成分単離・培養細胞):https://link.springer.com/article/10.1007/s13659-026-00616-0
  11. Howitz KT ほか「Small molecule activators of sirtuins extend Saccharomyces cerevisiae lifespan」Nature. 2003;425:191-196.(酵母を用いた基礎研究):https://doi.org/10.1038/nature01960
  12. ライスパワー研究所「ライスパワーNo.7」解説(No.7配合ローションでの即時水分保持能の変化・ライスパワーエキスの番号ごとの位置づけ):https://www.tennen-ken.org/ricepower/no7/
  13. 勇心酒造「ライスパワーエキスの効果効能」(医薬部外品有効成分として承認されている番号と、その承認効能):https://www.yushin-brewer.com/ricepower/effect/
  14. Fashion Press「ワン バイ コーセー26年秋スキンケア『ザ リンクレス』」(2026年7月1日/発売日・予約受付開始日・ラインナップ):https://www.fashion-press.net/news/148049
  15. アットコスメショッピング「ONE BY KOSÉ ザ リンクレス ローション」商品ページ(この記事の全成分表の参照元。2026年8月10日確認。公式ドメイン maison.kose.co.jp の全成分表示と全文照合し一致を確認済み):https://www.cosme.com/products/detail.php?product_id=415397
  16. 化粧品成分オンライン「水添レシチンの基本情報・配合目的・安全性」(皮膚コンディショニング剤・乳化剤としての機能、リポソーム形成による他成分の浸透補助という配合目的の整理):https://cosmetic-ingredients.org/surfactants-emulsifying-agents/4489/
  17. 化粧品成分オンライン「コレステロールの基本情報・配合目的・安全性」(リポソーム・乳化組成物の膜を安定させる配合目的の整理):https://cosmetic-ingredients.org/emulsion-stabilizer/531/
  18. 「Drug delivery system (DDS)-inspired cosmetic liposomes: Unveiling physicochemical determinants of skin penetration under practical application conditions」(リポソームの表面電荷・膜流動性と皮膚浸透性の関係を検証した研究。カチオン性リポソームは中性リポソームに比べ24時間後の深部到達量が高いことを報告):https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42632252/
  19. アテニア「“長寿遺伝子サーチュイン6”の新知見」研究レポート(アテニア総合研究所化粧品研究所・2023年9月。サーチュイン6のオートファジー誘導促進、ブドウ芽エキス配合化粧品4週間連用での皮膚柔軟性の有意な増加):https://www.attenir.co.jp/brand/aging-care/report_02.html
  20. Estée Lauder「Longevity Science」公式ページ(15年以上にわたる長寿遺伝子研究プログラムの紹介):https://www.esteelauder.jp/longevity-science
ありす
ありす
コスメコンシェルジュ

日本化粧品検定1級・コスメコンシェルジュ。Instagram(@alice_kaiseki)で2.1万人にスキンケア情報を発信しています。このサイトでは、化粧品の全成分を公式情報と研究データをもとに読み解き、点数を付けずに「どんな肌・好みと相性がいいか」をお伝えしています。

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