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最近、化粧品の保湿成分として人気を集めている「セラミド」。
「コスメを選ぶときは、セラミド配合を選んでいるよ!」
って人も多いと思いますが、あなたは「セラミドとはなにか」を詳しく説明できますか?
- セラミドとは結局何なのか
- 化粧品成分としてのセラミドの種類と見分け方
- セラミドのデメリット
- セラミドを取り入れるコツ
この記事では「セラミド」について知っておきたい、基本的な知識をわかりやすく解説しています。
セラミドとは
セラミドは人間のお肌にもともと存在する成分です。
そんなセラミドはどこにあるのかを、まず見ていきましょう。
人間のお肌を拡大したイラストはこちらです。
お肌の表面にあるのは「皮脂膜」と「角質層」。
角質層の厚さは僅か0.02mmでラップと同じぐらいです。
この0.02mmの「角質層」をさらに拡大してみます。
角質層を構成するのは主にこの3つの物質と水。
- 角質細胞
- 天然保湿因子
- 細胞間脂質
このうち、細胞間脂質の50%を占めているのが今回のテーマであるセラミドです。
「セラミド」を約50%含む「細胞間脂質」は、角質層の中で水分と一緒に「ラメラ構造」を作っています。
役割を例えるなら「角質細胞」「天然保湿因子」⇒レンガ、「ラメラ構造」⇒レンガをくっつけるモルタルのような目的です。
セラミドはなぜ必要?
- 日々の洗顔・クレンジング
- 加齢による肌の変化
- 外部刺激や生活習慣によるターンオーバーの乱れ
こういった原因で、角質層に存在するセラミドは減少し、不足しがちになっていきます。
短期的な原因としてもっとも大きいのが「日々の洗顔・クレンジング」です。
優しい洗浄力の洗顔料・クレンジングを使えばセラミドの減少は抑えられますが、日々の生活で必要なことなので、完全に防ぐことはできません。
また、どれだけ一生懸命ケアをしても、加齢とともにセラミドは減少していきます。
では、セラミドが減った肌はどうなるのでしょうか?
「接着剤」の役割を果たすセラミドを失った肌は、綺麗なレンガ状の構造を失い、「水分が蒸発しやすく、外部刺激に弱い状態」になってしまいます。
この状態が「肌荒れ」や「お肌のゆらぎ」の大きな原因です。
つまり、セラミドや天然保湿因子が足りていて、綺麗なレンガ状の構造の肌は、水分が蒸発しにくく、外部刺激に強いです。
これが「セラミドはお肌の水分保持とバリア機能に重要」と言われる理由です。
セラミドにはどんな効果があるの?
目的は基本的に「保湿」です。
美白やシワ改善といった高機能な作用はありませんが、乾燥による小じわ、毛穴の開き、くすみ、肌のゆらぎなどには効果的です。
セラミドは補給できる
ここで重要なのは「セラミドは肌の表面にある角質層に存在する成分」であること。
例えば美容成分でお馴染みののヒアルロン類やコラーゲンはお肌の奥にある真皮で働く成分なので、化粧品で取り入れても補うことはできません。(表面的な保湿効果は発揮します。)
でも、セラミドはお肌の表面で働く成分なので、スキンケアで塗るだけでも、働く場所にキッチリ届けてあげることができるんです。
ここまで学んだこと
- セラミドはお肌の水分保持とバリア機能に重要な成分
- セラミドは日々の生活や加齢によって、不足しがちになる
- セラミドは肌の表面の角質層にある成分だから、化粧品で補いやすい
セラミドの種類
「化粧品成分としてのセラミド」は大きく分けて4種類です。
ヒト型セラミド
セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミドEOP、セラミドNG、セラミドNPなど
全成分で「セラミド●(数字かアルファベット)」と記載があれば、ヒト型セラミドのことを指しています。
角質層に存在するセラミドと、ほぼ同じ構造を持つセラミドです。
人間から採取するのではなく、主に酵母を利用して生成されています。
4種類のセラミドの中で最も効果が高く、おすすめの成分です。
ただし原料費が高いため、高濃度で配合したコスメは価格が高くなっています。
最近は1,000円以下のコスメへの配合も増えてきましたが、プチプラコスメに入っているヒト型セラミドの濃度はあまり期待できません。
