ドクダミとシカの違いは?成分・研究データ・選び方を比較

Instagram(@alice_kaiseki)で2.1万人にスキンケア情報を発信している、日本化粧品検定1級・コスメコンシェルジュのありすです✨

今回は、トナーやクリームでよく並んでいる「ドクダミ」と「シカ」の違いを、成分と研究データから比べてみました。どちらも肌荒れケアの定番ですが、中身はけっこう別ものなんです。

目次(17項目)

ひとことで言うと

ありす

ドクダミはフラボノイドと精油、シカはマデカッソシドなどのトリテルペノイドが主役で、成分の系統が違います。皮脂やニキビ菌が気になるならドクダミ、乾燥と赤みが気になって保湿も重ねたいならシカ、と考えると選びやすいです。迷ったら両方入った併用品という手もありますよ🌿

このアイテムのポイント
  • ドクダミのフラボノイドと精油:クエルシトリンなどのフラボノイドが主役で、ニキビ菌への抗菌の報告がある
  • シカのマデカッソシド:ツボクサの主成分のひとつで、炎症・保湿・傷の治りの研究が積み重なっている
  • 共通の土俵は「ニキビ菌×炎症」:系統は別でも、この軸ならデータを並べて比べられる
【はじめての方必読】当サイトの成分解析について
  • 成分解析は各成分の一般的な配合目的を記載したもので、製品の効果効能を保証するものではありません。
  • リニューアル等により全成分が変更される可能性があります。見つけた場合はお問い合わせフォームから教えて頂けると助かります。

ドクダミとシカの違いを比較表でチェック

まずは全体像から。どちらも「鎮静系」とひとまとめにされがちですが、由来の植物も、中に入っている主成分もまったく違います。

ドクダミ(フラボノイドと精油)とシカ(トリテルペノイド4成分)を葉のイラストで左右に比べた図
ありす作成
ドクダミシカ
由来の植物ドクダミ科のドクダミ(葉・茎・花)セリ科のツボクサ
全成分表示の名前ドクダミエキス、ドクダミ花/葉/茎水 などツボクサエキス、マデカッソシド、アシアチコシド など
主成分フラボノイド(クエルシトリン・イソクエルシトリン・ハイペリン)と精油トリテルペノイド(マデカッソシド・アシアチコシド・アシアチン酸・マデカシン酸)
研究が多い話題ニキビ菌への抗菌、炎症(細胞試験が中心)炎症・保湿・傷の治り(細胞・動物・少数のヒト試験)
相性がよさそうな肌皮脂やニキビ菌が気になる肌、さっぱり整えたい肌乾燥と赤みが気になる肌、保湿を重ねたい肌

表で見ると、同じ「肌荒れケア」でも、得意としている話題が少しずつずれているのが分かります。

ドクダミの効果と成分|研究で分かっていること

主成分はフラボノイドと精油

ドクダミは、日本でも昔から「十薬」と呼ばれて親しまれてきた植物です。化粧品では、葉や茎、花から取ったエキスが[ドクダミエキス]として入ります。

総説では、抗炎症や抗菌の働きを担う主役は、[クェルセチン]の仲間であるクエルシトリンなどのフラボノイドと、精油成分だと整理されています[1]。

あの独特のにおいも、この精油(デカノイルアセトアルデヒドなど)から来ています。においが苦手な人は、ここを知っておくと選びやすいです。

ニキビ菌への抗菌は細胞試験で報告されている

ドクダミの研究でいちばん目立つのが、ニキビに関わる菌への働きです。

Research研究で分かっていること

ドクダミの葉から、フラボノイド(ハイペリン・クエルシトリン)を多く含むように取り出した抽出物は、ニキビ菌(C. acnes)に対してMIC 250 μg/mL、皮膚の常在菌(S. epidermidis)にも抗菌活性を示しました。試験管内の試験です。

出典:Nguyen MH ほか, Heliyon, 2024(試験管内)[出典2]

ちなみに、ドクダミの精油でもニキビ菌への抗菌や、炎症の目印となる一酸化窒素の抑制が細胞試験で報告されています[3]。

ただし、精油はエキスとは別の原料です。精油のデータを、そのまま化粧品の「ドクダミエキス」の働きとして読まないように気をつけたいところです。

発酵液ではバリアに関わる研究も

最近は、ドクダミを酵母で発酵させた液の研究も出てきました。ヒトの皮膚細胞を炎症状態にしたモデルで、炎症のサインになる物質(IL-6・IL-8・TNF-α)が減り、バリアに関わるタンパク質(AQP3・フィラグリンなど)が回復した、という報告です[4]。

