【成分解析】ビオレUV アクアリッチ ウォータリーエッセンス|“白浮きしない軽さ”を成分から読み解く

ビオレUV アクアリッチ ウォータリーエッセンス 成分解析

Instagram(@alice_kaiseki)で2.1万人にスキンケア情報を発信するコスメコンシェルジュエージェンシー(日本化粧品検定1級)のありすです✨

今日は、毎年ドラッグストアの棚から消える定番──ビオレUV アクアリッチ ウォータリーエッセンス(SPF50+/PA++++、区分は医薬部外品ではなく化粧品)を、全成分から読み解いていきます。「なんでこんなに軽いの?」「白浮きしないのはなぜ?」の答えは、けっこうはっきり成分表に書いてあります。

【はじめての方必読】当サイトの成分解析について
  • 成分解析は各成分の一般的な配合目的を記載したもので、製品の効果効能を保証するものではありません。
  • リニューアル等により全成分が変更される可能性があります。見つけた場合はお問い合わせフォームから教えて頂けると助かります。

基本情報

日やけ止め市場で4年連続売上No.1(2020年9月〜2024年8月)、世界27の国と地域で展開し累計出荷数量1億本を突破しているロングセラー、[ビオレUV]の代表商品です(出典2)。

ビオレUV アクアリッチ ウォータリーエッセンスの商品ビジュアル
ブランドビオレUV(花王)
価格・容量70g/120g(フレッシュパウチ) ※オープン価格
発売日2025年2月8日(現行の改良版・全国発売)

ひとことで言うと

ありす

紫外線吸収剤4種だけで組み立てた、“軽さと耐水性”に全振りの日やけ止め。[酸化チタン]も[酸化亜鉛]も入っていないから白浮きせず、エタノールとシリコーンでさらっと乾く。そのぶん、ノンケミカル派・アルコールがしみる方には向きません。

この記事のポイント

  • 花王が「世界初」と謳う特許処方[ミクロディフェンス処方]:UV防御剤をカプセル化し、誰が塗ってもムラのない均一な膜を作る技術。効果の第三者データは非公開ですが、特許取得済みの独自技術として公表されています。
  • 紫外線防止成分は[メトキシケイヒ酸エチルヘキシル][エチルヘキシルトリアゾン][ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル][ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン]の4種すべてが紫外線吸収剤
  • [エタノール]が全成分の2番目。軽さの立役者であり、同時に注意点でもある。
  • SPF50+は「2mg/cm²」で測った値。実際の塗布量は約1/2〜1/5という研究があり、量を塗ることが何より大事。

紫外線防止成分は4つ、すべて「吸収剤」

配合された4種の紫外線吸収剤がUVBとUVAを分担して守ることを示した図
4種の吸収剤でUVB〜UVAを分担する設計(ありす作成)

UVBを守る2つ

[メトキシケイヒ酸エチルヘキシル]は、いわゆるオクチノキサート。吸収極大が約310nmで、UVBの中心にどんぴしゃりの、世界でいちばん使われてきた定番フィルターです。軽くて使用感がよい反面、単独では光でやや構造が変わりやすい(=効きが落ちやすい)という弱点も知られています。

そこで組み合わされているのが[エチルヘキシルトリアゾン]。少ない量でUVBを強く吸収できるうえ、光で壊れにくく、耐水性のある膜をつくりやすい成分です。「せっけんで落とせるのに、80分の耐水試験に通る」という設計は、こういう膜づくり系の成分に支えられています。

UVAを守る2つ

PA++++を担うのが[ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル](DHHB)。吸収極大は約354nmで、シワ・たるみの原因になるUVAをしっかりカバーします。光安定性が高いのが特長です。

もうひとつが[ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン](Tinosorb S)。UVBとUVAを1剤でまたぐブロードスペクトラム型で、自分が光に強いだけでなく、他のフィルターを光安定化する働きも報告されています。オクチノキサートの弱点を補う相棒、という位置づけですね。

研究で分かっていること

ビスオクトリゾール(Tinosorb S)は、光分解しやすいアボベンゾンやメトキシケイヒ酸エチルヘキシルと併用したとき、それらの光分解を抑えて処方全体の光安定性を高めることが示されています。(出典6/エビデンスレベル:in vitro試験)

ありす

つまり、紫外線カット成分は4つとも“透明な吸収剤”で、壊れやすい成分を[ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン]が支えるチーム設計。研究でも併用で光分解が抑えられると示されていて、よく考えられた組み合わせだと思います😊

