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今回は、花王「SOFINA iP 角層トーニングセラム」を、成分面からガッツリ解析していきます。
「黄ぐすみ印象™ケア」を掲げ、花王が渾身開発したという美容液。独自の「角層透化技術®」で乾燥によるくすみにアプローチするという触れ込みですが、実際のところどうなのか、成分を深掘りして見ていきましょう👌
| ブランド名 | ソフィーナiP |
| 価格 | 6,600円 |
| 容量 | 30ml |
| 発売日 | 2025年10月18日 |
全成分はこちら
有効成分:ナイアシンアミド、グリチルリチン酸ジカリウム その他の成分:水、エタノール、BG、1,3-プロパンジオール、グリセリン、ゲンノショウコエキス、ジグリセリン、チョウジ抽出液、POE水添ヒマシ油、ジオウエキス、ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド、コハク酸2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン、N-アミジノ-L-プロリン、N-メチル-L-セリン、ステアロイルメチルタウリンNa、カルボキシビニルポリマー、エデト酸塩、リン酸1K、リン酸2Na、水酸化カリウム液(A)、キサンタンガム、フェノキシエタノール、香料
公式のアピールポイント
- 花王独自の「角層透化技術®」**で角層細胞までうるおいで満たし、黄ぐすみ印象™をケア
- Wの有効成分(ナイアシンアミド+グリチルリチン酸2K)で、シミ予防と肌荒れ予防を同時にアプローチ
- 3大要因(シミ・肌荒れ・乾燥くすみ)に総合的にアプローチする美容液
【はじめての方必読】当サイトの成分解析について
- 成分解析は各成分の一般的な配合目的を記載したもので、製品の効果効能を保証するものではありません。
- リニューアル等により全成分が変更される可能性があります。見つけた場合はお問い合わせフォームから教えて頂けると助かります。
成分解析
医薬部外品なので、まずは有効成分から見ていきましょう。
有効成分をチェック
ナイアシンアミド
シワ改善×美白×肌荒れ予防の三役をこなす超優秀成分。
ビタミンB3の一種で、2018年にシワ改善有効成分として厚生労働省に承認された注目の成分です。
主な働き:
- シワ改善: 真皮のコラーゲン産生を促進し、肌を内側からふっくらさせる
- 美白効果: メラニンが肌表面に移動するのを阻害。他の美白成分とは違い「運搬を止める」という独自メカニズム
- バリア強化: セラミド合成を促進し、角層のバリア機能を底上げ
ナイアシンアミドは、メラニンの生成を抑えるのではなく「できたメラニンを肌表面に届かせない」というユニークなアプローチで美白効果を発揮します。
グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)
甘草由来の定番抗炎症成分。
肌荒れやニキビを防ぎ、ゆらぎやすい肌を鎮静化してくれます。
ナイアシンアミドと合わせることで、攻めのケアと守りのケアを同時に実現。
どちらも良い成分ですが、プチプラでもよく見かける一般的なもの。
ソフィーナiPの角層トーニングセラムのすごさは、他の部分にあります。
花王独自の「角層透化技術®」とは?
