アルビオン フレッシュ ルミナス ハーバルオイルを成分解析|新配合「甘草オイル」の正体とは

Instagram(@alice_kaiseki)で2.1万人にスキンケア情報を発信するコスメコンシェルジュエージェンシー(日本化粧品検定1級)のありすです✨

アルビオンの「フレッシュ ルミナス ハーバルオイル」は、2025年10月18日に発売されたマルチユースオイルです。40mLで5,500円(税込)。アルビオンのオイルの歴史は1963年の「デュークミンク」までさかのぼり、2003年に初代「ハーバルオイル」が誕生してから研究を重ねてきた、というのが公式が語る開発ストーリーです(出典2)。

今回のリニューアルでいちばん大きく変わったのは、「甘草オイル」が新しく加わったことです。全成分表示では[甘草フラボノイド]という名前で載っています。@cosmeベストコスメアワード2026の「上半期新作ベストオイル・バーム」部門で1位、『美的』1月号の「真実のベストコスメ2025下半期 保湿美容液編」でも3位に入っていて、発売から1年経たずにかなり評価されている一本です(出典3)。

公式が語っているのは大きく3つ。新配合の甘草オイル、スキコンのオイルを超微粒子にして乳化させる独自技術、そして砂漠の黄金ジャングルの黄金と呼ばれる希少オイルです。この記事では、メーカーが何を言っているかをまず整理して、そのうえで全20成分の表示から確認できること・研究で分かっていること・裏づけの現在地を順番に見ていきますね。

ひとことで言うと

ありす

ホホバ種子油を土台に、植物オイルを何種類も重ねたうるおいとツヤを足す係に徹したマルチユースオイルです。2025年のリニューアルで加わった[甘草フラボノイド](公式呼称:甘草オイル)は、由来する甘草の種類によって働きが変わる、ちょっと面白い成分。そしてオイル製品なので水は入っておらず、その前提が[アスコルビン酸](ピュアビタミンC)を安定した状態で配合しやすい設計につながっています。乾燥と肌あれの両方をオイルで底上げしたい人、顔もボディも髪も1本で済ませたい人と相性がよさそうです。

このアイテムのポイント

  • 2025年10月リニューアルの新配合が「甘草オイル」=[甘草フラボノイド]。由来する甘草の種類で得意分野が変わる成分で、このアイテムが掲げる「肌あれ防止」と重ねると抗炎症系のはたらきを狙った配合と読めます(出典2)。
  • ベースは表示1番目の[ホホバ種子油]。皮膚科領域の総説がある実績十分の王道オイルを土台に、公式が黄金と呼ぶ希少オイルを重ねた構成です(出典6)。
  • 水を含まないオイル処方なので、水に弱いピュアビタミンCを安定させやすい。表示9番目という位置も、香料や酸化防止剤より前です。
ありす

ポイントを3つに絞るとこうなりますが、この記事でいちばん掘りたいのは1つめの甘草オイルです。全成分表示の[甘草フラボノイド]って、実はどの甘草かで顔が変わるんですよ。

基本情報

アルビオン フレッシュ ルミナス ハーバルオイル(40mL)の商品ビジュアル
ブランドALBION(アルビオン)
価格・容量5,500円(税込)/40mL
発売日2025年10月18日(リニューアル発売)
【はじめての方必読】当サイトの成分解析について
  • 成分解析は各成分の一般的な配合目的を記載したもので、製品の効果効能を保証するものではありません。
  • リニューアル等により全成分が変更される可能性があります。見つけた場合はお問い合わせフォームから教えて頂けると助かります。

新配合「甘草オイル」の正体を成分から読み解く

まずはメーカーの説明から。アルビオンは公式のブランド紹介ページで、この甘草オイルをこう紹介しています。「マメ科の植物『甘草』。その根から抽出したオイルです。美しくやわらかな肌印象に導きます。」そして2025年10月18日のリニューアルで、この甘草オイルを新たに配合したと明記しています(出典2)。

