話題のまつ毛美容液「EMAKED(エマーキット)」の成分解析です。
名前はDで終わっているけど「エマーキッド」ではなく「エマーキット」と読むんですね。
また、アルファベットの名前(EMAKED)を反対から読むと「DEKAME(デカ目)」という名前になっています。
水、加水分解ムコ多糖、ヒアルロン酸Na、カプリリルグリコール、ヘキサペプチド-2、パルミトイルペンタペプチド-4、乳糖Na、PCA-Na、ソルビトール、プロリン、リン酸Na、ビオチン、チャ葉エキス、オタネニンジン根エキス、イチョウ葉エキス、塩化Na、パパイア果実エキス、ブドウ糖エキス、シルクアミノ酸、フェノキシエタノール、ホクベイフウロソウエキス、カンゾウ根エキス、パンテノール、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマー、ポリソルベート20、TEA、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン
エマーキットの成分解析
エマーキットの成分解析です。
まつ毛に良さそうな成分
濃く・長いまつ毛を作るのに一番重要なことは「保湿」です。
まつ毛の生え際をしっかり保湿して整えておくことで、丈夫なまつ毛が生え、抜けにくくもなるので、濃く・長いまつ毛が手に入ります。
全成分で前半にある(濃度の高い)、[加水分解ムコ多糖類][ヒアルロン酸Na][カプリリルグリコール]などは保湿成分ですね。他にも保湿作用のある美容成分は多く入っています。
育毛効果があると言われている成分は[チャ葉エキス][パンテノール]あたりかな。
血行促進作用のある[オタネニンジン根エキス][イチョウ葉エキス]あたりも育毛に関係してそうです。
ただ、どれもそんなに強い作用を持つ成分ではないので、短期間で劇的な育毛を発揮するとかはなさそうです。
まつ毛が伸びるけど副作用が強い成分「プロスタグランジン構造類似体(緑内障治療薬)」は入っていない
塗るとまつ毛が伸びる成分として有名なものに「プロスタグランジン構造類似体」というものがあります。
これは「まつげ貧毛症」という症状の治療のために、皮膚科などで処方されるルミガンやケアプロストなどの医薬品に入っている成分です。
元々は緑内障の治療のために作られたお薬ですが、副作用として毛が増えるため、2008年にFDA皮膚科と眼科薬諮問委員会が美容目的として承認しました。
ルミガンやケアプロストは医薬品なので確かに効果は強いんですが、色素沈着をはじめとした副作用がけっこう報告されているので、美容目的での使用は控えた方が良い成分です。
そして、市販のまつ毛美容液でもこの「プロスタグランジン構造類似体」を配合しているものがあります。
有名なものだと、ビューティーラッシュ、ラピッドラッシュ、リバイタラッシュなどが該当しますね。
ルミガンやケアプロストなどの医薬品と同じく、たしかにまつ毛は伸びやすいんですが、副作用がかなり強め。
使用するにはけっこうなリスクがあります。
全成分表示を見たところは、エマーキットにはプロスタグランジン構造類似体は入っていなさそうですね。
本当は緑内障治療薬が入ってる?
化粧品の成分解析で有名なかずのすけさんのブログとかだと「色素沈着の報告もあるし、まつ毛が伸びたという意見が多い、本当はプロスタグランジン構造類似体が入っているのでは?ビューティーラッシュと成分が似ているから中身を詰め替えているのでは?」という考察がありました。
参考:まつ毛美容液「エマーキット」の謎。「ビューティラッシュ」との不自然過ぎる共通点…
確かに他社の化粧品の中身を買って、自社の容器に入れて販売するというのは、あり得る手法です。
個人的には、わざわざ原料を隠して売ってもすぐバレることだし、そんなリスクのあることするかな?と感じました。
でも、全成分を見る限りそんなに強そうな成分が入ってるわけでもないのに「伸びた」「濃くなった」という口コミがあるので、ありえない話ではないかも。(かずのすけさんも断定ではなく「可能性は少なからずある」という言い方でした。)
あとは私が個人的に思った仮説だと、色素沈着の原因はこのあたりかな。
- 使っている人の母数が多いから、悪い声も多く出てくる
- まつ毛ではなく、目のきわギリギリに筆で塗るタイプだから、塗るときの刺激で色素沈着が起きやすい
化粧品の中では刺激が強め
これはエマーキットだけでなく、どんなまつ毛美容液でも言えることですが、目のきわは顔の中でも特にデリケートな部分です。
一般的な化粧水や美容液よりは、合わなかったときのリスクは高いと思ってください。
入っている成分が合わないと、赤くなったり、目が充血したり、腫れてしまうといった可能性がありますね。
広く出回っている商品なので失明するような大事故はないとは思いますが、軽微な目元の不調があったという口コミはちらほら聞きます。
