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今回は、ドラッグストアの定番、ニベアクリームの青缶の全成分を見ていきます。「ドゥ・ラ・メールに似ている」という噂も気になっていたので、2つの成分表を並べて確かめてみました。
目次(17項目)
ひとことで言うと

ニベアクリームは、油の中に水の粒を閉じ込める「油中水型」という、ふつうのクリームとは逆の乳化で作られています。ミネラルオイルやワセリンの油が肌の表面を覆うので、乾燥から肌を守る土台のケアにぴったりです。ドゥ・ラ・メールとは19成分中15成分が重なりますが、海藻由来の独自成分やビタミン類はニベアには入っていません。
- ラノリンアルコール・硫酸Mg:油の中に水の粒を閉じ込める「油中水型」の乳化を支える成分。同じBeiersdorfのユーセリンにも受け継がれている乳化成分の系統です
- ミネラルオイル・ワセリン:2・3位に並ぶ、肌の表面を覆って水分を逃がしにくくする油
- スクワラン・ホホバ油:メーカーが名前を挙げて配合をうたう、肌になじみやすい油
基本情報

| ブランド | ニベア(ニベア花王) |
| 価格・容量 | 大缶169g:税込597円(ツルハ掲載の実売価格・2026年10月確認)/中缶56g ほか |
| 発売日 | 1911年にドイツで誕生、日本での発売は1968年 |
全成分(19成分)
水、ミネラルオイル、ワセリン、グリセリン、水添ポリイソブテン、シクロメチコン、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンアルコール、パラフィン、スクワラン、ホホバ油、オレイン酸デシル、オクチルドデカノール、ジステアリン酸Al、ステアリン酸Mg、硫酸Mg、クエン酸、安息香酸Na、香料
成分ごとの役割と特徴は、記事のいちばん最後の表にまとめています。
全成分の出どころ花王公式製品ページ(中缶56g・2026年10月確認)。大缶169gは販売店ページの表示と19成分・順番まで一致することを確認しました。
読み方の注意全成分は配合量の多い順。1%以下の成分と着色剤は順不同で書けるため、後半の並びから配合量は読み取れません。
【はじめての方必読】当サイトの成分解析について
- 成分解析は各成分の一般的な配合目的を記載したもので、製品の効果効能を保証するものではありません。
- リニューアル等により全成分が変更される可能性があります。見つけた場合はお問い合わせフォームから教えて頂けると助かります。
ニベアクリームの乳化は何が珍しい?油で水を包む「油中水型」
ふつうのクリームは「水の中に油」、ニベアは「油の中に水」
クリームは水と油を混ぜて作られていて、多くは水の中に油の粒が散らばる「水中油型(O/W)」です。ニベアはその逆で、油の中に水の粒が閉じ込められた「油中水型(W/O)」の設計から始まりました。
ニベアの英国公式サイトによると、1911年にラノリン由来の乳化剤「Eucerit(オイセリット)」が生まれ、創業者のトロプロヴィッツ博士がこの油中水型を化粧クリームの土台に選んだそうです[4]。
外側が油なので、肌にのせて最初に触れるのは油の膜です。こっくりした塗り心地や守られている感じは、この構造から来ているとみています。

ラノリンアルコールと硫酸Mgが、油中水型の目印
油中水型は、水を油の中に細かく分けて安定させるのが難しい処方です。分離しないように塩類やワックスで支える工夫が要ると、化粧品の業界誌でも整理されています[14]。
ニベアの成分表には、その組み合わせがそろっています。8位の[ラノリンアルコール]はEuceritと同じ羊毛脂由来の乳化成分で、[ジステアリン酸Al]と[ステアリン酸Mg]が油をほどよく固め、[硫酸Mg]が水の粒を安定させる役です。
水になじみやすいPEG系の乳化剤が見当たらないのも、油中水型と考えるとつじつまが合います。
同じBeiersdorfの別ブランドでは、ユーセリンにもドイツのBeiersdorf社は公式サイトで、Euceritを「EucerinとNIVEAクリームのいちばん重要な成分」と紹介しています[13]。日本でもニベア花王の「ニベアソフト スキンケアクリーム」にラノリンアルコールとホホバ種子油が入っていて、近い設計です。
日本のニベアも油中水型と言える?
日本の花王の公式ページには「油中水型」という表記は見当たりません[1]。
ドイツ生まれの設計と日本版の成分表の特徴が重なる、というのが今わかっている範囲です。日本版の油中水型は、成分表からの読み取りとして受け止めてください。