甘草(カンゾウ)は漢方でもおなじみのマメ科の植物で、化粧品では[グリチルリチン酸2K]の原料としてよく知られています。ただ、この製品に入っているのはグリチルリチン酸ではなく[甘草フラボノイド]。ここがちょっと面白いところなので、順を追って見ていきますね。

甘草とアルビオンの関わりを少し広げてみると、興味深い話が2つ見つかりました。ひとつは自社のサステナビリティ報告です。アルビオンは、世界自然遺産・白神山地の麓(秋田県藤里町)にある自社研究所「白神研究所」・自社農場や、日本各地の契約農家との協働で原料植物を有機栽培しているというブランドの取り組みを紹介しており、その製品事例のひとつとしてこの「フレッシュ ルミナス ハーバルオイル」の甘草オイル配合が挙げられています(出典10)。ただし、この商品の甘草オイルそのものが自社農場・契約農家で栽培されたものかまでは、同ページからは明記されていませんでした。

もうひとつは少し前の話で、このオイルとは直接関係しません。王子ホールディングスは2017年、北海道の自社農場で栽培した国産甘草から抽出した[グリチルリチン酸2K(グリチルリチン酸ジカリウム)]を、アルビオンの化粧品原料として実用化する見通しだと発表しています(出典11)。これは今回の「甘草フラボノイド」とは別成分・別プロジェクトでこのアイテムへの使用は確認できていませんが、アルビオンが甘草という原料に長く関心を持ってきたブランドだと分かる一例として書き添えておきます。

全成分表示「甘草フラボノイド」には2つの顔がある

甘草フラボノイドは由来する甘草の種類でリコカルコンA系とグラブリジン系に分かれ、はたらきが変わることを示した比較図

[甘草フラボノイド]というのは化粧品業界の共通表示名で、どの甘草から採ったかまでは表示に書かれません。そして原料によって、中身の主成分が大きく2系統に分かれます。

  • Glycyrrhiza inflata(シンキョウカンゾウ)由来……主成分は[リコカルコンA]。アクネ菌に関わる脂肪分解酵素の阻害、抗菌作用、皮脂に関わる酵素へのはたらきかけなどが報告されていて、方向性としては肌あれ・ニキビを落ち着かせる側です。
  • Glycyrrhiza glabra(スペインカンゾウ)由来……主成分は[グラブリジン]。メラニンをつくる酵素(チロシナーゼ)を抑えるはたらきが報告されていて、こちらは明るさ・くすみ側のアプローチになります。

研究で分かっていること

シンキョウカンゾウ由来のリコカルコンAを主体とする甘草フラボノイド画分については、テストステロン5α-リダクターゼやリパーゼ・ホスホリパーゼA2といった酵素の阻害、アンドロゲン受容体への結合阻害、抗菌作用や活性酸素を消去するはたらきが確認され、ニキビへの効果が示唆されたと報告されています(出典4)。一方スペインカンゾウ由来のグラブリジンについては、メラニン生成の抑制と炎症をしずめるはたらきが報告されています(出典5)。どちらもよく調べられている成分ですが、いずれも培養細胞レベル・基礎研究段階の知見で、このオイルそのものを使ったヒト臨床試験ではありません。

ありす

ざっくり言うと、同じ「甘草フラボノイド」でも肌あれ寄りのタイプと、明るさ寄りのタイプがあるということ。成分表からはどちらか分からないので、ここは推理するしかありません。

公式が掲げる「乾燥も肌あれ防止もWケア」と重ねて読む

このアイテムのキャッチコピーは「乾燥も肌あれ防止もWケア。うるおいに満ちた輝くようなツヤ肌へ。」。商品説明でも「乾燥、肌あれなどのトラブルに負けず」という言い方をしています(出典1)。乾燥のほうはたっぷりの植物オイルが受け持つとして、もう一方の「肌あれ防止」を担う成分を全成分表から探すと、候補になるのが新配合の[甘草フラボノイド]です。

他の19成分を見ると、ほとんどがベースオイル・エモリエント・感触調整・酸化防止で占められていて、肌あれ方向の機能をはっきり担う成分は[甘草フラボノイド]のほかに見当たりません。そう考えると、リニューアルで甘草オイルを足したのは「肌あれ防止」の側を強くするためだったと読むのが自然だと思います。つまり2系統のうち、抗炎症寄りのリコカルコンA系を狙って選んだ可能性が高い、というのが現時点で言えるところです。

