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今回は、一度廃盤になりながらもファンの熱い支持を受けて復活した、エリクシール ルフレ「バランシング おやすみマスク」を成分面からガッツリ解析していきます。
@cosmeでは洗い流すパック・マスク部門で1位を獲得し、ベストコスメアワードでも常連のこのアイテム。「塗って寝るだけ」の手軽さで、翌朝つるんとした「つや玉」肌に導いてくれるという人気のスリーピングマスクですが、成分的にはどうなのか?
資生堂独自のIFSCC最優秀賞受賞成分を搭載したこのマスク、その実力を成分の観点から徹底的に見ていきましょう👌
| ブランド名 | ELIXIR(エリクシール) |
| 価格 | 1,980円(税込) |
| 容量 | 90g(約45回分) |
| 発売日 | 2019年5月21日 |
全成分はこちら
水,DPG,BG,グリセリン,グリシルグリシン,リシンHCl,オウゴン根エキス,PCA-Na,モモ種子エキス,バンウコン根エキス,ユキノシタエキス,チャエキス,水溶性コラーゲン,シリカ,PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル,PEG-20,(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー,カルボマー,水酸化K,EDTA-2Na,エタノール,ピロ亜硫酸Na,BHT,ローズマリー葉エキス,フェノキシエタノール,香料,黄203
公式のアピールポイント
- 資生堂独自の毛穴ケア成分[グリシルグリシン]配合で、皮脂と水分のバランスを整える
- 塗って寝るだけのスリーピングマスクで、翌朝つるんと「つや玉」のある肌へ
- みずみずしいジェルがさらっとべたつかず、一晩中マスク効果を発揮
【はじめての方必読】当サイトの成分解析について
- 成分解析は各成分の一般的な配合目的を記載したもので、製品の効果効能を保証するものではありません。
- リニューアル等により全成分が変更される可能性があります。見つけた場合はお問い合わせフォームから教えて頂けると助かります。
成分解析
まずはこのアイテムで最大のポイントとなる「グリシルグリシン」について解説していきます。
最大の注目成分「グリシルグリシン」– 資生堂がIFSCC最優秀賞を獲得した毛穴ケア成分
この商品の主役は、なんといっても全成分表示で5番目に記載されている[グリシルグリシン]。
グリシルグリシンとは、アミノ酸の一種である「グリシン」が2つ結合したジペプチドのこと。天然保湿因子(NMF)としても肌に存在する成分で、もともとは保湿成分として認識されていました。
しかし、この成分の真価を明らかにしたのが資生堂の研究チームです。
グリシルグリシンがなぜ毛穴に効くのか?
資生堂は「毛穴の開き」のメカニズムを世界で初めて科学的に解明しました。この研究成果は、化粧品研究者のオリンピックとも呼ばれるIFSCC(国際化粧品技術者会連盟)の2006年大阪大会で最優秀賞を受賞しています。
参考:資生堂 IFSCC大会受賞研究「女性の肌悩みNo.2の『毛穴の目立ち』は、解消できる!?」
研究で分かったことをざっくり説明すると👇
毛穴が大きく見える原因は、毛穴そのものが広がっているわけではなく、毛穴の周りの肌が「すり鉢状」に削れたようになっていたこと。
ではなぜすり鉢状になるかというと、皮脂に含まれる「不飽和脂肪酸」が表皮細胞内のカルシウムイオン濃度を高め、イオンバランスを崩すことで肌あれ(角化異常)を引き起こしていたから。
そこで資生堂が着目したのが[グリシルグリシン]。マイナスの電荷をもつ物質が流入する出入口をオンにし、細胞内のプラスの電荷を中和させることで、イオンバランスを正常化。すり鉢状に乱れた毛穴周りのターンオーバーを整えてくれるというメカニズムです。
実際に、資生堂の臨床試験ではグリシルグリシン配合溶液を2ヵ月間使用したところ、毛穴の目立ちが改善する効果が確認されています。
ただし、化粧品での効果には限界がある
ここは正直にお伝えしておきたいポイント。
グリシルグリシンは美容クリニックでは「イオン導入」で肌の深部に届ける施術が行われていて、その方が効果は格段に高いです。化粧品として塗布する場合、角層で吸収されてしまうため、毛穴の奥まで届く量には限界があります。
資生堂の特許出願資料(特許出願公開番号2010-260796)でも、イオン導入の方がグリシルグリシンの送達効率が高いことが示されています。
化粧品で劇的な毛穴縮小を期待するのは現実的ではありません。あくまでも「穏やかに、継続使用で」整えていく成分と理解しておきましょう。
とはいえ、この価格帯でグリシルグリシンがこの配合順位(5番目)に来ているのは、良心的です👌
ベース成分 – 保湿力は控えめだが軽さを重視した設計
ベースとなる保湿成分は、上位に並ぶ[DPG][BG][グリセリン]の3種。
どれもスキンケアではおなじみの基本的な保湿剤で、特にDPGとBGはさらっとした使用感を出す成分。グリセリンの保湿力はやや高めですが、配合順位的にはそこまで多くはなさそう。
油性の成分は含まれておらず、クリームのように油分で蓋をするような機能はありません。
