Instagram(@alice_kaiseki)で2.1万人にスキンケア情報を発信するコスメコンシェルジュエージェンシー(日本化粧品検定1級)のありすです✨
エイジングケアを中心とした化粧品でよく見かける「幹細胞」という言葉。
なんとなく凄そうなイメージを持ちますが実は「幹細胞コスメ」って微妙なものが多いんです。
今回は怪しい幹細胞ケアに騙されない、幹細胞についてのお話をしていきます。
幹細胞ってそもそもなに?
例えるならポケモンの「メタモン」です。
そして、幹細胞は2つの能力を持っています。
自己複製
自分のコピーを作り出す。
分化
自分と異なる、新たな細胞になる。
ここから肌の話
幹細胞は「母細胞」とも呼ばれており、お肌で新たな細胞を生み出しています。
加齢や紫外線などで肌が弱まると幹細胞(母細胞)は数が減少したり、ひとつひとつの働きが低下していきます。
働きが低下すると新たな良い細胞が作れないので、お肌の機能も低下していくんです。
化粧品の幹細胞
お肌にとても重要な「幹細胞」ですが、化粧品に「幹細胞そのもの」を配合することはできません。
幹細胞そのものを扱うのは化粧品ではなく限られた「医療」の分野。
人工的に作られたものは「iPS細胞」としても研究されているよ。
ヒト幹細胞培養液
ヒト幹細胞を培養した液体の上澄みのことです。
基本的に全成分では「ヒト~幹細胞順化培養液」と表記されますね。
培養液の上澄みなので幹細胞そのものではありません。
お肌の保湿・整肌成分として多少の美容効果は期待できるけど、幹細胞そのものにはなりません。
美容成分として全く無意味ではないけど、デパコス並の金額を払う価値があるかは微妙。
誰の細胞なの?
「ヒト」の幹細胞なので、ドナー(人間)から採取した細胞を培養したエキスです。
誰から採取するかはメーカーによっても異なりますが、若くて健康な人が対象。
もちろん感染症やアレルギーなどの検査を行った上採取されています。
また、化粧品に配合される「ヒト幹細胞培養液」は培養液の上澄みなので、人間の細胞自体はほぼ含まれていません。
よほど潔癖症などではない限り、特に気にするほどのことではないでしょう。
植物幹細胞エキス
植物の幹細胞を人工培養して抽出したエキスです。
全成分では「~培養細胞エキス」。
ヒトの幹細胞とは構造が異なります。
こちらもお肌の栄養や保湿成分として多少の美容効果は期待できるけど、幹細胞として働くわけではありません。
高額なヒト幹細胞培養液とは異なり、プチプラにも入ってる成分。
凄い効果があるわけじゃないけど美容成分のひとつとしてはアリだと思うよ。
幹細胞を助ける成分
直接的に幹細胞に関わるものではなく、「幹細胞の働きを助ける効果」が研究で発見されている成分です。
イノシトール、イリス根エキス、クスノハガシワエキス、ボダイジュエキスなどが注目されています。
薬機法の関係で公式ページ等には掲載されませんが、研究データなどを調べてみると、効果があることが確認できます。
資生堂やPOLAなどの大手も注目している分野!