「水を油で包む」って、言われてみると逆転の発想ですよね。いつもの青缶のこっくり感がこの作りから来ていると思うと、ちょっと見る目が変わりました😊
ニベアクリームが大缶597円なのはなぜ?価格と処方の関係
大缶169gは、ツルハの掲載で税込597円でした。100gあたりにすると約353円です[2][3]。作るのに手間のかかる油中水型を、この価格でずっと続けているのがニベアの面白いところです。
成分表を見ると、美容成分を盛らずに守る油と乳化の設計に絞った構成です。安さはそこから来ていると私は考えていますが、メーカーが理由を説明しているわけではないので、ここは推測です。
ニベアクリームとドゥ・ラ・メールは似ている?全成分で比較
「ニベアの青缶はドゥ・ラ・メールに似ている」という話、よく聞きますよね。そこで、ドゥ・ラ・メールの「クレーム ドゥ・ラ・メール」の全成分を日本の公式サイトから取って、並べてみました[15]。
| ニベアクリーム(青缶) | クレーム ドゥ・ラ・メール | |
|---|---|---|
| 全成分の数 | 19成分 | 26成分 |
| 上位の並び | 水→ミネラルオイル→ワセリン→グリセリン | 水→ミネラルオイル→アルゲエキス→ワセリン→グリセリン |
| 乳化まわりの成分 | ラノリンアルコール、ジステアリン酸Al、ステアリン酸Mg、硫酸Mg | 同じ4成分 |
| そのアイテムだけの成分 | 水添ポリイソブテン、シクロメチコン、スクワラン、ホホバ油 | アルゲエキス、イソヘキサデカン、ライム果汁、エタノール、パンテノール、コーン油、BHT、シアノコバラミン、カロチン、トコフェロール、パルミチン酸アスコルビル |
| 価格・容量 | 大缶169g 税込597円(実売) | 60mL 税込59,950円(公式) |
並べると、ニベアの19成分のうち15成分がドゥ・ラ・メールにも入っていて、上位の並びもよく似ています。
さらに、ラノリンアルコール・ジステアリン酸Al・ステアリン酸Mg・硫酸Mgという油中水型の組み合わせも共通です。ドゥ・ラ・メールの公式にも油中水型の表記はありませんが、成分表からは同じタイプの乳化だと読めます。似ていると言われるのは、この土台の設計が近いからだとみています。

一方で、違いもはっきりあります。ドゥ・ラ・メールの3位[アルゲエキス]は、公式が「ジャイアント シーケルプ(海藻)などからなる独自の保湿成分」と説明する「ミラクル ブロス™」です。上位にあるので、ある程度の量が入っていると読めます。
ほかにも[パンテノール][トコフェロール][パルミチン酸アスコルビル]などのビタミン類や、[ライム果汁][エタノール]が入っています。公式は「乾燥による小じわを目立たなくする(効能評価試験済み)」と説明しています[15]。
ただし、成分名が同じでも、配合量や原料のグレードは成分表からは分かりません。つけ心地まで同じとは言えない、というのが正直なところです。
価格は100gまたは100mLあたりにすると、ニベアが約353円、ドゥ・ラ・メールが約10万円です(単位が違うので、ざっくりの目安です)。守る油と乳化の土台を手頃に使いたいならニベア、海藻由来の独自成分やビタミン類まで入った処方を楽しみたいならドゥ・ラ・メール、という選び方になります。

土台の作りがここまで近いのは、私も並べてみて驚きました。とはいえドゥ・ラ・メールの主役は海藻由来の独自成分なので、ニベアが「同じもの」とまでは言えないと受け止めています。
ミネラルオイル・ワセリンなど、ニベアクリームの守る油
花王はこのアイテムを「乾いた空気・冷たい外気から肌を保護し、肌荒れ・カサつきを防ぐ」スキンケアクリームと説明しています[1]。その役目を担っているのが、油中水型の外側になる油です。
1位の水のあと、2位[ミネラルオイル]、3位[ワセリン]、5位[水添ポリイソブテン]、7位[マイクロクリスタリンワックス]、9位[パラフィン]と、肌の表面を覆って水分の蒸発をふさぐ油が重なっています。上位の数個は1%以上と読める位置なので、油分がしっかり入ったクリームです。
[ワセリン]は「ふたをするだけ」と思われがちですが、角層の中まで入り込むことが分かっています。ワセリン系の保湿クリームでは、ザーネクリームの全成分解析も参考になります。
ヒトの肌のバリアをいったん壊したあとにワセリンを塗った実験で、ワセリンが角層の細胞のすき間に入り込み、バリア機能の回復が速まったと報告されています。
出典:Ghadially R ほか, J Am Acad Dermatol, 1992(ヒト皮膚での実験)[出典5]
[ミネラルオイル]についても、バリア機能と肌のやわらかさの面で、一部のエモリエントより良好だったという総説があります[6]。ただし、ここまでの研究は成分についてのもので、ニベアクリームそのものの保湿試験データは公開されていません。

