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今回は、資生堂の敏感肌ブランド「dプログラム」から、美容成分配合の洗顔料「エッセンスインクレンジングフォーム」を成分面からガッツリ解析していきます。
敏感肌向けなのに、洗浄力が高めの石けん系洗浄成分を採用している理由や、洗顔料に抗炎症成分を配合する意味、そして他の洗顔料との違いを徹底的に見ていきましょう👌
| ブランド名 | dプログラム |
| 価格 | 2,090円 |
| 容量 | 120g |
| 発売日 | 2020年1月21日 |
全成分はこちら
有効成分:グリチルリチン酸ジカリウム
その他の成分:濃グリセリン,エリスリトール,キシリット,精製水,ミリスチン酸,ソルビット液,ポリエチレングリコール1500,水酸化カリウム,ステアリン酸,パルミチン酸,2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン,イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル,自己乳化型モノステアリン酸グリセリル,サラシミツロウ,ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム,ポリ塩化ジメチルジメチレンピロリジニウム液,オレンジ油
公式のアピールポイント
- 肌荒れの原因まで落とす薬用美容洗顔料 – グリチルリチン酸ジカリウム配合で、ニキビ・肌荒れを防ぐ
- 美容成分配合のクッション泡 – クリーミーでたっぷりの泡が肌をやさしく包みこみ、汚れをしっかりオフ
- 低刺激設計 – パラベンフリー、アルコールフリー、鉱物油フリー、無香料、無着色
【はじめての方必読】当サイトの成分解析について
- 成分解析は各成分の一般的な配合目的を記載したもので、製品の効果効能を保証するものではありません。
- リニューアル等により全成分が変更される可能性があります。見つけた場合はお問い合わせフォームから教えて頂けると助かります。
成分解析
資生堂の敏感肌向けブランド・dプログラムから出ている洗顔料。
一般的な石けんベースの洗顔料と比べると、ややお高めの価格設定ですが、どの部分が違うのか、成分から見ていきましょう!
薬用有効成分 – グリチルリチン酸ジカリウム(抗炎症成分)
エッセンスインクレンジングフォームの最大の特徴は、洗顔料に抗炎症成分を配合している点です。
グリチルリチン酸ジカリウムとは?
甘草(リコリス)の根から抽出される、古くから使われてきた抗炎症成分。
漢方薬としても有名で、優れた抗炎症作用を持ちます。
主な効果:
- 優れた抗炎症作用
- 肌荒れ・ニキビの予防
- 赤み・ほてりの鎮静
- 敏感に傾いた肌を落ち着かせる
洗顔料に抗炎症成分が入っているメリット
通常、抗炎症成分は化粧水や美容液に配合されることが多いのですが、洗顔料に配合することで得られる利点があります。
洗顔時から肌荒れを予防できる
そもそも洗顔という行為自体が、敏感肌にとっては刺激になる可能性があります。
洗顔料自体に抗炎症成分を配合することで、洗っている最中から肌を落ち着かせることができます。
毎日使うものだからこそ意味がある
洗顔は朝晩、毎日行うケア。その度に抗炎症成分が肌に触れることで、継続的な肌荒れ予防効果が期待できます。
洗い残りによる予防効果
完全にすすぎ切れなかった微量の成分が、むしろ肌に良い影響を与える可能性があります(もちろん、基本はしっかりすすぐことが大切ですが)。
これは、「攻めのスキンケア」ではなく「守りのスキンケア」の発想。dプログラムらしい、敏感肌に寄り添ったアプローチです👌
H-スタビライジングB – dプログラム独自の美容成分複合体
dプログラムの各製品には、「H-スタビライジング」と呼ばれる独自の美容成分複合体が配合されています。
エッセンスインクレンジングフォームに配合されているのは「H-スタビライジングB」。
H-スタビライジングBの構成成分
以下の保湿成分の組み合わせです。
- 濃グリセリン – 高い保湿力を持つ基本の保湿成分
- エリスリトール – 糖アルコールの一種。清涼感と保湿効果
- キシリット – 糖アルコール。保湿効果と抗菌作用
これらの成分が複合的に作用することで、洗顔料でありながら肌のうるおいを守るという役割を果たします。
資生堂の「CEケア理論」
dプログラムが注目しているのが、角層細胞の外壁を形成する「CE(コーニファイドエンベロープ)」です。
CEは、角層細胞ひとつひとつを包み込む丈夫なタンパク質の袋。
バリア機能を担うセラミドを含む細胞間脂質も、実はこのCEという足場があってこそ形成されます。
資生堂の研究では、敏感肌やアトピー性皮膚炎の肌では、未成熟なCEを持つ角層細胞が多いことが確認されています。
H-スタビライジングの技術は、このCEの成熟をサポートし、バリア機能を高める狙いがあると考えられます。
洗浄成分の解析 – 敏感肌向けなのに石けん系を採用した理由
エッセンスインクレンジングフォームの洗浄成分構成は、かなり興味深いです。
主な洗浄成分
石けん系成分:
- ミリスチン酸
- ステアリン酸
- パルミチン酸
- 水酸化カリウム
これらはカリ石けんを形成する成分。水酸化カリウムで脂肪酸を中和して石けんを作る、伝統的な処方です。
補助洗浄成分:
- 2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(両性界面活性剤)
- ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム(アニオン界面活性剤、アミノ酸系に近い)
なぜ敏感肌向けなのにアミノ酸系ではなく石けん系?
