資生堂の敏感肌向けブランド・ドゥーエのクリームの成分解析です。
ドゥーエ クリームの成分解析
全成分は18種類とややシンプルめな構成。
敏感肌の人でも使いやすいよう、厳選原料を使用しているようです。
低刺激なオイルが中心
クリームなので、高濃度でオイル成分が配合されています。
配合されているオイルの種類を見てみると
- スクワラン
- 水添ポリデセン
- テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル
- ホホバ種子油
などが高濃度で配合されています。
どれも比較的サラッとしたテクスチャのオイルなので、ベタつかない使用感のクリームになっていそうです。
スクワランやホホバ種子油は、皮脂に近い性質を持つので、肌なじみも良いでしょう。
使われているオイルの種類でいうと、安定性が高く低刺激で、敏感肌向けの構成です。
他にも何種類かオイルは配合されていますが、それも安定性が高く低刺激なものです。
水溶性の保湿成分も低刺激
- グリセリン・・・一般的な保湿成分。しっとり&低刺激。
- BG・・・一般的な保湿成分。さっぱり&低刺激。
- キシリトール・・・肌を保湿しつつ、使用時のベタつきを抑える
水溶性の保湿成分はたった3種類。どれも化粧品によく使われる低刺激なものです。
抗炎症成分が入っていない
敏感肌向けの「肌荒れを防ぐこと」がテーマのスキンケア用品って、ほとんどが「グリチルリチン酸2K」「アラントイン」などの「抗炎症効果のある成分」を配合しています。
でもデューエのクリームには、抗炎症系の成分は一切入っていません。
なので抗炎症成分が入ったコスメと比較して「肌荒れケア」の即効性は劣るでしょう。
美容効果はほとんどなし?
この製品にどんな効果があるのかというと「お肌に潤いを与えて、水分の蒸発を防ぐ」のみ。
もちろんこの効果はお肌にとって非常に重要なことです。
でも、一般的なスキンケア用品って、ビタミンC誘導体だったりセラミドだったり、さまざまな機能を持つ美容成分がいろいろ入っているんです。
こういった機能を持つ美容成分は基本的にはメリットの方が大きいんですが、敏感肌の人だと刺激になることも。
ドゥーエは敏感肌のことを徹底的に考えたブランドなので、リスクのある美容成分は排除しているんだと思います。
ありす
敏感肌向けにあえて多くの成分を入れない選択肢は悪くないんですが、特に良い美容成分が入っているわけではないのに30gで2,750円はちょっと高いかな~と感じます。
その他の成分
酸化防止剤(ビタミンE)や、弱い防腐効果のある保湿成分(BG)は使われているものの、パラベンやフェノキシエタノールなどの強い防腐剤は使われていません。
安定性が高い油分のみを使用し、美容成分を最低限にすることで、防腐剤を使わない設計を実現したのだと思います。
乳化剤やテクスチャ調整などの成分も、特に刺激になりそうなものはナシ。
エタノールフリーで香料や着色料も使われておらず、非常に敏感肌向けな構成です。
成分解析のまとめ
- 安定性が高く、刺激になりにくい保湿成分だけを厳選して配合している
- 非常に低刺激だけど、保湿以外の美容効果は得られない
- 防腐剤フリー・無香料・無着色で調整系の成分も低刺激
全成分の詳細
水 | ベース |
---|---|
スクワラン | エモリエント |
水添ポリデセン | エモリエント |
グリセリン | ベース(保湿) |
BG | ベース(保湿) |
テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル | エモリエント |
キシリトール | 保湿 |
ホホバ種子油 | エモリエント |
ベヘニルアルコール | 乳化安定・調整 |
バチルアルコール | 保湿 |
ステアリン酸グリセリル | 乳化 |
イソステアリン酸PEG-60グリセリル | 乳化 |
水添パーム油 | エモリエント(油脂) |
パーム核油 | 調整 |
パーム油 | 油脂 |
クエン酸Na | ph調整・キレート |
クエン酸 | ph調整 |
トコフェロール | 酸化防止剤 |
水 | ベース | ほぼすべての化粧品に成分を溶かし込むために配合されています。 水自体に特別な効果はありませんが、刺激やアレルギーなどのリスクもありません。 |
---|---|---|
スクワラン | エモリエント | 肌の保湿や柔軟作用を持っています。人間の皮脂中に5%含まれており、お肌に馴染みやすい成分。 こってり感はありますが、べたつきにくいので感触改良のためにも配合されます。 100%のオイルをそのままスキンケアに使うことも可能です。 分類としては炭化水素油ですが、石油ではなく動植物由来の成分です。 安定性が高く、酸化や熱による劣化が少ないのも特徴。医薬品の軟膏などにも使用されています。 クレンジングに配合されている場合は、メイクを浮かせるためのオイル。メイクと落とす力は、そこそこ高めです。 脱脂力があるので乾燥の原因になる可能性があります。 |
