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今回は、デパコスの殿堂入り美容液として名高いコスメデコルテ「リポソーム アドバンスト リペアセラム」を、成分面からガッツリ解析していきます。
1992年の初代「モイスチュア リポソーム」誕生から29年目で初のリニューアルを果たし、2021年に生まれ変わったこの美容液。コーセーが37年もの歳月をかけて研究してきたリポソーム技術の集大成とも言える一品です。
「1滴に1兆個のリポソーム」という衝撃的なキャッチコピーと、@cosmeベストコスメアワード2024で殿堂入りを果たした実力を、成分の観点から徹底的に見ていきましょう👌
| ブランド名 | DECORTÉ(コスメデコルテ) |
| 価格 | 8,800円 /12,650円 /17,050円(75mL) |
| 容量 | 30mL / 50mL / 75mL |
| 発売日 | 2021年9月16日 |
全成分はこちら
水・BG・グリセリン・水添レシチン・DPG・PCA-Na・アセチルグルタミン・エクトイン・シラカンバ樹液・セリン・テンニンカ果実エキス・トコフェロール・ヒドロキシプロリン・ビフィズス菌培養溶解質・加水分解ヒアルロン酸・加水分解酵母タンパク・酵母培養液・(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー・カルボマー・キサンタンガム・コハク酸・コハク酸2Na・セラミドNG・ダイズステロール・フィトステロールズ・水酸化Na・フェノキシエタノール・安息香酸Na・香料
公式のアピールポイント
- 1滴に1兆個の多重層バイオリポソーム® – 0.1ミクロンの超微細カプセルが角層深くへ美容成分を届ける
- 全方位からの立て直し – うるおい、キメ、ハリ、透明感など11の美肌要素すべてにアプローチ
- 低刺激処方の徹底 – アルコール・オイルフリー、パラベンフリーで敏感肌にも優しい設計
【はじめての方必読】当サイトの成分解析について
- 成分解析は各成分の一般的な配合目的を記載したもので、製品の効果効能を保証するものではありません。
- リニューアル等により全成分が変更される可能性があります。見つけた場合はお問い合わせフォームから教えて頂けると助かります。
成分解析
リポソーム技術の真髄
このセラムの最大の特徴は、なんと言っても多重層バイオリポソーム®です。
リポソームとは、私たちの肌に含まれる生体成分「リン脂質」が玉ねぎのように何層にも重なった、0.1~0.2μm(0.1μmは1mmの10000分の1)の超微細カプセルのこと。
コーセーは1984年、ある研究員が医薬系の講演会で偶然リポソームと出会い、その美しい多重層構造に魅了されたことから研究をスタート。
「化粧品に配合するのは不可能」と言われながらも、8年もの歳月をかけて1992年に世界初の多重層リポソーム化粧品の製品化に成功しました。
なぜリポソームがすごいのか
①角層のラメラ構造を直接リペア
肌の最も外側にある角層には、脂質の層と水の層がミルフィーユのように交互に重なる「ラメラ構造」があり、これが肌のバリア機能に非常に重要な役割を果たしています。
コーセーの研究によると、リポソームは角層の内外にラメラ構造を形成することが分かっており、肌に塗布したその日のうちに、角層内に強固なラメラ構造を形成することが証明されています。
②3つの効果メカニズム
- ブースティング効果:肌との親和性が高く、後から使う化粧品のなじみをサポート
- ターゲッティング効果:超微細なマイクロカプセルが角層深く浸透し、必要なところに届ける
- ロングラスティング効果:玉ねぎ状の多重層から美容成分が徐々に放出され、長時間うるおいが持続
③電子顕微鏡で証明された本物のリポソーム
化粧品業界には「リポソーム技術」を謳う製品が多数ありますが、実は本当の多重層リポソームを配合できているブランドは限られています。
コスメデコルテのリポソームは、電子顕微鏡写真で多重層構造が確認されており、さらに厚生労働省(当時)の厳しい基準をクリアして「リポソーム化粧品」として認められた、化粧品業界で唯一の製品です。
キーとなる美容成分をチェック
水添レシチン