メーカーが名前を挙げている[スクワラン]は、化粧品原料として安全性の評価がまとまっている油です[8]。[ホホバ油]は油のように見える液状のワックスエステルで、皮膚科領域のレビューで炎症を抑える作用などが整理されています[7]。
どちらも濃度は公表されていません。プチプラのクリームなので、この2つに期待を寄せすぎず、主役は守る油と乳化の設計と受け止めておくのがちょうどいいと思います。

美容成分で何かを足すクリームというより、乾燥から守るための油をしっかり重ねたクリーム。冬のかかとやひじみたいに、とにかく守りたい場所で頼りになりそうです。
買う前に確認したいこと
ニベアクリームは顔に使っても大丈夫?ノンコメドジェニックの読み方
公式は顔にも体にも使えると案内していて、「にきびのもとになりにくい処方(ノンコメドジェニックテスト済み)」とも書いています[1]。同じページには、すべての人にコメドができないわけではない、という注記も添えられています。
コメドを作りうる成分が入っていても、完成品として試すと作らないことがある、という研究もあります[9]。
とはいえ油分が多いクリームなので、にきびができやすい人は少量から、気になる部分を避けて試すと安心です。
ラノリンや香料で荒れたことがある人は?
8位の[ラノリンアルコール]と最後の[香料]は、反応が出る人がいる成分です。ラノリンは、欧州の一般の人で約0.4%、北米の皮膚科を受診した人で3.3%がパッチテストで陽性だったという報告があります[10][11]。
香料も、欧州の一般の人の1.8%がフレグランスミックスIに陽性でした[12]。多くの人には問題にならない数字ですが、羊毛製品や香料で荒れた経験がある人は、腕の内側などで試してから使ってください。
海外で買ったニベアと同じもの?
同じとは限りません。日本のニベアクリームは、ニベア花王がドイツBeiersdorf社との技術提携で作っている日本製です[2]。国によって成分表が違うので、海外で買ったものは、その商品の表示を確かめてください。

顔に使うなら、乾燥しやすい頬や口もとに薄く、から始めるのがいいと思います。ラノリンや香料で荒れた経験がある人は、先に腕で試しておくと安心ですね。
向く人/確認したい人
- 体・手・かかとの乾燥対策を、大缶169g・600円前後で続けたい人
- 美容成分より、肌を守る土台のクリームがほしい人
- 油中水型ならではの、こっくりした油の膜感が好きな人
- 羊毛やラノリン製品で肌が荒れた経験がある人
- 香料で赤みやかゆみが出たことがある人
- 顔ににきびができやすく、油分の多いクリームが合わない人
- 軽いのびやべたつきのなさを重視する人
よくある質問
ニベアクリームは顔に使っていい?
使えます。公式も顔にも体にも使えると案内しています。油分が多いクリームなので、にきびができやすい人は少量から、気になる部分を避けて試してください。
ニベアクリームとドゥ・ラ・メールは何が違う?
いちばんの違いは、海藻由来の独自成分「ミラクル ブロス™」とビタミン類が入っているかどうかです。油と乳化まわりの成分は、ニベアの19成分中15成分が重なっています。
ニベアクリームの青缶は中身が変わった?
変わっていません。2023年夏に新しいロゴに合わせてパッケージの色とロゴが変わりましたが、花王の公式ページに「中身については変更はございません」と書かれています。
まとめ

