製品名は「フローラノーティス ジルスチュアート フローラルグリーン フレッシュハンドジェル」とめちゃくちゃ長い(笑)
フローラルグリーン、ホワイトローズ、フレッシュピオニー、チェリーブロッサムの4種の香りがでているようですが、今回はフローラルグリーンで解析します。
エタノール、水、グリセリン、アマチャヅル葉エキス、ウイキョウ果実エキス、スイカズラ花エキス、セイヨウイラクサ葉エキス、セイヨウハッカ葉エキス、チャ葉エキス、ハイビスカス花エキス、パンクラチウムマリチムムエキス、ヒメフウロエキス、ベニバナ花エキス、ホウセンカエキス、マドンナリリー根エキス、ヤグルマギク花エキス、レモングラス葉/茎エキス、AMP、BG、EDTA-2Na、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、イソステアリン酸PEG-50水添ヒマシ油、カルボマー、フェノキシエタノール、香料
ジルスチュアート ハンドジェルの成分解析
この商品は医薬品ではなく「化粧品」に分類されます。
薬機法の都合上、公式が「除菌」という効果を謳って販売しているものではありません。
SNSや雑誌などで「除菌に使える」と書かれて話題になったのかと思われます。
アルコール濃度が不明で除菌効果は信用できない
まず大前提として、除菌をするために重要なのは「アルコール(エタノール)の濃度」です。
アルコールの濃度と効果の有無については諸説ありますが、厚生労働省によるとコロナウイルス対策には70vol%以上の濃度が推奨されています。
(ウィルスの種類によっては50vol%程度でも効果があるようです。)
日本で売られている医薬品の消毒用アルコールのエタノール濃度は76.9?81.4vol%程度です。
除菌用の医薬部外品だと70vol%以上のものが主流です。
そして、ジルスチュアートのハンドジェルのアルコール濃度は【非公開】なんですよね💦
医薬部外品レベル(70vol%以上)入れちゃうと使用感やにおいが完全に「消毒用アルコール!」になっちゃうので、おそらく濃度はかなり落としてあると思います。
本当にきちんと「除菌」をしたい場面では医薬品の消毒用アルコールを推奨します。
濃度がわからないので、どの程度効果があるかは不明だけど、「すべてのウィルスに全く意味がない」ってことはないと思います。
結論としては、「ちゃんとした除菌」ではなく「気休めの除菌」「使わないよりはマシ」「リフレッシュグッズ」だと思ってください。
ちなみにデパコスなら、クレ・ド・ポーボーテのハンドジェルは除菌効果を謳える医薬部外品として販売されているよ。
美容効果もイマイチ
このハンドジェルは「手を乾燥させる」ものなのか「保湿する」ものなのかで考えると、「手を乾燥させる」要素の方が大きいと思います。
確かにグリセリンなどの保湿成分は入っていますが、それよりも「高濃度のエタノールによる乾燥」の方が強いです。
エタノールは刺激や赤みなども出やすいので、肌に合わない人は特に注意。
医薬品の消毒用アルコールを使うよりは乾燥しにくいし肌に優しいけど、美容目的でガンガン塗りまくるものではありません。
植物エキスの効果もそんなに期待できない
水、エタノール、グリセリンと、微量配合の調整系の成分以外はすべて植物エキスです。
14種類の植物エキスが入っています。
効果は保湿・整肌・香り付けなどですが、ハンドジェルに微量入っている植物エキスなので、美容効果はそんなに期待できないかも。
普通のハンドジェルよりはちょっと手がすべすべになったら良いなぁ~ってぐらいです。
抗菌作用があると言われる植物エキスも入っていますが、濃度はごく微量なので、菌やウイルスに対する効果はあまり期待できないんじゃないでしょうか・・・💦
香りに期待あり
ここまではあまり良い印象のないコスメですが、期待できる部分は「香り」です。
フローラノーティスジルスチュアートは「花の恵みを、ふんだんに。」「花の香りを、そのまま閉じ込めて」をテーマに持つブランド。
本家のジルスチュアートよりもさらに香りの良いコスメの開発に力を入れています。
全成分の「香料」について詳細は不明ですが、基本的には上質な花の天然香料を使っているようですね。