リポソームの材料となる成分。大豆由来のリン脂質を水素添加して酸化しにくくしたもので、肌の細胞膜と同じ構造を持つため、肌なじみが抜群に良いのが特徴です。
この成分が玉ねぎ状に幾重にも層を作ることで、多重層バイオリポソーム®が形成されます。
ビフィズス菌培養溶解質
今回のリニューアルで新配合された注目の発酵成分。
ビフィズス菌を培養した後、菌体を溶解(分解)して得られるエキスで、アミノ酸、ペプチド、ビタミン、ミネラルなど豊富な美容成分を含んでいます。
他ブランドとの違い:製法によって効果が全然違う
実は「ビフィズス菌培養溶解質」という表示名は、エスティ ローダーやランコムなど多くの高級ブランドでも使われています。しかし、同じ表記でも製造方法や発酵条件、菌株の種類によって含まれる物質は大きく異なります。
例えば:
- 発酵期間の長さ
- 培養に使う培地の種類
- 菌株(ビフィズス菌にも何百種類もある)
- 溶解方法(酵素分解か物理的破壊か)
- 精製・濃縮プロセス
これらの違いによって、最終的に得られる成分プロファイルは全く別物になります。だから、プチプラで同じ「ビフィズス菌培養溶解質」が入っていても、デパコスと同じ効果が期待できるとは限らないのです。
コスメデコルテはKOSEグループの最高峰ブランドなので、独自の菌株選定や最適な培養条件で開発された高品質な原料を使用している可能せもありそうですね👌
主な効果:
- 肌フローラ(肌の善玉菌バランス)を整える
- 免疫機能を高める
- 細胞の自然修復機能をサポート
- コラーゲン産生を促進
HPA酵母培養液(酵母培養液+加水分解酵母タンパク)
これもリニューアルの目玉成分。コスメデコルテ独自開発の酵母エキスです。
HPA酵母培養液の特徴
一般的に化粧品に使われる酵母成分には「酵母エキス」と「酵母培養液」があります:
- 酵母エキス:酵母の菌体そのものを分解して抽出したエキス
- 酵母培養液:酵母が培養中に産生・分泌した成分を含む培養液
そして「加水分解酵母タンパク」は、酵母のタンパク質を酵素や酸で加水分解し、肌に浸透しやすい低分子のペプチドやアミノ酸にしたもの。
HPA酵母培養液は、この「酵母培養液」と「加水分解酵母タンパク」の両方を含む独自処方。つまり、酵母が作り出した代謝物と、酵母そのものから抽出した成分の両方の良いところ取りをした贅沢な設計なんです。
主な効果:
- アミノ酸、ペプチド、ビタミンB群が豊富
- 保湿効果
- 肌のハリ・弾力をサポート
- 肌代謝を活性化
アミノ酸系保湿成分
PCA-Na(ピロリドンカルボン酸ナトリウム)
天然保湿因子(NMF)の主成分で、角層にもともと存在する保湿成分。高い吸湿性と保水力を持ち、肌のうるおいを保ちます。
アセチルグルタミン
グルタミン酸の誘導体で、優れた保湿効果を持つアミノ酸。肌のバリア機能をサポートし、乾燥から守ります。
セリン
天然保湿因子を構成するアミノ酸の一つ。角層の水分保持能力を高め、しっとりとした肌に導きます。
ヒドロキシプロリン
コラーゲンに特徴的なアミノ酸。コラーゲンの構造を安定化させる役割があり、肌のハリ・弾力に関わります。
バリア強化成分
エクトイン
極限環境で生きる微生物が作り出すアミノ酸の一種。
主な効果:
- 細胞保護(ストレス防御)
- 抗炎症作用
- 長時間の保湿効果
- 紫外線ダメージから肌を守る
砂漠や塩湖など過酷な環境で生きる微生物由来の成分なので、肌のストレス耐性を高める効果が期待できます。
セラミドNG
肌のバリア機能に欠かせないセラミドの一種(旧表示名:セラミド2)。
角層の細胞間脂質の約50%を占める主要なセラミドで、水分保持とバリア機能の両方に重要な役割を果たします。
ダイズステロール・フィトステロールズ
植物由来のステロール(脂質)で、肌のバリア機能をサポート。セラミドと協力して角層の細胞間脂質を補強します。
その他の美容成分
シラカンバ樹液
白樺の木から春先に採取される樹液。ミネラル、アミノ酸、糖類を豊富に含み、保湿効果と整肌効果があります。
北欧では古くから美容に使われてきた伝統的な成分です。
テンニンカ果実エキス
ハマナスの果実から抽出したエキス。ビタミンCが豊富で、抗酸化作用と整肌効果があります。
加水分解ヒアルロン酸
通常のヒアルロン酸を低分子化したもの。分子が小さいため角層への浸透性が高く、内側からうるおいを保ちます。
