500mlで660円のプチプラ大容量なのに、ビタミンC誘導体を配合した『パエンナ ハトムギ美容水inビタミンC誘導体』の成分解析です。
価格が安いので成分はそれなりだとは思いますが、入っている成分の種類は良さそうなコスメです。
パエンナ ハトムギ美容水inビタミンC誘導体の成分解析
「美容水」という商品名で販売されていますが、化粧水の一種です。
有効成分が配合された医薬部外品(薬用化粧品)ではなく、一般化粧品。
なので「美白」の効果効能は名乗ることができず、「透明肌」「ビタミンC誘導体※製品の酸化防止剤」といった名目で販売されています。
ベースの成分はごく普通
ベースとなる保湿成分はこの3種類。
- BG・・・一般的な保湿成分。さっぱり&低刺激。
- DPG・・・一般的な保湿成分。低コストで簡単に配合できるが、濃度が高いと少し刺激になるかも。
- グリセリン・・・一般的な保湿成分。しっとり&低刺激。
組み合わせとしては、ごく普通なものです。
BGの割合が多く、とろみの強い成分は少ないので、使用感はさっぱり系。
DPGが入っているのは少し気になりますが、BGの方が濃度が高く、プチプラなので許容範囲かな。
ビタミンC誘導体の種類は◎
入っているビタミンC誘導体の種類は[アスコルビルリン酸Na]。
還元作用を持つ成分ですが、美白化粧品ではないので、「製品の酸化防止剤」という建前で配合されています。
プチプラ美白化粧品で有効成分としてよく使われる「L-アスコルビン酸2-グルコシド」よりも還元作用の強いビタミンC誘導体です。
プチプラに配合されることは少なく、それなりにお高めの美白コスメで使われることの多い成分。
成分解析界隈でも人気が高く、かずのすけさんやすみしょうさんなども絶賛しているビタミンC誘導体です。
ただしこの商品の場合、有効成分として配合されているわけではないので、濃度は不明。
推奨濃度は2~3%ぐらいなんですが、書いている位置的には1%以下で配合されている可能性も高いです。
価格を考えるとそんなに多く入れられるものでもないです。
入っていないよりは良いですが、濃度はあまり期待しない方が良いでしょう。
他にも美容成分が入っている
ベースの保湿成分とビタミンC誘導体(アスコルビルリン酸Na)以外にも、5種類の美容成分が入っています。
- グリチルリチン酸2K・・・肌荒れを防ぐ。医薬部外品で抗炎症系の有効成分としても使われている。
- トレハロース・・・海藻やきのこに含まれる、しっとりした保湿成分。
- ヒアルロン酸Na・・・一般化粧品な保湿成分。水分保持を助ける。
- ハトムギ種子エキス・・・お肌を保湿し、整える。
- レモン果実エキス・・・お肌を保湿したり、引き締める。
ビタミンC誘導体と同じく、濃度は期待できませんが、プチプラ大容量化粧水に入っている美容成分の種類としては悪くないですね。
肌荒れを防ぐグリチルリチン酸2Kも入っているので、お肌がゆらぎがちな方にもおすすめです。
その他の成分は一般的
美容成分以外も、ざっと書き出してみます。
- HEDTA-3Na・・・キレート
- クエン酸・・・ph調整
- クエン酸Na・・・ph調整、キレート
- フェノキシエタノール・・・防腐剤
- メチルパラベン・・・防腐剤
防腐剤はパラベンの中でも低刺激なメチルパラベンと、フェノキシエタノールを使用。
製品の品質維持上、必要なものを最低限入れている印象です。
敏感肌適正は普通ぐらい
エタノールは不使用。香料や着色料、界面活性剤なども入っておらず、「余分なものが入っていない」という点では敏感肌適正は非常に高いです。
ただし、ビタミンC誘導体は濃度や肌質によっては刺激になりやすいので、そこは敏感肌向けではないかも。
あとDPGが入っているのも、敏感肌適正は少し下がります。
全体的に見ると「敏感肌の人でも使える可能性は高いけど、合わない人もそれなりにいるかも。」ってぐらいです。
安すぎて成分はイマイチかも?
