まずはベースの成分から解析していきます。
全成分の2番目にあるメチルトリメチコンはシリコーンの一種です。
揮発性が高く、肌に成分を密着させるために配合されています。
シリコーンの中でもさらっとしていて、使用感が良いのが特徴。
ファンデーションなどのメイクアップ製品に使われることの多い成分です。
日焼け止めに使われるシリコーンはシクロペンタシロキサンが主流で、メチルトリメチコンがベースになっているのは少し珍しいですね。
強力なコーティング力がある成分は特に入っていないので、普通のクレンジング程度で落ちると思われます。
花王の日焼け止めの技術を活用
UVレジストは”均一塗布膜技術”が使われており、塗り残しを防いで紫外線が入る隙間をできにくくする処方になっています。
ソフィーナ(花王)は日焼け止めに関する特許もたくさん取得しているので、そのあたりの技術を使っていると思われます。
紫外線カット成分について
- 酸化亜鉛(紫外線散乱剤)
- メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(紫外線吸収剤)
- ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(紫外線吸収剤)
- ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(紫外線吸収剤)
- 酸化チタン(紫外線散乱剤)
紫外線吸収剤・散乱剤がどちらも使用されたタイプですね。
酸化亜鉛の量が多いので、紫外線吸収剤の使用量は控えめかも。
使われている成分自体は特に珍しいものではありません。
散乱剤は酸化チタンはごく少量で、酸化亜鉛をベースにしているので、このようなメリット、デメリットがあります。
- 白浮きしにくい
- 引き締め効果がある
- 同量での紫外線カット力が高い
- 毛穴が少し詰まりやすい
- まれに肌に合わない人がいる
気になる点を挙げるとしたら、紫外線吸収剤やエタノールが使用されているので、
美容成分
「ローズマリー葉エキス、ボタンエキス、フユボダイジュ花エキス、チューベロース多糖体、BG、グリセリン」の6つは、公式が”デイクリアランス成分”と名付けて配合されています。
詳しいデータは出てきませんでしたが、成分のラインナップ的には保湿&整肌系の成分ですね。
”セラミドケア成分”は「セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド」という疑似セラミドで、ヒト型セラミドではありません。
使用感にかなりのこだわり
全成分からの解析ではありませんが、ソフィーナipのUVレシストは「使用感(感触)」にかなりのこだわりを持って作られたコスメ。
花王の公式サイトには「化粧品塗布中の感触の時間的変化を評価する手法を開発」という資料も公開されています。
いままでの日焼け止めの評価は、塗った直後の状態だけを行うことが多かったのですが、「時間が経過したとき」の状態も徹底的に分析して開発したようです。
リッチクリームとの違いは?
公式サイトに比較画像が載っていました。
ざっくり説明すると「リッチクリームは保湿力と密着力が高め」「スムースミルクはさらにベタつきにくく、なめらか」という特徴があります。
成分での細かい違いを見ていくと
- リッチクリームは揮発性の高いベース成分がなく、ペタッと密着する
- スムースミルクは揮発性の高いベース成分で、スっと密着する
- 一般的な日焼け止め(乳液タイプ)に近いのはスムースミルク。リッチクリームは保湿クリームに近い使用感。
- スムースミルクの方がエタノールがやや多そう
- 保湿成分や調整系の成分もけっこう違う
といった感じ。
使用感がけっこう大きく違ってくるので、しっかり考えて選んだ方が良さそうです。
敏感肌適正は微妙かも
紫外線吸収剤が使われていたり、エタノールの濃度がやや高め。
強い刺激はないと思いますが、敏感肌向けの処方ではなさそうですね。
まとめ
紫外線カット成分や美容成分だけ見ると、3,000円分の価値があるかは微妙。
使用感や均一塗布などの技術面でコストをかけた日焼け止めです。
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