有効成分:ヘパリン類似物質似、グリチルリチン酸ジカリウム
その他の成分:精製水、1,3-ブチレングリコール、濃グリセリン、ジプロピレングリコール、L-セリン、L-テアニン、N-アセチル-L-ヒドロキシプロリン、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、イソステアリン酸、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、エデト酸二ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、グリセリル-N-(2-メタクリロイルオキシエチル)カルバメート・メタクリル酸ステアリル共重合体、グリセリルグルコシド液、スクワラン、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、フィトステロール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、水酸化ナトリウム、炭酸ジアルキル(14,15)、フェノキシエタノール、メチルパラベン
この商品の特徴
- ヒルドイドと同じヘパリン類似物質を配合した化粧水
- 肌あれしやすい乾燥肌も使うたびうるおい向上
- 肌になじむ、とろみのあるテクスチャー
- 使い方がひと目でわかるパッケージ
成分解析
カルテHDモイスチュア ローション(高保湿化粧水)の成分解析です。
医薬部外品のためその他の成分は濃度順とは限りませんが、ざっと見た感じ濃度順に並んでいる可能性が高そう。
ベースの成分は化粧品名だとBG、濃グリセリン、DPGの3種類ですね。
BG、濃グリセリンは低刺激な保湿成分。DPGは眼睛刺激やわずかな皮膚刺激の可能性がありますが、(順番が正しければ)濃度はそれほど高くないのであまり気にしなくても良いかも。
これ以降、前半は他のカルテHDのコスメと被るので、既に読んだ方は読み飛ばしてください。
カルテHDってどんなブランド?
カルテHDは大手化粧品メーカーのKOSEと、医薬品のヒルドイドを製造するマルホ株式会社が共同開発したスキンケアラインです。
化粧品の知識と技術を持つKOSEと、医薬品の知識と技術を持つマルホが手を組んだからこそ「化粧品としての使用感や効果を持ちつつ、医薬品に近い実力を持つ医薬部外品が作れる」と、かなり話題になっていますね。
特徴はヒルドイドと同じ「ヘバリン類似物質」を有効成分として配合していること。
「カルテ」という名前は病院で使うカルテではなく、フランス語のA La Carte (アラカルト、一品料理)が由来のようです。
病院のカルテも意識しているとは思いますけどね・・・笑
ヘパリン類似物質とは
ヘパリン類似物質は保湿、血行促進、抗炎症の3つの作用を持つ成分です。
つまり「肌の乾燥を防いで潤いを与え、血行を促進して肌荒れを改善する」ための成分になります。
医薬品のヒルドイドでお馴染みで、アトピー性皮膚炎などの肌荒れの治療に使われてきました。
アトピー以外にも、乾燥が原因となる肌荒れやマスクによる肌荒れにもおすすめの成分です。
医薬品ではヘパリン類似物質は0.3%配合されていますが、カルテHDは安全に日常使いするために配合量が抑えられています。(具体的な濃度は非公開)
医薬品のヒルドイドにはない有効成分を配合
カルテHDのライン共通で、有効成分として「ヘパリン類似物質」以外に「グリチルリチン酸ジカリウム」も有効成分として配合しています。
グリチルリチン酸ジカリウムは薬用コスメや化粧品でよく使われる成分で、肌の炎症を鎮める効果のある抗炎症成分。
本家のヒルドイドには入っていない成分です。
カルテHDは医薬品のヒルドイドよりヘパリン類似物質の濃度は低いですが、グリチルリチン酸ジカリウムの抗炎症があるので、人によってはこっちの方が効果を感じる場合もあるかも!
ただし、赤みが出たり、長期使用でお肌の機能が弱まる可能性があるのでは?という成分なので、注意しながら使っていきましょう。
ライン使いはいまいち?