パエンナ ハトムギ美容水inビタミンC誘導体の定価は500mlで660円。
プチプラの中でも特に低価格帯の化粧水です。
容器代や販売コストを考えると、中身の原価って極限まで削らなきゃ、この価格帯では作れないんです。
- 水の割合を多くして、美容成分の割合を減らす
- 質はそれなりで、価格の安い原料を使う
高価格帯の化粧品と比べるとこういったことをしていると思います。
日本の化粧品なので、最低限の品質は保たれていますが、やはり安物は安物。
「経済的にどうしてもこの価格が限界」「ボディクリームの前に身体にパシャパシャ使いたい」といった人には選択肢としてアリです。
でも、せっかくスキンケアするのなら、プチプラでも少し予算をあげて、200mlで1,000円ぐらいのものを選んだほうが、しっかり美容成分が入っていると思います。
成分解析のまとめ
- 強めの還元作用を持つ、良いビタミンC誘導体が入っている。
- ビタミンC誘導体以外にも、お肌を保湿し、整える美容成分が入っている。
- 価格が安いので、成分はそれなり。しっかりケアしたいならもう少し予算を上げた方が良い。
全成分
水 | ベース |
---|---|
BG | ベース(保湿) |
DPG | ベース(保湿) |
グリセリン | ベース(保湿) |
アスコルビルリン酸Na | 透明感 |
グリチルリチン酸2K | 整肌 |
トレハロース | 保湿 |
ヒアルロン酸Na | 保湿 |
ハトムギ種子エキス | 整肌 |
レモン果実エキス | 保湿 |
HEDTA-3Na | キレート |
クエン酸 | ph調整 |
クエン酸Na | ph調整・キレート |
フェノキシエタノール | 防腐剤 |
メチルパラベン | 防腐 |
水 | ベース | ほぼすべての化粧品に成分を溶かし込むために配合されています。 水自体に特別な効果はありませんが、刺激やアレルギーなどのリスクもありません。 |
---|---|---|
BG | ベース(保湿) | 化粧品のベースとしてよく使われる保湿成分です。 低刺激で、グリセリンに比べて保湿力は劣りますがさっぱりした使用感です。 1%以下(成分表示の後方に表示)の場合は、成分を溶かし込むためなどの目的で配合されており、影響はほぼありません。 |
DPG | ベース(保湿) | 化粧品のベースとしてよく使われる保湿成分です。 さっぱり系の使用感で、低コストで配合できるのが特徴です。 眼睛刺激やわずかな皮膚刺激の可能性があり、無理に避けるほどではありませんが、濃度が高いものは注意しましょう。 |
グリセリン | ベース(保湿) | 化粧品のベースとしてよく使われる保湿成分です。 ベース成分の中でも特に低刺激で保湿力が高いのが特徴。 高濃度で配合されているものは、ニキビ肌との相性は悪いです。 |
アスコルビルリン酸Na | 透明感 | 美白成分(メラニン還元型)です。 水溶性のビタミンC誘導体の一種で、強い還元作用を持ち、酸化で黒くなったメラニンを元に戻したり、メラニンの酸化を予防する効果があります。 理論上では高濃度ならシミを薄めることも可能な成分。 他にもコラーゲンの生成促進や、5%以上の濃度で配合されると皮脂の過剰分泌を抑えてニキビを防ぐ効果も期待できます。 刺激はゼロではありませんが、美白成分の中ではまだ安心して使える方かなと思います。医薬部外品の有効成分として承認されています。 |
グリチルリチン酸2K | 整肌 | 肌の炎症を鎮める効果があり、肌荒れケア・ニキビケア・美白系のコスメによく配合されます。 有効成分として配合できる成分で、ある程度の濃度があれば、けっこうすぐに効果が現れます。 抗炎症成分が複数配合されていたり、他の抗炎症系コスメと重ね塗りしたり、長期的に使いすぎると、刺激になったり、肌本来の機能が弱まる可能性もあるので注意。 |
トレハロース | 保湿 | 天然由来の保湿成分で海草やきのこに含まれており、干し椎茸が水に戻る性質はトレハロースのおかげです。 粉末状のメイクアップ製品に混ぜると、しっとり感を出し、崩れにくくなります。 |
ヒアルロン酸Na | 保湿 | 化粧品でよく使われる定番の保湿成分です。1gで2~6Lの水分保持力があります。 肌の細胞と細胞の間で、水分の保持やクッションのような役割をしている、保湿に重要な成分。 粘度が非常に高く、配合量が多いと、とろっとしたテクスチャになります。 |
ハトムギ種子エキス | 整肌 | ハトムギ化粧水でお馴染みの抗炎症・保湿成分です。 抗腫瘍作用も持っており、昔からイボ治療のためにも使われていました。 他にも肌のターンオーバー促進、角質水分増加による保湿、色素沈着抑制、汗の消臭、余分な皮脂の分泌を抑えるなどの作用を持っています。 化粧品ではやたらと万能な成分として扱われがちですが、植物成分なので作用はそこまで強くないです。 |
レモン果実エキス | 保湿 | レモンの果実から採れる植物成分です。 保湿、収れんなどの作用があると言われています。 |
HEDTA-3Na | キレート | 製品の金属イオンを封鎖して品質を維持します。 刺激の可能性も指摘されていますが、化粧品に少し配合される程度ではそれほど影響はありません。 品質の維持に意味のある成分ですし、無理に避ける必要はないでしょう。 |
クエン酸 | ph調整 | 製品を酸性にするph調整剤です。 収れん作用を持ち、毛穴ケアやお肌のキメを整える効果も期待できます。 ph調整剤のため1%以下で配合されている場合は刺激はありませんが、ピーリング目的にたくさん配合されていると刺激になりやすいので注意です。 |
クエン酸Na | ph調整・キレート | 製品をアルカリ性にするph調整剤です。 キレート(金属イオン封鎖)や酸化防止の役割も。 ph調整剤のため1%以下で配合されている場合は刺激はほぼありません。 |
フェノキシエタノール | 防腐剤 | 防腐剤です。エタノール(アルコール)とは異なる成分です。 抗菌作用が高く、製品中での微生物の繁殖を防ぎます。 高濃度では刺激になる可能性もありますが、化粧品では1%以下でしか配合できず、刺激はほぼありません。 |
メチルパラベン | 防腐 | ごく少量の配合で、製品の抗菌・防腐に高い効果を発揮します。 パラベンは避けられがちですが、実際には化粧品に配合する防腐剤の中では毒性が低く、お肌への刺激も少ない防腐剤です。 メチルパラベンは代表的なパラベン4種類の中で、少し防腐力は弱めですが、低刺激です。 |
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