一般的に、敏感肌向け洗顔料といえば「アミノ酸系洗浄成分」が定番です。しかし、dプログラムはあえて石けん系をメインに採用しています。
その理由は:
理由① 洗浄力とマイルドさのバランス
アミノ酸系:
- メリット:肌への刺激が少ない、肌本来の潤いを残しやすい
- デメリット:洗浄力がマイルド、油性の汚れは落としにくい
石けん系(特にステアリン酸・パルミチン酸ベース):
- メリット:適度な洗浄力、すすぎやすい
- デメリット:脱脂力がやや強い場合がある
dプログラムは、ステアリン酸を中心とした石けん系処方を採用。ステアリン酸は脂肪酸の中で最も刺激が少なく、適度な洗浄力を持ちます。
さらに、両性界面活性剤やアミノ酸系に近い補助洗浄成分を組み合わせることで、洗浄力を保ちつつ刺激を抑えるという絶妙なバランスを実現しています。
理由② すすぎやすさ
石けん系の大きなメリットは、水で簡単にすすげること。
アミノ酸系洗浄成分は、肌に優しい反面、すすぎ残りしやすい傾向があります。敏感肌にとって、洗浄成分の残留は刺激になる可能性があります。
石けん系は水との反応でサッと流れるため、すすぎ残りのリスクが低いのです。
理由③ 石けんで落ちる日焼け止め・軽いメイクに対応
これが意外と重要なポイント。
最近増えている「石けんで落とせる日焼け止め」や、パウダーファンデなどの軽いメイク。
これらは、石けん系洗顔料で落とすことを前提に設計されています。
ただしアミノ酸系の洗顔料では洗浄力が足りず、石けんオフタイプの日焼け止めでもクレンジングが必要になる場合があります。
エッセンスインクレンジングフォームなら、W洗顔不要で日焼け止めや軽いメイクまで落とせるというメリットがあります。
製品名に「クレンジング」とついているのは、まさにこの点を意味しているのでしょう👌
保湿・美容成分
ポリ塩化ジメチルジメチレンピロリジニウム液(カチオン性ポリマー)
髪のトリートメントなどに使われる成分。洗顔料では、洗い上がりの肌触りを滑らかにする役割があります。
石けん系のキシキシ感を抑え、しっとりとした仕上がりを実現します。
サラシミツロウ
ミツロウを精製したもの。エモリエント効果で、肌の表面を柔らかく保ちます。
オレンジ油
天然の精油。製品の使用感を整える役割と、ごく軽い香り付け。
その他の機能性成分
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル・自己乳化型モノステアリン酸グリセリル
乳化剤。クリーム状のテクスチャーを作り出します。
ポリエチレングリコール1500
保湿剤・溶剤。製品の安定化にも寄与します。
メリット・デメリット
メリット
✅ 洗顔料なのに肌荒れ予防ができる グリチルリチン酸ジカリウム配合により、洗顔という行為そのものが肌荒れ予防のケアになります。朝晩使うことで、継続的な肌荒れ予防効果が期待できます。
✅ 石けんオフタイプの日焼け止め・軽いメイクまで落とせる 最近増えている「石けんで落とせる日焼け止め」や、パウダーファンデなどの軽いメイクなら、これ一本でOK。W洗顔不要で時短にもなります。
✅ すすぎやすく、洗い残しのリスクが低い 石けん系のメリットとして、水でサッと流れます。敏感肌にとって、洗浄成分の残留は刺激になる可能性があるため、すすぎやすさは重要なポイントです。
✅ 低刺激設計でありながら適度な洗浄力 ステアリン酸・パルミチン酸をベースにした石けん系処方に、両性界面活性剤やアミノ酸系に近い補助洗浄成分を組み合わせることで、敏感肌向けでありながら適度な洗浄力を実現しています。
✅ 美容成分(H-スタビライジングB)配合 濃グリセリン、エリスリトール、キシリットなどの保湿成分複合体により、洗顔料でありながら肌のうるおいを守ります。
✅ @cosmeベストコスメアワード2024 ベスト洗顔料 第1位 実際のユーザー評価も高く、実績のある製品です。
デメリット
❌ 超敏感肌・超乾燥肌には刺激になる可能性 石けん系洗浄成分は、アミノ酸系に比べるとやや刺激が強め。極度の乾燥肌や極度の敏感肌・アトピー性皮膚炎の方には、アミノ酸系の方が合う場合があります。
❌ しっかりメイクは落とせない あくまで「石けんオフタイプの日焼け止め・軽いメイク」が対象。リキッドファンデやウォータープルーフのマスカラ、アイラインなどは落とせません。しっかりメイクの日は、別途クレンジングが必要です。