カルテHDにをライン使いする場合、化粧水→乳液→クリームと3つ重ね塗りすることになります。
ライン使いしたほうが効きそうな感じもしますが、逆に有効成分が効きすぎて赤みが出たり、刺激を感じる可能性もゼロではないかも・・・。
そもそも医薬部外品というのは単体で使って一定の効果を得られるように設計されているので、単品使いがおすすめです。
本家ヒルドイドにはない化粧水タイプ
カルテHDは、医薬品のヒルドイドを日常使いしやすくした医薬部外品なのですが、本家のヒルドイドには化粧水タイプはありません。
ヒルドイドローションという医薬品はあるのですが、油分が多めに入っている乳液タイプで、それよりさっぱりしたものはないんです。
一応、ヒルドイドのジェネリックで出ているビーソフテンはヘバリン類似物質配合の化粧水タイプなので、さっぱり使いたい人はそれを使っていました。
なのでカルテHDローションタイプは、このビーソフテンに近い使用感を持つ医薬部外品かな~と感じます。
ただし、カルテHDの方がヘバリン類似物質の濃度は抑えられ、化粧品仕様の成分も入っているので全く同じというわけではありません。
また化粧水タイプといっても僅かな油分は多少入っているので、完全なオイルフリーを求める方には不向きです。
医薬品にはない美容成分を配合
医薬品のヒルドイドは安定性や低刺激を重視するので、ワセリンやグリセリンなどの無難な保湿成分しか入っていません。
カルテHDは化粧品に近い「医薬部外品」としてKOSEと共同開発したので、化粧品仕様の美容成分が入っています。
化粧水に入っている成分をざっと上げるとこんな感じ。
- L-セリン、L-テアニン:天然保湿因子に含まれるアミノ酸。保湿・バリア機能のサポート。
- N-アセチル-L-ヒドロキシプロリン:肌に馴染みやすくしたアミノ酸誘導体。保湿・バリア機能のサポート。
- カルボキシビニルポリマー:皮膜を作って水分の蒸発を防いだり、肌を守る。
- グリセリル-N-(2-メタクリロイルオキシエチル)カルバメート・メタクリル酸ステアリル共重合体:エイジングケアコスメで人気のハリ弾力成分。
- グリセリルグルコシド液:日本酒由来の保湿成分。ターンオーバー促進やメラニンの抑制作用も。
- スクワラン:皮脂に含まれる油分。肌を柔らかくしたり、水分の蒸発を防ぐ。
- トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル:肌の表面に膜を作り、水分の蒸発を防ぐ油
- フィトステロール:大豆由来の保湿成分。
- 炭酸ジアルキル(14,15):肌の表面に膜を作り、水分の蒸発を防ぐ油
もっと簡単に説明すると『肌の天然保湿因子を補う成分』『ハリ弾力やターンオーバーをサポートする成分』『水分の蒸発を防ぐ油分』が入っている感じですね✨
まとめ
- 医薬品のヒルドイドの成分の濃度を抑えた薬用コスメ
- 医薬品にはない抗炎症成分が入っている
- ライン使いすると作用が強すぎるかも
- 油分が控えめでヒルマイルドローションよりさっぱり使える化粧水タイプ
- 医薬品より美容成分が入っている
乳液タイプの解析はこちら
カルテヒルドイド→カルテHDに名称変更
カルテHDは発売当初『カルテヒルドイド』という名称でした。
しかし東京都から「医療用医薬品“ヒルドイド”と誤認する可能性がある」と指摘を受けたため、製品名がカルテHDに変更されました。
変更されたのは外箱や容器の製品名称のみで、製品の成分や容量などに変更はありません。
すでに販売されているものはそのままで、新たに製造するものから新名称に切り替えられるようです。
全成分
ヘパリン類似物質 | 肌荒れケア |
---|---|
グリチルリチン酸ジカリウム | 整肌 |
精製水 | ベース |
1,3-ブチレングリコール | ベース(保湿) |
濃グリセリン | 保湿 |
ジプロピレングリコール | ベース(保湿) |
L-セリン | 保湿 |
L-テアニン | 保湿 |
N-アセチル-L-ヒドロキシプロリン | 保湿 |
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 | 乳化・増粘 |
イソステアリン酸 | 調整 |
イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 | 乳化 |
エデト酸二ナトリウム | キレート |
カルボキシビニルポリマー | 増粘・乳化安定 |
