【成分解析】SHIRO タマヌオイルUV

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化学的な紫外線吸収剤・散乱剤を使わずに植物オイルだけで紫外線をカットするSHIROの日焼け止めオイル・タマヌオイルUVの成分解析です。

製品コンセプトだけ聞くと「新しい」「肌に良さそう」と思うかもしれませんが、冷静に考えてみると、やや問題のありそうなコスメです💦

目次

SHIRO タマヌオイルUVの成分解析

全成分が油脂[テリハボク種子油]から始まっており、中身のほとんどがオイルで構成されています。

日焼け止め性能は赤ちゃん用以下

このオイル、「植物オイルだけで紫外線カットができる」「美容オイル感覚で日焼け止めになる」みたいなPR文で紹介されているんですが、個人的には大反対。

まず日焼け止め性能はSPF12 PA+とかなり低め。赤ちゃん向けの肌に超優しい日焼け止めでも、SPF20~30程度はあります。

SHIROのタマヌオイルUVだけつけて「紫外線対策ができた」って気で外出すると、普通に日焼けします。

紫外線吸収剤や紫外線散乱剤は肌に悪いってイメージもありますが、実際の肌への負担で考えると

紫外線による日焼け>>>>紫外線吸収剤>>紫外線散乱剤>>物理的な紫外線カット(日傘や帽子など)

といった負担の強さです。

カット力の弱い日焼け止めで紫外線のダメージを受けるぐらいなら、普通の紫外線吸収剤や散乱剤の入った日焼け止めを使ったほうがマシです。(どうしても肌に合わない場合を除く)

どうしても紫外線カット成分による刺激が気になるのなら、吸収剤フリーの日焼け止め+日傘・帽子・アームカバー・ストッキングなどで物理的に紫外線をカットする方が圧倒的に肌に優しいです。

化粧品の成分解析で有名なかずのすけさんも、ブログで植物油脂の日焼け止めについて酷評していました。
参考:https://ameblo.jp/rik01194/entry-12493939719.html

実は紫外線吸収剤が入ってる?

SHIROのタマヌオイルUVは「化学的な紫外線吸収剤」が不使用なだけで、植物由来の紫外線吸収剤が入っています。

全成分にかかれている[フェルラ酸]はポジティブリストに掲載されている紫外線吸収剤です。

ポジティブリストは、高濃度だと刺激になりやすく配合濃度に制限のある成分のリスト。

化粧品に配合される紫外線吸収剤はポジティブリストに記載された成分でなければいけないと薬機法で定められています。

紫外線吸収剤はケミカルな成分(合成された成分)がほとんどですが、このフェルラ酸はコメ由来の成分。

主にUVBによる日焼け(赤くなる・肌の表面にダメージを与える)を防いでくれます。

また、メラニンを作るチロセナーゼを阻害する効果もあると言われている成分です。

油脂は酸化が怖い成分

このオイルのベースとなっているのは、タマヌオイル[テリハボク種子油]やクロヨナオイル[クロヨナ種子油]などの植物から採れる油(油脂)です。

シリコーンや鉱物油に比べて、美容成分を含みスキンケア効果の高いオイル。

単純に「塗ったあとのお肌の状態」で考えると、一般的な日焼け止めに比べて使用感が良く、スキンケア効果も高いです。

しかし油脂は、安定性が低く、酸化しやすいという性質を持ちます。

油脂が多く含まれるコスメを塗って紫外線を浴びると、油が酸化して肌の刺激にな危険性が。

普通、日焼け止めは油脂を入れずに作られることがほとんどで、入れたとしてもごく少量です。

でもこの商品は「油脂をメイン」に作っちゃってるんですよね💦

もちろんそれなりに大きなブランドのお高いコスメだし、ある程度酸化しないように研究されているとは思います。

抗酸化作用が強いオイルをメインに作られていますが、それでも「全く酸化しない」ってことはないと思います。

精油もメリット・デメリットあり

8種類の精油が配合されています。

ニオイテンジクアオイ油、パルマローザ油、ラバンデュラハイブリダ油、クスノキ樹皮油、エンピツビャクシン油、アトラスシーダー樹皮油、ユーカリシトリオドラ油、ダマスクバラ花油

