ピンクのdプログラムの化粧水、モイストケアローションの成分解析です。
dプログラムでは肌悩みに合わせた5タイプのスキンケアラインが出ていますが、ピンクは乾燥肌向けの高保湿バージョンです。
125mlで3,190円なので、資生堂の中では中価格のコスメですね。
高価格帯のコスメで採用された技術を取り入れつつも、独自の処方をしっかり考えて作られていると思います。
有効成分:トラネキサム酸、グリチルリチン酸ジカリウム
その他の成分:酵母エキス(3)、トレハロース、キシリット、エリスリトール、ワセリン、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、ヨモギエキス(2)、濃グリセリン、精製水、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリオキシエチレン(17)ポリオキシプロピレン(4)ジメチルエーテル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、ヒドロキシエチルセルロース、クエン酸、キサンタンガム、クエン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)ジメチルエーテル、フェノキシエタノール
dプログラム モイストケアローションの成分解析
医薬部外品なので有効成分から解析していきます。
有効成分は美白コスメで人気の「トラネキサム酸」「グリチルリチン酸ジカリウム」
dプログラムの化粧水は5タイプとも同じ有効成分で作られています。
ちなみに同じ資生堂系のイプサのザ・タイムR アクアと同じ有効成分ですね。
濃度・原料・その他の成分が同じわけではないので、同じ中身というわけではありませんが、似たような効果を発揮すると思います。
有効成分だけみると「美白コスメだったかな?」と思うような有効成分です。
[トラネキサム酸]はメラニンの生成を抑制する作用があり、美白コスメによく使われています。
シミ・肝斑対策として有名な成分ですが、肌荒れをケアする作用もあります。
2002年に資生堂の申請により有効成分として承認された成分で、資生堂の得意分野ですね。
まぁ作用のそんなに強い成分ではないし、あくまでも「薬用化粧品」なので、短期的にシミが消えるとかではなく、将来的なシミを予防するための成分です。
[グリチルリチン酸ジカリウム]は抗炎症作用を持つ成分です。
敏感肌向けの薬用コスメの有効成分として使われることが最も多い成分ですね。
日焼けによる肌の炎症もケアしてくれるので、こちらも美白コスメで補助的な有効成分としてよく使われます。
公式からは「高保湿タイプ」として販売されているんですが、優しい美白コスメとしての役割も期待できるんじゃないでしょうか。
ビタミンC誘導体のような強めの作用もないので、敏感肌の人でも使いやすいです。
ただしどちらも「保湿」という意味では作用はあまり強くないです。保湿はその他の成分頼りになっていますね。
その他の成分の濃度が読み取れない
化粧品の場合、全成分表示は「1%以上の成分は濃度順に書く」というルールがありますが、医薬部外品には表示順のルールがありません。(自主的に濃度順に記載するブランドも多いです)
化粧水ならだいたい「水」が最初に来るのですが、この製品は「酵母エキス(3)、トレハロース、キシリット~」から始まっているので、その他の成分は濃度順ではないと考えられます。
ビューティーバイオテクノロジーとMTケアコンプレックス
公式の説明によると「ビューティーバイオテクノロジー」「MTケアコンプレックス」という2つの複合成分を配合しているようです。
「ビューティーバイオテクノロジー」は[酵母エキス][グリセリン]からなる成分で、dプログラムのスキンケアの共通成分。酵母菌の力でお肌の美肌菌を整えてケアする成分です。
基本的には安心な成分ですが、発酵系なので人によってはちょっと刺激に感じることもあるかも。
MTケアコンプレックスは[アセチルヒアルロン酸Na][ワセリン][ヨモギエキス][グリセリン]からなる成分で、モイストケアにのみ配合されています。
お肌の角層深部まで浸透し、潤いを与えてキメを整えてくれる成分らです。
使われている4つの成分は市販のコスメでよく見る成分ですが、濃度や設計にこだわって配合されているんだと思います。
ちなみにdプログラムの他のラインも「~コンプレックス」という名称で、それぞれの独自の成分が入っています。
無難な保湿成分が中心
「有効成分」「ビューティーバイオテクノロジー」「MTケアコンプレックス」以外の成分は
- トレハロース
- キシリット
- エリストール
- ジプロピレングリコール
- 1,3-ブチレングリコール
- ポリオキシエチレン(17)ポリオキシプロピレン(4)ジメチルエーテル(アクアインプール)
- ポリオキシエチレンメチルグルコシド
- トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル
- ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)ジメチルエーテル(アクアインプール)
が入っています。
高濃度だと少し刺激があると言われている、ジプロピレングリコール(DPG)が入っていますね💦
DPGの濃度はわかりませんが、資生堂の敏感肌向けラインなので、そんなに高濃度で入っていないんじゃないでしょうか。おそらく原料に混ざってるとか、ちょっとした調整で入れてるんだと思います。
植物エキスはMTケアコンプレックスに入っているヨモギエキス1種類のみで、合わない植物エキスによるアレルギーなどのリスクはかなり低いです。
美容成分で目立ったものといえば、資生堂独自の保湿成分・アクアインプールぐらいですね。
あとの成分はひとつひとつの説明は省きますが「低刺激で無難な保湿成分」って感じです。
「無難だからダメ」というわけではなく、資生堂の中価格帯ラインなので「どの成分をどのバランスでどうやって配合すれば敏感肌の保湿ケアに適切か」というのを徹底的に研究して配合してるんじゃないでしょうか。
成分解析のまとめ
- 保湿ラインのスキンケアだけど、美白コスメで使われるような有効成分が入っている
- 資生堂が研究開発したdプログラム独自の複合成分を2種類配合
- 使われているのは無難な保湿成分だけど、資生堂の中価格帯ラインだからかなり考えて設計されていそう
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トラネキサム酸 | 美白 | メラニンを生成を抑制する効果がある成分です。 2002年に資生堂の申請により医薬部外品の有効成分として承認されています。 肝斑に対しても効果を発揮します。抗炎症作用も持っています。 |
---|---|---|
グリチルリチン酸ジカリウム | 整肌 | 肌の炎症を鎮める効果があり、肌荒れケア・ニキビケア・美白系のコスメによく配合されます。 有効成分として配合できる成分で、ある程度の濃度があれば、けっこうすぐに効果が現れます。 抗炎症成分が複数配合されていたり、他の抗炎症系コスメと重ね塗りしたり、長期的に使いすぎると、刺激になったり、肌本来の機能が弱まる可能性もあるので注意。 |
酵母エキス(3) | 保湿 | 酵母の一種で、”天然保湿因子(NMF)と似た構造を持ち、角質層の水分量を増加させ、お肌を保湿する効果があります。 酸化ストレスに作用する成分です。肌荒れやハリに対しても効果があると言われています。 アミノ酸による、傷ついた皮膚細胞の修復や水分の蒸発を防ぐ役割も。 基本的には安全ですが、ごくまれにアレルギーを起こす可能性があるので注意しましょう。” |
トレハロース | 保湿 | 天然由来の保湿成分で海草やきのこに含まれており、干し椎茸が水に戻る性質はトレハロースのおかげです。 粉末状のメイクアップ製品に混ぜると、しっとり感を出し、崩れにくくなります。 |
キシリット | 保湿 | 保湿成分です。肌を保湿しながらも、使用時のべたつきを抑える効果があります。 |
エリスリトール | 保湿・清涼感 | ラカントなどの甘味料としてもお馴染みの糖アルコール。 浸透性が高く、べたつきにくい使用感を持つ保湿成分です。 濃度によっては清涼感を与える役割もあります。 |
ワセリン | エモリエント | 液体の場合はミネラルオイル、固体の場合はワセリンと呼ばれる保湿成分です。 肌への浸透性がほとんどなく、表面に膜をつくって、水分の蒸発を防いだり、外部刺激から守ります。 固体のワセリンは皮膚科で処方される塗り薬にも使用され、液体のミネラルオイルはベビーオイルなどにも配合されます。 昔のワセリンは精製度が低く、肌への刺激が指摘されて鉱物油として避けられていました。 最近は99.9%以上の精製度で統合され、低刺激で安全性の高い成分です。 |
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム | 保湿 | ヒアルロン酸Naの7倍の吸着性、2倍の保湿性を持ちます。 とろみがないので商品のテクスチャに変化を与えません。 普通のヒアルロン酸と比べて高価な原料です。 |
ヨモギエキス(2) | 抗炎症 | 乾燥による炎症やアトピー性皮膚炎を改善すると言われる成分です。 収れん、血行促進、抗菌、抗糖化、美白などの作用もあると言われています。 ヨモギはどこにでも生えている野草ですが、化粧品に配合されているものは農場で作り、きちんと品質管理された上で精製されています。 |
濃グリセリン | 保湿 | 化粧品によく使われる低刺激な保湿成分です。 一般的なグリセリンは85%前後の濃度ですが、濃グリセリンは95%以上の濃度。 グリセリンよりもさらに保湿力が高く、重いテクスチャをしています。 |