配合位置についても触れておきますね。[甘草フラボノイド]は全20成分中16番目。ただこの手の機能性の植物成分は、もともと1%以下の少量で役割を果たすように設計されるのが普通です。表示が後ろのほうにあること自体は、はたらきの弱さを意味するものではありません。むしろ、油だけで20成分中19個を埋めることもできたはずの処方に、あえてこの1枠を足したという事実のほうが読みどころだと思います。

正直に書いておくと、アルビオンの公表情報からは由来種までは確認できず、このオイルでの配合濃度も非公開、第三者機関の試験データも公開されていません。「甘草オイルが入ったから肌あれが治る」という話ではなく、処方の狙いとして肌あれ側の一手が加わった、という受け止め方がフェアだと思います。

ありす

オイルだらけの処方の中に、ぽつんと機能性成分が置かれていると「ここが今回の主張なんだな」というのが見えてきます。ゆらぎやすい季節に、うるおいと一緒に落ち着きも足したい。そういう設計に読めました。

軽いのに入っていく感じがする理由|超微粒子乳化の話を成分表から検証

もうひとつ公式が強く打ち出しているのが処方技術です。アルビオンは「スキコンのオイルを超微粒子にして乳化させる技術」を開発し、「オイルとは思えないほど軽やかなテクスチャーと高い浸透感」を実現した、と説明しています(出典2)。スキコンというのは、アルビオンの代名詞である薬用スキンコンディショナー エッセンシャルのこと。あの中に入っている油分を細かくする技術が土台になっている、という話ですね。

水も乳化剤も含まないオイルが肌の上のうるおいや皮脂となじんで細かい粒状になり軽く広がるまでの流れを示したフロー図

では成分表からどこまで確認できるか。全20成分を見ると、水も、乳化剤(界面活性剤)に分類される成分も入っていません。つまりボトルの中身はあらかじめ乳化されているわけではなく、油だけの状態です。にもかかわらず、油性処方には少し珍しい[BG]と[エタノール]という水系でよく使う溶剤が後方に少量だけ入っている。この組み合わせから読めるのは、肌の上のうるおいや皮脂となじんだときに細かい粒状に広がる「自己乳化」型のオイル設計ではないか、ということです。

軽さのほうは、もっとはっきり成分表に出ています。[ミリスチン酸イソプロピル][トリエチルヘキサノイン][パルミチン酸エチルヘキシル]といったさらっとしたエステル油が上位に並び、さらに[オクチルドデカノール]というべたつきを抑える分岐鎖の高級アルコールまで配合順8番目に入っています。植物オイル100%のオイル美容液と比べると、感触の設計にかなり手が入っている処方だと分かります。

ひとつだけ言葉の整理を。「浸透感」という表現は化粧品では角質層までを指すルールになっていて、それより奥に届くという意味ではありません(このあたりは化粧品の「浸透」はどこまで本当?で詳しく書きました)。そして「超微粒子」の粒子径や、実際にどれくらいなじむのかを数値で示した第三者データは公開されていません。ここはメーカーの公表内容として受け取りつつ、感触の軽さは成分表からも裏が取れている、という整理がいちばん正確だと思います。

ありす

「オイルなのに重くない」の正体は、魔法ではなくて軽いエステル油の重ね方です。技術の名前だけだと分からないけれど、成分表を見るとちゃんと理由があるのが気持ちいいところ。オイル初心者さんでも使いやすいタイプだと思います。

公式が「貴重」と呼ぶ植物オイルたちを解剖する

公式ブランドページでは、「厳選した植物を詰め込んで」として5つの植物が紹介されています。ゴールデンホホバオイル、インカオメガオイル、タイガーナッツオイル、ローズマリーオイル、そして今回の甘草オイル(出典2)。ここでは名前が付いた3つのオイルを中心に見ていきます。

