「シンプルな石鹸」としてお馴染みの、カウブランド 牛乳石鹸 青箱の成分解析です。
全成分は7つと、非常にシンプルな構成でした。
石ケン素地、香料、乳脂(牛乳)、水、ステアリン酸、酸化チタン、EDTA-4Na
カウブランド 牛乳石鹸 青箱の成分解析
成分数が少ないので、ひとつひとつ細かく解説していきます。
石鹸なのでまずは汚れを落とす成分から解析していきます。
[石ケン素地]は牛脂由来
泡立てて、汚れを落とすための成分は[石ケン素地]。
このコスメの場合、ほとんどが[石ケン素地]で構成されています。
[石ケン素地]自体の原料は成分表示には書いていませんが、公式サイトの別のページにか書かれていました。
当社の「カウブランド青箱」、「カウブランド赤箱」、に使用している『石ケン素地』は、牛脂、やし油、水、食塩、苛性ソーダの5種類の原料から、釜だき法で製造しています。
https://www.cow-soap.co.jp/site-info/question/sekken/
牛脂で作られた石鹸は、ヤシ油などで作られた石鹸よりも、少ししっとりしたマイルドな洗い上がりになるのが特徴です。
まぁでも固形石鹸なので、一般的な洗顔料と比べると、洗い上がりはさっぱりめ。
石鹸の中では少しマイルドかな~~って程度です。
そもそも石鹸はお肌の油分を落とすものなので、「保湿効果」として期待するのは微妙ですね。
[香料]はジャスミンの香り
牛乳石鹸の青箱って「余計なものが入っていない」というイメージですが、意外にも香料が使われています。2番目に書いてるし、香りもそれなりに強いので、濃度はけっこう入っているかも。
全成分に詳細は書かれていませんが、公式によるとジャスミンの香りです。
石鹸に入っている(洗い流す化粧品)の香料だと大きな刺激はありませんが、香料がイヤって方には不向きですね。
乳脂(牛乳)
牛乳から得られる脂です。保湿作用があります。
効果としては洗い上がりが少ししっとりする程度かな。そんなに美容効果を期待できるような成分ではないです。
あと、さすがに使わないとは思いますが、石鹸の原料と保湿成分に牛乳が使われているので、牛乳アレルギーがある人は使わないほうが良いです。
牛乳石鹸は「赤ちゃんから使える」と書かれていますが、牛乳アレルギーがないことを確認するまでは使用を控えたほうが良いかも。
実際に、牛乳アレルギー児が園で牛乳石鹸を使って手洗いをし、アレルギー症状が出たという事例もあるようです。
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ステアリン酸
これ、私は石鹸の原料の一部なのかなと思ったんですが、他の方の成分解析を見てみると、phの調整、しっとり感、泡質改善などのために配合されているようです。
↓すみしょうさんの動画です
酸化チタン
ファンデーションや日焼け止めなどに使われる顔料です。
これは石鹸の色を綺麗な白にするために配合されています。
「着色料?危険だ!」という声もありますが、洗い流せますし、そもそも危険な成分でもないので大丈夫です。
EDTA-4Na
水道水には金属イオンが含まれており、金属イオンと石鹸の成分が組み合わさることで「石鹸カス」が発生します。
この石鹸カスは、肌の刺激になりやすい成分。あと、お風呂場の汚れの原因にもなります。
この「石鹸カス」の発生を防ぐために配合するのが、キレート剤のEDTA-4Na。
EDTA-4Naに刺激があるという意見もありますが、石鹸に少し入れる程度では特に心配はありません。むしろ石鹸カスによるリスクの方が高いので、入っているべき成分です。
成分解析のまとめ
- 固形石鹸なので、洗浄力は高めで、さっぱり洗い上がる
- 基本的にシンプルだけど、香料が入っている
- 牛乳アレルギーのある人や、アレルギーの有無を確認できていない赤ちゃんには不向き
- 多少の保湿成分は入っているけど、洗い上がりがしっとりする程度で、あまり美容効果は期待できない
石ケン素地 | 洗浄 | 一般的に言う「石けん」のことで、アニオン(陰イオン)界面活性剤です。 高級脂肪酸や油脂と水酸化Naが混ざることで出来上がります。 水酸化Kで作ったカリ石けん素地に比べて、水に溶けにくいので、主に固形タイプの石けんに使われます。 アルカリ性で洗浄力・脱脂力はそこそこ高く、さっぱりした洗い上がりに。 肌質や使い方によっては乾燥・刺激の原因になることもあるので注意しましょう。 |
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香料 | 香料 | 製品に良い香りをつけたり、原料臭をごまかすために配合されます。 香料といっても種類はたくさんあり、種類によっては刺激性・アレルギー性が気になります。 特に美容効果があるわけではないので、香りを楽しむ目的がなければ避けたい成分です。 |
乳脂(牛乳) | 保湿 | 牛乳から得られる脂です。保湿作用があります |
水 | ベース | ほぼすべての化粧品に成分を溶かし込むために配合されています。 水自体に特別な効果はありませんが、刺激やアレルギーなどのリスクもありません。 |
ステアリン酸 | 洗浄or調整 | 高級脂肪酸の一種で、水酸化Naや水酸化Kと混ぜることで石けん(陰イオン界面活性剤)になります。 石けんに使われる高級脂肪酸の中では気泡力が弱め。刺激が少し強めです。 テクスチャ調整や乳化の補助のために配合されることもあります。 |
酸化チタン | 顔料・紫外線散乱剤 | 肌の表面で紫外線を反射し、UV-AとUV-Bに対して防御効果を持ちます。カバー力のある白色の粉末なので、メイクアップ目的でも配合されます。 フェイスパウダーなどに多く配合すると、皮脂を吸収する役割も。水や油を吸収しやすいので、制汗剤やボディパウダーに配合されることもあります。 そのまま使うと刺激が強いため、シリカや水酸化AIなどでコーティングして配合されます。 コーティングされたものは皮膚刺激はほとんどなく、安全性の高い成分です。酸化亜鉛に比べ、金属アレルギーのリスクもほぼありません。 石鹸に配合される場合は白く発色させるのが目的です。洗い流されるので特に危険はありません。 |
EDTA-4Na | キレート | 製品の金属イオンを封鎖して品質を維持します。 刺激の可能性も指摘されていますが、化粧品に少し配合される程度ではそれほど影響はありません。 品質の維持に意味のある成分ですし、無理に避ける必要はないでしょう。 |
- ミルク成分配合の石鹸
- さっぱりとした洗い上がり
- ふんわり香るさわやかなジャスミン調の花の香り