MENU
目次

【成分解析】化粧品のアルコール(エタノール)の効果や肌荒れリスクを解説

【成分解析】化粧品のアルコール(エタノール)の効果や肌荒れリスクを解説

[このサイトはプロモーションを含みます]

ありす

ありす

こんにちは✨化粧品検定1級の美容ブロガーのありすです。

今回はコスメの成分でよく出てくる『アルコール(エタノール)』について説明します。

エタノールはさまざまな効果がある反面、肌荒れリスクもあるので、慎重に選ぶ必要がある成分です。

目次

そもそもアルコール(エタノール)って何?

エタノール
※「無水エタノール」もエタノール

化粧品ではアルコール=エタノール or 無水エタノールです。

全成分表示にフェノキシエタノールや、~アルコールという文字があっても、性質が異なる成分で、化粧品ではアルコール扱いにはなりません。

エタノール(無水エタノール)以外が入っていても、アルコール独特の使用感や刺激を気にしなくてOKです。

↓以下、詳しい説明に入りますが、ややこしい詳細説明なので次の見出しまで読み飛ばしてOKです。↓

一般的にアルコールは、化学構造に水酸基(OH)がつくものを指します。

化粧品で言うアルコールは、一価アルコール(OHがひとつのアルコール)の中でも炭素が6個以下の低級アルコールに分類される『 エチルアルコール( C2H6O )』のことを差し、全成分表示では『エタノール』と表記されます。※医薬部外品では無水エタノールの表記もあり

飲用のお酒とも全く同じ成分です。

エタノールは非常に多くのコスメで使われている成分で、化粧品技術者のためのデータベースサイト(Cosmetic-Info.jp)では、登録されている67638製品のうち19488製品、約30%弱の化粧品にエタノールが配合されています。

一価アルコールの中でも『エタノール』以外のセテアリルアルコールやベヘニルアルコール、多価アルコールのグリセリンやポリエチレングリコールは全く異なる性質を持ち、化粧品では『アルコール』の扱いにはなりません。

無水エタノールはエタノールと全く同じ化学構造を持つ成分。

違いは水の量で、エタノールは濃度95%程度、無水エタノールは濃度99%以上になります。

ちなみにエタノールは濃度が高すぎると殺菌力が落ちるので、医療で使われる『 消毒用エタノール 』は濃度76~81%程度です。

ありす

ありす

この記事ではわかりやすいように、以後『化粧品のアルコール』『エチルアルコール』『無水エタノール』を『エタノール』で統一します。

配合されている濃度に注目❗

エタノールが配合されたコスメの成分を解析するとき、その『濃度』は重要です。

全成分の中で、エタノールの濃度が1%未満の場合は影響はほぼありません。

※アレルギーの方は1%未満でも反応を起こす場合があります

成分の中でどのぐらいの濃度でエタノールが入っているのか見極める方法をご紹介しますね。

化粧品の全成分は配合量の多い順に書かれ、濃度1%以下の場合は順不同です。

エタノールはあまり印象の良くない成分なので、濃度1%以下の場合は成分のかなり最後の方に書かれることが多く

  • 全成分の前の方(だいたい5番目以内)に書かれている:高濃度で配合
  • 全成分の後ろの方に書かれている:1%以下の配合量

だいたいこの2パターンです。

まぁどっちにしろ、全成分の5番目以内にあればエタノールが高濃度の可能性大、それ以下なら高濃度ではないと思っておけばOKです。

また、植物エキスやヒアルロン酸など、1%以上入れる可能性の低い成分より後に書かれている場合も1%未満です。(これは見極めがやや難しいです。)