なお、公式の5種には入っていませんが、処方には[トウモロコシ胚芽油][オリーブ果実油][アンズ核油][メドウフォーム種子油]も配合されています。とくに[メドウフォーム種子油]は炭素数20〜22の長鎖脂肪酸を9割以上含み、一般的な植物油と比べて酸化に強いとされる原料(出典9)。うるおいを抱えたまま薄い被膜をつくる係で、酸化しやすさが弱点になりがちなオイル処方では地味に効いてくる存在です。

土台は[ホホバ種子油]|王道であることの強さ

公式は良質なホホバ種子の一番搾りを「ゴールデンホホバオイル」と呼び、その貴重さから砂漠の黄金と呼ばれると紹介しています(出典2)。全成分表示でも堂々の1番目で、この処方でいちばん多く使われているのがホホバ種子油だと分かります。

ホホバは化学的には油というよりワックスエステルで、人の皮脂の組成に近いのが最大の特徴です。だから肌なじみが良く、酸化もしにくい。植物オイルの中では珍しく、皮膚科領域できちんと総説にまとめられている成分でもあります。

研究で分かっていること

皮膚科領域の総説では、ホホバ油について皮膚バリア機能のサポート、抗炎症作用、傷の治りを助けるはたらきなど、幅広い知見が整理されています(出典6)。植物油としては比較的データが集まっているほうで、「なんとなく良さそう」ではなく、調べられたうえで使われている原料だと言えます。

珍しい原料ではありませんし、価格の安いホホバオイルも市販されています。でも私は、いちばん多く使う枠に実績のあるオイルを置いているところにこの処方の落ち着きを感じました。土台が安定しているからこそ、上に希少オイルや訴求成分を重ねられるわけですから。

[プルケネチアボルビリス種子油]のオメガ3は本当にすごいのか

公式が「ジャングルの黄金」と呼ぶインカオメガオイルの正体が、この[プルケネチアボルビリス種子油]です(出典2)。南米ペルー原産のサチャインチ(インカグリーンナッツ)という植物の種子から搾ったオイルで、表示順は13番目。

この油がほんとうに珍しいのは脂肪酸の組成です。一般的な植物油にはあまり含まれないα-リノレン酸(オメガ3系の必須脂肪酸)を、全脂肪酸のおよそ半分も含むという、かなり尖ったプロファイルを持っています。オリーブ油やホホバ油とはまったく別のタイプの油、と言っていいくらいの違いです(出典7)。

研究で分かっていること

サチャインチ油をエイジングケア原料として整理した総説では、培養細胞を使った試験でヒト線維芽細胞に対する高い安全性と、強い抗酸化活性が報告されています(出典7)。オメガ3系脂肪酸そのものにも、皮膚で炎症に関わる物質の産生を抑える方向のはたらきが知られています。ただし化粧品として肌に塗った場合の効果を直接検証した大きなヒト臨床試験は、まだ確認できていません。脂肪酸組成の分析研究や食品分野での知見が中心の、これからの原料です。

もうひとつ、成分表を見ていて「うまいな」と思ったのが、α-リノレン酸のような多価不飽和脂肪酸は酸化しやすいという弱点があること。この処方には[トコフェロール](ビタミンE)、[ローズマリー葉エキス]、[BHT]と酸化を防ぐ成分が3つ入っていて、さらに酸化に強い[メドウフォーム種子油]も添えられています。攻めの油を入れるなら守りも固める、という設計になっているわけですね。

[サイペラスエスクレンタス根油](タイガーナッツオイル)の立ち位置

スーパーフードとして知られるタイガーナッツから、コールドプレス(低温圧搾)製法で抽出したオイルだと公式は説明しています(出典2)。表示順は11番目。オレイン酸を主体に[トコフェロール]を含み、エモリエントとしての使い心地と酸化安定性のバランスが良いとされる原料です。

ただ、皮膚での効果を直接検証した査読論文までは見つけられませんでした。低温圧搾という製法は熱に弱い成分を守る手法として理にかなっていますし、原料としての将来性はある。でも現時点では「肌にこう効く」と言えるだけのデータは手元にない、という段階です。希少性のストーリーは、成分の実力の証明とはまた別のもの。ここは切り分けて受け取るのが安全だと思います。