口コミを見ても「香りが良い」という意見が多いので、「リフレッシュグッズ」としての性能は優秀だと思います。
あと「2,000円以下で買えるジルスチュアート」なので、ちょっとしたプレゼントにも喜ばれるアイテムですね。
成分解析のまとめ
- アルコール(エタノール)は入っているが、医薬品レベルの除菌効果は期待できない
- グリセリンなどによる「保湿」よりも、エタノールによる「乾燥」の方が気になる
- あとの美容成分は植物エキス類。そんなに強い効果は期待できなさそう
- 植物の香りを活かした香りによるリフレッシュ効果が優秀なコスメ
エタノール | ベース | 化粧品で「アルコール」と呼ばれている、揮発性の高い成分です。 使用感の向上、清涼感の演出、抗菌などの効果があります。 高濃度で配合されていると、ツンとしたにおいがあり、刺激や乾燥の原因になることも。 1%以下(成分表示の後方に表示)の場合は、成分を溶かし込むためなどの目的で配合されており、影響はほぼありません。 |
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水 | ベース | ほぼすべての化粧品に成分を溶かし込むために配合されています。 水自体に特別な効果はありませんが、刺激やアレルギーなどのリスクもありません。 |
グリセリン | ベース(保湿) | 化粧品のベースとしてよく使われる保湿成分です。 ベース成分の中でも特に低刺激で保湿力が高いのが特徴。 高濃度で配合されているものは、ニキビ肌との相性は悪いです。 |
アマチャヅル葉エキス | 植物エキス | ウリ科のアマチャヅルから採れる植物エキスです。 お肌の水分補給に重要なアクアポリンをサポートします。 |
ウイキョウ果実エキス | 植物エキス | セリ科のウイキョウの実から抽出した植物エキスです。 活性酸素を除去する効果があると言われ、エイジングケアにもおすすめです。 抗菌作用もあると言われています。 |
スイカズラ花エキス | 保湿 | 忍冬とも呼ばれるスイカズラの花から採れる植物エキスです。 スイカズラは昔から漢方や民間の薬として使われてきました。 保湿、色素沈着抑制、抗炎症、収れんなどさまざまな作用があると言われています。 |
セイヨウイラクサ葉エキス | 植物エキス | イラクサ科のセイヨウサクラの葉から採れる植物エキスです。 お肌を整えたり、収れん、皮脂調整などの作用があると言われています。 |
セイヨウハッカ葉エキス | 植物エキス | シソ科のセイヨウハッカから採れる、ペパーミントとも呼ばれる植物エキスです。 抗菌作用と皮脂を抑制する作用があると言われています。 皮冷感作用を持ち、すっきりした香りがあるメントール成分が含まれています。 やや刺激がある成分なので、配合量が多いと人によってはヒリヒリを感じる可能性があります。 |
チャ葉エキス | 整肌 | チャカテキン(ポリフェノール)、カフェイン、ビタミンC、ビタミンE、アミノ酸などを含む抗炎症成分です。 消炎、抗酸化、抗菌、収れん、消臭、育毛、美容、保湿などの作用もあると言われています。 |
ハイビスカス花エキス | 植物エキス | アオイ科のハイビスカスから採れる植物エキスです。 糖を多く含み、お肌を保湿し、整えます。 メラニンの生成を抑制する作用もあると言われています。 |
パンクラチウムマリチムムエキス | 植物エキス | 地中海の海辺に咲くシーリリーから採れる植物エキスです。 メラニンの生成を抑制する作用があると言われています。 デパコスでもよく使われるブライトケア成分です。 |
ヒメフウロエキス | エイジングケア | ヒメフウロから採れる植物成分です。 肌の老化を引き起こすトリプターゼの働きを阻害する効果があると言われています。 |
ベニバナ花エキス | 植物エキス | キク科のベニバナから採れる植物エキスです。 肌を保湿する他、紅色の色素を持つため、天然の着色料としても使用されます。 |
ホウセンカエキス | 植物エキス | ツリフネソウ科のホウセンカから採れる植物エキスです。 抗炎症、抗アレルギーかゆみ抑制、抗酸化などの作用があると言われています。 |