例を出すとしたらこんな感じです。

高濃度1%以下
水、ジメチコン、DPG、エタノール、ペンチレングリコール、グリセリン、ベタイン、ユズ果実エキス、コメ胚芽油、ソメイヨシノ葉エキス、モウソウチクたけのこ皮エキス、ユズ種子油、温泉水、スブチリシン、プロテアーゼ、パパイン、ポリクオタニウム-61、シクロデキストリン、PPG-9ジグリセリル、ジグリセリン、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、フェノキシエタノール、ジメチコンクロスポリマー、ジメチコノール、カルボマー、水酸化Na、アミノプロピルジメチコン、エチルヘキシルグリセリン、キサンタンガム、ペンテト酸5Na、1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、アルギン酸Na、BG、リン酸2Na、リン酸K、トコフェロール、香料
草花木果マスクジェル
ダマスクバラ花水、プロパンジオール、水、α-グルカンオリゴサッカリド、ツバキ油、ヒマワリ種子油、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、(C14-22)アルコール、ハチミツエキス、ビルベリー葉エキス、カニナバラ果実エキス、シャクヤク根エキス、加水分解オクラ種子エキス、トウキンセンカ花エキス、ローズマリーエキス、加水分解ハトムギ種子、キュウリ果実エキス、月見草油、コメ胚芽油、ダイズ油、乳酸桿菌/ダイコン根発酵液、サリックスニグラ樹皮エキス、オニサルビア油、ニオイテンジクアオイ油、ビターオレンジ花油、イランイラン花油、ラベンダー油、ビターオレンジ葉/枝油、オレンジ果皮油、アルキル(C12-20)グルコシド(小麦)、キサンタンガム、トコフェロール、デキストリン、ステアリン酸ポリグリセリル-2、ステアリン酸グリセリル、ステアリルアルコール、エタノール、BG
HANAオーガニックムーンナイトミルク

高濃度といっても、スキンケアなら拭き取り化粧水でも多くて30~40%ぐらいが限界ですね。

医薬部外品(薬用化粧品)の場合は濃度を配合量順に書く必要がないので、成分を見ただけではわかりません。

見極めるには、実際に使ったときの使用感やにおいから、配合濃度を判断するしかないです。

エタノールの効果と配合目的

エタノールを化粧品に配合することで得られる効果は

  • 清涼感の演出
  • 浸透感の演出
  • 肌の引き締め
  • お肌の洗浄効果
  • 抗菌・防腐
  • 香料や着色料の溶剤
  • 植物成分を抽出する溶剤

などがあります。

エタノールは揮発性が高い

まず大前提として覚えておきたいのは、エタノールは揮発性が高いということです。

揮発性が高いというのは、常温でも液体→気体の状態になりやすいという意味。

もっとわかりやすい言葉でいうと、常温でもすぐに蒸発するということですね。(揮発は蒸発の一種の現象です)