多種類の精油をブレンドしていますし、SHIROはフレグランスにも力を入れているブランドなので、香りには期待大。

スパイシーな香りの精油が多いので、オリエンタル系の香りになるのかな。

人によって好き・嫌いは分かれそうな香りです。

精油による抗菌や肌荒れケアも期待できますね。

ただし精油は肌に合わないと刺激を感じやすい成分。8種類も入っていると合わない成分に当たる可能性も高いので、肌が弱い人は注意してください。

単純に美容オイルとして使うならアリ

「日焼け止めオイル」としては微妙なコスメですが、スキンケアに使う美容オイルとしては悪くないかも。

高濃度で入っているテリハボク種子油やクロヨナ種子油は非常に高い抗酸化力を持つ油脂で、さまざまな美容効果が期待できます。

17,600円とかなり高額な美容オイルですが、これらの油脂を主成分にしていると考えると価格は納得。

精油によるリラックス効果も期待できるし、夜のスキンケアや強い日差しを浴びない日に使う美容オイルとしてならアリだと思います。

成分解析のまとめ

  • 紫外線カット効果はあまり期待できない
  • 紫外線による油脂の酸化がちょっと怖い
  • 多種類の精油が入っており、こだわりの香り&美容効果も期待できる
  • 精油は肌に合わないと刺激を感じるかも
  • 抗酸化作用の高い油脂が含まれているから、美容オイルとしてならアリ