精製水 | ベース | ほぼすべての化粧品に成分を溶かし込むために配合されています。 水自体に特別な効果はありませんが、刺激やアレルギーなどのリスクもありません。 |
ジプロピレングリコール | ベース(保湿) | 「DPG」と呼ばれ、化粧品のベースとしてよく使われる保湿成分です。 さっぱり系の使用感で、低コストで配合できるのが特徴です。 眼睛刺激やわずかな皮膚刺激の可能性があり、無理に避けるほどではありませんが、濃度が高いものは注意しましょう。 |
1,3-ブチレングリコール | ベース(保湿) | 「BG」と呼ばれ、化粧品のベースとしてよく使われる保湿成分です。 低刺激で、グリセリンに比べて保湿力は劣りますが、さっぱりした使用感です。 1%以下(成分表示の後方に表示)の場合は、成分を溶かし込むためなどの目的で配合されており、影響はほぼありません。 |
ポリオキシエチレン(17)ポリオキシプロピレン(4)ジメチルエーテル | 保湿 | アクアインプールとも言われる、資生堂独自の保湿成分です。 水にも油にも馴染みやすい保湿成分です。 高い保湿力を持ち、使用感も良く、肌のキメを改善冴える効果が期待されています。 |
ポリオキシエチレンメチルグルコシド | 保湿 | 水溶性合成ポリマーの一種です。 天然保湿因子に近い性質を持ち、お肌を柔らかく整えたり、保護膜を作って保湿します。 化粧品の成分を浸透しやすくさせるためにも配合されます。 |
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 | 乳化 | 非イオン(ノニオン)界面活性剤です。界面活性剤の中でも特に低刺激な成分。 化粧品ではPEG-●水添ヒマシ油と表示され、●の数値により作用が異なりますが、医薬部外品では詳細はわかりません。 界面活性剤の中でも特に低刺激で、目薬などに使われることも。皮膚刺激はほとんどなく、安全性の高い成分です。 |
ジイソステアリン酸ポリグリセリル | 乳化 | 非イオン(ノニオン)界面活性剤・乳化剤です。 成分を混ぜ合わせるために配合されます。 |
トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル | エモリエント | 化粧品でよく使われるエステル油です。さらっとしたテクスチャの油性成分。 肌の表面に膜を作り、水分の蒸発を防ぎます。肌への刺激の心配はほとんどありません。 クレンジングに配合されている場合は、メイクを浮かせるためのオイル。メイクと落とす力は、そこそこ高めです。 炭化水素油ほどではありませんが、脱脂力があるので乾燥の原因になる可能性があります。 |
ヒドロキシエチルセルロース | 増粘 | 幅広いphで安定した性質の増粘剤で、製品をゲル化させずに増粘します。 メイクアップ製品では顔料などの分散効果も持っています。 |
クエン酸 | ph調整 | 製品を酸性にするph調整剤です。 収れん作用を持ち、毛穴ケアやお肌のキメを整える効果も期待できます。 ph調整剤のため1%以下で配合されている場合は刺激はありませんが、ピーリング目的にたくさん配合されていると刺激になりやすいので注意です。 |
キサンタンガム | 増粘 | 化粧品の粘度を上げて、とろみをつける役割で配合されます。 |
クエン酸ナトリウム | ph調整 | 製品をアルカリ性にするph調整剤です。 キレート(金属イオン封鎖)や酸化防止の役割も。 ph調整剤のため1%以下で配合されている場合は刺激はほぼありません。 |
メタリン酸ナトリウム | キレート | 製品の金属イオンを封鎖して品質を維持します。 一部では肌の炎症の原因になる可能性が指摘されていますが、基本的には濃度も低いし、そこまで刺激はない成分。 品質の維持に意味のある成分ですし、無理に避ける必要はないでしょう。 |
ピロ亜硫酸ナトリウム | 酸化防止 | 通常の酸化防止剤は油溶性のものが多いですが、ピロ亜硫酸Naは水に溶ける性質を持ちます。 水分を多く含むコスメの酸化防止剤として使用されます。 |
ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)ジメチルエーテル | 保湿 | アクアインプールとも言われる、資生堂独自の保湿成分です。 水にも油にも馴染みやすい保湿成分です。 高い保湿力を持ち、使用感も良く、肌のキメを改善冴える効果が期待されています。 |
フェノキシエタノール | 防腐剤 | 防腐剤です。エタノール(アルコール)とは異なる成分です。 抗菌作用が高く、製品中での微生物の繁殖を防ぎます。 高濃度では刺激になる可能性もありますが、化粧品では1%以下でしか配合できず、刺激はほぼありません。 |
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