こちらも細胞試験で、エキスではなく発酵液の話です。それでも「炎症」だけでなく「バリア」の方向にも研究が広がってきているのは、ドクダミのこれからが楽しみなポイントだと思います。

ありす

ドクダミの強みは、フラボノイドがニキビ菌に向き合うところ。研究はまだ細胞の段階が中心ですが、発酵液やバリアの話まで広がってきていて、いま伸びている成分だなと感じています。

シカ(ツボクサ)の効果と成分|研究で分かっていること

主成分はトリテルペノイド4つ

シカ(CICA)は成分名ではなく、ツボクサ(Centella asiatica)由来の成分をまとめた呼び名です。全成分表示では[ツボクサエキス]のほか、[マデカッソシド][アシアチコシド]のように個別の成分名で入っていることもあります。

主役は、マデカッソシド・アシアチコシド・アシアチン酸・マデカシン酸の4つ。どれもトリテルペノイドという系統で、ドクダミのフラボノイドとは化学的に別のグループです[7]。

4成分の役割分担は、CICA(ツボクサエキス)とは?シカの効果・主要4成分の違いで詳しく書いています。

マデカッソシドの炎症・保湿・傷の治りの報告

シカは、もともと傷の治りを助ける植物として研究されてきました。マウスのやけどモデルでは、マデカッソシドがアシアチコシドよりも傷の治りを早める結果が出ています[5]。

ドクダミと並べやすいのが、ニキビ菌に関わる研究です。ニキビ菌で刺激した皮膚細胞で、マデカッソシドが炎症を抑え、うるおいの通り道になるAQP3を増やしたという報告があります[6]。

Research研究で分かっていること

2型糖尿病で乾燥肌の人159人を対象にしたランダム化比較試験で、ツボクサ1%の外用剤を使ったグループは、角層の水分量が改善しました(血糖コントロールが良好な人で確認)。対象が限られた試験ですが、ヒトでのデータです。

出典:Legiawati L ほか, Evid Based Complement Alternat Med, 2020(臨床試験)[出典9]

傷の治りについては、臨床試験4件をまとめた系統的レビューもあります。ただ、試験の数が少ないため、結果は暫定的なものと位置づけられています[8]。

シカの研究が傷の治りから炎症・ニキビ菌の細胞試験、乾燥肌のヒト試験へ広がる流れを示した図
ありす作成

安全性の評価

アメリカの化粧品成分の安全性を評価するCIRは、ツボクサ由来成分について、化粧品として使われる濃度では安全と評価しています。一方で、まれに皮膚や目の刺激の報告があることにも触れています[10]。

ありす

シカは、傷の治りから保湿まで研究の歴史が長い成分です。ヒトのデータもあるぶん、乾燥や赤みが続く時期に頼りやすいかなと思います。ただ、鎮静のイメージが強くても、肌に合うかどうかは別の話なんですよね。

ドクダミとシカはどっち?ニキビ菌×炎症で比べると

ここまで見てきたように、系統は別でも「ニキビ菌×炎症」という軸ではどちらにもデータがあります。

ドクダミシカ
ニキビ菌への働きフラボノイド抽出物で抗菌(MIC 250 μg/mL)マデカッソシドでニキビ菌刺激の炎症を抑制
うるおい・バリア発酵液でAQP3・フィラグリンが回復マデカッソシドでAQP3が増加、ヒトで角層水分量が改善
試験の段階試験管・細胞が中心細胞・動物+一部ヒト

ドクダミは「菌そのものに向き合う」データ、シカは「菌で起きた炎症とうるおい」のデータが中心、という並びです。

ただし、同じ条件で両方を直接比べた試験は見つけられませんでした。だから「どちらが上か」は決められず、得意分野の資料が違う、というのが今の答えです。

ドクダミ77はなぜ話題?Anuaの「77%」を成分表で読む

ドクダミ人気を引っ張っているのが、Anuaの「ドクダミ77 ヒアルロン スージングトナー」です。

メーカーは「ドクダミエキス77%にドクダミの重要成分を閉じ込め」と案内していて、2026年2月のリニューアルでは「ドクダミエクソソーム™」技術を打ち出しました。ドクダミ由来の小さな袋(小胞)に、[パンテノール]や[クェルセチン][イソクェルシトリン]を包み、角質層への浸透をサポートするという技術です[11]。

さらに、ブランドの紹介では、韓国・ウルルン島産の赤ドクダミを使っていて、鎮静に関わるフラボノイドが通常のドクダミの約2倍とされています。

成分表を見ると、1番目は[ドクダミ花/葉/茎水]です。これはドクダミを蒸留してつくる水(フローラルウォーター)で、公式の注釈でも「ドクダミエキス」はこの成分として示されています[11]。濃縮した「エキス」とは原料としての位置づけが違うので、77%はドクダミ由来の水をベースにした配合率と読むのが近いと思います。