ただし濃度が低くても多少の効果は発揮するので、少しでも入っていることに意味がある成分です。
疑似セラミド(合成セラミド)
ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド、セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステアリル/オクチルドデシル)など
角質層に存在するセラミドを真似て、合成して作った成分です。
ヒト型セラミドと比べるとの保湿効果は劣りますが、価格が安い、製品に溶かし込みやすいなどの特徴があります。
つまり「ヒト型セラミドでは難しいレベルの低価格・高濃度が実現できる」というメリットがあり、使い方によっては非常に優れた成分です。
植物セラミド
コメヌカスフィンゴ糖脂質、ユズ果実エキス、パイナップル果実エキスなど
米、柚子、パイナップルなどの植物から摂れるセラミドです。
ヒト型セラミドや動物性セラミドよりも価格はお手頃なので、プチプラコスメにも配合しやすい成分です。
ただし、人間の肌に存在するセラミドとは構造が異なるので、どの程度効果を発揮してくれるのかは、微妙なところです。
メインの美容成分としては微妙ですが、保湿成分として多少の役割は果たしてくれるので、入っている意味はある成分です。
動物性セラミド
セレブロシド、ビオセラミド、ウマスフィンゴ脂質など
馬などの動物から抽出したセラミドです。
昔は牛由来のセラミドが主流でしたが、安全面で懸念があったため、現在は馬由来のセラミドがほとんどです。
植物性のセラミドよりは人間のセラミドに近い構造を持ち、ヒト型セラミドと並んで、高い保湿効果を発揮します。
ただし原料がとても高いので、配合しているコスメは珍しく、プチプラでは濃度もあまり期待できません。
化粧品成分のヒト型セラミドの種類
ヒトの肌に含まれるセラミドは構造上12種類ですが、化粧品の成分として一般的に使われているのはこの5種類です。
- セラミドEOP(セラミド1)
- うるおい・バリア機能のサポートに重要
アトピー肌の人が不足しやすい。 - セラミドNG(セラミド2)
- 肌に含まれるセラミドの中でも特に量が多い。
うるおいに非常に重要。 - セラミドNP(セラミド3)
- うるおい・ハリ弾力に重要。
年齢肌の人は不足しやすい。 - セラミドAG(セラミド5)
- バリア機能のサポートに重要 。
- セラミドAP(セラミド6Ⅱ)
- 潤い・ハリ弾力・キメに重要。
セラミドの[数字」と「アルファベット」の組み合わせについては、さまざまな説があり、違った表記が使われることもあります。
一応「化粧品成分としてのセラミド」は、上記の組み合わせが一般的です。
種類ごとに特徴を解説しましたが、あまり大きな差ではないので、無理して理想のセラミドを探す必要はありません。
そこにこだわると、スキンケア選びの難易度が高すぎるので、気にせず選んだほうが良いです。
強いて言うなら「セラミドNG(2)は優先的に取りたい」「複数のセラミドを取り入れたい」という目安は持っていても良いと思います。
なぜ数字表記とアルファベット表記があるの?
数字は昔使われていた表記で、現在はアルファベットに移行しつつあります。
ヘアケアは特にセラミドNG
セラミドは髪の内部にある細胞膜複合体にも含まれていて、お肌よりもさらにセラミドNGの含有率が高いです。
ヘアケア製品でセラミドを取り入れるときは、スキンケアよりもさらに「セラミドNG」を重視しましょう。
ヒト型セラミドの効果的な取り入れ方
ヒト型セラミドは「細胞間脂質」なので「油溶性」。
つまり油に溶けやすい性質を持っています。
水には溶けないので、化粧水などの水溶性の成分ばかりで構成された化粧品には、あまり高濃度で入れられません。
セラミドを高濃度で配合しやすい化粧品は、乳液やクリーム、乳液状の美容液などの、油分を多く含むものです。
「クリームだからセラミドが多く入っている」と確定したわけじゃありませんが、化粧水にはセラミドが高濃度で入っている可能性は低いと思っておきましょう。
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