水添ポリデセン | エモリエント | 炭化水素油です。 肌の表面に膜を作り、水分の蒸発を防ぎます。 |
グリセリン | ベース(保湿) | 化粧品のベースとしてよく使われる保湿成分です。 ベース成分の中でも特に低刺激で保湿力が高いのが特徴。 高濃度で配合されているものは、ニキビ肌との相性は悪いです。 |
BG | ベース(保湿) | 化粧品のベースとしてよく使われる保湿成分です。 低刺激で、グリセリンに比べて保湿力は劣りますがさっぱりした使用感です。 1%以下(成分表示の後方に表示)の場合は、成分を溶かし込むためなどの目的で配合されており、影響はほぼありません。 |
テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル | エモリエント | 膜を作って水分の蒸発を防いだり、外部刺激から守るエステル油です。 水に近くて油が浮きにくい性質を持ち、さまざまな製品で使われています。 油っぽくないのにリッチなテクスチャを持っており、ベース・増粘・分散などの役割を果たします。 |
キシリトール | 保湿 | 保湿成分です。肌を保湿しながらも、使用時のべたつきを抑える効果があります。 お肌のバリア機能をサポートする効果もあります。 |
ホホバ種子油 | エモリエント | 植物(ホホバ)の種から採れるけど、油脂ではなくエステル油に分類される成分。 肌の表面に膜を作り、水分の蒸発を防ぎます。肌なじみがよく、さっぱりした使用感が特徴。 油脂に比べて安定性が高く、アクネ菌のエサにならないので、ニキビ肌でも使いやすい油性成分です。 |
ベヘニルアルコール | 乳化安定・調整 | 水の中に油が溶け込むO/W型の乳化を安定させます。 O/W型は水に流れやすくさっぱり。乳液やクリームなどのスキンケアによく使われる乳化です。 融点が高いので、製品の温度耐性を高める効果も。 製品のテクスチャを調整するために配合されることもあります。 |
バチルアルコール | 保湿 | 肌の表面に膜を作り、水分の蒸発を防ぎます。 べたつきにくく、さっぱりした被膜を作るのが特徴。 増粘してテクスチャを整える役割もあります。 |
ステアリン酸グリセリル | 乳化 | 非イオン(ノニオン)界面活性剤・乳化剤です。グリセリンエステル系で、非常に多くの化粧品に使われています。 界面活性剤ですが刺激はほぼありません。 乳化・分散作用が高く、酸化されにくい構造を持ちます。 |
イソステアリン酸PEG-60グリセリル | 乳化 | 非イオン(ノニオン)界面活性剤・乳化剤です。 水の中に油が溶け込むO/W型に乳化・安定させます。 O/W型は水に流れやすくさっぱり。乳液やクリームなどのスキンケアによく使われる乳化です。 製品を増粘する効果もあります。 |
水添パーム油 | エモリエント(油脂) | 低刺激なエモリエント(保湿)成分です。 表面に膜をつくって、水分の蒸発を防いだり、外部刺激から守ります。 コシがあるけどベタつかない感触の保湿成分で、ワセリンの代わりとして使われることが多いです。 |
パーム核油 | 調整 | ヤシ科のギニアアブラヤシの種子から採れる油脂です。 油脂の一種ですが、エモリエントよりも石けんの合成やテクスチャの調整目的で配合されることが多いです。 |
パーム油 | 油脂 | アブラヤシの果肉から得られる油脂です。。 肌の水分蒸発を防いだり、お肌を柔らかくする作用があります。 オレイン酸とパルミチン酸を多く含む酸化安定性の高い油脂。 石けんの原料にもなり化粧品でよく使われる原料ですが、大量消費による森林破壊などの問題が起こっています。 近年では環境のために使用が減らされる動きにあります。 |
クエン酸Na | ph調整・キレート | 製品をアルカリ性にするph調整剤です。 キレート(金属イオン封鎖)や酸化防止の役割も。 ph調整剤のため1%以下で配合されている場合は刺激はほぼありません。 |
クエン酸 | ph調整 | 製品を酸性にするph調整剤です。 収れん作用を持ち、毛穴ケアやお肌のキメを整える効果も期待できます。 ph調整剤のため1%以下で配合されている場合は刺激はありませんが、ピーリング目的にたくさん配合されていると刺激になりやすいので注意です。 |
トコフェロール | 酸化防止剤 | 製品の酸化を防ぎます。 ビタミンEなので、肌への抗酸化作用も期待できます。 防腐剤の一種ですが、刺激はほとんどありません。 |
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