エタノールを使ったコスメはこの揮発を利用した効果を出しているものが多いです。

清涼感の演出効果

エタノールは揮発する際に、肌の表面の熱を一緒に奪っていきます。

人の皮膚は一気に熱が奪われることで、ひんやりした感覚を感じるので、エタノールを配合すると製品に清涼感が生まれます。

夏用のひんやり系コスメや、制汗シートなどによく使われる効果です。

私が試したものだと、ハウスオブローゼのシャーベットローションなどがこれに該当しますね。

男性用のスーっとした使用感のコスメにもエタノールの清涼効果を利用したものが多いですね。

人によってはこの清涼感を刺激と感じる場合もあるかも。

清涼感は製品を使った際にわかりやすので「この製品にはエタノールが多く配合されているか」を判断する基準にもなります。

ただし清涼感はエタノール以外にもメントールなど他の成分で出すことも出来るので、清涼感がある=エタノールが高濃度とは限りません。

また、清涼感を演出するには、それなりに高濃度のエタノールを配合する必要があります。

全成分の後方(1%以下)の濃度では清涼感はありません。

浸透感の演出効果

エタノールは揮発して水分がなくなる成分なので、化粧品が肌に浸透したような演出をする効果があります。

ただし実際は「肌に水分が浸透した」のではなく「水分が空気中に蒸発しただけ」なので、なんの美容効果もありません。

むしろ揮発する際に肌にある水分まで奪うので、乾燥の原因になります。

浸透感を売りにしたコスメはエタノールの揮発性を利用していることがあるので注意しましょう。

こちらも、それなりに高濃度で配合された場合に感じる効果です。

肌の引き締め効果

エタノールを肌につけると、肌全体がきゅっと引き締まったり、毛穴が目立ちにくくなります。

引き締め系のコスメや、毛穴ケア系のコスメによく使われる効果です。

エタノールによる引き締め効果は一時的なもので、持続性はありません。

こちらも、それなりに高濃度で配合された場合に感じる効果です。

お肌の洗浄効果

エタノールには肌の表面にある皮脂や汚れを取り除く効果があります。

洗浄効果と表しましたが、石鹸などの界面活性剤とは違った仕組みです。

拭き取り化粧水や、汗拭きシートなどによく使われる効果です。

場合によっては、必要な皮脂まで取りすぎて乾燥することもあるので注意⚠

洗浄目的でエタノールを配合している場合は、他の目的よりもさらに高濃度なケースが多いです。

抗菌・防腐効果

エタノールは抗菌・防腐の効果があるので、パラベンなどの防腐剤の代わりや補助として配合されることもあります。

また、ニキビ用の化粧品では、ニキビに対する抗菌のために配合されることも。

抗菌・防腐効果を発揮するには、それなりに高濃度(最低でも5%以上)のエタノールの配合は必要です。

全成分の後方(1%以下)の濃度では抗菌・防腐効果はほぼありません。

香料や着色料の溶剤

エタノールは水に比べて、さまざまな成分を溶かしやすく、蒸発して溶かした成分だけを残す特徴があります。

なので、水では溶けにくい香料や着色料を溶かし込んだり、最終的には溶かした成分だけを残すための溶剤として使われることが多いのです。

マニキュアや香水のベースに使われている場合は、かなり高濃度で配合されているものもありますが、スキンケア製品では溶剤だけの目的ならほとんどの製品で1%以下の濃度です。

植物成分を抽出する溶剤

~エキスなどの植物成分を抽出するための溶剤として使われることもあります。

植物成分抽出の溶剤としてエタノールが使われる場合は濃度は低く(ほぼ1%以下)、キャリーオーバー成分として全成分に表記されないこともあります。

エタノールの肌荒れリスク

エタノールの肌荒れリスク

エタノールはさまざまな効果がある反面、肌荒れのリスクも潜んでいます。

高濃度だと乾燥⇒肌荒れの可能性大

エタノールが高濃度で配合されているコスメ(目安は全成分の5番目以内に記載)の場合、肌の乾燥を招く可能性が高いです。

先ほどの『浸透感の演出効果』の見出しでも解説したように、

乾燥は肌質を問わずに起こるリスクで、普通肌や脂性肌の人でも

「この化粧品を使い始めてから、肌が乾燥しやすくなったなぁ」と感じたときは、エタノールが原因のケースはけっこう多いです。

肌が乾燥すると、肌荒れをはじめとした肌トラブルが起こりやすくなるので、要注意ですね。

成分表示の後方(1%以下)の場合は、エタノールによる乾燥の影響はほとんどありません。

刺激は肌質による

刺激に関しては、肌質によって異なります。

特に敏感肌の人、肌荒れしやすい人、肌がゆらぐ時期、生理中などはエタノールに反応して刺激を感じることが多いです。

  • 高濃度でも全く刺激を感じない人
  • 少量なら刺激を感じず、高濃度だと刺激を感じる人
  • 少量でも刺激を感じる人(アルコール過敏症、アルコールアレルギー)

などさまざまですが、多数派なのは『少量なら刺激を感じず、高濃度だと刺激を感じる人』ですね。

エタノールによる肌荒れを防ぐには?