マドンナリリー根エキス | 植物エキス | ユリエキスとも呼ばれる植物成分です。ユリ科のマドンナリリーから抽出されます。 セラミドの合成を促進して肌の保湿・バリアを改善したり、肌のバランスを保つヘパラン硫酸を生み出します。 他にも抗酸化、抗くぼみ効果もあると言われています。 |
ヤグルマギク花エキス | 整肌 | 肌の炎症を鎮める効果があり、肌荒れケア・ニキビケア・美白系のコスメによく配合されます。 お肌の保湿や収れん作用もあると言われています。 植物成分なのでグリチルリチン酸2Kなどの抗炎症成分と比べると抗炎症作用はおそらくおだやかです。 |
レモングラス葉/茎エキス | 植物エキス | イネ科 レモングラスから採れる植物エキスです。 お肌の水分補給に重要なアクアポリンをサポートします。 抗菌、抗炎症、収れんする作用があると言われています。 レモンのような香りを持ち、高濃度だと香料としての役割も果たします。 |
AMP | ph調整 | アミノメチルプロパノールと呼ばれる成分です。 製品のphを調整して、品質を維持します。 |
BG | ベース(保湿) | 化粧品のベースとしてよく使われる保湿成分です。 低刺激で、グリセリンに比べて保湿力は劣りますがさっぱりした使用感です。 1%以下(成分表示の後方に表示)の場合は、成分を溶かし込むためなどの目的で配合されており、影響はほぼありません。 |
EDTA-2Na | キレート | 製品の金属イオンを封鎖して品質を維持します。 刺激の可能性も指摘されていますが、化粧品に少し配合される程度ではそれほど影響はありません。 品質の維持に意味のある成分ですし、無理に避ける必要はないでしょう。 |
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー | 乳化・増粘 | 製品を水の中に油が溶け込むO/W型に乳化し、粘度を上げてゲル化させる役割で配合されます。 O/W型は水に流れやすくさっぱり。乳液やクリームなどのスキンケアによく使われる乳化です。 肌への刺激はほとんどないと言われていますが、わずかな眼睛刺激は指摘されています。 |
イソステアリン酸PEG-50水添ヒマシ油 | 乳化 | 非イオン(ノニオン)界面活性剤です。界面活性剤の中でも特に低刺激な成分。 製品を水の中に油が溶け込むO/W型に乳化します。 O/W型は水に流れやすくさっぱり。乳液やクリームなどのスキンケアによく使われる乳化です。 化粧品の成分を浸透しやすくさせるためにも配合されます。 |
カルボマー | 増粘・乳化安定 | よく使われる合成ポリマーで、製品にとろみをつける・ジェル化させる目的で配合されています。 じ名前でも増粘効果が異なるものが多数存在します。 アルカリ性の成分と反応するので、水酸化Kや水酸化Naと共に配合されます。 製品の乳化や油分・粉を分散させる役割もあります。 天然ガム類(多糖類)よりも増粘効果・均一性・温度変化に対する安定性が優れているのが特徴。 肌に乗せると塩分や脂肪酸の影響で水のようにさらっとした性質に変化します。 皮膜を作って水分の蒸発を防いだり、肌をバリアする機能も。 合成ポリマーと聞くとあまり印象は良くないですが、肌への負担や刺激はなく、安全な成分です。 |
フェノキシエタノール | 防腐剤 | 防腐剤です。エタノール(アルコール)とは異なる成分です。 抗菌作用が高く、製品中での微生物の繁殖を防ぎます。 高濃度では刺激になる可能性もありますが、化粧品では1%以下でしか配合できず、刺激はほぼありません。 |
香料 | 香料 | 製品に良い香りをつけたり、原料臭をごまかすために配合されます。 香料といっても種類はたくさんあり、種類によっては刺激性・アレルギー性が気になります。 特に美容効果があるわけではないので、香りを楽しむ目的がなければ避けたい成分です。 |
- アルコール配合で手肌をすっきり清潔にするハンドジェル
- 手肌になじませれば、贅沢な花の香りに包まれ、気持ちまでリフレッシュ
- 外出先やお食事前など、いつでもどこでも使えます
- 爽やかなフローラルグリーンの香り