散乱剤ゼロが意味すること

[酸化チタン][酸化亜鉛]が入っていません。これが、白浮きしない・きしまない・ファンデがヨレにくい理由です。ただし裏を返せば、「紫外線吸収剤で赤くなったことがある」「ノンケミカルしか使えない」という方の選択肢にはならない、ということ。ここは好みではなく相性の問題なので、正直にお伝えしておきます。

ありす

白浮きしないのは、粉タイプの[酸化チタン][酸化亜鉛]を使っていないから。そのかわり、吸収剤が合わない方の選択肢にはなりません。正直に言うと、ここは良し悪しではなく完全に相性の問題です。

たっぷり塗ることの大切さと、気になる安全性の話

SPFの測定条件2mg/cm2と実生活での塗布量0.39〜1.0mg/cm2を比べた図
(出典4)

研究で分かっていること①:塗る量

SPF・PAは「2mg/cm²」という厚みで測った値です。ところが実生活では0.39〜1.0mg/cm²程度しか塗られていない、という調査がまとめられています。量が足りなければ、SPF50+でも表示どおりの守りにはなりません。(出典4/エビデンスレベル:査読付き総説)

顔なら「500円玉大」がひとつの目安。この商品は水感で伸びがいいぶん、つい薄く塗りがちなのが最大の落とし穴だと私は思っています。花王自身も「量が少ないと、充分な日やけ止め効果が得られません」と明記しています。

研究で分かっていること②:血中への移行

FDAのランダム化試験で、[メトキシケイヒ酸エチルヘキシル]を含む6種の有機フィルターが実使用条件下で血中に検出され、安全性試験を求める基準値(0.5ng/mL)を超えました。ただしFDAは「基準値を超えたことが危険を意味するわけではなく、日やけ止めの使用をやめる理由にはならない」としています。(出典5/エビデンスレベル:ランダム化臨床試験)

このニュースは一時期かなり不安を煽る形で拡散しましたが、「紫外線を浴び続けるリスク」と「フィルターが微量に吸収されるリスク」を天秤にかけたとき、皮膚科の主要学会はいまも日やけ止めの使用を推奨しています。私も、こわがってやめるより、きちんと塗るほうを選びます。

ありす

難しい話をまとめると、「SPF50+でも薄塗りだと表示どおりには守れない」「吸収剤は微量に血中へ入るけれど、使用をやめる理由にはならない」の2点。私はこの商品でも“顔に500円玉大”を守るようにしています。

水感テクスチャーをつくっている成分

マイクロパウダーで包まれたUVカット成分が肌の上で瞬時に崩れ、均一な塗膜として広がっていく仕組みを示す花王公式の図解
マイクロパウダーが肌の上で瞬時に崩れ、UVカット成分が均一に広がる「均一塗膜技術」の仕組み(出典:花王ニュースリリース「グローバルで展開する『ビオレUV』の代表商品『ビオレUV アクアリッチ ウォータリーエッセンス』改良」2024年12月11日)

花王がこの処方につけた名前が[ミクロディフェンス処方](花王いわく世界初)。UVカット成分を[ベヘン酸グリセリル][ジステアリン酸ソルビタン]などの両親媒性成分でできたカプセルに包み込み、肌にのせた瞬間にカプセルが崩れて均一な塗膜になる、という特許技術です(出典2)。[(メタクリル酸ラウリル/メタクリル酸Na)クロスポリマー]も水を抱えるポリマーで、花王が言う「ウォーターカプセル」のみずみずしさを支えていると考えられます(出典3)。UVカット成分を含んだカプセルが白い粒として見えることがある、と公式も注記していますが、品質上の問題ではありません。[ポリビニルアルコール]や[カンテン]が膜づくりを、[パルミチン酸デキストリン]や[(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー]が増粘を担います。

ありす

するっと軽いのは、多めの[エタノール]がすぐ乾いて、シリコーンがさらさらの膜を残すから。花王が特許を取った[ミクロディフェンス処方]のカプセルが肌の上ではじけて均一に広がる設計もユニークで、化粧下地として優秀と言われる理由がよく分かる処方です。

保湿成分はどれくらい?