トコフェロール(ビタミンE)
強力な抗酸化成分。肌を酸化ストレスから守り、エイジングケアをサポートします。
また、製品の酸化防止剤としても機能します。
感触・安定化成分
- BG・グリセリン・DPG:基本の保湿成分
- (アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー:感触改良ポリマー。みずみずしいテクスチャーを実現
- カルボマー:増粘剤。ジェル状のテクスチャーを作る
- キサンタンガム:天然由来の増粘剤
- コハク酸・コハク酸2Na:pH調整剤
- 水酸化Na:pH調整剤
- フェノキシエタノール・安息香酸Na:防腐剤(パラベンフリー処方)
- 香料:ティーグリーンフローラルの香り
メリット・デメリット
メリット
✅ 40年の研究が結実したリポソーム技術 コーセーが1984年から研究を続けてきたリポソーム技術の集大成。電子顕微鏡で証明された本物の多重層リポソームが、1滴に1兆個も配合されている。単なるマイクロカプセルではなく、角層のラメラ構造を直接リペアする科学的根拠のある技術。
✅ 発酵の力で肌環境を根本から整える ビフィズス菌培養溶解質とHPA酵母培養液のW発酵成分で、肌フローラを整えながら細胞の自然修復力をサポート。表面的な保湿だけでなく、肌が自ら健やかになる力を育てる設計。
✅ オイルフリーなのに高保湿 油分を使わずに、リポソームとセラミド、アミノ酸で保湿を実現。べたつきが苦手な人や、インナードライ肌、脂性肌でも使いやすい。夏場でも心地よく使える。
✅ ブースター&美容液の一石二鳥 洗顔後すぐに使うことで、後から使う化粧品の浸透をサポートしつつ、それ自体が高機能美容液としても働く。スキンケアの効率化にも◎。
✅ 徹底した低刺激処方 アルコールフリー、オイルフリー、パラベンフリー。敏感肌向けブランドではないのに、ここまで配慮した処方は好印象。年齢・肌質を問わず使える懐の深さ。
✅ @cosme殿堂入りの実績 2022年、2023年、2024年と3年連続でベストコスメを受賞し、2024年には殿堂入り。これだけ長く支持され続けるのは、やはり実力の証。
デメリット
❌ 価格が高い 30mLで8,800円、50mLで12,650円。デパコスの中でもかなり高価格帯。朝晩使うと50mLでも約2ヶ月でなくなるので、年間コストは7万円超え。継続するには覚悟が必要。
❌ 即効性は期待しにくい リポソームやビフィズス菌培養溶解質は、肌の根本から整えるアプローチ。劇的な変化を1週間で実感できるタイプではない。最低でも1~2ヶ月は使い続けないと、真価は分からない。
向いている人・不向きな人
✅ こんな人におすすめ
20代後半~50代のエイジングケア世代 肌の代謝が落ち始め、ハリ・弾力の低下を感じ始めた人に。リポソームが角層のラメラ構造を整え、発酵成分が細胞の修復力をサポート。
インナードライ・混合肌 表面は皮脂が出るのに内側は乾燥している人に最適。オイルフリーでべたつかないのに、角層深くまでうるおいを届けてくれる。
スキンケアの効きが悪くなったと感じる人 いつもの化粧品の浸透が悪い、効果を感じにくくなったという人に。ブースター効果で肌の受け入れ態勢を整えてくれる。
デパコスの殿堂コスメを試したい人 @cosme殿堂入り、MAQUIAベスト・オブ・ベスト大賞など、数々の賞を受賞。「間違いないコスメ」を求める人に。
発酵コスメが好きな人 ビフィズス菌培養溶解質とHPA酵母培養液のW発酵成分配合。SK-IIやランコムなど発酵コスメで効果を感じたことがある人におすすめ。
朝のスキンケアを時短したい人 洗顔後これ1本でブースター+美容液の役割を果たすので、忙しい朝にぴったり。
❌ こんな人には不向き
コスパ重視の人 50mLで12,650円という価格は、学生や新社会人には厳しい。プチプラで似た効果を求めるなら、別の選択肢を検討すべき。
即効性を求める人 1週間で劇的な変化を期待する人には不向き。じっくり肌環境を整えるタイプなので、最低1~2ヶ月は様子を見る必要がある。
シンプルケア派 いつものスキンケアの前に1つ取り入れるタイプのアイテム。「化粧水と乳液だけでいい」というミニマリストには不向き。
使い方とコツ