ホホバ・サチャインチ・タイガーナッツの3つの希少オイルを、データの充実度で「王道」「期待株」「これからの原料」の3段階に整理した比較カード
ありす

3つのオイルを並べると、データのある王道(ホホバ)/組成が珍しい期待株(サチャインチ)/これから調べられていく原料(タイガーナッツ)という具合に段階が違います。全部を同じ強さで語らないのが、私なりの誠実さのつもりです。

ピュアビタミンCがオイルの中に入っている意味

全成分をたどっていて、いちばん「おっ」と思ったのが9番目の[アスコルビン酸]です。誘導体ではなく、ピュアビタミンC(L-アスコルビン酸)そのもの。オイル製品ではあまり見かけない顔ぶれです。

水を含む処方と水を使わないオイル処方でピュアビタミンCの安定しやすさがどう変わるかを示した比較図

ピュアビタミンCは美白・抗酸化の研究がとても豊富な成分ですが、水に触れると酸化・分解が進みやすいという弱点が製剤化学の分野でよく知られています。だからこそ化粧水や美容液では、安定性を高めたビタミンC誘導体が使われることが多いんですね。

このアイテムは水を使わないオイル処方です。オイル製品なので水が入っていないのは当たり前と言えば当たり前なのですが、その前提が、水に弱いピュアビタミンCを安定した状態で抱えておくのに向いているのは事実。誘導体に変換せず、そのままの形で入れられるというのは、この剤形ならではの持ち味だと感じています。

配合量については、メーカーが濃度を公表していないので断定はできません。ただ表示9番目という位置は、[BG][BHT][エタノール][香料]といった通常ごく少量で使われる成分よりも前。「香りづけ程度にちょっとだけ」という配合ではなさそうだ、というくらいのことは読み取れます。ピュアビタミンCとしての濃度がどれくらいかは分からないので、高濃度ビタミンC美容液の代わりになるものではないとは言っておきますね。

ありす

ビタミンCは水があると壊れやすい成分。だから「水を使わない剤形」と相性がいいんです。オイルなのにツヤっぽい仕上がりを謳っている理由の一端は、ここにもあるのかなと思っています。

正直に気になる点

  • [エタノール]と[香料]が入っています……表示順は19・20番目なので量としては少ないと考えられますし、エタノールは香料やエキス類を油分に分散させるために必要な役どころでもあります。とはいえ、極度に乾燥してバリアが弱っている肌ではピリつきを感じることもあるので、心配な方は腕の内側で試してから顔に使ってください。
  • 香りははっきりあります……ローズマリー・バジル・タイムなど数種のハーブをブレンドした「ハーバルグリーンフローラルの香り」と説明されています(出典8)。ハーブ系の香りは好みが分かれますし、無香料を選んでいる人には合わないポイントになります。
  • [ミネラルオイル]が3番目に入っています……高精製の化粧品グレードで、安全性も非コメド原性も確立している成分です。効果面での懸念ではありませんが、「石油由来の成分は避けたい」という方針で選んでいる方にとっては、ここが判断の分かれ目になります。ボタニカル訴求の強い商品なので、意外に思う人もいるかもしれません。
  • [甘草フラボノイド]の由来種が公開されていません……前半で書いたとおり、肌あれ寄りなのか明るさ寄りなのかは公式情報からは確認できませんでした。「甘草オイル」というやわらかい呼び名で紹介されているぶん、成分としての中身は読者側で読み解く必要があります。
  • このオイルそのものの試験データは公開されていません……配合率・濃度の公表値も、自社・委託の臨床データも、公式サイトやプレスリリースには見当たりませんでした。個々の成分についての研究はこの記事で紹介したとおりありますが、この処方でどうだったかを示す数字は今のところ手元にない、というのが現在地です。
ありす

欠点というより「知っておくと選びやすくなること」を並べました。とくに香りとミネラルオイルは、良し悪しではなく完全に好みと方針の話。ここが引っかからないなら、かなり使いやすい一本だと思います。