ありす
ほとんどの人は大丈夫だろうし、だから使っちゃダメというわけではありませんが、大切な予定がある1~2週間前からは、初めての使用は避けた方が良いと思います。
防腐剤に5種類のパラベンを使用
防腐剤として5種のパラベンとフェノキシエタノールが入っています。
デリケートな目元に塗る商品なので、防腐剤による刺激が気になるところですが、まつ毛美容液は目のきわに塗る商品なので雑菌が繁殖しやすいんですよね・・・💦
防腐剤による刺激よりも、繁殖した雑菌による刺激の方が怖いので、防腐剤は当然入っていた方が良いです。
そもそも化粧品に使われている防腐剤って、よっぽど量が多い、刺激の強いものを使っている、肌に合わないとかじゃない限り、ほぼ影響はありません。
ニキビケアコスメや大容量タイプのシートマスクなんかは、防腐剤や抗菌作用のある成分を多く入れがちなので刺激になりやすいですが、目元に使うまつ毛美容液は、そんなに多くの防腐剤を入れません。
また、エマーキットは複数の防腐剤を組み合わせることで、さまざまな種類の菌に対して効果を発揮し、1つあたりの濃度を減らす工夫もしているんじゃないでしょうか。
成分解析のまとめ
- まつ毛を丈夫に育てる保湿や血行促進系の成分が入っている
- もしかしたら緑内障治療薬が使われているのでは?という噂がある
- 防腐剤の種類が多いけど、ひとつあたりの濃度を下げるために種類が多く入れられている可能性が高く、特にネガティブな要素ではない
水 | ベース | ほぼすべての化粧品に成分を溶かし込むために配合されています。 水自体に特別な効果はありませんが、刺激やアレルギーなどのリスクもありません。 |
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加水分解ムコ多糖 | 保湿 | 植物性コンドロイチンとも呼ばれる多糖類の一種です。 お肌の保水や弾力をサポートする効果があると言われています。 |
ヒアルロン酸Na | 保湿 | 化粧品でよく使われる定番の保湿成分です。1gで2~6Lの水分保持力があります。 肌の細胞と細胞の間で、水分の保持やクッションのような役割をしている、保湿に重要な成分。 粘度が非常に高く、配合量が多いと、とろっとしたテクスチャになります。 |
カプリリルグリコール | 保湿 | 保湿成分ですが高い抗菌性を持っており、防腐剤代わりとしても使われています。 防腐効果を持つため、高濃度で配合されると刺激になる可能性があるので注意しましょう。 |
ヘキサペプチド-2 | 透明感 | アミノ酸から構成される合成ペプチドです。 メラニンをブロックする作用があり、美白コスメによく配合されます。 |
パルミトイルペンタペプチド-4 | エイジングケア | アミノ酸で構成されたペンタペプチドに、浸透性を高めるためにパルミチン酸を合わせた成分です。 コラーゲンの生成を助ける作用があります。 |
乳糖Na | 保湿 | 角質層を柔軟化したり、水と結合して蒸散を防ぐ保湿作用があります。 穏やかな角質除去・抗菌作用も期待できます |
PCA-Na | 保湿 | 人の肌に存在するアミノ酸の一種で、天然保湿因子にも含まれるPCAのナトリウム円です。 他のアミノ酸と一緒に天然保湿因子に近い成分を作り上げ、保湿・肌バリアを改善します。 洗顔料のつっぱり感、髪のきしみ防止のために配合されることもあります。 |
ソルビトール | 保湿 | 化粧品でよく使われる一般的な保湿成分です。 粘度が高いので、増粘剤としての役割も果たします。 |
プロリン | 保湿 | 人の体内に存在するアミノ酸の一種で天然保湿因子(NMF)にも含まれます。 角質層の水分量を増加させ、お肌を保湿する効果を持ちます。 |
リン酸Na | ph調整 | pH調整剤(酸性)です。 主に製品のpHを調整する目的で配合されます。 抗酸化作用、コラーゲンの合成を助けて水分の保持力をサポートする効果もあります。 |
ビオチン | 保湿 | ビタミンBの一種で、アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎を改善する保湿成分としての効果が報告されています。 アスコルビン酸Naと配合するとメラニン抑制作用もあります。 |
チャ葉エキス | 整肌 | チャカテキン(ポリフェノール)、カフェイン、ビタミンC、ビタミンE、アミノ酸などを含む抗炎症成分です。 消炎、抗酸化、抗菌、収れん、消臭、育毛、美容、保湿などの作用もあると言われています。 |
オタネニンジン根エキス | 保湿 | 朝鮮人参の根から抽出されるエキスで、保湿以外にも美白、血行促進などの効果があると言われています。 |
イチョウ葉エキス | 植物エキス | イチョウ科のイチョウから採れる植物エキスです。 抗酸化・血行促進作用やチロシナーゼを阻害してメラニンの生成を防ぐ効果があると言われています。 |