ここが今回の目玉です。
花王は長年、角層細胞のうるおい状態を可視化する技術を開発してきました。
最先端の解析技術を使って、「角層細胞1つ1つがどれだけ水分を含んでいるか」を画像化。
その研究から生まれたのが「角層透化技術®」です。
角層細胞内のケラチン繊維に水分を抱え込ませ、細胞そのものをうるおいで満たすことで、乾燥で黄みがかってくすんで見える肌に透明感を引き出します。
この技術を支えるのが「ケラトMF複合成分」。
ケラトMF複合成分の内訳:
- N-アミジノ-L-プロリン
- コハク酸2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン
- N-メチル-L-セリン
これら3つのアミノ酸系成分が、角層細胞の内部に働きかけ、ケラチン繊維に水分を保持させます。
花王の研究では、この技術により角層細胞の含水比が向上し、肌表面の明るさが上昇することが確認されています。
つまり、「表面だけ保湿する」のではなく、細胞レベルでうるおいを抱え込む設計。
これが黄ぐすみ印象™ケアにつながるわけです。
角層トーニング成分(3種の植物エキス+グリセリン)
もう一つの目玉が、花王が独自にブレンドした「角層トーニング成分」。
構成成分:
- ゲンノショウコエキス
- チョウジ抽出液
- ジオウエキス
- グリセリン
この4つを組み合わせることで、黄ぐすみ印象™ケアをねらった設計です。
この組み合わせでのデータは見つからなかったため、それぞれの植物エキスのデータを見ていきましょう。
ゲンノショウコエキス
日本古来の薬草で、「現の証拠」の名の通り、効果がすぐ現れることから名付けられました。
2019年の研究(Journal of Cosmetic Dermatology掲載)では、ゲンノショウコ抽出物がヒアルロン酸を分解するタンパク(HYBID/KIAA1199)を阻害し、ヒト皮膚でシワ・弾力の改善が確認されています。
- HYBID発現:最大40%抑制
- ヒアルロン酸分解活性:20〜30%低下
- 肌の弾力性改善:8〜12%向上
- 乾燥小じわグレードの改善
さらに、ポリフェノール(クロロゲン酸・ケルセチン)を含み、角層タンパクの酸化ダメージを抑制する働きも。
花王自身も、estブランドで「精製ゲンノショウコ複合エキス」を使用し、頬の弾力が6〜10%改善したという、人の肌での臨床データを発表済み。
また、複合成分として使うと効果が高まることが実証されています。
チョウジ抽出液(クローブ)
主成分はオイゲノールです。
期待できる働き:
- 抗酸化作用(活性酸素の除去)
- 抗炎症作用(肌荒れケア)
- 抗菌作用(防腐補助)
ヒト皮膚線維芽細胞での研究では、抗炎症・組織リモデリング関連の変化が確認されています。
ただし、美白に関しては研究データが一致しておらず、抽出条件で作用が変わる可能性があるため、この成分でどんな効果があるのかは不明です。
ジオウエキス
漢方でおなじみの地黄(じおう)から抽出。
2011年のマウス研究では、地黄抽出物がアトピー様皮膚炎モデルで炎症を抑制したというデータがあります。
また、地黄葉エキスの経口摂取では、ニキビ重症度や水分量の改善が報告されています(外用とは別軸のエビデンスですが)。
今回は肌をすこやかに保つ・肌荒れを防ぐ整肌成分としての位置づけですね👌
グリセリン
「ただの保湿剤」と思われがちですが、ここでは重要な役割を担っています。
植物エキス+グリセリンの複合研究では:
- 角層水分量:25〜40%増加
- 肌表面の粗さ(Ra値):14〜18%低下
- 弾性指標(R2・R7):8〜12%上昇
グリセリンを含む処方のほうが、植物エキス単独より角層水分の上昇幅が大きいことが確認されています。
つまり、グリセリンは単なる保湿ではなく、植物エキスが角層で働くための浸透補助・溶媒最適化として機能しているわけです。
複合成分としての可能性
角層トーニング成分そのものの研究データは公開されていませんが、似た構造(複数の植物エキス+保湿剤)の研究を横断すると:
- 角層の酸化ダメージ:35〜40%低減