グリセリル-N-(2-メタクリロイルオキシエチル)カルバメート・メタクリル酸ステアリル共重合体 | エイジングケア |
グリセリルグルコシド液 | 保湿 |
スクワラン | 保湿 |
トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル | エステル油 |
フィトステロール | 保湿 |
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 | 乳化 |
水酸化ナトリウム | 洗浄or調整 |
炭酸ジアルキル(14,15) | 保湿 |
フェノキシエタノール | 防腐剤 |
メチルパラベン | 防腐 |
ヘパリン類似物質 | 肌荒れケア | 医薬品のヒルドイドでお馴染みの成分です。 保湿、血行促進、抗炎症の3つの作用を持ち、乾燥やアトピー性皮膚炎による肌荒れの治療に使われてきました。 医薬品成分の中では作用は穏やかですが、血液を固めることを防ぐ作用があるので、傷口や出血のある方は注意しましょう。 |
---|---|---|
グリチルリチン酸ジカリウム | 整肌 | 肌の炎症を鎮める効果があり、肌荒れケア・ニキビケア・美白系のコスメによく配合されます。 有効成分として配合できる成分で、ある程度の濃度があれば、けっこうすぐに効果が現れます。 抗炎症成分が複数配合されていたり、他の抗炎症系コスメと重ね塗りしたり、長期的に使いすぎると、刺激になったり、肌本来の機能が弱まる可能性もあるので注意。 |
精製水 | ベース | ほぼすべての化粧品に成分を溶かし込むために配合されています。 水自体に特別な効果はありませんが、刺激やアレルギーなどのリスクもありません。 |
1,3-ブチレングリコール | ベース(保湿) | 「BG」と呼ばれ、化粧品のベースとしてよく使われる保湿成分です。 低刺激で、グリセリンに比べて保湿力は劣りますが、さっぱりした使用感です。 1%以下(成分表示の後方に表示)の場合は、成分を溶かし込むためなどの目的で配合されており、影響はほぼありません。 |
濃グリセリン | 保湿 | 化粧品によく使われる低刺激な保湿成分です。 一般的なグリセリンは85%前後の濃度ですが、濃グリセリンは95%以上の濃度。 グリセリンよりもさらに保湿力が高く、重いテクスチャをしています。 |
ジプロピレングリコール | ベース(保湿) | 「DPG」と呼ばれ、化粧品のベースとしてよく使われる保湿成分です。 さっぱり系の使用感で、低コストで配合できるのが特徴です。 眼睛刺激やわずかな皮膚刺激の可能性があり、無理に避けるほどではありませんが、濃度が高いものは注意しましょう。 |
L-セリン | 保湿 | 人の肌に存在するアミノ酸の一種で、天然保湿因子にも含まれます。 他のアミノ酸と一緒に天然保湿因子に近い成分を作り上げ、保湿・肌バリアを改善します。 |
L-テアニン | 保湿 | 人の肌に存在するアミノ酸の一種で、天然保湿因子にも含まれます。 他のアミノ酸と一緒に天然保湿因子に近い成分を作り上げ、保湿・肌バリアを改善します。 |
N-アセチル-L-ヒドロキシプロリン | 保湿 | 肌のコラーゲンに約10%含まれるヒドロキシプロリンをアセチル化したアミノ酸誘導体です。 アセチル化することにより、肌に馴染みやすく、保湿性が高くなっています。 抗アレルギー、抗老化、セラミド合成によるバリア機能改善効果などもがあると言われています。 |
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 | 乳化・増粘 | 製品を水の中に油が溶け込むO/W型に乳化し、粘度を上げてゲル化させる役割で配合されます。 O/W型は水に流れやすくさっぱり。乳液やクリームなどのスキンケアによく使われる乳化です。 肌への刺激はほとんどないと言われていますが、わずかな眼睛刺激は指摘されています。 |
イソステアリン酸 | 調整 | 高級脂肪酸(油性成分)で、製品のテクスチャ調整や、酸化チタンや酸化亜鉛などのコーティングに使用されます。 |
イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 | 乳化 | 非イオン(ノニオン)界面活性剤です。界面活性剤ですが刺激はほぼありません。 主に製品の乳化目的で配合されます。 |
エデト酸二ナトリウム | キレート | 製品の金属イオンを封鎖して品質を維持します。 刺激の可能性も指摘されていますが、化粧品に少し配合される程度ではそれほど影響はありません。 品質の維持に意味のある成分ですし、無理に避ける必要はないでしょう。 |
