ナチュリエ ハトムギ浸透乳液を成分解析してみました。
大容量のプチプラ化粧水でお馴染みのハトムギ化粧水シリーズから新登場した乳液。
「従来の乳液よりも、角質細胞の隙間を埋めて水分の蒸発を防ぐ」というコンセプトがあるようですが、成分を見てみると、やや心配な点が見つかりました。
【はじめての方必読】当サイトの成分解析について
- 成分分解析は各成分の一般的な配合目的を記載したもので、製品の効果効能を保証するものではありません。
- 一部のコスメは、ブログ(可愛くなりたい)にて、レビューを掲載しています。
- リニューアル等により全成分が変更される可能性があります。見つけた場合はお問い合わせフォームから教えて頂けると助かります。
22種類の成分で構成された乳液です。まずはベースの成分から見ていきます。
ベースの成分は一般的な乳液
まずは水の次に配合量の「グリセリン」「ミネラルオイル」「BG」です。
グリセリンは化粧品でよく使われる保湿力の高いベースの成分。
ナチュリエ ハトムギ浸透乳液はノンコメドジェニックテスト済とのことですが、グリセリンはニキビや毛穴の目立ちの原因になりやすい成分なので、そこは注意。
まぁほとんどの乳液はグリセリンベースで出来ていますし、基本は良い成分です。
ミネラルオイルはベビーオイルの主成分としても使われる一般的な油分です。
BGはグリセリンよりもさっぱりしたベースの保湿成分ですね。
どれも一般的な低刺激成分で、ベビー用品にも使われているようなものです。
美容成分はハトムギエキスより擬似セラミドが優秀かも
商品名にもなっているハトムギエキスは保湿や抗炎症などの効果があると言われている植物成分ですが、プチプラで濃度も低いだろうし、あまり効果は期待できなさそう。
この製品の中で一番良さそうな成分は「ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)」です。
疑似セラミドと呼ばれる成分の一種です。
セラミドは人間の肌の角質層に存在する細胞間脂質に含まれる成分で、お肌の水分保持やバリア機能に非常に重要な役割があります。
「ヒト型セラミド」ではなく「疑似セラミド」なのと、プチプラなので濃度は期待できないですが、濃度が低くても多少の効果は期待できそうな良い成分ですね。
あとはベタインはアミノ酸誘導体の一種の保湿成分。メチルグルセス-10は天然保湿因子に近い性質を持ち、お肌を守る成分です。ざっと見た感じ美容効果が期待できそうなものは他に見当たりませんでした。
ちなみに、ナチュリエのスキンコンディショナー(ハトムギ化粧水)や、ハトムギ系コスメの中で人気のあるアルビオンのスキコンに入っているグリチルリチン酸2Kは、乳液には入っていません。
保湿力はやや物足りないかも
全成分を見ただけでは詳しい濃度はわからないのでなんとも言えませんが、一般的な乳液に比べると、保湿力が弱そうな印象です。
油分の濃度も低そうだし、保湿成分もあんまり入っていない感じですね。
ナチュリエの化粧水と同じく「さっぱり仕上げたい」「安いものを惜しみなく使いたい」って人には良いかもしれませんが、保湿力を求める人には不向きです。
「浸透」は刺激のリスクあり?
この製品のコンセプトは「従来の乳液より浸透する」ということ。公式サイトにもこのような図が出ています。
公式の説明によると、浸透の仕組みは「水分となじみがよく、水分保持力に優れた、保湿成分ベタインを配合」と書かれています。
あとは他の方の成分解析だと「疑似セラミドが細胞間脂質に浸透して潤い」との意見もありましたが、私はそれだけじゃないような気がします。
あくまでも一個人の予想としてお聞きください。
全成分を見てみると、乳化系の成分がかなりの数入っているんですよね。
- (アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー
- 水酸化Na+ステアリン酸※
- イソステアリン酸ソルビタン
- ステアリン酸スクロース
- セスキオレイン酸ソルビタン
- パーム脂肪酸グルタミン酸Na※
- ポリソルベート60
※は特に作用の強そうなアニオン界面活性剤です。
乳液は化粧水に比べて油分が多いので、水と油を混ぜ合わせる(乳化する)ための乳化剤が多く必要になります。
でもそれにしても、強めの乳化剤が多いような気がするんです。
乳化剤というのは、製品を乳化するだけでなく、化粧品を肌に浸透させやすくするという性質を持っています。
乳化剤で浸透させるというのは、他社のコスメでも良く使われている手法。
特にデパコス系は美容成分をしっかりお肌に届けるために、浸透力を上げているものが多いですね。
でも、ナチュリエ ハトムギ浸透乳液の成分を見る限り、そこまで強引にお肌に入れたい高機能な成分が入っているわけじゃないんですよね・・・💦
そして、浸透しやすいというのは、肌の刺激にもなりやすいです。
ナチュリエのハトムギ化粧水は、余計なものが入っていなくてお肌にリスクの少なそうなコスメですが、乳液に関してはちょっと刺激になりやすいんじゃないかなぁと思いました。
成分解析のまとめ
- ベースの成分は低刺激で一般的な乳液の処方
- ハトムギエキスは整肌効果があるが、プチプラなのであまり期待できないかも
- 疑似セラミドでお肌のうるおいやバリア機能をサポート
- 総合的な保湿力は低そう
- おそらく多く入った乳化剤のおかげで浸透しやすいが、ちょっと刺激になりやすいかも
全成分と配合目的
成分名 | 目的 | 評価 |
---|---|---|
水 | ベース | |
グリセリン | ベース(保湿) | |
ミネラルオイル | 炭化水素油(エモリエント) | |
BG | ベース(保湿) | |
ハトムギエキス | 植物エキス(整肌) | |
ベタイン | アミノ酸誘導体(保湿) | |
ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル) | 疑似セラミド(保湿) | |
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー | 合成ポリマー(乳化安定) | |
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー | 合成ポリマー(増粘・ゲル化) | |
(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10 | エステル油(エモリエント) | |
PEG-150 | 増粘 | |
水酸化Na | ph調整 | |
イソステアリン酸ソルビタン | 非イオン界面活性剤(乳化) | |
イソヘキサデカン | 炭化水素(エモリエント) | |
ステアリン酸 | 高級脂肪酸(調整or石けん合成) | |
ステアリン酸スクロース | 非イオン界面活性剤(乳化) | |
セスキオレイン酸ソルビタン | 非イオン界面活性剤(乳化) | |
パーム脂肪酸グルタミン酸Na | アミノ酸系陰イオン界面活性剤(洗浄) | |
ベヘニルアルコール | 高級アルコール(乳化安定・調整) | |
ポリソルベート60 | 非イオン界面活性剤(乳化) | |
メチルグルセス-10 | 合成ポリマー(保湿) | |
メチルパラベン | 防腐剤 | (旧) |
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