塩化Na | 調整 | 製品の増粘、乳化安定、収れん、殺菌などの作用があります。 基本的には安全ですが、スクラブ目的で大量に配合されていると、刺激になることもあります。 |
パパイア果実エキス | 植物エキス | パパイア科のパパイアの果実から採れる植物エキスです。 カロチン、ビタミンC、パパイン(タンパク質分解酵素)などを含み、角質除去作用があると言われています。 |
ブドウ糖エキス | 保湿 | 糖系の保湿成分です。 水分の蒸発を防いだり、角質を和らげます。 |
シルクアミノ酸 | 保湿 | シルクを加水分解して得られるアミノ酸混合物です。 あまり詳しい情報が出てきませんでしたが、保湿系の成分なようです。 |
フェノキシエタノール | 防腐剤 | 防腐剤です。エタノール(アルコール)とは異なる成分です。 抗菌作用が高く、製品中での微生物の繁殖を防ぎます。 高濃度では刺激になる可能性もありますが、化粧品では1%以下でしか配合できず、刺激はほぼありません。 |
ホクベイフウロソウエキス | 植物エキス | フウロソウ科のホクベイフウロソウから採れる植物エキスです。 お肌の炎症をケアする作用があると言われています。 |
カンゾウ根エキス | 整肌 | アトピーなどの皮膚炎を持つ人向けの化粧品にも多く配合されています。 約4000年前に発見され、古くから消炎などの漢方として使われてきました。今では葛根湯などの医薬品にも配合されています。 グリチルリチン酸やフラボノイドなどを含み、抗炎症以外にも、抗酸化、抗アレルギー、抗菌、刺激緩和、メラニン生成阻害などの効果を持ちます。 |
パンテノール | 整肌 | ビタミンB群のパントテン酸のアルコール型誘導体です。 保湿、傷跡ケア、抗炎症、ニキビケア、育毛などの作用があると言われています。 |
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマー | 乳化・増粘 | 製品を水の中に油が溶け込むO/W型に乳化し、粘度を上げてゲル化させる役割で配合されます。 O/W型は水に流れやすくさっぱり。乳液やクリームなどのスキンケアによく使われる乳化です。 肌への刺激はほとんどないと言われていますが、わずかな眼睛刺激は指摘されています。 |
ポリソルベート20 | 乳化 | 非イオン(ノニオン)界面活性剤・乳化剤です。 製品を水の中に油が溶け込むO/W型に乳化し、粘度を上げてゲル化させる役割で配合されます。 O/W型は水に流れやすくさっぱり。乳液やクリームなどのスキンケアによく使われる乳化です。 |
TEA | ph調整 | pH調整剤(アルカリ性)です。 安価な化粧品にもよく使われるアルカリ成分で、カルボマーなどと中和反応して化粧品を増粘させたり、合成界面活性剤の原料となります。 強く危険な成分ではありませんが、人によっては刺激を感じたり、肌荒れやアレルギーを起こす可能性があるので注意しましょう。 市販コスメの多くに入っているので、完全に避けるのは難しいと思います。 |
メチルパラベン | 防腐 | ごく少量の配合で、製品の抗菌・防腐に高い効果を発揮します。 パラベンは避けられがちですが、実際には化粧品に配合する防腐剤の中では毒性が低く、お肌への刺激も少ない防腐剤です。 メチルパラベンは代表的なパラベン4種類の中で、少し防腐力は弱めですが、低刺激です。 |
エチルパラベン | 防腐 | ごく少量の配合で、製品の抗菌・防腐に高い効果を発揮します。 パラベンは避けられがちですが、実際には化粧品に配合する防腐剤の中では毒性が低く、お肌への刺激も少ない防腐剤です |
プロピルパラベン | 防腐 | ごく少量の配合で、製品の抗菌・防腐に高い効果を発揮します。 パラベンは避けられがちですが、実際には化粧品に配合する防腐剤の中では毒性が低く、お肌への刺激も少ない防腐剤で |
ブチルパラベン | 防腐 | ごく少量の配合で、製品の抗菌・防腐に高い効果を発揮します。 パラベンは避けられがちですが、実際には化粧品に配合する防腐剤の中では毒性が低く、お肌への刺激も少ない防腐剤です。 ブチルパラベンは代表的なパラベン4種類の中でも高い防腐力を持ちますが、刺激は強くなるので要注意です。 |
イソブチルパラベン | 防腐 | ごく少量の配合で、製品の抗菌・防腐に高い効果を発揮します。 パラベンは避けられがちですが、実際には化粧品に配合する防腐剤の中では毒性が低く、お肌への刺激も少ない防腐剤です。 イソブチルパラベンはパラベンの中でも高い防腐力を持ちますが、刺激は強くなるので要注意です。 |
- LDK the Beauty コスメオブ・ザ・イヤー まつ毛美容液部門受賞
- LIPS 2020年 カテゴリ賞 まつ毛美容液部門 第1位