- 炎症性サイトカイン(IL-1β/TNF-α):15〜30%抑制
- UV後の赤み:22%軽減
- バリア機能(TEWL):10%改善
こうした作用が、ゲンノショウコ(抗酸化・HYBID抑制)×チョウジ(抗酸化・抗炎症)×ジオウ(抗炎症・バリアサポート)×グリセリン(浸透補助・水分量アップ)という構成と近いなと感じます👌
その他の保湿・バリア強化成分
ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド
長い名前ですが、これは「疑似セラミド」と呼ばれる成分。
セラミドに似せて化学合成された成分で、角層のバリア機能をサポートします。
低コストで安定性が高く、花王の「キュレル」シリーズでもおなじみの成分です。
1,3-プロパンジオール
植物由来の保湿剤で、グリセリンよりもさらっとした使用感。
メリット:
- 抗菌作用があり、防腐剤の使用量を減らせる
- べたつきにくいのに保湿力が高い
- 敏感肌向け製品でよく使われる
BG(1,3-ブチレングリコール)&ジグリセリン
基本の保湿成分。
肌なじみがよく、他の成分の浸透をサポートする役割も。
使用感・安定性向上成分
- エタノール: 清涼感と浸透感を高める。やや揮発性があるため、敏感肌には注意
- POE水添ヒマシ油: 可溶化剤(水と油をなじませる)
- ステアロイルメチルタウリンNa: アミノ酸系界面活性剤。低刺激で肌にやさしい
- カルボキシビニルポリマー: 増粘剤。とろみのあるテクスチャーを実現
- キサンタンガム: 天然由来の増粘剤
- エデト酸塩: キレート剤(金属イオン封鎖)で安定性向上
- リン酸1K、リン酸2Na、水酸化カリウム液(A): pH調整剤
- フェノキシエタノール: 防腐剤(パラベンフリー処方を実現)
- 香料: 琥珀色の美容液にふさわしい、ほんのり上品な香り
メリット・デメリット
メリット
✅ 真皮まで届く有効成分ナイアシンアミド シワ改善・美白・肌荒れ予防の三役をこなす万能選手。レチノールのような刺激が少なく、敏感肌でも使いやすい。
✅ 花王の最先端研究「角層透化技術®」 角層細胞レベルでうるおいを抱え込む、他にはないアプローチ。単なる表面保湿ではなく、細胞そのものを満たす設計が◎。
✅ エビデンスのある植物エキス配合 ゲンノショウコのHYBID抑制効果(ヒアルロン酸分解を防ぐ)は、ヒト臨床で弾力改善まで確認済み。花王自身もestで実績あり。
✅ 黄ぐすみ印象™という新しい視点 乾燥で肌が黄みがかって見える現象に着目。角層の酸化ダメージケア+水分量アップで透明感を引き出すアプローチは理にかなっている。
✅ ソフィーナiPの研究力 美容液市場で7年連続売上No.1の土台美容液を持つブランドの、渾身の新作。花王の皮膚科学研究の本気度が伝わる。
デメリット
❌ エタノール配合で敏感肌には注意 全成分表の2番目にエタノールが登場。アルコールに敏感な人は刺激を感じる可能性あり。
❌ 即効性は期待しにくい ナイアシンアミドも角層透化技術も、効果を感じるまでに1〜3ヶ月かかる。「1週間で劇的変化」を求める人には不向き。
❌ 価格がやや高め 30mlで4,400円は、ドラッグストアコスメとしては高価格帯。朝夜使用で約1ヶ月分なので、コスパ重視派には躊躇する金額。
❌ 「黄ぐすみ」の実感は個人差大 黄ぐすみ印象™は新しい概念すぎて、自分の肌で実感できるかは未知数。くすみの原因が血行不良やメラニンの場合は、効果を感じにくい可能性も。
❌ 角層トーニング成分の独立データなし 3種の植物エキス+グリセリンの組み合わせ自体の研究データは非公開。あくまで「似た成分構成での研究」から推測するしかありません。
向いている人・不向きな人
✅ こんな人におすすめ
乾燥によるくすみが気になる人 角層透化技術®で細胞レベルから水分を抱え込むアプローチは、乾燥くすみに悩む人にぴったり。
シミ・シワ・肌荒れを同時にケアしたい人 ナイアシンアミドの三役効果で、複数の悩みに一本でアプローチできる。アイテム数を減らしたいミニマリスト向け。