スリーピングマスクとしては「ガッツリ保湿」というよりも「さらっと軽い使用感で毛穴ケアに特化」した設計です。乾燥が強い方には物足りない可能性があります。
アミノ酸系保湿成分 – 地味だけど堅実
[リシンHCl]はアミノ酸の一種であるリジンの塩酸塩。肌のNMF(天然保湿因子)の構成成分で、角層の保水力を高めてくれます。
[PCA-Na]もNMFの主要成分のひとつで、高い吸湿性を持つ保湿剤。肌なじみがよく、べたつきのない保湿感を実現してくれます。
この2つの組み合わせは「地味だけど肌にとっては嬉しい」タイプ。派手さはないけれど、肌の保水メカニズムに沿った堅実な保湿設計です。
植物エキス群 – 抗炎症・抗酸化のサポート役
[オウゴン根エキス]
コガネバナの根から抽出されるエキス。抗炎症作用、抗酸化作用、抗菌作用を持つ成分として古くから漢方にも使われています。毛穴周りの炎症を抑えるグリシルグリシンの働きをサポートする役割が期待できます。
[モモ種子エキス]
保湿・抗炎症作用を持つ植物エキス。肌をなめらかに整える効果があり、エリクシールシリーズでもおなじみの成分です。
[バンウコン根エキス]
ショウガ科の植物から得られるエキスで、抗酸化作用を持ちます。資生堂が独自に研究を進めている成分のひとつです。
[ユキノシタエキス]
抗炎症・抗菌作用に加え、紫外線によるダメージから肌を守る作用が報告されています。美白系の化粧品にもよく配合される成分。
[チャエキス(緑茶エキス)]
カテキンを豊富に含み、強い抗酸化作用を持つ成分。皮脂の酸化を抑える働きがあるため、毛穴ケア製品との相性は良いです。
[ローズマリー葉エキス]
強力な抗酸化成分ですが、全成分表示での配合順位を見ると、ここでは製品の酸化防止目的での配合と考えるのが妥当です。
植物エキス群はいずれも配合量としてはそこまで多くない印象ですが、グリシルグリシンの毛穴ケア効果を多方面からサポートする「脇役」として働いてくれる構成です。
[水溶性コラーゲン] – 保湿の定番
肌表面に薄い膜を作り、水分の蒸発を防ぐ保湿成分。「コラーゲン」と聞くとエイジングケアを期待しがちですが、化粧品として塗布する場合は主に保湿・肌表面のなめらかさ向上が目的。肌のハリに直接働きかけるわけではない点は理解しておきましょう。
ジェルの感触を作る成分たち
[シリカ]
さらさらした感触を出すパウダー成分。朝起きたときのべたつき軽減に貢献。皮脂吸着効果もあり、毛穴ケア製品との相性は◎。
[PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル]
シリコーン系の感触改良剤。滑らかなジェルのテクスチャーを実現しつつ、べたつかない使用感を作ります。
[PEG-20]
水溶性のポリマーで、ジェルのとろみやなめらかさを出す成分。
[(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー]
これがジェルの「ぷるぷる感」を生み出している主役級のゲル化剤。水系ジェルの骨格を作る高分子ポリマーで、資生堂が得意とするジェル処方によく使われる成分です。
[カルボマー+水酸化K]
カルボマーを水酸化Kで中和してジェル化する、化粧品のゲル処方では定番の組み合わせ。安定した透明ジェルを実現します。
防腐・安定化成分
- [エタノール] – 防腐効果と清涼感。配合順位的には中程度なので、そこまで大量ではないですが、エタノールに敏感な方は注意
- [フェノキシエタノール] – メインの防腐剤
- [EDTA-2Na] – キレート剤。金属イオンを捕まえて製品の安定性を保つ
- [ピロ亜硫酸Na] – 酸化防止剤
- [BHT] – 酸化防止剤。ごく微量の配合で製品の変質を防ぐ
[香料+黄203]
フレッシュブーケの香りは合成香料によるもの。好みが分かれるポイントですが、口コミでは「リラックスできる」という声が多い印象。
黄203は色素で、ジェルに淡い黄色をつけるために配合されています。
メリット・デメリット
メリット
- IFSCC最優秀賞の裏付けがある毛穴ケア成分[グリシルグリシン]が全成分5番目という高配合順位
- 1,980円で約45回分使える圧倒的なコスパの良さ
- 塗って寝るだけの簡単ケアで続けやすい
- さらっとしたジェルでべたつきにくく、枕や寝具を汚しにくい
- アレルギーテスト済み・ノンコメドジェニック処方
- アミノ酸系保湿成分+植物エキスでバランスの取れた処方設計
デメリット
- 化粧品として塗布するだけでは、グリシルグリシンの毛穴への効果には限界がある
- ベース保湿力は控えめで、乾燥肌さんには物足りない可能性
- エタノール配合のため、アルコールに敏感な肌の方は刺激を感じるリスクあり
- BHTの配合が気になる方もいるかもしれない(ごく微量ですが)
- 「攻めの美容成分」はグリシルグリシンに頼っている印象で、総合的なエイジングケア力は弱い
- 香料配合のため、無香料派には向かない
向いている人・不向きな人
向いている人 ✅
- 毛穴の開き・目立ちが気になる20代後半~30代の方
- 皮脂が多めで、テカリやべたつきが気になるオイリー~混合肌の方
- 忙しくてスキンケアに時間をかけられない方(塗って寝るだけ!)
