しみを防ぐ薬用化粧水・ケシミン浸透化粧水 しっとりもちもち肌の成分解析です。
保湿力の異なる3タイプが発売しており、しっとりもちもち肌は中間タイプです。
商品名が「ケシミン」となっていて、なんとなくシミが消えそうなイメージがありますが、あくまでも医薬部外品なので効果効能は「シミ対策(メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ)」です。
有効成分:L-アスコルビン酸 2-グルコシド、グリチルリチン酸2K
その他の成分:ヒアルロン酸Na-2、プルーン酵素分解物、ホオノキ抽出液、サクラ葉抽出液、精製水、濃グリセリン、BG、DPG、水酸化K、POE硬化ヒマシ油、イソステアリン酸POE(20)ソルビタン、カルボキシビニルポリマー、クエン酸Na、EDTA-2Na、クエン酸、エタノール、フェノキシエタノール、パラベン
ケシミン浸透化粧水 しっとりもちもち肌の成分解析
医薬部外品なので、有効成分から解析していきます。
その他の成分はヒアルロン酸からスタートしているので、濃度順では書かれていません。
有効成分は微妙な感じ
美白コスメの成分を見るときに最重視するポイントは「美白有効成分」として配合されている成分。
ケシミンの化粧水に使われているのは[L-アスコルビン酸 2-グルコシド][グリチルリチン酸2K]の2つです。
[L-アスコルビン酸 2-グルコシド]はビタミンC誘導体。
低コストで簡単に配合できるので、よく使われていますが、作用は非常に弱い(ほとんどないかも)と言われています。
[グリチルリチン酸2K]は肌荒れ防止成分で、直接的な美白成分ではなく、日焼けなどによるお肌の炎症を防いでくれる成分です。
美白コスメではよくある組み合わせですが、有効成分のシミ予防の効果はあまり強くないでしょう。
バージニアホワイト+
- ホオノキ抽出液
- プルーン酵素分解物
- サクラ葉抽出液
この3つを組み合わせた、小林製薬独自の複合成分は「バージニアホワイト+」と呼ばれるものです。
薬機法の都合上、バージニアホワイト+は保湿成分で、ビタミンC(L-アスコルビン酸 2-グルコシド)がシミを防ぐと書かれています。
でも、3つの成分の成分それぞれの特徴を見ていくと、メラニンの生成抑制の効果があったりします。
もちろん化粧水なので建前上の効果は「保湿」だし、プチプラ化粧水に入っている植物エキスなので効果があるような濃度かもわかりませんが、使ってみる価値はあると思います。
シミにアプローチする成分?
- L-アスコルビン酸 2-グルコシド
- ホオノキ抽出液
- プルーン酵素分解物
この3つの成分に関する、面白い情報が見つかりました。
薬機法の都合上、ケシミンの商品ページからリンクはされていませんが、小林製薬が発表したニューリリースに「できてしまったメラニンに着目 シミへの新アプローチ~メラニン集合体を分解する成分を発見~」というページがあります。
内容を確認してみると
- ビタミンC誘導体(L-アスコルビン酸 2-グルコシド)、ホオノキ抽出液、プルーン酵素分解物の3成分を組み合わせることで、高いメラノソーム分解能が示された。
- 3成分の併用で、3次元培養皮膚モデルにおけるメラニン生成が大幅に抑制された。
- ヒトでの試験においても、3成分配合クリームによって高い色素沈着抑制効果が示された。
という概要が書かれています。
簡単に結論を言うと「3成分を組み合わせると、ヒトの肌の試験結果でも、色素沈着の抑制効果があった」というものです。
試験で使われたのは3成分を配合したクリームなので、ケシミンの化粧水でどれだけ効果が出るのかはわかりません。
また[ホオノキ抽出液][プルーン酵素分解物]は薬機法の都合上「保湿成分」や「バージニアホワイト+」として紹介されていますが、何かしらシミ予防に良い効果があるかもしれません。
残りの美容成分をざっと解説
- ヒアルロン酸Na-2:化粧品でよく使われる保湿成分。肌の水分保持を助ける。
- 濃グリセリン:一般的な保湿成分。しっとり&低刺激。
- BG:一般的な保湿成分。さっぱり&低刺激。
- DPG:一般的な保湿成分。低コストで簡単に配合できるが、濃度が高いと少し刺激になるかも。
特に珍しいものは入っていなくて、一般的な化粧水でよく使われるものばかりです。
成分が濃度順に並んでいないのでなんとも言えませんが、DPGの濃度が高ければ、肌の弱い人は少し刺激を感じる可能性があります。
濃度不明だけど、エタノールを配合
全成分が濃度順に並んでいないので、どの程度入っているか、わかりませんが、エタノールが使用されています。
化粧品で「アルコール」と呼ばれている、揮発性の高い成分です。肌に塗っても短時間でなくなって、さらっと乾きます。
使用感の向上、清涼感の演出、抗菌、浸透、成分を溶かし込むなどの目的で配合されます。
高濃度で配合されていると、ツンとしたにおいがあり、刺激や乾燥の原因になることも。
1%以下(成分表示の後方に表示)の場合は、成分を溶かし込むためなどの目的で配合されており、影響はほぼありません。
濃度や肌質によっては、乾燥や刺激を感じることがあるかも。
ちなみに着色料や香料は不使用、防腐剤や乳化剤は一般的な低刺激なものを使っています。
ケシミンはメラノCCの劣化版?