向いている人/使う前に確認したい人

🙆‍♀️ 向いていそうな人

  • 乾燥と肌あれ予防を、オイルでまとめて底上げしたい人
  • オイル特有の重さ・べたつきが苦手で、軽い使用感を探している人
  • 顔・ボディ(ひじ・ひざ・かかと)・毛先まで1本で済ませたい人
  • ハーブ系の香りに包まれるスキンケア時間が好きな人
  • ツヤ感のある仕上がりが好みの人

🔍 使う前に確認したい人

  • ミネラルオイル(石油由来成分)を避ける方針の人 → 表示3番目に配合されています
  • 無香料のスキンケアを選んでいる人 → ハーブをブレンドした香りがしっかりあります
  • 極度に乾燥してバリアが弱っている人 → エタノール配合のためパッチテストが安心です
  • 高濃度ビタミンC美容液と併用したい人 → 刺激が重ならないか、量とタイミングを様子見しながら
  • ニキビができやすい人 → 油分の多い処方なので、Tゾーンを避けるなど部分的に使うところから
ありす

1本で顔もボディも髪もいけるので、旅行や出張のポーチ事情がぐっと楽になるタイプでもあります。40mLで5,500円と考えると決して安くはないけれど、使いみちの多さでならすとそこまで割高感はないかもしれません。

よくある質問

Q. デイリーケアとスペシャルケアで使い方が違うんですか?
A. はい。公式の案内では、デイリーケアは洗顔後または乳液後に2〜3滴、スペシャルケアは週1〜2回・乳液後に小さじ1杯を約3分かけてマッサージする、という2通りの使い方が紹介されています(出典1)。40mLという容量を考えると、毎日はデイリー量で、疲れた日にスペシャルケア、という配分が現実的だと思います。

Q. 洗顔後すぐと乳液後、どっちがいいですか?
A. 公式がどちらでもいいと案内しているので、好みで大丈夫です。洗顔後すぐに使うと後の化粧水がなじみやすくなるブースター的な使い方、乳液後だとうるおいにフタをする使い方になります。ツヤをしっかり出したいなら乳液後、軽く仕上げたいなら洗顔直後がおすすめです。

Q. 髪やボディにも本当に使えますか?
A. 公式がマルチユースオイルとして、ひじ・ひざ・かかとなどのボディケアと、タオルドライ後に毛先からなじませるヘアケアを案内しています(出典1)。[ホホバ種子油]も[メドウフォーム種子油]も髪に使われることの多いオイルなので、成分構成から見ても無理のない使い方です。ただ顔用として買うにはやや高価なので、髪に使うなら毛先にほんの少し、が現実的だと思います。

Q. ビタミンC美容液と併用しても大丈夫?
A. 基本的には問題ありませんが、このアイテム自体に[アスコルビン酸]が入っています。高濃度のビタミンC美容液と重ねると、人によっては刺激を感じやすくなることがあるので、はじめは片方ずつ、または朝と夜で分けるところから様子を見てください。

Q. 前の「フレッシュ ハーバルオイル」と何が違うんですか?
A. 公式が明示している変更点は「甘草オイル」の新配合です(出典2)。名前にも「ルミナス(=輝く)」が加わり、ツヤの訴求がより前に出ています。旧品の全成分との1対1の差分は公式には公開されていないので、「肌あれ防止側の一手が加わったリニューアル」と捉えるのがいちばん確かなところです。

まとめ

アルビオン フレッシュ ルミナス ハーバルオイルは、実績のある[ホホバ種子油]を土台に、軽いエステル油で感触を整え、そこに希少オイルと訴求成分を重ねたマルチユースオイルでした。2025年10月のリニューアルで加わった「甘草オイル」=[甘草フラボノイド]は、油ばかりが並ぶ処方の中で唯一「肌あれ防止」側を担う成分。由来種は非公開ですが、キャッチコピーの「乾燥も肌あれ防止もWケア」と重ねると、抗炎症寄りのはたらきを狙った配合と読めます。