[ヒアルロン酸Na][ローヤルゼリーエキス][BG]が公式の訴求成分。加えて[グリセリン][プロパンジオール][キシリトール]も入っています。ただ、この手のプチプラ日やけ止めでは配合順の位置そのものはあまり当てにならず、価格帯や製品としての売り出し方から見ても、保湿成分はあくまでおまけ程度と捉えておくのが現実的です。「日やけ止めにしては乾きにくい」くらいの期待値で使うのがちょうどよく、乾燥肌さんは下に保湿を一枚しっかり入れてあげてください。

ありす

保湿成分は[ヒアルロン酸Na]などが入っているものの、プチプラ設計と製品の打ち出し方を見る限りはおまけ程度。うるおいはこの1本に期待しすぎず、乾燥肌さんは化粧水・乳液をきちんと仕込んでから重ねるのが安心だと思います。

正直に気になる点

  • エタノールが多い:2番目という位置。アルコールがしみる方、ゆらぎ肌のときはヒリつく可能性があります。
  • [ローヤルゼリーエキス]:ハチ由来成分で、アレルギー(ぜんそくやアナフィラキシー)の報告がある成分です。ハチ製品や花粉にアレルギーがある方は、パッチテストをしてから。
  • 吸収剤オンリー:ノンケミカル志向の方、吸収剤で刺激を感じた経験のある方には向きません。
  • [パルミチン酸イソプロピル]:コメド(詰まり)を誘発しやすいと指摘されることのある油分。ニキビができやすい方は様子を見ながら。
  • 「せっけんで落とせる」=軽く洗えばいい、ではない:UV耐水性★★のしっかりした膜です。洗顔料・全身洗浄料で丁寧に落としてください。
ありす

気をつけたいのは、[エタノール]多め・吸収剤オンリー・ハチ由来の[ローヤルゼリーエキス]の3点。しみやすい方やアレルギーが心配な方は、腕の内側で試してからが安心です。正直、万人向けではありません。

相性チェック

🙆‍♀️ 向いていそうな人

  • 白浮き・きしみが苦手/ベタつきが嫌い
  • 化粧下地として毎日使いたい
  • 汗・水に強い日常使いのUVがほしい
  • 顔もからだも1本で済ませたい
  • コスパよく“量をたっぷり”塗りたい

🔍 少し気をつけたい人

  • アルコール(エタノール)がしみる、ゆらぎやすい
  • ノンケミカル(吸収剤フリー)を探している
  • ハチ製品にアレルギーがある(ローヤルゼリーエキス)
  • 詰まりやすい肌質(パルミチン酸イソプロピル)
  • 保湿もこれ1本で完結させたい
ありす

白浮きが嫌いで、毎日下地代わりにたっぷり使いたい人にはぴったり。逆に敏感肌さんやノンケミカル派の方は、別の1本を探すほうが幸せだと思います。“合う人にはとことん合う”タイプの日やけ止めですね。

よくある質問

Q. 白浮きしないのはなぜ?
A. [酸化チタン][酸化亜鉛]などの無機粉体(散乱剤)が入っておらず、透明な有機フィルターだけで組み立てられているためです。

Q. せっけんで落ちるのに、汗で落ちないの?
A. [エチルヘキシルトリアゾン]や[ポリビニルアルコール]などが耐水性のある膜をつくる一方、界面活性剤には反応して落ちる設計です。とはいえ「軽く洗えばOK」ではないので、洗顔料でしっかり落としてください。

Q. どれくらい塗ればいい?
A. 顔なら500円玉大が目安。研究では実際の塗布量が測定条件(2mg/cm²)の半分以下というデータもあります。伸びがいい商品ほど、意識して多めに。

Q. 敏感肌でも使える?
A. エタノールが多めなので、しみる方には向きません。花王も「特に肌の弱い方は使わないでください」と注意書きをしています。

ありす

よく聞かれる「白浮き・落とし方・量」の答えは、ぜんぶ成分表に書いてありました。透明な吸収剤4種、耐水性の膜、軽い伸び——だからこそ合言葉は“たっぷり塗る”。使うほど納得できる設計だと思います😊

まとめ

[酸化チタン][酸化亜鉛]を使わず、有機フィルター4種だけで290〜400nmを埋める。エタノールとシリコーンで軽さを、膜をつくる成分で耐水性を確保する。「軽さ・白浮きのなさ・耐水性」に全振りした、非常によく作り込まれた日やけ止めだと思います。合う・合わないは、吸収剤とアルコールへの相性で決まります。そして何より、量をたっぷり塗ること。ここが守りの大半を決めます。