ケシミンと良く比較されるプチプラ美白化粧水といえば、メラノCC。
メラノCCの化粧水には有効成分で3-O-エチルアスコルビン酸が使われており、有効成分だけで比較するとメラノCCの方が効果の強い美白化粧水だと思います。
ただし、強めのビタミンCたっぷりのメラノCCは刺激や乾燥の原因になりやすいこともあります。
一方、ケシミンに使われているビタミンCは[L-アスコルビン酸 2-グルコシド]というマイルドなもの。
その他の成分なので法律上は保湿成分ですが、単体ではメラニンを抑制する効果もあると言われている[ホオノキ抽出液][プルーン酵素分解物][サクラ葉抽出液]が配合されています。
プチプラに入っている植物エキスなので、そんなに強い効果が期待できるものではありません。
その分、ビタミンCがガンガン入ったメラノCCよりも使用感はマイルドかも。
成分解析で見た美白作用が強そうなのはメラノCCですが、人によってはケシミンの方が合うってことも普通にあると思います。
成分解析のまとめ
- 使われている有効成分(ビタミンC)は作用の穏やかなもの
- プルーン酵素分解物などの美容成分の効果に期待
- 小林製薬が独自に研究した成分が使われている
L-アスコルビン酸2-グルコシド | 透明感 | 水溶性のビタミンC誘導体の一種で、安定性が高く、低コストで配合できるので多くの商品で使われています。 メラニン還元型で(薬機法的にはこれを使えばなるとは言えませんが)理論上では高濃度ならシミを薄めることも可能な成分。 ただし、肌にある酵素で分解できない成分なので、本当に美白効果があるのかという声も。 また、「L-アスコルビン酸 2-グルコシド」を配合した美白化粧品で白斑が出たり刺激があったというデータもあります。 どちらにしろ「おだやかな作用を持つ美白成分」と思っておいた方が良いでしょう。 かなり多くの製品に配合されている中で、ごく僅かな例なので、絶対に避けるほどではなさそう。 結論としては効果があるか微妙&リスクがあるので、あまり良い成分ではありません。 |
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グリチルリチン酸2K | 整肌 | 肌の炎症を鎮める効果があり、肌荒れケア・ニキビケア・美白系のコスメによく配合されます。 有効成分として配合できる成分で、ある程度の濃度があれば、けっこうすぐに効果が現れます。 抗炎症成分が複数配合されていたり、他の抗炎症系コスメと重ね塗りしたり、長期的に使いすぎると、刺激になったり、肌本来の機能が弱まる可能性もあるので注意。 |
ヒアルロン酸Na-2 | 保湿 | 化粧品でよく使われる定番の保湿成分です。1gで2~6Lの水分保持力があります。 肌の細胞と細胞の間で、水分の保持やクッションのような役割をしている、保湿に重要な成分。 粘度が非常に高く、配合量が多いと、とろっとしたテクスチャになります。 |
プルーン酵素分解物 | 透明感 | セイヨウスモモの果肉を酵素で分解して作られる成分です。 メラニンの輸送をブロックして、色素沈着を抑制します。 抗老化、抗酸化などの作用もあると言われています。 |
ホオノキ抽出液 | 保湿 | 植物由来の保湿成分です。 メラニンの生成を抑制する効果もあると言われています。 |
サクラ葉抽出液 | 整肌 | 日本では昔から民間薬として、肌荒れやかゆみなどの肌の炎症に使われてきました。 保湿や美白作用もあると言われています。 |
精製水 | ベース | ほぼすべての化粧品に成分を溶かし込むために配合されています。 水自体に特別な効果はありませんが、刺激やアレルギーなどのリスクもありません。 |
濃グリセリン | 保湿 | 化粧品によく使われる低刺激な保湿成分です。 一般的なグリセリンは85%前後の濃度ですが、濃グリセリンは95%以上の濃度。 グリセリンよりもさらに保湿力が高く、重いテクスチャをしています。 |
BG | ベース(保湿) | 化粧品のベースとしてよく使われる保湿成分です。 低刺激で、グリセリンに比べて保湿力は劣りますがさっぱりした使用感です。 1%以下(成分表示の後方に表示)の場合は、成分を溶かし込むためなどの目的で配合されており、影響はほぼありません。 |