[ドクダミ小胞]は全30成分中19番目にあります。小胞化した機能性原料は少量で設計されるのが一般的なので、この並びはごく自然です[11]。

ドクダミ由来の小胞は、マウスの腸の炎症モデルなどで研究が進んでいる分野です[12]。皮膚での研究はこれから増えていく段階なので、「約2倍」や「角質層への浸透」はメーカーの公表内容として受け止めておくのがよさそうです。

全成分の詳しい読み方は、Anua ドクダミ77 ヒアルロン スージングトナーの成分解析でまとめています。同じシリーズのドクダミ77 B3ZINC スージングセラムの成分解析もあわせてどうぞ。

ありす

「77%」はドクダミを蒸留した水がベースになっている、という意味合いです。数字の大きさより、産地の赤ドクダミや小胞の技術といった、Anuaならではの工夫に注目すると面白いアイテムだと思います。

ドクダミとシカの併用はあり?併用品の選び方

選んでいいと思います。実際、韓国コスメではドクダミとシカを一緒に入れたトナーやパッドがいくつも出ています。

系統の違う2つを組み合わせると、ドクダミのフラボノイドとシカのトリテルペノイド、それぞれの研究がある方向をまとめてカバーできます。片方だけでは物足りないと感じている人には、選択肢になりやすいです。

併用品を選ぶときは、全成分表示で[ドクダミエキス]と[ツボクサエキス]が何番目あたりにあるかを見ておくと、どちらが主役寄りの設計か分かります。

肌タイプ別の選び方

ここまでの研究の傾向から、肌の悩み別にざっくり整理するとこうなります。「皮脂・ニキビ菌が気になるか」と「乾燥・赤みが気になるか」の2つで、4通りに分けてみました。

乾燥・赤みが気になる乾燥・赤みは気にならない
皮脂・ニキビ菌が気になるドクダミ×シカの併用品(トナー・パッドなど)ドクダミ系のトナー
皮脂・ニキビ菌は気にならないシカ系の美容液・クリームどちらも急いで選ぶ必要はなく、今のケアで十分

シカ系の例として、ドクタージャルト シカペアクリームの成分解析や、COSRX ピュアフィットシカセラムの成分解析も参考になります。

これは研究の傾向からの整理で、肌質ごとの効果を約束するものではありません。肌が敏感な時期は、どちらを選ぶ場合も腕の内側などでパッチテストをしてから顔に使うのがおすすめです。

ありす

私なら、ベタつきやポツポツが気になる夏はドクダミのトナー、乾燥と赤みが出やすい冬はシカのクリーム、と季節で使い分けます。同じ肌でも時期によって合う成分は変わりますよ。

向く人/確認したい人

For you向いていそうな人
  • ドクダミ:皮脂やニキビ菌が気になって、さっぱりしたトナーで整えたい人
  • シカ:乾燥と赤みが同時に気になって、保湿を重ねたい人
  • 併用品:片方だけでは物足りないと感じている人
Check事前に確認したい人
  • ドクダミ特有のにおいが苦手な人(精油由来のにおい)
  • 肌が敏感な人:ドクダミエキスは公的な安全性評価が見つからず、シカもまれに刺激の報告があるので、パッチテストを
  • 植物エキスで肌荒れしたことがある人

よくある質問

ドクダミとシカはどっちが敏感肌向き?

どちらとも決められません。シカはCIRの安全性評価があり研究も多い一方、まれに刺激の報告もあります。ドクダミは公的な評価が見つかっていないので、どちらもパッチテストをしてから使うのが安心です。

ドクダミとシカは一緒に使っていい?

使えます。系統の違う成分なので、ドクダミのトナーのあとにシカのクリームを重ねるような使い方も問題ありません。両方入った併用品も多く出ています。

ドクダミのにおいは成分のせい?

はい、精油(デカノイルアセトアルデヒドなど)のにおいです。蒸留水タイプや香りを調整した製品もあるので、気になる人は使用感のレビューも参考にしてみてください。

ニキビにはどっち?

ニキビ菌への抗菌のデータがあるのはドクダミ、ニキビ菌による炎症を抑えるデータがあるのはシカです。どちらも細胞試験が中心なので、炎症の強いニキビは皮膚科で相談してください。

ドクダミエキスと「ドクダミ水」は同じ?