濃度1%未満の(全成分表示の最初の方にエタノールがない)ときは影響はほぼないので、無理にエタノールを避けなくてもOKです。

エタノールによる肌荒れを防ぐには、1%未満またはエタノールフリーのものを選びましょう。

ただしアレルギー・過敏症がある方は1%未満でも症状が出る可能性があるので、エタノールフリーを選んだほうが無難です。

エタノールで刺激があったときの症状

  • ヒリヒリする
  • 赤みがでる
  • かゆくなる
  • 紅班が出る
  • 蕁麻疹が出る

これらの症状を感じた場合は、エタノールで肌が刺激を受けているかも。

人によっては、エタノールの清涼感によるすーっとした使用感を刺激と感じることもあります。

エタノール→刺激ではなく、エタノールによる乾燥→刺激として感じるパターンもけっこう多いです。

アルコール過敏症・アルコールアレルギーの方は注意⚠

アルコール過敏症、アルコールアレルギーの場合は少量(1%未満)の配合でも刺激を感じる場合があります。

注射の前の消毒で肌が赤くなったり、ヒリヒリする人はアルコール過敏症、アルコールアレルギーの傾向があるかも。

飲用のお酒の強い・弱いは肝臓でアルコールを分解する機能の違いなので、肌とアルコールとの相性は関係ありません。

ただし、お酒を飲むと極端に体調が悪くなる方は、体質的にエタノールが合わないケースもあるので要注意です。

エタノールのキャリーオーバーについて

全成分に『エタノール』の表記がなくても、キャリーオーバー成分としてエタノールが含まれている場合もあります。

キャリーオーバー成分とは、原料を抽出したり、保管する段階でわずかに含まれる成分のことで、全成分に表示する義務がないのです。

エタノールの場合は、植物エキスの抽出の溶剤として使われることが多いです。

キャリーオーバー成分としてのエタノールは入っていてもごく少量なので基本的には気にしなくて良いですが、重度のアルコール過敏症・アルコールアレルギーの方はキャリーオーバー成分にも用心した方が良いでしょう。

キャリーオーバーとしてのエタノールも避けるには

  • アルコールフリー、エタノールフリーの記載がある
  • 商品説明に「キャリーオーバー成分もすべて記載」と書いていて、エタノールの表記がない

といったものから選べばOKです。

まとめ:高濃度のエタノールはメリットもあるけど要注意な成分

エタノールのデメリットについて述べてきましたが「エタノールの高濃度のコスメは悪!絶対ダメ!」というわけではありません。

最初に書いたようにエタノールを配合することで得られる効果もあります。

乾燥や刺激のリスクがあるものの、危険性はそれほど高くはありません。

『乾燥しにくく、刺激も感じない肌質 』の人であればエタノール高濃度のコスメでも何も問題なく使えているケースもあります。

エタノールは濃度や肌質や目的をしっかり考えた上で使うのであれば、無理に避けるほど危険な成分ではないでしょう。

💡おまけ💡エタノールに関する疑問を解決

化粧品に入ったエタノールを飛ばすことができるって本当❓

水の沸点は100℃、エタノールの沸点は78.3℃です。

つまり80℃程度で加熱し続けると、原理上はエタノールを飛ばすことが出来ます。

でも実際にやっちゃうと

  • エタノール以外の成分も蒸発や分解してしまう
  • 製品内のバランスが崩れて品質が変わる
  • 加熱時に雑菌が入って劣化しやすくなる

といったデメリットがたくさん。わざわざ加熱してエタノールを飛ばして使うというのはおすすめしません。普通にエタノールフリーのコスメを買いましょう。

デパコスはエタノールが高濃度❓

CLINIQUEの拭き取り化粧水
※CLINIQUEの拭き取り化粧水にもエタノールは高濃度で入っています

最後にひとつ補足ですが、デパコス(特に化粧水)はエタノールが高濃度で配合されているものが非常に多いです。

理由は、デパコスはその場でお客さんに使ってもらって、購入を判断してもらうから。

エタノールを配合することで「お肌にぐんぐん浸透して、すぐに馴染んで、べたつきません✨」という使用感を演出できるので、売り込みやすいんですよね💦

その後、シリコーンが配合された乳液や美容液で肌をコーティングしてつるんとさせると、一時的にお肌の状態は良くなったように見えます。

しかし実際のところは

  • エタノール高濃度→乾燥や刺激で肌状態が悪化するかも
  • シリコーン→コーティングされて一時的につるんと綺麗になるけど、肌質が改善するわけではない

というだけなので、長期的に使うと肌状態が悪化する恐れもあります。

私はデパコスのスキンケアも買う派ですが、エタノールの濃度には注意して使っています。

エタノールフリーのおすすめコスメ

【成分解析】化粧品のアルコール(エタノール)の効果や肌荒れリスクを解説

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

美容、メイク、おしゃれ等にはまっている20代の3児のママ。
コスメレビュー、コスメ成分解析、コスメサブスク、ファッションレンタルなどの情報を発信しています。

Sponsored Link

コメント

コメントする

目次