DPG | ベース(保湿) | 化粧品のベースとしてよく使われる保湿成分です。 さっぱり系の使用感で、低コストで配合できるのが特徴です。 眼睛刺激やわずかな皮膚刺激の可能性があり、無理に避けるほどではありませんが、濃度が高いものは注意しましょう。 |
水酸化K | 洗浄or調整 | 強いアルカリの性質を持ち、高級脂肪酸や油脂と混ざることでカリ石けん素地(陰イオン界面活性剤)になります。 水酸化Naで作った石けん素地に比べて、水に溶けやすいので、主に液体タイプの化粧品に使われます。 単独では強い刺激のある成分ですが、化粧品では中和されているため刺激はほぼありません。 製品の増粘やph調整のために配合されることもあります。 |
POE硬化ヒマシ油 | 乳化 | 非イオン(ノニオン)界面活性剤です。界面活性剤の中でも特に低刺激な成分。 化粧品ではPEG-●水添ヒマシ油と表示され、●の数値により作用が異なりますが、医薬部外品では詳細はわかりません。 界面活性剤の中でも特に低刺激で、目薬などに使われることも。皮膚刺激はほとんどなく、安全性の高い成分です。 |
イソステアリン酸POE(20)ソルビタン | 乳化・洗浄 | 非イオン(ノニオン)界面活性剤です。界面活性剤ですが刺激はほぼありません。 製品を水の中に油が溶け込むO/W型に乳化します。 O/W型は水に流れやすくさっぱり。乳液やクリームなどのスキンケアによく使われる乳化です。 クレンジングの成分を洗い流す成分として配合されることもあります。 |
カルボキシビニルポリマー | 増粘・乳化安定 | よく使われる合成ポリマーで、製品にとろみをつける・ジェル化させる目的で配合されています。 じ名前でも増粘効果が異なるものが多数存在します。 アルカリ性の成分と反応するので、水酸化Kや水酸化Naと共に配合されます。 製品の乳化や油分・粉を分散させる役割もあります。 天然ガム類(多糖類)よりも増粘効果・均一性・温度変化に対する安定性が優れているのが特徴。 肌に乗せると塩分や脂肪酸の影響で水のようにさらっとした性質に変化します。 皮膜を作って水分の蒸発を防いだり、肌をバリアする機能も。 合成ポリマーと聞くとあまり印象は良くないですが、肌への負担や刺激はなく、安全な成分です。 |
クエン酸Na | ph調整・キレート | 製品をアルカリ性にするph調整剤です。 キレート(金属イオン封鎖)や酸化防止の役割も。 ph調整剤のため1%以下で配合されている場合は刺激はほぼありません。 |
EDTA-2Na | キレート | 製品の金属イオンを封鎖して品質を維持します。 刺激の可能性も指摘されていますが、化粧品に少し配合される程度ではそれほど影響はありません。 品質の維持に意味のある成分ですし、無理に避ける必要はないでしょう。 |
クエン酸 | ph調整 | 製品を酸性にするph調整剤です。 収れん作用を持ち、毛穴ケアやお肌のキメを整える効果も期待できます。 ph調整剤のため1%以下で配合されている場合は刺激はありませんが、ピーリング目的にたくさん配合されていると刺激になりやすいので注意です。 |
エタノール | ベース | 化粧品で「アルコール」と呼ばれている、揮発性の高い成分です。 使用感の向上、清涼感の演出、抗菌などの効果があります。 高濃度で配合されていると、ツンとしたにおいがあり、刺激や乾燥の原因になることも。 1%以下(成分表示の後方に表示)の場合は、成分を溶かし込むためなどの目的で配合されており、影響はほぼありません。 |
フェノキシエタノール | 防腐剤 | 防腐剤です。エタノール(アルコール)とは異なる成分です。 抗菌作用が高く、製品中での微生物の繁殖を防ぎます。 高濃度では刺激になる可能性もありますが、化粧品では1%以下でしか配合できず、刺激はほぼありません。 |
パラベン | 防腐 | ごく少量の配合で、製品の抗菌・防腐に高い効果を発揮します。 パラベンは避けられがちですが、実際には化粧品に配合する防腐剤の中では毒性が低く、お肌への刺激も少ない防腐剤です。 化粧品では~パラベンと種類が記載されますが、医薬部外品ではパラベンとまとめて表示されます。 |
- ビタミンC誘導体がシミの元を分解
- バージニアホワイト+配合でうるおいに満ちた透明感のある肌へ
- ヒアルロン酸(保湿成分)配合
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