水を使わない剤形だから、水に弱いピュアビタミンCをそのままの形で配合しやすい。α-リノレン酸の多いサチャインチ油という酸化しやすい油を入れるなら、酸化防止の成分もきちんと重ねる。ひとつひとつの選択に理由が見える処方だな、というのが読み終えたときの感想です。

いっぽうで、超微粒子乳化技術の数値データも、希少オイルの皮膚での臨床データも、このオイルそのものの試験データも公開されていません。そこはメーカーの公表内容として受け取る部分として、先にお伝えしておきますね。

ありす

成分表だけ見ると「植物オイルがたくさん入ったオイル」で終わってしまうのですが、公式の言葉と突き合わせると、どこに何を足したかがちゃんと見えてきます。乾燥とゆらぎの両方が気になる季節に、うるおいとツヤをまとめて足したい人には、頼りになる一本だと思います。香りの好みだけは、できれば店頭で確かめてみてくださいね。

全成分と特徴

成分名役割特徴
ホホバ種子油ベースオイル・エモリエント公式呼称ゴールデンホホバオイル。人の皮脂に近いワックスエステルで表示1番目。皮膚科の総説がある王道オイル
ミリスチン酸イソプロピルエモリエント・感触調整合成エステル油。伸びを良くし、オイル全体の重さを軽くする定番成分
ミネラルオイル保護・エモリエント高精製の流動パラフィン。肌表面に膜をつくり水分の蒸発を防ぐ。非コメド原性とされる
トリエチルヘキサノインエモリエント・感触調整さらっとした軽い仕上がりをつくるエステル油
パルミチン酸エチルヘキシルエモリエント・感触調整なめらかな肌ざわりと伸びの良さに寄与するエステル油
トウモロコシ胚芽油エモリエント・抗酸化リノール酸とビタミンEを含む植物油。肌をやわらかく整える
オリーブ果実油エモリエントオレイン酸・スクワランを含む、保湿力の高い伝統的な植物油
オクチルドデカノール感触調整分岐鎖の高級アルコール。べたつきを抑えて軽い使用感に整える
アスコルビン酸訴求成分・抗酸化ピュアビタミンC。水を含まない処方だから安定させやすい。表示9番目
アンズ核油エモリエントオレイン酸が豊富でなじみが良く、刺激の少ない植物油
サイペラスエスクレンタス根油エモリエント公式呼称タイガーナッツオイル。低温圧搾で抽出。オレイン酸・トコフェロールを含む
トコフェロール抗酸化ビタミンE。肌の保護と、処方中の油分の酸化防止を兼ねる
プルケネチアボルビリス種子油訴求成分・エモリエント公式呼称インカオメガオイル。α-リノレン酸を全脂肪酸の約半分含む珍しい組成
メドウフォーム種子油エモリエント・皮膜長鎖脂肪酸が9割以上で酸化に強いとされる植物油。薄い被膜でうるおいを保つ
ローズマリー葉エキス抗酸化・整肌公式呼称ローズマリーオイル。カルノシン酸などを含み処方の酸化防止にも働く
甘草フラボノイド訴求成分・整肌公式呼称「甘草オイル」。2025年リニューアルの新配合。由来する甘草の種類で主成分が変わる
BG保湿・溶剤エキス類や香料を油分になじませる役割を担う
BHT酸化防止油性処方の酸化・変色・においの変化を防ぐ合成の酸化防止剤
エタノール溶剤香料・エキス類を分散させる。表示19番目で量としては少ないと考えられる
香料賦香ローズマリー・バジル・タイムなどをブレンドしたハーバルグリーンフローラルの香り