- コスパ重視で、手軽に毛穴ケアを取り入れたい方
- ファーストエイジングケアとして何か始めたいけど、何を選べばいいかわからない方
- 普段のスキンケアに「毛穴ケアのプラスワン」を探している方
不向きな人 ❌
- 乾燥が強く、リッチな保湿力を求めている方
- エタノールに敏感な肌の方
- 本格的なエイジングケア(シワ・ハリ・シミ)を求めている方
- 即効性のある毛穴縮小効果を期待している方(化粧品に過剰な期待は禁物です)
- 無香料・無着色にこだわりのある方
- 加齢によるたるみ毛穴が主な悩みの方(グリシルグリシンは主に皮脂による「すり鉢毛穴」に対するアプローチ)
まとめ
エリクシール ルフレ バランシング おやすみマスクは、資生堂がIFSCC最優秀賞を受賞した毛穴研究の成果を、1,980円というプチプラ価格で手に入れられる優秀なアイテムです。
一度廃盤になりながらも、ファンの声に応えて復活したのも納得の完成度👌
成分的には「毛穴ケア特化型」の設計で、[グリシルグリシン]を軸に、アミノ酸系保湿成分と抗炎症・抗酸化の植物エキス群がしっかり脇を固めています。
ただし、正直なところ「これひとつで劇的に毛穴がなくなる」とは言えません。化粧品のグリシルグリシンは穏やかに作用する成分であり、即効性を求めるならクリニックでのイオン導入が上。あくまでも、毎日のスキンケアで地道に毛穴環境を整えていく「コツコツ型」のアイテムとして捉えるのが正解です。
とはいえ、この価格帯でここまで科学的根拠のある毛穴ケア成分を高配合順位で使えるのは、さすが資生堂の太っ腹。皮脂多めの毛穴に悩む方のナイトケアとして、試してみる価値は十分にあると思います✨
よくある質問
- 毎日使っても大丈夫?
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公式では週2~3回を目安としていますが、成分的には毎日使っても問題ないとされています。ただし、エタノールが配合されているため、肌の調子を見ながら使用頻度を調整するのがおすすめです。乾燥が気になる場合は頻度を下げてみてください。
- グリシルグリシンは本当に毛穴に効くの?
-
資生堂のIFSCC受賞研究で、毛穴の目立ちを改善する効果は確認されています。ただし、化粧品として塗布する場合の効果は穏やかなもの。少しでも効果を高めるなら美顔器でのイオン導入を検討してみてください。化粧品では「継続は力なり」の精神で使うのがベストです。
- 乾燥肌でも使える?
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使えなくはないですが、このマスクは「保湿に特化した製品」ではなく「毛穴ケアに特化した製品」です。乾燥肌の方はこのマスクの前にしっかり化粧水・乳液で保湿した上で、最後に薄くのせるように使うのがおすすめ。このマスクだけで保湿を完結させようとすると物足りないはずです。
- 一度廃盤になったけど、復活品は成分が変わった?
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復活にあたり、一部処方の見直しが行われた可能性があります。旧品の成分リストと比較すると、防腐剤の構成に若干の変更が見られます(旧品にはメチルパラベンが含まれていましたが、現行品では外れています)。メインの美容成分であるグリシルグリシンや植物エキス群は継続配合されていますので、コンセプトは変わっていません。
- 他のスリーピングマスクと比べてどう?
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保湿力で選ぶなら他にも優秀なスリーピングマスクはたくさんあります。しかし「毛穴ケア」という明確なコンセプトと、IFSCC最優秀賞受賞の科学的裏付けがある成分を搭載している点では、この価格帯で競合はほぼいません。毛穴が一番の悩みなら選ぶ価値あり。総合的な保湿・エイジングケアを求めるなら他を検討してもOKです。
- 他のグリシルグリシン配合製品と比べてどう?
-
具体的な濃度は明かされていませんが、全成分の5番目に配合されているため、グリシルグリシンの濃度は高いことが予想されます。


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