❌ 価格がやや高め 120gで2,090円は、プチプラ洗顔料に比べると高価。ただし医薬部外品で有効成分配合、かつデパコスブランドと考えれば、妥当な価格設定とも言えます。
❌ 泡立てが必要 クリーム状なので、しっかり泡立てる必要があります。泡立てネットの使用がおすすめ。忙しい朝には手間かもしれません。
向いている人・不向きな人
✅ こんな人におすすめ
敏感肌で洗浄力も欲しい人 「アミノ酸系だと洗浄力が物足りない」「でも普通の石けんだと刺激が強い」というジレンマを抱えている人に。適度な洗浄力と低刺激性のバランスが絶妙です。
石けんオフタイプの日焼け止めを使っている人 最近増えている「石けんで落とせる日焼け止め」を愛用している人には、まさにベストマッチ。W洗顔不要で時短にもなります。
すすぎ残しが気になる人 石けん系のメリットとして、水でサッと流れます。「アミノ酸系洗顔料だとヌルヌルが残る気がする」という人におすすめです。
dプログラムのスキンケアラインを使っている人 同じブランドで統一することで、相乗効果が期待できます。特にdプログラムの化粧水・乳液と組み合わせると、バリア機能ケアの効果が高まるでしょう。
❌ こんな人には不向き
極度の敏感肌・アトピー性皮膚炎の人 石けん系洗浄成分は、アミノ酸系に比べるとやや刺激が強め。極度の敏感肌やアトピー性皮膚炎の方には、キュレルやミノンなどのアミノ酸系の方が合う可能性があります。
超乾燥肌の人 石けん系の脱脂力が、超乾燥肌には強すぎる可能性があります。洗顔後のつっぱり感が気になる場合は、アミノ酸系洗顔料の方が良いかもしれません。
プチプラ価格を重視する人 120gで2,090円は、プチプラ洗顔料に比べると高価。「とりあえず試したい」という気軽さはありません。
泡立てが面倒な人 クリーム状なので、しっかり泡立てる必要があります。泡で出てくるタイプや、泡立て不要のジェルタイプが好みの人には不向きです。
まとめ
dプログラム エッセンスインクレンジングフォームは、資生堂が50年以上の敏感肌研究から辿り着いた、「敏感肌向けでありながら適度な洗浄力を持つ」という絶妙なバランスの洗顔料です。
攻めのポイント:
- 石けん系洗浄成分(ステアリン酸・パルミチン酸)による適度な洗浄力
- 石けんオフタイプの日焼け止め・軽いメイクまで落とせる
- すすぎやすく、洗い残しのリスクが低い
守りのポイント:
- グリチルリチン酸ジカリウムによる肌荒れ予防
- H-スタビライジングB(保湿成分複合体)による美容効果
- 両性界面活性剤やアミノ酸系補助洗浄成分で刺激を抑える
- パラベンフリー、アルコールフリー、鉱物油フリー、無香料、無着色
一般的な敏感肌向け洗顔料は、「低刺激」を優先するあまり洗浄力が物足りないものが多い中、dプログラムは「敏感肌のために、必要な洗浄力は確保する」という、実用性を重視したアプローチ。
特に注目すべきは、洗顔料に抗炎症成分を配合している点。洗顔という行為そのものが肌荒れ予防のケアになるという発想は、毎日使うものだからこそ意味があります。
また、最近増えている「石けんで落とせる日焼け止め」や軽いメイクに対応できるのも、現代のニーズに合った設計です。
「アミノ酸系だと洗浄力が物足りない」「でも普通の石けんだと刺激が強い」という、敏感肌の人が抱えるジレンマに対する、資生堂の答えがこの製品。
敏感肌でも適度な洗浄力が欲しい人、石けんオフタイプの日焼け止めを愛用している人には、間違いなく試す価値のある一本です👌
よくある質問
- 石けんベースはつっぱらない?
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個人差はありますが、石けん系洗顔料の中では比較的つっぱりにくい設計になっています。
その理由は:
- H-スタビライジングB(保湿成分複合体)配合
- ポリ塩化ジメチルジメチレンピロリジニウム液(コンディショニング成分)配合
- ステアリン酸・パルミチン酸ベースで脱脂力が控えめ
ただし、超乾燥肌の人や、冬場の乾燥が激しい時期には、やはりつっぱりを感じる可能性があります。その場合は、アミノ酸系洗顔料(キュレル、ミノンなど)の方が合うかもしれません。
洗顔後は、すぐに化粧水で保湿することをおすすめします。


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