こんにちは。コスメコンシェルジュエージェンシー(日本化粧品検定1級)のありす(@alice_kaiseki)です✨
今回は資生堂の敏感肌向けブランド・IHADA(イハダ)の保湿バームを成分解析していきます。
ひとことで解説すると「高機能な美容成分が入っているわけじゃないけど、お肌を保護して水分の蒸発を防ぐ効果に優れたバーム」です。
【はじめての方必読】当サイトの成分解析について
- 成分分解析は各成分の一般的な配合目的を記載したもので、製品の効果効能を保証するものではありません。
- 一部のコスメは、ブログ(可愛くなりたい)にて、レビューを掲載しています。
- リニューアル等により全成分が変更される可能性があります。見つけた場合はお問い合わせフォームから教えて頂けると助かります。
イハダ 薬用バームの成分解析
イハダ 薬用バームの成分解析です。※二種類ありますが、通常タイプ(とろける)の方。
医薬部外品なので、まずは有効成分からチェックしていきます。
有効成分は抗炎症系:グリチルレチン酸ステアリル
肌の炎症を鎮める効果があり、有効成分としての使用時は一定の濃度があるので、それなりに効果が望めそうな成分です。
肌荒れケアコスメで良く使われるグリチルリチン酸ジカリウムとよく似た作用を持ちますが、油溶性で作用もやや強め。
今回の場合はバームなのでグリチルレチン酸ステアリルが使われたのかと思います。
ちなみに肌荒れケアには有効ですが、肌荒れに特に悩んでいなければ、あまりメリットのない成分です。
その他の成分は12種類
成分の種類が少ないので、全てに視点を当てて解説しますね。
まず
- 合成スクワラン
- ワセリン
- テトラ2ーエチルヘキサン酸ペンタエリトリット
- αーオレフィンオリゴマー
- テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン
この5種類はエモリエント剤。ワセリンをアピールした製品ですが、他にも3種類のエモリエント成分が入っています。
役割は、肌に油分の膜を作って、水分の蒸発を防いだり、外部刺激からお肌を守ります。
その他の成分の役割はこんな感じ。
- パルミチン酸デキストリン→製品をバーム状にする増粘剤。
- 重質流動イソパラフィン→テクスチャを調整する油剤
- セスキイソステアリン酸ソルビタン→成分を混ぜるための乳化剤
- 無水ケイ酸、テトラデセン→酸化チタンのコーティング
- シリコーン樹脂→テクスチャを調整する消泡材
- 酸化チタン→白色に着色(顔料だけど低刺激)
どの成分も、医薬品やベビー向け製品でも使われるような、低刺激で安定した成分。シンプルで敏感肌の人でも安心して使える処方です。
安定した成分が多いからか、防腐剤は使われていないようですね。
デメリットは2つ
まず、入っている保湿成分は水分の蒸発を防ぐエモリエント剤のみ。
グリセリンだったりヒアルロン酸だったり、水分を抱え込むような保湿成分は入っていません。
なので保湿として使うのであれば、先に化粧水などでお肌の水分補給が必須です。
あと、油分がほとんどのこってり系バームなので、肌質によっては毛穴の詰まりやテカリの原因となる可能性があります。
まとめ
- 肌荒れケアのシンプルなクリームとしてはあり
- 余計なものが入っていないシンプルな処方
- お肌が水分をかかえこむための成分が入っていないので、化粧水が必須
- 肌質によっては油分の多さが合わない可能性あり
全成分と配合目的(予想)
成分名 | 目的 | 評価 |
---|---|---|
グリチルレチン酸ステアリル | 肌荒れ防止 | |
合成スクワラン | 炭化水素油(エモリエント) | |
ワセリン | 炭化水素油(エモリエント) | |
テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット | エステル油(エモリエント) | |
α-オレフィンオリゴマー | 炭化水素油(エモリエント) | |
パルミチン酸デキストリン | 増粘・乳化安定 | |
重質流動イソパラフィン | 炭化水素油(エモリエント) | |
セスキイソステアリン酸ソルビタン | 非イオン界面活性剤(有価) | |
無水ケイ酸 | 顔料 | |
シリコーン樹脂 | 調整 | |
テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン | シリコーン(被膜形成) | |
テトラデセン | コーティング・調整 | |
酸化チタン | 顔料(着色or紫外線散乱剤) |