全成分の詳細

テリハボク種子油エモリエント(油脂)
マカデミアナッツ脂肪酸エチルエモリエント
クロヨナ種子油エモリエント(油脂)
オリザノール透明感
フェルラ酸紫外線吸収剤
ニオイテンジクアオイ油精油
パルマローザ油精油
ラバンデュラハイブリダ油精油
クスノキ樹皮油精油
エンピツビャクシン油精油
アトラスシーダー樹皮油精油
ユーカリシトリオドラ油精油
ダマスクバラ花油精油
ビサボロール整肌
リンゴ酸ph調整(酸性)
ピーリング
トコフェロール酸化防止剤
香料香料
テリハボク種子油エモリエント(油脂)「神の木」「奇跡の万能薬」と呼ばれるオトギリソウ科のテリハボク(ナッツ)から採れる油脂です。
肌の水分蒸発を防いだり、お肌を柔らかくする作用があります。
リノール酸、レシチン、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEなどを多く含みます。
非常に高い抗酸化力を持ち、エイジングケアコスメで人気の成分です。
天然のUVとも呼ばれ、紫外線から防御する効果もあります。
抗炎症や抗菌作用などもあると言われています。
マカデミアナッツ脂肪酸エチルエモリエント膜を作って水分の蒸発を防いだり、外部刺激から守る植物性エステルです。
人間の皮脂に近い性質を持つので肌なじみがよく、肌や髪に浸透しやすいです。
さらっとした性質を持ち、シリコーンの代用として使われることもあります。
クレンジングに配合されている場合は、メイクを浮かせるためのオイル。メイクと落とす力は、油脂より高めです。
炭化水素油ほどではありませんが、脱脂力があるので乾燥の原因になる可能性があります。
クロヨナ種子油エモリエント(油脂)マメの科のクロヨナから採れる油脂です。
肌の水分蒸発を防いだり、お肌を柔らかくする作用があります。
抗炎症作用・抗酸化作用があり、アーユルベーダで治療薬として昔から利用されています。
紫外線に対する防御力を持っています。
オリザノール透明感コメヌカ由来の成分でビタミンCによく似た効果を持ちます。
抗酸化作用に優れ、美白やエイジングケアによく配合されます。
皮脂の分泌を促し、肌の油分バランスを整える役割も。
フェルラ酸紫外線吸収剤イネ科のアジアイネから生成される、天然由来の紫外線吸収剤です。
紫外線吸収剤は合成のものがほとんどですが、フェルラ酸はコメ由来の成分。
赤くなる日焼けの原因であるUV-Bの吸収に優れています。
チロセナーゼを阻害してメラニンの合成を防ぐ作用もある成分です。
ニオイテンジクアオイ油精油ゼラニウムとも呼ばれる天然香料(精油)です。女性ホルモンの分泌を整える、バラによく似た甘さと、レモンのような爽やかな香りがします。
殺菌・血行促進などの役割を持ちます。皮脂分泌の量をコントロールする効果も。
通経作用が強いので、妊娠中の方には不向き。濃度が高いと人によってはヒリヒリを感じる可能性があります。
パルマローザ油精油天然香料(精油)です。鎮静作用のあるオリエンタル系の甘くて軽やかな香りがします。
抗菌・細胞成長促進などの作用もあります。
通経作用があるので妊娠中の使用は注意しましょう。
ラバンデュラハイブリダ油精油「ラバンジンオイル」とも呼ばれるラベンダーの交配種から採れる精油です。
通常のラベンダーよりもスパイシーさのあるオリエンタルな香りがします。
リラックス・リフレッシュ効果の高い香りです。
クスノキ樹皮油精油カンファー、カンフルとも呼ばれる天然香料(精油)です。
薬のような強めのウッド系の香りがします。
抗炎症や、お肌を引き締めたり、皮脂をコントロールする効果があると言われています。
化粧品に配合される程度の量であれば基本的には刺激はありませんが、人によっては合わない・刺激を感じる可能性もあります。
エンピツビャクシン油精油天然香料(精油)です。
懐かしいようなウッド系の香りがします。
皮脂抑制、殺菌、収れん作用があると言われています。
化粧品に配合される程度の量であれば基本的には刺激はありませんが、人によっては合わない・刺激を感じる可能性もあります。
アトラスシーダー樹皮油精油シダーウッドオイルとも呼ばれる天然香料・精油です。
鎮痛や呼吸器系に良いと言われる、スパイシーなウッド系の香りがします。
殺菌、収れん作用もあると言われています。
刺激の可能性もやや高い成分なので、高濃度の場合は注意しましょう。
ユーカリシトリオドラ油精油レモンユーカリとも呼ばれる天然香料・精油です。
レモンのような爽やかさとスパイシーな香りがします。
抗菌作用や気分の鎮静作用がある精油です。
シトロネラールを多く含み、天然の防虫剤としての役割もあります。
刺激の可能性もやや高い成分なので、高濃度の場合は注意しましょう。
ダマスクバラ花油精油華やかなバラの香りがします。使用されるバラの産地や収穫時期などにより、香りや強さは少し異なります。
保湿、抗酸化、抗老化、美白、女性ホルモンを整える作用があると言われています。
ビサボロール整肌医薬品としては抗炎症・炎症治癒作用が認められている抗炎症成分です。
製品自体の抗菌・防腐作用も持っています。
リンゴ酸ph調整(酸性)
ピーリング
pH調整剤(酸性)です。
ph調整だけでなく、多く配合するとピーリング作用を持ち、毛穴ケアやお肌のキメを整える効果があります。
ピーリング剤としては「フルーツ酸」「AHA」などの名前で呼ばれています。
トコフェロール酸化防止剤製品の酸化を防ぎます。
ビタミンEなので、肌への抗酸化作用も期待できます。
防腐剤の一種ですが、刺激はほとんどありません。
香料香料製品に良い香りをつけたり、原料臭をごまかすために配合されます。
香料といっても種類はたくさんあり、種類によっては刺激性・アレルギー性が気になります。
特に美容効果があるわけではないので、香りを楽しむ目的がなければ避けたい成分です。
SHIRO タマヌオイルUVの特徴
  • 化学的な紫外線吸収剤・紫外線散乱剤不使用。植物だけでSPF12 PA+を叶える
  • 日中は日焼け止めとして、朝晩のお手入れにはパワフルなスキンケアオイルとして活躍
  • 一日中使えて、クレンジングが不要、使うほどにクリアで柔らかなツヤ肌に仕上げてくれます

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この記事を書いた人

ありすのアバター ありす コスメコンシェルジュエージェンシー

美容、メイク、おしゃれ等にはまっている20代の3児のママ。
コスメレビュー、コスメ成分解析、コスメサブスク、ファッションレンタルなどの情報を発信しています。

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