カルボキシビニルポリマー | 増粘・乳化安定 | よく使われる合成ポリマーで、製品にとろみをつける・ジェル化させる目的で配合されています。 じ名前でも増粘効果が異なるものが多数存在します。 アルカリ性の成分と反応するので、水酸化Kや水酸化Naと共に配合されます。 製品の乳化や油分・粉を分散させる役割もあります。 天然ガム類(多糖類)よりも増粘効果・均一性・温度変化に対する安定性が優れているのが特徴。 肌に乗せると塩分や脂肪酸の影響で水のようにさらっとした性質に変化します。 皮膜を作って水分の蒸発を防いだり、肌をバリアする機能も。 合成ポリマーと聞くとあまり印象は良くないですが、肌への負担や刺激はなく、安全な成分です。 |
グリセリル-N-(2-メタクリロイルオキシエチル)カルバメート・メタクリル酸ステアリル共重合体 | エイジングケア | セラキュートとも呼ばれる合成ポリマーです。 セラミドによく似た構造と、被膜形成作用を持っています。 エイジングケアコスメでハリ弾力成分として配合されることもあります。 |
グリセリルグルコシド液 | 保湿 | アミノ酸、ビタミン、ミネラルを豊富に含む、日本酒より抽出した保湿成分です。 保湿、ターンオーバー促進、脂肪燃焼促進、メラニン生成抑制などの作用があると言われています。 |
スクワラン | 保湿 | 肌の保湿や柔軟作用を持っています。人間の皮脂中に5%含まれており、お肌に馴染みやすい成分。 こってり感はありますが、べたつきにくいので感触改良のためにも配合されます。 100%のオイルをそのままスキンケアに使うことも可能です。 分類としては炭化水素油ですが、石油ではなく動植物由来の成分です。 安定性が高く、酸化や熱による劣化が少ないのも特徴。医薬品の軟膏などにも使用されています。 クレンジングに配合されている場合は、メイクを浮かせるためのオイル。メイクと落とす力は、そこそこ高めです。 脱脂力があるので乾燥の原因になる可能性があります。 |
トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル | エステル油 | 化粧品でよく使われるエステル油です。さらっとしたテクスチャの油性成分。 肌の表面に膜を作り、水分の蒸発を防ぎます。肌への刺激の心配はほとんどありません。 クレンジングに配合されている場合は、メイクを浮かせるためのオイル。メイクと落とす力は、そこそこ高めです。 炭化水素油ほどではありませんが、脱脂力があるので乾燥の原因になる可能性があります。 |
フィトステロール | 保湿 | 大豆由来の保湿成分です。 製品の乳化を安定させる作用もあります。 |
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 | 乳化 | 非イオン(ノニオン)界面活性剤です。界面活性剤の中でも特に低刺激な成分。 化粧品ではPEG-●水添ヒマシ油と表示され、●の数値により作用が異なりますが、医薬部外品では詳細はわかりません。 界面活性剤の中でも特に低刺激で、目薬などに使われることも。皮膚刺激はほとんどなく、安全性の高い成分です。 |
水酸化ナトリウム | 洗浄or調整 | 強いアルカリの性質を持ち、高級脂肪酸や油脂と混ざることで石けん素地(陰イオン界面活性剤)になります。 水酸化Kで作ったカリ石けん素地に比べて、水に溶けにくいので、主に固形タイプの化粧品に使われます。 単独では強い刺激のある成分ですが、化粧品では中和されているため刺激はほぼありません。 製品の増粘やph調整のために配合されることもあります。 |
炭酸ジアルキル(14,15) | 保湿 | さらっとしたテクスチャで伸びの良い油分です。 お肌に膜を作り、水分の蒸発を防いだり、粉体を分散させるために配合されます。 |
フェノキシエタノール | 防腐剤 | 防腐剤です。エタノール(アルコール)とは異なる成分です。 抗菌作用が高く、製品中での微生物の繁殖を防ぎます。 高濃度では刺激になる可能性もありますが、化粧品では1%以下でしか配合できず、刺激はほぼありません。 |
メチルパラベン | 防腐 | ごく少量の配合で、製品の抗菌・防腐に高い効果を発揮します。 パラベンは避けられがちですが、実際には化粧品に配合する防腐剤の中では毒性が低く、お肌への刺激も少ない防腐剤です。 メチルパラベンは代表的なパラベン4種類の中で、少し防腐力は弱めですが、低刺激です。 |