調べてみて、ニベアの青缶って、油で水を包むっていう100年以上前からの設計を600円くらいで使えるクリームなんだなって、ちょっと見直しちゃいました!ドゥ・ラ・メールと土台が近いっていう噂も、成分表を並べるとたしかに納得かも。
体や手、かかとの乾燥からしっかり守りたい人にはぴったりだと思います。逆に、軽いつけ心地が好きな人や、美容成分でハリケアまでしたい人は、別のクリームのほうが合いそう。
顔に使うなら、まずは夜に頬だけ、少しずつ試してみてね。
あわせて読みたい
ニベアクリームの全成分と特徴(19成分)
| 成分名 | 役割 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1水 | 基剤 | 処方のベース。ニベアでは油の中に細かい粒として閉じ込められていると読める |
| 2ミネラルオイル | エモリエント閉塞 | 肌の上に膜をつくり水分の蒸発を抑える精製鉱物油 |
| 3ワセリン | 閉塞保護 | 角層のすき間に入り込みバリアの回復を助ける報告がある油 |
| 4グリセリン | 保湿 | 水分をつかまえる定番の保湿剤 |
| 5水添ポリイソブテン | エモリエント | べたつきを抑えつつ油膜をつくる合成の油 |
| 6シクロメチコン | 感触調整 | 揮発性のシリコーンで、さらっとした塗り心地を作る |
| 7マイクロクリスタリンワックス | 増粘閉塞 | クリームのかたさを保ち油分を肌にとどめるワックス |
| 8ラノリンアルコール | 乳化保湿 | 羊毛脂由来の乳化成分。ニベアの原点Euceritと同じ系統 |
| 9パラフィン | 閉塞増粘 | 固形の炭化水素で、油膜とかたさをつくる |
| 10スクワラン | エモリエント | 肌になじみやすい軽い油。メーカーが名前を挙げる成分 |
| 11ホホバ油 | エモリエント | 液状のワックスエステル。メーカーが名前を挙げる成分 |
| 12オレイン酸デシル | エモリエント | 軽い質感の合成エステルで、のびを整える |
| 13オクチルドデカノール | エモリエント | 軽い質感の油性成分で、塗り心地を調整する |
| 14ジステアリン酸Al | 乳化安定増粘 | 油をゲルのように安定させ、水の粒を逃がしにくくする |
| 15ステアリン酸Mg | 乳化安定 | 乳化を安定させ、のび感を整える補助成分 |
| 16硫酸Mg | 乳化安定 | 塩類。油中水型で水の粒どうしがくっつくのを防ぐ目的で使われる |
| 17クエン酸 | pH調整 | 製品のpHを整える |
| 18安息香酸Na | 防腐 | 製品の品質を保つ防腐剤 |
| 19香料 | 香り | においを整える。中身の内訳は表示されない |
※配合の正確な順序・全項目は商品の全成分表示をご確認ください。
特性タグ:油中水型(成分表からの読み取り)/ミネラルオイル配合/ワセリン配合/ラノリンアルコール配合/香料あり/エタノールなし/パラベンなし
出典
- 花王 ニベアクリーム 中缶 公式製品ページ:https://www.kao-kirei.com/ja/item/khg/nivea/4901301008497/
- 花王 ニベアクリーム 大缶 公式製品ページ:https://www.kao-kirei.com/ja/item/khg/nivea/4901301008480/
- ツルハドラッグ オンライン ニベアクリーム 大缶169g(税込597円・2026年10月23日確認):https://shop.tsuruha.co.jp/10001062.html
- NIVEA 英国公式サイト「NIVEA history」:https://www.nivea.co.uk/about-us/nivea-history
- Ghadially R, Halkier-Sorensen L, Elias PM. Effects of petrolatum on stratum corneum structure and function. J Am Acad Dermatol. 1992;26(3 Pt 2):387-396.(ヒト皮膚での実験):https://doi.org/10.1016/0190-9622(92)70060-S
- Rawlings AV, Lombard KJ. A review on the extensive skin benefits of mineral oil. Int J Cosmet Sci. 2012;34(6):511-518.(総説):https://doi.org/10.1111/j.1468-2494.2012.00752.x
- Pazyar N, Yaghoobi R, Ghassemi MR, Kazerouni A, Rafeie E, Jamshydian N. Jojoba in dermatology: a succinct review. G Ital Dermatol Venereol. 2013;148(6):687-691.(総説)
- Cosmetic Ingredient Review Expert Panel. Final report on the safety assessment of squalane and squalene(1982)(安全性評価):https://heronext.epa.gov/reference/4968730
- Draelos ZD, DiNardo JC. A re-evaluation of the comedogenicity concept. J Am Acad Dermatol. 2006;54(3):507-512.(臨床研究):https://doi.org/10.1016/j.jaad.2005.11.1058
- Jenkins BA, Belsito DV. Lanolin. Dermatitis. 2023;34(1):4-12.(総説):https://doi.org/10.1089/derm.2022.0002
- Silverberg JI, Patel N, Warshaw EM, DeKoven JG, Atwater AR, Belsito DV, et al. Lanolin Allergic Reactions: North American Contact Dermatitis Group Experience, 2001 to 2018. Dermatitis. 2022;33(3).(パッチテストの集計):https://doi.org/10.1097/DER.0000000000000871
- Diepgen TL, Ofenloch RF, Bruze M, et al. Prevalence of contact allergy in the general population in different European regions. Br J Dermatol. 2016;174(2):319-329.(一般人口の疫学調査):https://doi.org/10.1111/bjd.14167
- Beiersdorf 公式「Isaac Lifschütz」:https://www.beiersdorf.com/about-us/our-history/personalities/isaac-lifschuetz
- Personal Care Magazine「W/O emulsions improved for formulators and consumers」2011年1月20日(業界誌記事):https://www.personalcaremagazine.com/story/7736/w-o-emulsions-improved-for-formulators-and-consumers
- ドゥ・ラ・メール 日本公式「クレーム ドゥ・ラ・メール」(全成分・価格、2026年10月24日確認):https://www.delamer.jp/product/5834/12343/face/moisturizers/creme-de-la-mer