30代〜40代のエイジングケア初心者 レチノールはまだ怖いけど、ちゃんと効果のある成分でケアしたい人に。ナイアシンアミドは刺激が少なく、エイジングケアの入り口に最適。
花王の研究力を信じられる人 ソフィーナiPの「素肌に、科学をインストールする。」というコンセプトに共感できる人。データに基づいたスキンケアが好きな理系派。
❌ こんな人には不向き
エタノールに敏感な人 全成分2番目にエタノールが配合されているため、アルコールでヒリつく人は避けたほうが無難。
即効性を求める人 角層透化技術もナイアシンアミドも、継続使用で効果が現れるタイプ。1〜2週間で劇的変化を期待する人には不向き。
コスパ重視派 30mlで4,400円は決して安くない。プチプラ美容液で十分と考える人には高すぎるかも。
香料が苦手な人 ほんのり香りがついているため、完全無香料を求める人には不向き(ただし強い香りではない)。
使い方とコツ
朝・夜の洗顔後、化粧水の後に 直径1.7cm分を手のひらに取り、顔全体になじませます。
特に乾燥やくすみが気になる部分には重ね付けがおすすめです。
使用順序のポイント
ソフィーナiPラインを使う場合:
- 洗顔
- 土台美容液®(ベースケア セラム) ← 炭酸泡美容液で角層を整える
- 角層トリートメント 基礎化粧液 ← 化粧水の代わり
- 角層トーニングセラム ← 今回の主役
- 乳液・クリーム
他ブランドと併用する場合:
- 洗顔
- 化粧水
- 角層トーニングセラム
- 他の美容液(レチノールなど)
- 乳液・クリーム
まとめ
今回発売された「ソフィーナiP 角層トーニングセラム」は、花王の最先端皮膚科学研究を結集した、まさに 「渾身の一滴」 と呼ぶにふさわしい美容液です。
- ナイアシンアミドで真皮まで届くシワ改善+美白
- 角層透化技術®+角層トーニング成分でバリア強化
- 黄ぐすみ印象™という、これまで見過ごされがちだった悩みにフォーカス
この3つのバランスが絶妙で、単なる「保湿美容液」を超えた、積極的なエイジングケア美容液に仕上がっています。
特に、ゲンノショウコのHYBID抑制効果(ヒアルロン酸分解を防ぐ)や、角層細胞レベルでの保水技術は、他ブランドにはない花王ならではの強み。
エタノール配合や価格の高さなど気になる点はありますが、「乾燥によるくすみが気になる」「シミ・シワ・肌荒れを一度にケアしたい」という人には、間違いなく試す価値のある一本です👌
ただし、即効性を求めるのではなく、じっくり1〜3ヶ月かけて育てる気持ちで使うことが、この美容液のポテンシャルを最大限引き出すコツです。
【よくある質問】
- 化粧水は必要?
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公式推奨では、「ソフィーナiP 角層トリートメント 基礎化粧液」(化粧水の代わりになる化粧液)を使用後に本品を使うのがベスト。他ブランドの化粧水でももちろんOKです。
- 敏感肌でも使える?
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エタノールが配合されているため、アルコールに敏感な人は注意。心配な場合は、トライアルサイズ(10ml)で試すのがおすすめです。
- 何ヶ月で効果を感じられる?
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個人差がありますが、早い人で2週間(肌荒れ改善)、平均で1〜2ヶ月(透明感・弾力の変化)、シワ改善・美白効果は2〜3ヶ月が目安です。角層透化技術もナイアシンアミドも、継続使用で真価を発揮するタイプなので、じっくり使うことが大切です。
- 琥珀色の液体はなんの色?
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全成分に着色料の記載はないため、配合成分由来の色と思われます。チョウジ抽出液やゲンノショウコエキスなどの植物エキスが琥珀色を生んでいる可能性が高いです。


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