別の原料です。「ドクダミ花/葉/茎水」はドクダミを蒸留した水で、濃縮した「ドクダミエキス」とは位置づけが違います。詳しくはAnuaの節で書いています。

まとめ

ありす

ドクダミとシカって「似た鎮静系」と思われがちだけど、中身は全然ちがう成分なんだなって改めて感じました!ドクダミはニキビ菌に向き合う系、シカはうるおいと赤みに寄り添う系、って覚えておくと選びやすいかも。

皮脂やポツポツが気になる人はドクダミ、乾燥や赤みが続く人はシカ、どっちも気になる人は併用品が合いそう。まずはトライアルやミニサイズで、肌の反応とにおいを確かめてみてね🌿

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出典

  1. Wu Z, Deng X, Hu Q, Xiao X, Jiang J, Ma X, Wu M「Houttuynia cordata Thunb: An Ethnopharmacological Review」Frontiers in Pharmacology. 2021;12:714694.(総説):https://doi.org/10.3389/fphar.2021.714694
  2. Nguyen MH, Nguyen LT, Nguyen Le TH, Ngoc Chau TN, Thi Nguyen YN, Ha TD, Tran Nguyen PT, Chu TB, Tran CH, Le MT「Response surface methodology for aqueous two-phase system extraction: An unprecedented approach for the specific flavonoid-rich extraction of Houttuynia cordata Thunb. leaves towards acne treatment」Heliyon. 2024;10(4):e25245.(試験管内):https://doi.org/10.1016/j.heliyon.2024.e25245
  3. Sangthong S, Chaiwut P, Pintathong P, Suwannawong B, Srisayam M, Theansungnoen T, Chandarajoti K, Arabnozari H, Sarker SD, Nahar L「In vitro bioactivities and formulation stability of Houttuynia cordata essential oil for cosmetic applications」Scientific Reports. 2025;15:37263.(培養細胞・試験管内):https://doi.org/10.1038/s41598-025-21278-x
  4. Song Z, Fang J, Wang D, Tian Y, Xu Y, Wang Z, Geng J, Wang C, Li M「Inhibition of LPS-Induced Skin Inflammatory Response and Barrier Damage via MAPK/NF-κB Signaling Pathway by Houttuynia cordata Thunb Fermentation Broth」Foods. 2024;13(10):1470.(培養細胞):https://doi.org/10.3390/foods13101470
  5. Wu F, Bian D, Xia Y, Gong Z, Tan Q, Chen J, Dai Y「Identification of Major Active Ingredients Responsible for Burn Wound Healing of Centella asiatica Herbs」Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine. 2012;2012:848093.(動物モデル):https://doi.org/10.1155/2012/848093
  6. Shen X, Guo M, Yu H, Liu D, Lu Z, Lu Y「Propionibacterium acnes related anti-inflammation and skin hydration activities of madecassoside, a pentacyclic triterpene saponin from Centella asiatica」Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry. 2019;83(3):561-568.(培養細胞):https://doi.org/10.1080/09168451.2018.1547627
  7. Witkowska K, Paczkowska-Walendowska M, Garbiec E, Cielecka-Piontek J「Topical Application of Centella asiatica in Wound Healing: Recent Insights into Mechanisms and Clinical Efficacy」Pharmaceutics. 2024;16(10):1252.(総説):https://doi.org/10.3390/pharmaceutics16101252
  8. Arribas-López E, Zand N, Ojo O, Snowden MJ, Kochhar T「A Systematic Review of the Effect of Centella asiatica on Wound Healing」International Journal of Environmental Research and Public Health. 2022;19(6):3266.(系統的レビュー):https://doi.org/10.3390/ijerph19063266
  9. Legiawati L, Bramono K, Indriatmi W, Yunir E, Setiati S, Jusman SWA, Purwaningsih EH, Wibowo H, Danarti R「Oral and Topical Centella asiatica in Type 2 Diabetes Mellitus Patients with Dry Skin: A Three-Arm Prospective Randomized Double-Blind Controlled Trial」Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine. 2020;2020:7253560.(臨床試験):https://doi.org/10.1155/2020/7253560
  10. Cosmetic Ingredient Review Expert Panel「Safety Assessment of Centella asiatica-derived Ingredients as Used in Cosmetics」(安全性評価):https://www.cir-safety.org/sites/default/files/centel062015FR.pdf
  11. Anua ドクダミ77 ヒアルロン スージングトナー 公式オンラインストア 商品ページ(2026年10月確認):https://anuashop.jp/products/sior0001
  12. Li JH, Xu J, Huang C, Hu JX, Xu HM, Guo X, Zhang Y, Xu JK, Peng Y, Zhang Y, Zhu MZ, Zhou YL, Nie YQ「Houttuynia cordata-Derived Exosome-Like Nanoparticles Mitigate Colitis in Mice via Inhibition of the NLRP3 Signaling Pathway and Modulation of the Gut Microbiota」International Journal of Nanomedicine. 2024;19:13991-14018.(動物モデル):https://doi.org/10.2147/IJN.S493434
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