※配合の正確な順序・全項目は商品の全成分表示をご確認ください。配合量は非公開です。

特性タグ:保湿/エイジングケア/ビタミンC/オイル美容/マルチユース/香りあり

参考文献・出典(11件)
  1. ALBION公式 商品ページ「フレッシュ ルミナス ハーバルオイル」(キャッチコピー・商品説明・全成分・価格/容量・使用方法〔デイリー2〜3滴/スペシャルケア小さじ1杯約3分/ボディ・ヘア〕):https://www.albion.co.jp/products/detail/aaaoux
  2. ALBION公式ブランド紹介ページ「植物たちのうるおいにつつまれて。アルビオン ハーバルオイル&クリーム」(2025年10月18日発売・甘草オイルの新配合と説明・5種の植物オイルの呼称と由来・スキコンのオイルを超微粒子にして乳化させる技術・ブランド沿革):https://albion.co.jp/site/p/albion_closeup_herbaloil.aspx
  3. ALBION公式 受賞情報ページ(@cosmeベストコスメアワード2026「上半期新作ベストオイル・バーム」1位/『美的』1月号「真実のベストコスメ2025下半期 保湿美容液編」3位):https://albion.co.jp/site/p/albion_beautyaward.aspx
  4. 神原敏光 ほか「甘草フラボノイド画分の新たな皮膚科学的有用性―ニキビに対する効果」日本化粧品技術者会誌. 2003;37(3):179-186.(Glycyrrhiza inflata由来リコカルコンAを主体とする画分。酵素阻害・抗菌・SOD様作用およびニキビへの臨床効果を報告)DOI: 10.5107/sccj.37.3_179
  5. Yokota T, et al. “The inhibitory effect of glabridin from licorice extracts on melanogenesis and inflammation.” Pigment Cell Research. 1998.(Glycyrrhiza glabra由来グラブリジンのメラニン生成抑制・抗炎症作用に関する基礎研究)DOI: 10.1111/j.1600-0749.1998.tb00494.x
  6. Pazyar N, Yaghoobi R, Ghassemi MR, Kazerouni A, Rafeie E, Jamshydian N. “Jojoba in dermatology: a succinct review.” Giornale Italiano di Dermatologia e Venereologia. 2013;148(6):687-691.(ホホバ油の皮膚バリア・抗炎症・創傷治癒に関する総説)PMID: 24442052
  7. Lourith N, Kanlayavattanakul M, Chaikul P. “Sacha Inchi: The Promising Source of Functional Oil for Anti-Aging Product.” Journal of Oleo Science. 2024;73(4):429-435.(総説/サチャインチ油の脂肪酸組成・培養ヒト線維芽細胞での安全性・抗酸化活性データを整理)DOI: 10.5650/jos.ess23147
  8. i-VOCE 商品情報「アルビオン フレッシュ ルミナス ハーバルオイル」(香りの説明〔ローズマリー・バジル・タイムなどをブレンドしたハーバルグリーンフローラル〕。@cosme公式商品情報 https://www.cosme.net/products/10279771/ にも同旨の記載):https://i-voce.jp/cosmetics/4/109796/
  9. The Meadowfoam Science(メドウフォーム種子油の脂肪酸組成と酸化安定性に関する原料メーカーの技術資料。査読論文ではなく組成分析・工業データに基づく参考情報):https://meadowfoam.com/the-science/
  10. ALBION公式 サステナビリティ報告「オーガニック農園原料へのこだわり」(世界自然遺産・白神山地の麓〈秋田県藤里町〉の自社研究所「白神研究所」・自社農場、日本各地の契約農家との協働による有機栽培の取り組み。「フレッシュ ルミナス ハーバルオイル」の甘草オイル配合を製品事例として紹介):https://rashisa.albion.co.jp/sustainability/report/organic-farm-materials/
  11. 王子ホールディングス株式会社 ニュースリリース「当社製国産『甘草(カンゾウ)』の、高級化粧品への実用化について」(2017年4月25日。北海道の自社農場で栽培した国産甘草から抽出精製した主要成分グリチルリチン酸ジカリウム〈グリチルリチン酸2K〉を、アルビオンの化粧品原料として実用化する見通しと発表。このアイテムの「甘草フラボノイド」とは別成分・別プロジェクト):https://www.ojiholdings.co.jp/uploads/news/docs/news/2017/170425.pdf
ありす
コスメコンシェルジュ

美容、メイク、おしゃれ等にはまっている20代の3児のママ。 コスメレビュー、コスメ成分解析、コスメサブスク、ファッションレンタルなどの情報を発信しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です