まだ発展段階だけど、これからの幹細胞に着目したエイジングケアに期待大だよ。
大手ブランドの「幹細胞」に着目したスキンケア
ここからは大手ブランドが開発した、細胞レベルのスキンケアができるコスメの紹介です。
一時期話題になった「ヒト幹細胞培養液」は培養液の上澄みなので、有用な成分はごくわずかしか含まれていません。 仮に何かしらの効果をしっかり期待出来るような濃度で配合すると、お値段は数万円になります。(今回紹介した中ではロート製薬のステムサイエンスがその例です。)
今回紹介する大手ブランドのコスメは、最先端の研究で導き出された、細胞に働きかける成分を配合しています👍
カバーマーク
- 骨髄幹細胞をサポート:クスノハガシワエキス
- 表皮幹細胞をサポート:ニームリーフエキス、紅茶エキス、ナス果実エキス
デパコス幹細胞コスメと言えばコレ。
最先端の研究で導き出した「幹細胞に働きかける成分」を厳選して配合。
細胞レベルのケアでハリツヤのあるふっくら肌に導きます。
エリクシール(資生堂)
- 真皮幹細胞をサポート:イノシトール
- 表皮幹細胞をサポート:ムクロジエキス、ウコンエキス
日本最大手化粧品メーカーの幹細胞研究から生まれたコスメ。
真皮と表皮にWでアプローチして、お肌のハリ弾力をサポートします。
ハイレベルな研究から生まれたコスメなのに、1万円以下の価格設定はお買い得です。
資生堂の最先端研究
資生堂の近年の情報では表皮幹細胞維持効果のある「ステムラン173」の研究が進められています。
ステムラン173はクリニック専売品のナビジョンDRでは既に使われているけど、市販品ではまだ出回ってなさそう。
エピステーム(ロート製薬)
- ヒト幹細胞培養液:加水分解幹細胞順化培養液
大手では珍しく「ヒト幹細胞培養液」を使ったコスメです。
使われている幹細胞培養液はロート製薬の独自成分。
お値段やブランドの信頼感から考えると研究で効果を確認した配合になっているとは思います。
ただし4万円という価格に見合った効果があるのかは、なんとも言えないところです。
オバジ(ロート製薬)
- 植物幹細胞エキス:コンフリーカルス培養エキス
公式には「ステムエスカレーター処方」との文字がありますが、具体的にどの成分が関わっているかは明かされていません。
植物幹細胞エキスと、ロート製薬の最高峰エイジングケアブランド・エピステームでも採用された「ステムSコンプレックス」に含まれる「カプロオイルテトラペプチド-3」も配合されています。
ロート製薬の最先端研究
ロート製薬の近年の情報では、脂肪幹細胞が分泌する「エクソソーム」を促進する研究が進められています。
「グリコーゲン」と「テトラペプチド-5」を組み合わせることで、エクソームの分泌を促進し、線維芽細胞の働きを高めてコラーゲン・エラスチンなどの真皮成分の合成を促進することを発見しました。
これも最新の情報すぎて、私の知っている限りではまだ化粧品には使われていないはず。
アテニア
- SIMエフェクター:詳細不明
- 植物幹細胞エキスEX:リンゴ果実培養細胞エキス
幹細胞活性に重要な「キンドリン」に着目した「STMエフェクター」を配合。
ただし、どの成分が関連しているのかは、明かされていません。
リンゴ幹細胞エキスはプチプラにも配合されていますが、全体を見ると高いお値段も納得の高性能コスメです。
B.A(POLA)
- 仙人穀ロスマ:センニンコク種子エキス、セージエキス
「幹細胞」とは少し異なりますが、幹細胞が神秘で作り出し、ハリ・弾力に関わる「線維芽細胞」に着目したスキンケアです。
細胞の遺伝子のスイッチをONして線維芽細胞の活性を高める「LINC00942」を増加させる「仙人穀ロスマ」という複合成分を配合しています。
まとめ
まず大前提として「幹細胞」自体を化粧品で補給することは出来ません。
通販でよく見かける幹細胞コスメの成分はほぼ「幹細胞を培養した液の上澄み」。
多少の保湿・整肌効果はありますが、含まれる成分はごく僅かで、何千円も出す価値があるのかは微妙なところ。
「幹細胞」に働きかけるケアをしたいのであれば、「幹細胞をサポートする成分」に注目した方が効率的です。
あとはエイジングケアがしたいんだったら、幹細胞にこだわらずに[レチノール][ビタミンC][ペプチド]などの普通に良い成分を取り入れた方が、コスパは良いと思います。
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