朝・夜の洗顔後、化粧水の前に使用します。
- 手のひらにポンプ2~3回分を取る
- 顔全体に優しくなじませる
- ハンドプレスでじっくり浸透させる
- その後、化粧水→乳液・クリームと続ける
効果を最大化するコツ
継続は力なり(最低2ヶ月)
リポソームが角層のラメラ構造を整え、発酵成分が細胞を活性化するには時間がかかります。肌のターンオーバーは約28日ですが、年齢とともに遅くなるので、最低でも2ヶ月は使い続けましょう。
ケチらず適量を
もったいないからと少量しか使わないと、効果を実感しにくくなります。公式推奨のポンプ2~3回分をしっかり使いましょう。
首・デコルテにも
顔だけでなく、年齢が出やすい首やデコルテにも使うと◎。顔より年齢が出やすい部分こそ、リポソームケアが効果的です。
まとめ
コスメデコルテ リポソーム アドバンスト リペアセラムは、40年のリポソーム研究の集大成として誕生した、まさに「デパコスの本気」を感じる一品です。
攻めのケア:ビフィズス菌培養溶解質+HPA酵母培養液のW発酵で細胞活性
守りのケア:1滴に1兆個の多重層バイオリポソーム®で角層のラメラ構造を直接リペア 導入ケア:ブースター効果で後から使う化粧品の浸透をサポート
この3つのバランスが絶妙で、単なる「高保湿美容液」を超えた、肌の根本から立て直すスペシャルケアを実現しています。
価格は決して安くありませんが、@cosme殿堂入りという実績と、科学的根拠に基づいたリポソーム技術、そしてコーセー最高峰ブランドとしての品質を考えれば、納得できる価格設定とも言えます。
「エイジングサインが気になり始めた」「いつものスキンケアの効きが悪くなった」「デパコスの殿堂コスメを試したい」という人には、間違いなく試す価値のある一本です👌
ただし、即効性を求める人や、超乾燥肌の人、コスパ重視の人には不向き。まずは10日間のトライアルサイズで、自分の肌との相性を確かめてから本品購入を検討するのが賢明です。
よくある質問
- リポソームって他のブランドの「カプセル」とどう違うの?
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リポソームは生体成分のリン脂質が多重層に重なった構造を持ち、肌の角層のラメラ構造を直接リペアできる点が他のカプセル技術と大きく異なります。単に美容成分を包むだけでなく、カプセル自体が肌のバリア機能を強化するんです。コスメデコルテのリポソームは電子顕微鏡で多重層構造が証明されており、厚生労働省の基準をクリアした「本物のリポソーム」。他のブランドの単層カプセルやエマルション粒子とは、構造も機能も全く違います。
- 敏感肌でも使える?
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アルコールフリー、オイルフリー、パラベンフリーの低刺激処方なので、比較的使いやすい設計です。ただし、ビフィズス菌培養溶解質や酵母培養液などの発酵成分が入っているため、発酵系化粧品で刺激を感じたことがある人は注意が必要。まずはトライアルサイズでパッチテストをしてから使うことをおすすめします。
- 冷蔵庫保存した方がいい?
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常温保存で大丈夫です。リポソームは温度変化に弱いので、むしろ冷蔵庫に入れたり出したりすると構造が壊れる可能性があります。直射日光を避け、涼しい場所で保管しましょう。
- プチプラでリポソーム配合の似た商品はある?
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「リポソーム」や「カプセル」を謳うプチプラ商品は存在しますが、コスメデコルテのような多重層バイオリポソーム®を配合した商品は見当たりません。リポソーム技術は安定化が非常に難しく、製造コストも高いため、プチプラでの実現は困難です。「リポソーム風」のカプセル技術はあっても、本物のリポソームとは効果が全く異なります。ただし「高すぎて買えない」人が代用するのであれば、似た技術の製品を使ったほうが近い効果は得られます。


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