全成分と特徴

成分名役割特徴
ベース水感テクスチャーの土台
エタノール溶剤・速乾2番目の配合。軽さの立役者/過敏な人は注意
メトキシケイヒ酸エチルヘキシルUVB吸収剤約310nm。定番のUVBフィルター
エチルヘキシルトリアゾンUVB吸収剤高吸光・光安定・耐水膜をつくる
パルミチン酸イソプロピル油性基剤吸収剤の溶剤。詰まりやすい人は注意
(メタクリル酸ラウリル/メタクリル酸Na)クロスポリマーポリマー水を抱える。ウォーターカプセルの核
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルUVA吸収剤約354nm。PA++++を支える
水添ポリイソブテン油性基剤撥水性・のび
ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンUVB+UVA吸収剤ブロードスペクトラム。光安定化剤としても働く
パルミチン酸デキストリン増粘(油ゲル化)質感調整
BG保湿多価アルコール系のうるおい成分
キシリトール保湿多価アルコール系のうるおい成分
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー増粘・乳化安定液だれ防止
ジメチコンシリコーンさらさら感・撥水・下地効果
安息香酸アルキル(C12-15)エモリエント軽い感触の油分
グリセリン保湿多価アルコール系のうるおい成分
ステアリン酸グリセリル乳化・乳化安定処方を安定させる
プロパンジオール保湿多価アルコール系のうるおい成分
ベヘン酸グリセリル乳化・乳化安定処方を安定させる。花王の特許「UV防御剤内包カプセル」を構成する両親媒性成分でもある
(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーシリコーンさらさら感・撥水・下地効果
セタノール乳化・乳化安定処方を安定させる
カンテンゲル化・膜形成耐水性のある膜づくり
ジステアリン酸ソルビタン乳化・乳化安定処方を安定させる。花王の特許「UV防御剤内包カプセル」を構成する両親媒性成分でもある
イソセテス-20乳化・乳化安定処方を安定させる
ポリビニルアルコールゲル化・膜形成耐水性のある膜づくり
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーシリコーンさらさら感・撥水・下地効果
ステアロイルグルタミン酸pH調整・中和処方の安定
アルギニンpH調整・中和処方の安定
水酸化KpH調整・中和処方の安定
水酸化NapH調整・中和処方の安定
ローヤルゼリーエキス保湿訴求成分。ハチ由来でアレルギー報告あり
ヒアルロン酸Na保湿訴求成分
フェノキシエタノール防腐パラベンフリー設計
EDTA-2Naキレート品質保持
BHT酸化防止品質保持
香料賦香ホワイトミュゲの香り

※正確な配合順は、お手元の商品の全成分表示をご確認ください(処方は改良により変わることがあります)。

参考文献・出典

  1. 花王公式通販 My Kao Mall「ビオレ UV アクアリッチ ウォータリーエッセンス」商品ページ(全成分・使い方):https://www.kao-kirei.com/ja/item/khg/bioresarasarauv/4901301413246/
  2. 花王ニュースリリース「グローバルで展開する『ビオレUV』の代表商品『ビオレUV アクアリッチ ウォータリーエッセンス』改良」(発売日:2025年2月8日・全国):https://www.kao.com/jp/newsroom/news/release/2024/20241211-002/
  3. 花王「ビオレUV|アクアリッチ 水感エッセンス」ブランドサイト:https://www.kao.co.jp/bioreuv/microuv/
  4. Petersen B, Wulf HC.「Application of sunscreen − theory and reality」Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2014;30(2-3):96-101.(査読付き総説):https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24313722/
  5. Matta MK, et al.「Effect of Sunscreen Application on Plasma Concentration of Sunscreen Active Ingredients: A Randomized Clinical Trial」JAMA. 2020;323(3):256-267.(ランダム化臨床試験):https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2759002
  6. Chatelain E, Gabard B.「Photostabilization of butyl methoxydibenzoylmethane (Avobenzone) and ethylhexyl methoxycinnamate by bis-ethylhexyloxyphenol methoxyphenyl triazine」Photochem Photobiol. 2001;74(3):401-406.(in vitro試験)
ありす
コスメコンシェルジュ

美容、メイク、おしゃれ等にはまっている20代の3児のママ。 コスメレビュー、コスメ成分解析、コスメサブスク、ファッションレンタルなどの情報を発信しています。

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